二 十二月
かにの子供らはもうよほど大きくなり、底の景色も夏から秋の間にすっかり変わりました。 白いやわらかな丸石も転がってき、小さなきりの形の水晶のつぶや金雲母のかけらも、流れてきて止まりました。 その冷たい水の底まで、ラムネのびんの月光がいっぱいにすき通り、天井では、波が青白い火を燃やしたり消したりしているよう。辺りはしんとして、ただ、いかにも遠くからというように、その波の音がひびいてくるだけです。 かにの子供らは、あんまり月が明るく水がきれいなので、ねむらないで外に出て、しばらくだまってあわをはいて天井の方を見ていました。
絵の工夫したところ
あまりうまくできなかった
賢治の思い
かにの子供らが大きくなったと、いいたかったと思う