第七回定例会

☆この間の動き

 八月一七日、カラ出張不正支出残金約一七億円弱の返還を求める監査請求を福井県に提出しました。請求者数は、六五名(非会員を含む)です。九月三日現在、福井県では、「まだ正式受理はしていない」とのことでした。請求者の住民票との照合作業や、監査請求期間の問題の検討に時間を要するということのようです。

 カラ出張は、全国他の都道府県でも同様に行われていますが、責任の取り方は様々であり、青森県、埼玉県、東京都、兵庫県、奈良県、和歌山県、高知県、福岡県、大分県、鹿児島県では、いずれも不正支出の全額ないしそれ以上の返還がなされています。違法支出分(県の用語では「不適正支出」。「不適切な関係」というのと似た響きを持っていますね)四億七〇〇〇万円弱のみの返還で事足れりとしている県の対応は、大いに問題とされるべきです。

 次に、八月二二・二三日に大阪で開催された市民オンブズマン全国大会の成果も特筆されるべきです。福井からは、伊東さん・観さん・佐村木さんが参加されました。ここで出来た各地オンブズマンとの連携を大切にして、北陸三県のネットワークも作っていきたいと思います。

 特筆すべきは、ここで議会のあり方を追及した結果、翌週に開催される予定だった全国都道府県議会議員野球大会は中止されたことです。まさに市民オンブズマンの活動によって、行政の無駄遣いが是正された画期的な出来事でした(そのとき関東を直撃した台風は、行政にとってはまさに「神風」のようなものだったでしょう)。

 しかし、野球大会は中止されたものの、桜井よし子さんの講演とティパーティーは開催され、福井からは議員二三名(全国四番目の多さ)、職員九名が参加しました。この旅費は全額公費負担となっています。全国では、不参加四県、私費負担も一九都道府県もあるのに、福井のこの無駄遣いは大いに問題にされるべきです。一〇月には、監査請求を起こしていきたいと思います。

 

☆東京事務所ハイヤー料金の返還を求める監査請求提起を決定!

 前回の定例会で、観さんから報告のあった東京事務所の営業車(ハイヤー)借上料のうち、一回の利用料金が五万円を超えるもの合計一八〇万円について、県に返還を求める監査請求を提起することにしました。提出日は、九月二五日(金)午前一〇時の予定です。この監査請求も、個人名で行います。

☆一〇月一日県議会常任委員会傍聴の集い

 後の観さんの報告を受けて、早速、常任委員会の傍聴の許可申請をすることにしました。県議会でも、県民に開かれた議会を模索しているそうで、委員会傍聴許可申請書を作成してくれました(今までなかったということ!)ので、その労に報いるためにみなさんで傍聴しに行きましょう。申請書は九月一六日までに提出してくれということですので、とりあえず出席した会員で傍聴許可申請書に署名してもらいました。今回は、全員が傍聴できるかどうか分かりませんが、一二月議会では、さらに多くの人が傍聴できることになりそうです。

 ところが、9月議会の委員会傍聴はいずれも不許可となりました。何と非民主的・閉鎖的な議会でしょう!

☆公費のムダ 九八年全国都道府県議会議員野球大会は中止ー公費負担は半数以下

 毎年、国体開催地で開催され、「公費のムダ」と批判されてきた全国都道府県議会議員野球大会。ことし神奈川での第五〇回大会に向けて、全国のオンブズマンが各地で「議員のお遊びへの公金支出は違法」として、公費参加をやめるよう要求してきた。特に今回は、大会当日、写真撮影隊を派遣し、各地の議員の珍プレーなどの様子を写真に撮る予定であったが、こうした動きや市民の目を意識した結果か、ことしの大会は、私費負担一九都府県、公費負担一七道県、不参加四県、回答拒否と未定一府六県(八月二八日全国市民オンブズマン連絡会議調査)となった。

 集合した全国の議員たちは、八月二八日開催の桜井よし子さんの「これでよいのか地方行政」と題する講演会とティパーティーに参加したものの、大会は大雨でグラウンドの状態が悪いことを理由に全試合が中止された。公費参加の議員は、どのような思いで講演を聞いたのであろうか。

 <福井は全額公費で参加>

 ことしの福井県からの参加は、議員二三名、随行九名で、議員参加数は全国四番目(徳島二六名、新潟二四名、佐賀二四名の次)に多いが、全額公費負担である。不況と国民負担増に苦しむ庶民をよそに、議員はいったいどう思っているのか参加議員一人ひとりに聞きたいところだ。

 昨年は大阪で開催され、府の職員延約五〇〇人が送迎、記録、放送、飲み物サービス、球拾いなどなどに使用され府民の批判を浴びたが、福井県でも、聞くところによると、過去国体開催年であったかどうか、第何回目かの全国大会当番となり、県庁各課から若い職員が多数、職務専念義務を免除されて動員されたと言う。当時、県庁職員組合青年部の中には、「おかしいじゃないか」「議員だけでやればいいことじゃないか」と不満や抗議の声があがったが、組合執行部は、全国からの大切なお客様だと認め、当局の言われるままに実行されたという。

 来年からは、全国すべての議員がポケットマネーで参加し、大会の運営すべてを自治体職員を使用することなく、議員と秘書、支持者の協力で行うよう強く要求したい。

 

☆福井県議会の透明度 全国ワースト一六位ー議員一人当たり年三六〇万円の政務調査費の使途等不明

 八月二二日、大阪府高石市で開催された市民オンブズマン全国大会で、「九八年度議会情報閉鎖度ランキング」が発表された。新聞でも大きく報道されたが、福井県議会は、ワースト一六位となった。

 今回のランキング調査は、四月二四日、全国市民オンブズマン連絡会議と市民オンブズマン福井が連名で県議会議長に対し、@平成九年度実施の都道府県議員第四九回軟式野球大会の実施にかかる参加者、支出、結果等の分かる一切の関係文書、A平成9年度実施の議員の海外視察にかかる報告書、および参加者、旅費支出、結果等の分かる一切の関係文書、B平成八年、九年の議員調査費(福井県では議会政務調査費)の支出に関する文書、報告書これに類する一切の書類を公開するよう文書で願い出たことから始まった。これに対し、六月九日に議長名で、「議会は公文書公開の実施機関となっていないため公開できません」と、主権者である県民を無視しているとしか思えない、杓子定規のたった二行半の回答書が送られてきたのである。

 一方、これらの文書を知事部局において保管するものについても公開請求を行ったが、五月一一日、知事名により「請求にかかる公文書は存在しないため公開の可否の決定ができません」という通知(担当、財政課)があり、五月二五日出納事務局から平成八、九年度の歳出簿のうち議員の海外視察と議会政務調査費の支出金額が記載されたコピーが開示されたのである。たとえば、欧州原子力発電所等特別視察団旅費として、一〇月一三日に二四、五〇八、八一五円、五月一日に海外眼鏡博視察団旅費として、八、二〇七、一一五円などとあるだけで、誰が何時どこへ行き、どのような視察をしてきたのかは全く不明なのである。しかも、議員野球大会にかかる支出は、歳出簿の摘要欄にその旨の記載がないので不明と言われるお粗末なものであった。

 その後、追加調査として、県議会の総務委員会(福井県では総務教育常任委員会)の傍聴の可否、議事録等の閲覧などについて調査を行い、これらの結果が全国規模でまとめられたのである。

 問題は、議会は住民から選ばれた、住民を代表する機関であり、行政に対する監視機関としてもっとも住民に開かれ、情報公開されていなければならない機関のはずなのに、公文書公開条例で議会を対象からはずしてしまったことである。

 九月九日の新聞報道によると、県議会は、県会活性化推進検討会議の中で、公費支出、情報公開、委員会のあり方などを見直しているようであるが、第一になすべきことは、議会を公文書公開条例の実施機関に含めることである。また、ヤミ給与ではないかと疑問視されている議会政務調査費(議員一人当たり年三六〇万円)については、条例改正を待つことなく、その使途の状況をすべて県民に公開すべきである。議員野球大会に自己負担を設けるとあるが、参加議員の費用はすべて私費負担とすることは当然であり、議会事務局の職員などの随行は廃止すべきであろう。そもそも議員野球大会を福利厚生として行われているとの認識自体が間違っている。福利厚生とは、会社の従業員や県庁、市役所などの職員に認められるものであって、議員が自分たちのお遊びごとを「福利厚生」を理由として、これまでの公費負担を妥当とすることは許されない。

 三重県においては、市民オンブズマンのメンバーらが全国や地方ブロックの議員野球、ゴルフ大会に参加した議員に旅費の返還を求めていた監査請求で、県監査委員は七月一七日、支給された旅費合計八〇八、三三〇円は、「福利厚生が主な目的で公務性がない」と判断し、不当な公金の支出と認め、参加議員に返還を求める措置を九月末までに講じるよう知事に勧告したのである。そして、この不当支出の対象とされた行事の中に、昨年五月に福井県で行われた東海北陸七県議会議員親善ゴルフ大会も含まれている(伊勢新聞九八年七月一八日)。

 

☆福井空港事務所もカラ出張?!

☆敦賀市情報公開条例制定作業進む

 敦賀市情報公開・個人情報保護懇話会の公募委員である今大地さんの報告によりますと、情報公開の実施機関に議会も含まれそうだ、動燃や日本原電の原子力情報も公開される、公務員の氏名も全部公開の方向だ、ということで、画期的な答申が作成されそうです。ただし、気がかりなのは、事務当局が極めて進歩的であるのに対し、懇話会メンバーがそれについて来れておらず、懇話会の審議自体も非公開となったことです。今後の動きを注目しましょう。

☆関連著書の紹介

 『日本を洗濯する』全国市民オンブズマン連絡会議編/教育資料出版会 一七八五円

 『オンブズマンが行く』広島・市民オンブズマン会議         一五七五円

書評

☆市民オンブズマン全国大会に参加された伊東さん・観さん・佐村木さんの旅費カンパのお願い

 三人の交通費・資料代・宿泊費で約八万円かかっています。お気持ちで結構ですので、カンパをお願いします。なお、定例会当日にカンパをお願いしましたところ、二万七〇〇〇円集まりました。ありがとうございました。三人に贈呈しましたところ、ご本人はいずれもそのカンパを会に寄付していただきました。