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ホムンクルスV-3





写真は嫌い

あなたの横で幸せそうに

知らない人が笑っているから

そしてわたしだけが

写らないから



鏡は好き

あなたはわたしを

並んで映してくれたもの

あなたはキラキラして

わたしは揺れていたけれど



時を留める写真

その場限りでしかない鏡

少しだけ嘘をつくことができる写真

ありのままを見せてしまう鏡

ほんとは写真がいい



ひとりぼっちのガラスの向こう

あなたの写真の切なさは

わたしに熱を注ぎ込む

悲しみの音さえ聞こえてしまう鏡より

とても優しい感じがしています




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