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甲状腺癌の診断と治療
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核医学的検査
基本方針
乳頭癌
濾胞癌
未分化癌
再発例
手術不能例
超音波検査
エコーとも呼ばれています。超音波を用いて、内臓の様子を観察します。甲状腺癌においては、甲状腺の腫瘍の有無やリンパ節への転移を観察します。体に害のない検査なので、比較的頻繁に用られます。ただし、体型などによっては、臓器の観察が容易でなかったり、検査を行う術者の技量によって、診断の信頼性に差が出るという欠点があります。

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頚部CTスキャン
レントゲンをもちいて、人体の輪切り像を見る検査です。甲状腺癌においては、甲状腺の腫瘍の有無やリンパ節への転移を観察します。造影剤を用いない「単純CT」と造影剤を静脈注射しながら撮影する「造影CT」があります。通常、1回の検査で両方の撮影を行います。造影剤を用いることにより、腫瘍の存在がより明確になります。
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頸部軟線撮影
レントゲン写真の一種で、甲状腺の石灰化の検出に用います。
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穿刺吸引細胞診
甲状腺に細い針を刺し、細胞を採取します。腫瘍の細胞を直接検査できるため、この検査で癌細胞が検出されれば、まず100%癌と診断されます。ただし、癌細胞が検出されない場合に、癌を否定できるわけではありません。腫瘍の細胞が取れていない可能性があるからです。また、濾胞腫瘍の場合は、良性と悪性の鑑別が難しいことがあります。
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核医学的検査
放射性元素をもちいて、甲状腺の形態、機能を検査します。癌の診断には、ヨウ素、タリウムやガリウムなどの元素が用いられます。
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基本方針
乳頭癌、濾胞癌では甲状腺亜全摘と周囲リンパ節郭清が標準で、90%近い治癒が得られます。未分化癌は極めて悪性度が高く、切除しても高率に再発するため放射線療法と抗癌剤治療が主となります。
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乳頭癌
甲状腺癌の80%を占める癌で、適切な手術をおこなえば予後は良好です。手術は甲状腺亜全摘、リンパ節郭清が標準です。気管や食道に癌が進展している場合は合併切除も必要となります。しかし、少数ですが低分化のものでは再発や転移を起こす可能性があり、注意が必要となります。
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濾胞癌
切除は乳頭癌に準じます。
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未分化癌
高齢者に多く、急速に進行します。予後は極めて不良で手術によって治癒することはほとんど期待できません。放射線療法と抗癌剤治療を行いますが、長期の延命につながることは少数です。
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再発例
頚部リンパ節再発例では、再手術によってリンパ節を切除することにより治癒が期待できます。肺や骨などの遠隔転移では、甲状腺全摘後に放射線物質を注射する、内照射が効果的です。
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手術不能例
全身状態が不良であったり、手術を拒否した場合は、経皮エタノール注入療法(PEIT)を行います。根治性は手術に劣りますが、癌との共存をはかる意味では価値ある方法と言えます。
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