第16回定例会報告(1999/8/7)

猛暑お見舞い申し上げます

 8月7日、国際交流会館で、8月定例会を開催しました。

 7月定例会から以降、14日未明の6月補正予算議決の前後でめまぐるしいばかりの展開がありました。

 7月7日カラ出張17億円返還住民訴訟却下判決、同日カラ出張裏帳簿公開訴訟弁論、同日福井駅前で却下判決抗議街頭活動(ビラまき)、12日翌日の県会議傍聴を訴える福井駅前街頭活動、13日県会議傍聴、14日カラ出張5.5億国庫返還6月補正予算決議抗議声明、21日勝山市長ヨーロッパ視察旅費返還住民訴訟弁論、、31日全国市民オンブズマン神奈川大会全体会席上で伊東幹事報告、同日同大会分科会で観幹事報告、8月1日同大会全体会で福井県カラ出張国庫補助金返還問題に関する決議採択。

 表面に現れない舞台裏での調整もありました。その最たるものは、大会前日に発表されたカラ出張国庫補助金加算金自主返還報道です。大会で採択予定決議案では「管理職からの返還金4億6800万円と国庫返還金5億5000万円との差額を知事・県職員管理職から追徴する」という内容が入っていたのですが、それをどこからか聞き及んだのか、カラ出張国庫精算金のうち加算金(利息)1億4000万円を知事と職員が自主的に追加返還するというのです。この取扱をどうするか、決議文を変更するのかということが問題となりました。そこで、全国代表幹事高橋利明弁護士や新海事務局長らと急遽打ち合わせを行った結果、「カラ出張未返還金の全額の追徴を求める」という内容に変更しました。全国大会席上では満場一致で採択されました。

カラ出張国庫精算金支出差止監査請求提起へ!!

 国から自治体に補助金が多額に支出されています。3割自治と言われる財政面の実態です。それには使途が定められており、旅費として使途が定められている分の補助金は旅費として支出しなければならないことになっています。ですから、飲み食い等に充てた「不適正な支出」であろうと、パソコン等の購入に充てた「公務遂行上の経費」であろうと、カラ出張分は違法な支出にあたり、国庫に年10%以上の利息(加算金)を付けて返還しなければなりません。その総額が5億5000万円になります。県議会は、このような国庫精算返還金の支出を含む6月補正予算を議決しました。

 7月31日付新聞報道にあるとおり、既に中小企業庁分1129万円と国土庁分290万円を県は国に返還しましたが、その余は未だ各省庁と返還額の協議が整わず(要するに、返還する額が確定していないのに、県と県議会は5億5000万円の支出を議決したのです。分かりやすく言えば、購入金額も決まらないのに自宅を購入するようなものです)、8月中にはその協議を終えて、返還していく予定のようです。

 しかし、組織的不正の付けを県民の税金で処理するというこんなみっともないことを県議会が許したとしても、私たち県民は許しません。ましてや、国庫に返還するカラ出張分の明細は、何ら県民に知らされていないのです(当然のことながら、県議会議員にも!予算特別委員会では、明細を出す出さないで審議がストップしたのに、結局、明細のないまま予算特別委員会は国庫精算返還金の支出を議決し、本会議では県民に対する積極的な情報公開をすら否定したのです!選挙が終わってしまえば、県民なんかどうだっていいというのでしょうか。議員諸氏の見識のなさには呆れ果てるばかりです!)

 そこで、カラ出張国庫精算返還金の支出の差し止めと、仮に支出されてしまった場合はその返還(損害賠償)を知事に求める住民監査請求をしたいと思います。これは、オンブズマン会員のみならず、広く県民にも監査請求人になってもらいましょう。100人、200人以上の規模にして、県と県議会の反省を求めるものにしましょう。

 そのために、8月13日から監査請求人の募集を行い、8月24日には監査請求人名簿を取りまとめて監査請求をしたいと思います。監査請求人募集キャンペーンの初日には、だるま屋西武前で監査請求人募集の街頭活動を行います。皆さんも、自らが監査請求人になっていただくのは勿論のこと、周りの方にも声をかけていただき、さらには街頭活動にも参加して下さい。

 市民オンブズマン福井99夏の陣は、まだまだこれから熱く燃え上がります。皆さん、今年の夏の天気と同じように、熱く頑張りましょう!

<カラ出張国庫精算返還金補正予算資料>

@ 県予算特別委員会 「平成11年度福井県一般会計補正予算(第1号)に対する附帯決議」

A 本会議で否決された「国庫精算返還金の適正処理を求める決議(案)」

 (←※こんな当たり前の決議も県会自民党の反対で否決!県民無視も甚だしい!その県会自民党の反対の理由は次の発言を見て下さい。)

B 本会議での池田俊男(県会自民党)の反対討論

(←※この反対討論にチョーむかつくのは私だけでしょうか。県会自民党のおごりとしか感じられません。県民に対する積極的な情報公開も、県議会に対する適切な報告もいらない、委員会で議論したんだからいいじゃないか、というものです。この議員にとって、県会自民党という会派にとって、県民とは何なのでしょうか。

 と同時に、予算特別委員会でこういう附帯決議の提案をせずに、本会議直前になって急遽パフォーマンスだけで決議案の提案をした県民連合の姿勢にも問題があります。委員会では、県民連合の議員は、「(カラ出張について)これ以上釈明をしてもらうつもりはない」とか「予算上の縛りが強くて、不適切な支出になるのも仕方がない」などとカラ出張を擁護する発言をすらしていたのですから。

 要は、県議会では県民不在なのです。)