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医療相談のご利用に際して
 インターネットを利用して医療相談や医療情報を活用していただくことに関して私なりの見解を述べさせていただきます。
 インターネットを通して提供できるのは、あくまで文字情報、画像情報などであります。もちろん、情報の提供は相互に行うことが可能ですが、病気の診断をおこなうにあたって、文字情報や画像情報はわずかな情報量にすぎません。我々医師が日常、診断を行う際には、問診、視診、触診、聴診を行った上で、各種検査をおこなって診断にたどり着くのが一般的です。

 しかるに、私がおこなっている医療相談では問診の部分しかおこなえません。将来的には、画像情報を提供していただいて視診までカバーすることが可能かと思いますが、それでも診断に必要な情報の極一部しか入手することはできません。そのような現状で、どの程度のセカンドオピニオンが可能か、疑問が残ります。したがって、医療相談にお答えする際に、常に心がけていることは、断定的な診断は厳に慎むべきであるということです。誤った情報提供は、犯罪にも値すると思うからです。


 私が医療相談で行いたいと思っていることは、あくまで啓蒙であります。病院を利用する正しい方法、病気に対する正しい知識、医師との信頼関係を築くための方法を知っていただくことが目的なのです。それらの知識を持って、病院で専門医の正しい診断を受けていただくことが、正しい医療を受けるために必要なことだと考えます。現に、相談をされる内容の多くは、本来主治医に質問すべき内容で、主治医に質問される前に相談をされることが多いのです。そのような場合には、私の見解を述べた上で、必ず主治医ともっと密なコミュニケーションをとるように、助言しています。

 このようなご相談が多いという背景には、医療側の責任もあると思われます。率直に主治医に質問ができない、あるいは質問しても十分な情報が提供されない、といった現状があるからでしょう。これに関しては、臨床に身を置く医師として、反省すべき点があると感じています。しかし、医師とのコミュニケーションが不十分であることにより不利益を被るのは、患者さん本人であることは明らかであります。こういったことのないように、医療が患者さんに対して正しく利益を提供できるように環境を整える役割が、インターネットの医療情報にはあると考えています。