平成10年8月17日

福井県監査委員 殿

福井県職員措置請求書

別紙請求者目録(略)記載のとおり 55名

第1 請求の要旨

 平成6年度ないし8年度の知事部局、出納事務局、企業庁、議会事務局、教育委員会、人事委員会事務局及び地方労働委員会事務局の旅費支出の内、旅費調査委員会の旅費調査の結果、事務処理上不適切な支出とされ、かつ公務遂行上の経費に充てられたとされる旅費支出合計1,467,354,220円、平成9年度の金220,464,000円、並びに平成6年度ないし8年度の監査委員事務局の旅費支出の内、監査委員事務局旅費調査委員会の旅費調査の結果、事務処理上不適切な支出とされた旅費支出合計金10,249,000円は、いずれもいわゆるカラ出張であって、公務出張の事実がないのに支出された違法なものである。

 これらは、県の説明によれば、公務遂行上の経費に充てられたという。しかしながら、旅費支出件数の10%以上、支出額の30%近くもが旅費以外の目的に使用されているのに、適法な流用であるというのは、市民常識に照らして納得できない。

 新聞報道によれば、公務遂行上の経費に充てられた旅費支出であっても、国庫補助金は目的外使用として返還しなければならないのであるから、適法であるとは到底言えない。

 しかも、公務遂行上の経費に充てられたとされるものの中には、OA機器を購入したと言うものがあるが、そのようにして購入された備品は備品台帳にも登録されていないのであるから、私物であるOA機器を購入したり、自宅に持ち帰っていても分からない。

 また、新聞書籍の購入に充てられたとされるものもあるが、部局に必要な書籍類は別に正規に予算が計上されているのであって、いわゆるゴロ雑誌や業界紙の類が大量に購入されていると考えられるのであって、全く必要性・公務性が認められない。

 なお、平成10年3月に発表された県旅費調査委員会報告により初めてカラ出張の事実が判明したものであるから、支出から1年以内に請求が出来なかったことにつき正当な理由がある。

 また、情報公開請求によっても、不適切支出を特定するための公文書の開示を得られなかった(公文書としては存在していないとの理由による)ので、これ以上の請求対象の特定は困難である。他方、県旅費調査委員会及び各部局は既に不適切支出案件を個別に特定して調査しているのであるから、監査委員において容易に監査対象を特定できるものであるので、対象の特定も十分になされているものと思料する。

 よって、地方自治法242条1項の規定により、栗田幸雄知事に対する損害賠償請求等これによって生じた損害を填補するための必要な措置を請求する。

第2 添付書類

(1) 事実証明書

(2) 旅費調査結果と改善方策に関する報告書(旅費調査委員会)

(3) 旅費調査結果報告書(監査委員事務局旅費調査委員会)

(4) 公文書公開請求について(回答)

(5) 新聞記事