運行表に戻る 前の停車駅 次の停車駅


「 カミガマッテイル 」





湿った街の乾いた路上に

カミガマッテイル

ひらひら、ひらひら

頼りなげに

もてあそばれるように



定めの間を

定めに従って、ただ

循環しているのかもしれない



だけど頼りなげで

もてあそばれているようで



時間の軸の上を

自然の循環に乗って

僕は刹那を千切り取った



重ねた破片の内側で震えている

この心の寂しん坊



君も

僕も

みんな

誰もが

ひらひらと



出会った理由なんて知らない

どうしてこんなに、寂しいのかも

寂しさを埋めるたび寂しくなっていく



誰か答えを

嘘でも構わないから



笑顔を見せて欲しいわけじゃなくて

ただこの寂しさにピッタリ重なって

心だけになって本当の事を話したい



僕たちの間に

通じ合うものがあるとすれば



合わせ鏡の自分を見つめながら

行き場のない君の涙が僕の体にも流れてる

寂しん坊は

等しく天から舞い降りて

あらゆる心に寄り添って暮らしている



やがて雨が降れば、漂うことも許されず

定めの翼をもがれた君は、血まみれになって

けだるい夏の夕暮れの大地に堕ち、泥にまみれる



君はそんな夕立の予感に震えて、自ら翼を折ってしまう

綿花に滲んだ赤い太陽が、空にある君の血糊を拭っている



同じ過ちを感じ合えたり、同じ寂しさを語り合えたり

天から舞い降りて降り積もる寂しん坊を

お互いの心に見つめながら



ひらひらと舞う君の翼のひとひらを

僕の寂しん坊が抱き寄せている



そんな毎日を信じて欲しい

君は感じるだろうか

君の心の中の

僕の心の中に

カミガマッテイル


運行表に戻る 前の停車駅 次の停車駅