やまなし

お魚は・・・・・・。」

 そのときです。にわかに天井に白いあわが立って、青光りのまるでぎらぎらする鉄砲だまのようなものが、いきなり飛びこんできました。

 兄さんのかには、はっきりとその青いものの先が、コンパスのように黒くとがっているのも見ました。と思ううちに、魚の白い腹がぎらっと光って一ぺんひるがえり、上の方へ上ったようでしたが、それっきりもう青いものも魚の形も見えず、光の黄金のあみはゆらゆらゆれ、あわはつぶつぶ流れました。

 二ひきはまるで声も出ず、居すくまってしまいました。

絵を工夫したところ

鳥のくちばしを黒くとがっていてコンパスの先のように書いた。

作者の思い

強い者と弱い者の戦いの戦場は、かにの見てる上でとっても残酷でさみしくない。

ここらへんで、みんなをびびらせたかったのである。