第11回定例会報告(1999/1/9)

◇ 年頭のご挨拶

 皆さん、新年明けましておめでとうございます。

 一九九八年一月九日、大雪の降りしきる中、第一一回定例会を国際交流会館で行いました。幹事二名も風邪を引いて欠席しており、今日は誰も来ないかなと思っていましたが、一二名もの出席者を得て、オンブズマンらしい活発な議論で新年第一回の定例会を飾りました。

 今立町の会員から、今立町工業団地反対問題で、平成一〇年暮れに、住民側の意見を町が全面的に受け入れて、工業団地一五haの計画を一〇haに変更させたという素晴らしい報告がなされました。その力になったのが、昨年五月に当会が県下全市町村に宛てて発送した、たった一通の旅費調査委員会設置の照会書でした。市民オンブズマン福井ができたことが町政を動かす大きな力となったのです。

 今年は、この今立町の例に見るように、県に対するオンブズマン活動だけではなく、市町村レベルのオンブズマン活動を活性化させていきたいと思います。地元に立脚した活動を進めましょう。

 と同時に、やはりこの今立町の例に見るように、行政に過去の反省を迫るだけではなく、現在進行している計画にどれだけ市民の声を反映させていくかということにも、力を注いでいきたいと思います。

 今年一年間も、福井を良くしていくために、みんなの力と知恵を集めてがんばりましょう。

◇ 二月総会の持ち方

 二月一三日は、総会です。会員の皆さんは、是非ともこの日だけはご出席下さい。

 そして、市民オンブズマン福井が発足してから一年を経過して行われるものですから、会員だけじゃなく、広く県民の方に参加して貰い、オンブズマン活動について理解をして貰い、今の県政の実態を知って貰う機会にしましょう。今年は、統一地方選挙の年です。栗田知事は、年頭所感で「参加と創造」という言葉を述べました。まさしくそういう年にしましょう。「参加と創造」の前提は、県政で今何が行われているかを知ることから始まります。そして、自分の頭で考え、何故?を大切にし、自分の意見を言うことです。

 会場は、国際交流会館地下の多目的ホールを使用します。二〇〇人以上は入れるそうです。ご近所の方や、オンブズマンって何?という疑問を持っている方を広く誘いましょう。

◇ 知事候補者への公開質問状

 幹事会で作成した原稿をもとに議論した結果、新たに「行政手法のあり方 @箱モノ行政という批判があるが、どう考えるか。A『参加と創造』というが、参加の前提として行政情報の開示は十分に行われているのか、Bまた県民の参加をどうやって実現しようと考えているのか、行政の用意した案を、一部の県民・業界代表者の入った審議会で形式的な審議をしてお茶を濁しているだけの現状をどう考えるのか」、「行政改革のあり方 職員定数・議員定数、や知事給与・知事交際費の削減についてどう考えるか」という項目を入れ、さらに別紙の通り変更の上、これを知事候補者に送付いたします。二月総会の席上で結果を報告します。乞うご期待!

◇ フェニックスパーク入札予定価格非開示異議申立棄却決定への対応

 平成一〇年四月に、フェニックスパーク関係の福井市の橋梁工事で談合が行われているとの噂に基づき、入札価格調書の情報公開請求を行ったところ、福井市長は入札予定価格について非開示決定をしました。福井県では、平成一〇年六月から、入札予定価格の公開に踏み切っているのに、福井市では未だにそれをしていません。そこで、五月にこの非開示決定に対して異議申立を行いました。ところが、この度、平成一〇年一二月二八日付で異議申立を棄却する旨の通知が届きました。

 これに対して、どう対応するかを議論しました。棄却決定の理由は、「(福井市では)設計金額を事後公表し、一部の工事では設計金額を事前公表している(のに)、予定価格を事後公表すれば、予定価格が設計金額のどれだけの割合を減じて設定されているかが判明し、以後、同種の工事について事前に予定価格が明らかになる(から)予定価格の事後公表は本市の(独自の入札制度改革の)取組みにブレーキをかけることにつながる」というものでした。

 しかし、これは談合の実態を知らない建前論であって、納得できるものではありません。なぜなら、業者は全て設計価格も入札予定価格も事前に知った上で談合が行われているのであって、入札予定価格を知らないのは、ひとり県民市民だけなのです。その実態に目をつぶって、入札予定価格を市民に公開しないというのは到底納得できるものではありません。訴訟を提起することも考えました。

 しかし、棄却決定の中で、福井市長は、「福井市では独自の入札制度の改革に取り組んでいる」というのですから、まずはその動きを見守ってあげることにしました。いわば執行猶予判決のようなものです。もし福井市の「独自の入札制度改革」が始まって一年が経っても、談合の実態が改まっていないようであれば、そのときこそ、情報公開訴訟や住民監査請求を提起していくことにしたいと思います。

 なお、入札予定価格については、同じく談合情報が流れた、県の永平寺川ダム工事についても、福井県知事から入札予定価格の非開示決定がなされています。県では、平成一〇年六月から入札予定価格の事後公表をしているにもかかわらず、それ以前の工事について入札予定価格を非開示とするのは、矛盾しています。しかも、県では、福井市のように独自の入札改善の動きはありません。もし福井県で入札予定価格非開示決定異議申立の棄却決定がなされたときは、訴訟を提起する方向で考えたいと思います。

◇ 情報公開市民白書

 発行部数は、県民に広くオンブズマン活動を知って貰うためには600部(できれば一〇〇〇部以上)を発行する。頒布価格は一冊1000円とする。

◇ 福井市議会議員海外視察旅費

 平成一〇年度の福井市長及び市議会議員の海外視察旅費の情報公開請求をしたところ、平成一〇年一二月二一日に開示がされました。

市議会議員関係では、七月一五日〜二四日にかけて、カナダ・アメリカに五名(伊東敏宏、山田俊臣、中村正秋、残二名は職員)が、一人五六万円合計二八〇万円の費用を使って海外視察に行っています。これについては、新聞でも報道されたとおり、簡単な視察報告書が出ています。山田議員と中村議員の連名で、ロサンゼルス郊外のショッピングセンターを訪問したという報告がされていますが、こんな議員のショッピングが海外視察なのでしょうか。

その他に、一〇月六日〜一五日にかけて、オーストラリア・ニュージーランドに山崎謙二議員、若山樹義議員が八五一、〇〇〇円の費用を使って海外視察に行っています。こちらは、視察報告書はまだないようです。

聞くところでは、議員海外視察は議員の特権のように受け止められていて、予算が増額されているようにも聞きます。公費で議員の海外旅行の面倒を見る必要があるのでしょうか。今年は統一地方選の年、議員に警鐘を鳴らす趣旨で監査請求をしてみてはどうでしょうか。

なお、福井市長の関係では、一一月三日〜七日にかけて、中国杭州に国際友好西湖マラソンにふくい友好訪中団として一般市民も参加するということで、市長と秘書課長が三一二、〇四〇円の費用を使って視察に行っています。