ALBUM COLLECTION バックナンバー 1999

January Februaly March April May June July August September October Nobember December


  1. THE PLAGUE/ABLAZE MY SORROW
  2. OMEGA CONSPIRACY/AGENT STEEL
  3. AMEN/AMEN
  4. TUONELA/AMORPHIS
  5. BLEED/ANGEL DUST
  6. CRITERIA FOR A BLACK WIDOW/ANNIHILATOR
  7. BURNING BRIDGES/ARCH ENEMY
  8. ARK/ARK
  9. FORCES OF NATURE/ARTENSION
  10. NO ESCAPE/AT VANCE
  11. AS NIGHT CONQUERS DAY/AUTUMN LEAVES
  12. TEN MORE TALES OF GLAND ILLUSION/BALANCE OF POWER
  13. ONCE UPON A STAR/BLACKSMITH
  14. BLO.TORCH/BLO.TORCH
  15. SCREAM FOR ME BRAZIL/BRUCE DICKINSON
  16. CARAVAN BEYOND REDEMPTION/CATHEDRAL
  17. GOD COMPLEX/CENTAUR
  18. HATEBREEDER/CHILDREN OF BODOM
  19. TOKYO WARHEARTS - LIVE IN JAPAN 1999/CHILDREN OF BODOM
  20. INSIGHT/CHROMING ROSE
  21. RAIN FOREST/CONCERTO MOON
  22. COSMOSQUAD
  23. ASTRONOMICA/CRIMSON GLORY
  24. IN THE BEGINNING/CRYSTAL BALL
  25. MANIFESTO FOR FUTURISM/DALI'S DILEMMA
  26. RUSTED ANGEL/DARKANE
  27. GIVE ME LIGHT/DARKSEED
  28. PROJECTOR/DARK TRANQUILLITY
  29. ONE NIGHT IN CARCOSA/DAWN OF RELIC
  30. TIME IS PROGRESS/DELIRIOUS
  31. REBORN IN PAIN/DEVILYN
  32. WINGS OF TIME/DGM
  33. SPIRITUAL BLACK DIMENSIONS/DIMMU BORGIR
  34. FOR ALL TID + LIVE!!/DIMMU BORGIR
  35. DRAGONLORD(TALES FROM THE NOBLE STEEL)/DOMINE
  36. VERY/DREAMSCAPE
  37. METROPOLIS PT.2:SCENES FROM A MEMORY/DREAM THEATER
  38. A HANDFUL OF NOTHING/EBONY TEARS
  39. THEATER OF SALVATION/EDGUY
  40. IX EQUILIBRIUM/EMPEROR
  41. DESIRE/ETERNAL FLAME
  42. DANCE ACROSS THE PAST/EXHUMATION
  43. FIREBIRD/FIREBIRD
  44. STAIRWAY TO FAIRYLAND/FREEDOM CALL
  45. POWERPLANT/GAMMA RAY
  46. DEADLY FAIRYTALES/GANDALF
  47. SOULBURNER/GARDENIAN
  48. KNIGHTS OF THE CROSS/GRAVE DIGGER
  49. EXCALIBUR/GRAVE DIGGER
  50. THE PHANTOM NOVELS/GRIEVANCE
  51. SOLIDIFY/GRIP INC.
  52. EMBRACE THE WORLD/HARROW
  53. MENERGY/HEAVENS GATE
  54. LORD OF THE SKY/HEIMDALL
  55. THE TEMPLE OF THEIL/HEIMDALL
  56. HYPOCRISY/HYPOCRISY
  57. CONSORTIUM PROJECT/IAN PARRY
  58. THE GREAT DIVIDE/ICE AGE
  59. ALIVE IN ATHENS/ICED EARTH
  60. COLONY/IN FLAMES
  61. WORLD OF ICE/INSANIA
  62. THE GATE OF PLEASURE/IN THY DREAMS
  63. UNIFICATION/IRON SAVIOR
  64. INTERLUDE/IRON SAVIOR
  65. FEEDING THE MACHINE/JAMES MURPHY
  66. THE RASPBERRY JAMS/JASON BECKER
  67. THE LAST VIKING/JOHANSSON
  68. SLIPPED INTO TOMORROW/JOHN NORUM
  69. SILENT SCREAM/KELLY SIMONZ
  70. ANIMATRONIC/THE KOVENANT
  71. ENDORAMA/KREATOR
  72. TIMELESS CRIME/LABYRINTH
  73. ELODIA/LACRIMOSA
  74. QUEEN OF THE OCEAN/LANA LANE
  75. ECHOES FROM THE OCEAN/LANA LANE
  76. FALL FROM GRACE/LIONS SHARE
  77. KING OF THE NORDIC TWILIGHT/LUCA TURILLI
  78. ABSTRACT SYMPHONY/MAJESTIC
  79. WARNING FROM HISTORY/MARSHALL LAW
  80. ANGELS OF THE APOCALYPSE/MASTERMIND
  81. RISK/MEGADETH
  82. 9/MERCYFUL FATE
  83. CHAOSPHERE/MESHUGGAH
  84. MASTERPEACE/METAL CHURCH
  85. MILLENNIUM METAL -CHAPTER ONE-/METALIUM
  86. S & M/METALLICA
  87. NEMESIS/MIDNIGHT SUN
  88. NAILED TO THE SHADE/MIND ODYSSEY
  89. SIGNS/MIND ODYSSEY
  90. LIBERTINE HUMILIATIONS/MISANTHROPE
  91. GATHERED AROUND THE OAKEN TABLE/MITHOTYN
  92. IN DARK PURITY/MONSTROSITY
  93. SATAN'S WEPT/MOON
  94. THE BUTTERFLY EFFECT/MOONSPELL
  95. KEEP IT TO YOURSELF/MULLMUZZLER
  96. 34.788%......COMPLETE/MY DYING BRIDE
  97. DRACHENBLUT/MYSTIC CIRCLE
  98. REALITY...FATE/N8
  99. DREAMNING NEON BLACK/NEVERMORE
  100. DIVA FUTURA/NIGHTFALL
  101. OCEANBORN/NIGHTWISH
  102. BLASPHEMY/NINNGHIZHIDDA
  103. THE SACRED TALISMAN/NOCTURNAL RITES
  104. CRYSTAL TEARS/ON THORNS I LAY
  105. ANYTHING WORTH DOING IS WORTH OVERDOING/PRETTY MAIDS
  106. JAWS OF DEATH/PRIMAL FEAR
  107. Q2K/QUEENSRYCHE
  108. TECHNICAL DIFFICULTIES/RACER X
  109. GHOSTS/RAGE
  110. ONE FOR ALL/RAVEN
  111. SONS OF SOCIETY/RIOT
  112. KALEIDOSCOPE/ROLAND GRAPOW
  113. FEAR/ROYAL HUNT
  114. WALKING THROUGH MIRRORS/SCUDIERO
  115. MISTRESS OF THE SHADOWLIGHT/SECRET SPHERE
  116. SEVEN WISHES/SEVEN WISHES
  117. MADE IN JAPAN/SEX MACHINEGUNS
  118. TWILIGHT/SHADOWS OF STEEL
  119. SHOCKMACHINE
  120. COSMIC HANDBALL/SILENT MEMORIAL
  121. BEWARE THE HEAVENS/SINERGY
  122. THE CREATION/SINS OF OMISSION
  123. CODE RED/SODOM
  124. THE CHAINHEART MACHINE/SOILWORK
  125. HEAVEN CAN WAIT/STORMWIND
  126. ODYSSEY/TAROT'S MYST
  127. FEAR THE FORCE/TEN
  128. THE GATHERING/TESTAMENT
  129. SKELTON SKELETRON/TIAMAT
  130. DISCLOSURE IN RED/TRAIL OF TEARS
  131. QUESTIONS/TREASURE LAND
  132. VISION DIVINE/VISION DIVINE
  133. VK3/VITALIJ KUPRIJ
  134. HELLDORADO/W.A.S.P.
  135. THE NUDE BALLET/WITHERING SURFACE
  136. ABSORBING THE ASHES/WITHOUT GRIEF
  137. ALCHEMY/YNGWIE J MALMSTEEN'S RISING FORCE
  138. ASIAN TYPHOON/X.Y.Z.
  139. A TRIBUTE TO ACCEPT/V.A.

January

CARAVAN BEYOND REDEMPTION/CATHEDRAL

キャラバン・ビヨンド・レディンプション/カテドラル

TOY'S FACTORY TFCK-87164

[☆☆☆☆]

いやあ、初めて聴いたのですが最初の曲が思った以上にグルーヴある聴き易い曲だったため、先入観が多少崩れました。とはいえ、最近の彼等は初期とは作風も変化しているようですが。ブリティッシュな薫りを感じさせるヘヴィロックな世界が待ち受けています。骨太なリフと躍動感あるリズムが夢想的な歌詞世界とともに聴き手を退廃的で妖しい世界へと誘います。

CAPTAIN CLEGG

GOD COMPLEX/CENTAUR

ゴッド・コンプレックス/セントアー

MARQUEE INC., MICY-1093

[☆☆☆☆]

ドイツ出身のオーセンティックなヘヴィメタルを創り続ける彼等ですが、前作で見せたソリッドでメタリックな雰囲気を持ちながら、起承転結のはっきりしたメロディアスなインストゥルメンタル・パートを強く意識させるサウンドに仕上げてきました。古典的とも感じられるギターソロはモダンなリフと絡み合って、どこかしら不思議な、それでいて落ち着けるものに思えます。ハイトーン・ヴォーカルも楽曲と馴染んできて一体感が増しているようです。

SONNENKIND

THEATER OF SALVATION/EDGUY

シアター・オブ・サルヴェイション/エドガイ

VICTOR VICP-60584

[☆☆☆]

昨年はブライテスト・ホープにもなろうかと言う期待の星だった彼等ですが、このアルバムでは大変な事になっています。華麗なイントロダクションから続くパワーメタル・ナンバーが微かな不安を呼び起こしますが、それはアルバムを聴き進めていくうちに徐々に大きくなっていきます…。

うわあああ!どっかで聴いたことあるよぉ!

というわけで、(ハロウィン+ガンマレイ+ストラトヴァリウス)÷3といった楽曲がずらりと並んだ本作はオリジナリティを意図的に消し去ったかのような見事な仕上がりをみせており、凄い事になってます。成長している事は確かなのですが、どうも方向性を誤ったような。とりあえず、「エドガイしか聴かない!」という方、もしくは過去の記憶を忘れさる事のできる方は幸せに過ごす事ができるでしょう。良質なメロディック・パワーメタル・チューンが揃っている事は間違いありません。

評価は、楽曲だけなら[☆☆☆☆]、今後が心配なので[☆☆]の間を取ったものになっております。
で、こういう作品の次は概してヘヴィネスに走りがちなので要注意です。

THE UNBELIEVER

DANCE ACROSS THE PAST/EXHUMATION

ダンス・アクロス・ザ・パスト/エグズメーション

MARQUEE INC., MICY-1094

[☆☆☆☆]

ギリシャのメロディック・デスメタルです。イン・フレイムスのイエスパー・ストロムブラードが一曲参加してます。さらにフレドリック・ノードストロムのプロデュースと言えばメロデス通の方には大体の音像が掴めてしまうのではないかと思われますが、そのとおり。ダーク・トランキュリティーやイン・フレイムスを彷彿とさせる扇情性の高いサウンドになっています。その確かな演奏とサウンドは安心して聴くことができるクオリティです。ディストーション・ヴォーカルも暴虐性を表現するのに充分な説得力を持っています。先人達を越える可能性もあるかも?

MOONLESS NIGHT

KNIGHTS OF THE CROSS/GRAVE DIGGER

ナイツ・オブ・ザ・クロス/グレイヴ・ディガー

VICTOR VICP-60596

[☆☆☆☆]

海外では昨年の内にリリースされていましたが、ようやく日本盤も登場です。テンプル騎士団の物語を描いたコンセプトアルバムである本作は、ブラインド・ガーディアンに見られる、曲間のSEやクワイアを多用して厚みと奥行きのあるサウンドを作ることに重点が置かれています。ヴォーカルもダーティな声と落ち着いた声を使い分けて、物語性を高めています。ヘヴィメタルらしい楽曲を揃えた雄々しいアルバムになっています。
そして、キル・ザ・キングとかやってますけど、出来についてはノーコメント(苦笑)。

OVER THE SEA

SOLIDIFY/GRIP INC.

ソリディファイ/グリップ・インク

VICTOR VICP-60578

[☆☆☆☆]

前作までの疾走感を中心とした突進するナンバーばかりではなく、ゴシックめいたムーディなナンバーやメロディ重視のダークな曲など多様性を色濃く感じさせるアルバムになっています。コアでソリッドなサウンドとグルーヴ感が合わさって、深みのある楽曲が増えています。そんな中でもデイヴ・ロンバートのドラミングは耳を惹くものになっています。珍しくデジパックになっているところにビクターのやる気が見えるような気がするのは気のせいでしょうか…。

ISOLATION

LORD OF THE SKY/HEIMDALL

ロード・オブ・ザ・スカイ/ヘイムダール

DREAM CHASER SCCD-4

[☆☆☆]

北欧神話の神、ヘイムダールを描くコンセプトアルバムである本作はその世界観にふさわしい勇壮で壮大なサウンドを哀愁あるメロディと共に力強く描き出すものになっています。ブラインド・ガーディアンを想起させるコーラスを多用した大仰で劇的な展開が耳を惹きます。またクラシカルなギターソロが随所に登場し複雑な楽曲を盛り上げています。
しかし、ブレイズ・ベイリー(現アイアンメイデン)とカイ・ハンセン(現ガンマレイ)を足して2で割ったようなヴォーカルが楽曲の魅力をスポイルしている事も否めず、またプロダクションの悪さも手伝って彼等の能力を十二分に発揮させるには至っていません。演奏も多少散らかったところが見受けられ、音楽の方向性は定まっているとは言え、今後の成長が期待されるところです。

THE ISLAND OF ANCIENT STONE

UNIFICATION/IRON SAVIOR

ユニフィケイション/アイアン・セイヴィアー

VICTOR VICP-60566 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

まるでメロディック・スピードメタルの代名詞ともいえるジャーマンメタルの教科書的で、ジャーマンメタル・ファンの希望を全て叶えたかのようなアルバムです。その勇壮で雄々しく、それでいて親しみやすいメロディラインとキャッチーなコーラスを持つサウンドは、時にハロウィン、時にガンマ・レイの要素を見せつつ劇的な展開を繰り広げます。その世界観は独特のセンスと共に気恥ずかしさを覚える…かも知れませんが、時には純粋に楽しむのも良いのではないでしょうか。

CHAOSPHERE/MESHUGGAH

ケイオスフィアー/メシュガー

MARQUEE INC., MICY-1095

[☆☆☆]

テクニカルで冷徹なサウンドを産み出すメシュガーのサードアルバムです。前作までのプログレッシヴな感覚が多少薄まりフィア・ファクトリーにも似たアグレシッヴかつ直線的で破壊的な楽曲になっています。さらに苦痛寸前のノイズな感覚が聴覚を激しく刺激します。

CORRIDOR OF CHAMELONS






Februaly

AGENT STEEL | ARTENSION | CRYSTAL BALL | DARKANE | JOHANSSON | LANA LANE | LIONS SHARE | MAJESTIC | MIND ODYSSEY | NEVERMORE | NINNGHIZHIDDA | PRETTY MAIDS |

OMEGA CONSPIRACY/AGENT STEEL

オメガ・コンスピラシー/エージェント・スティール

Candlelight 038CD [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B000HWXS2S  カリフォルニア出身のバンドの解散から復活のサードアルバムです。80年代パワーメタル的な力押しの歌唱をするハイトーンヴォーカルを擁するパワーメタリックなサウンドを作っており、楽曲のインストゥルメンタルが高めで複雑な曲展開を見せてます。スピード感あるザクザクしたリフをメロディアスなギターソロで彩っており、ダイナミックで起伏のある曲が揃ってます。たまに音程を外し気味なヴォーカルとかドラムの音などがあまり良くないとか少し問題点もありますが、全体的には爽快な出来に仕上がっていて疾走感あるツインリードとかも結構良い感じです。80年代的な色合いが目立ちますが90年代ヘヴィネスの波を確かに通りぬけた印象もあります。どの辺りがジューダス・プリーストをスラッシーにした感じなのかはよく分かりませんが、世の中にはこういうのが気に入らない人が少なくとも一人はいるみたいです。
同系統アルバム
CHAOSDRAGON RISING/TERROR SQUAD
SCHIZO DELUXE/ANNIHILATOR
THE ART OF DYING/DEATH ANGEL

FORCES OF NATURE/ARTENSION

フォーシズ・オヴ・ネイチャー/アーテンション

ROADRUNNER RECORDS RRCY-1092

[☆☆☆]

ネオクラシカルでプログレッシヴなヘヴィメタルを創り出すアーテンションのサードアルバムです。確かな演奏技術に裏打ちされたテクニカルなプレイは常に安定しており、プロフェッショナルな仕事ぶりを聴かせてくれています。 ただ、インストゥルメンタル・パートでも、キーボーディストでありメインソングライターのヴィタリ・クープリのソロアルバムほどの緊迫感は見られず、ヴォーカル・メロディも予定調和のきらいもあり、全体的に緊張感やスリリングな要素が足りず、ぬるい感じもありますが、 美しいメロディとソウルフルで力強いヴォーカルは健在なので一定以上のクオリティは保たれています。決して期待を上回るほどではありませんが。

そういえば、ジャケットの出来が安いです、いつも。

THE TRUTH

IN THE BEGINNING/CRYSTAL BALL

イン・ザ・ビギニング/クリスタル・ボール

ZERO CORPORATION XRCN-10026

[☆☆☆]

最初の曲でオーセンティックなヘヴィメタル?と思わせますが、基本的にはメロディアスなハードロックをやっています。バンド名にふさわしい透明感あるサウンドが哀愁を帯びたメロディにコーラスのハーモニーが重なってキラキラ(笑)ワールドを繰り広げています。もちろんハードなエッジの利いたナンバーもあります。 ヴォーカルが多少不安定にも感じられますが、楽曲の出来が細かい不満を吹き飛ばしてくれます。

FIRE STILL BURNS

RUSTED ANGEL/DARKANE

ラスティッド・エンジェル/ダーケイン

TOY'S FACTORY TFCK-87168

[☆☆☆☆☆]

ホラー映画のような荘厳な混声コーラスとパワフルなドラミングのイントロを過ぎると、そこは激烈に疾走するデスラッシュ・ワールド。同じスウェーデン出身のアーク・エナミーに参加していたドラマーが中心になって結成されています。スラッシュ然としたリフの鋭さと扇情的なギターソロの絡みも心地よく、直線的な吐き捨て型のディストーション・ヴォーカルが攻撃性を高めています。例えて言うと、アーク・エナミーをさらにスラッシュメタル寄りにした感じでしょうか、とにかく複雑なリズムやテクニカルなプレイを見せながらも、決して疾走感を失うことなく駆け抜けていきます。そして、劇的で複雑な展開を持つナンバーもあります。
ジャケットもダークでいい感じです。

RUSTED ANGEL

THE LAST VIKING/JOHANSSON

ラスト・ヴァイキング/ヨハンソン

PONY CANYON PCCY-01340

[☆☆☆☆]

その筋では有名なヨハンソン兄弟の三作目です。ネオクラシカルで様式美を追求しているこのアルバムでは、さらにジャンルの専門家とも言えるヨラン・エドマン(北欧メタル色々)とシンフォニー・Xのマイケル・ロメオが参加しており、万事抜かり無しといった布陣で制作されています。サウンドの方もメンバーから予想されるハイトーン・ヴォーカルにきらめくようなキーボードと流麗なギターソロをふんだんに盛り込んだ華麗でスリリングなものになっています。
何と言っても、日本に生まれて良かった、のボーナストラックは“サムライ”という多分に日本を意識した曲です。だからといって曲調が日本的というわけではありません。

BURNING EYES

QUEEN OF THE OCEAN/LANA LANE

クイーン・オヴ・ジ・オーシャン/ラナ・レーン

MARQUEE INC., MICY-1100

[☆☆☆☆☆]

シンフォニックで壮大なイントロから始まるこのアルバムはオーケストレーションをふんだんに盛り込んだダイナミックでドラマティックなものになっています。ハードロックのエッジを保ちつつ劇的な展開を見せる楽曲が、アルバムジャケットに象徴される幻想的な世界を、感情を豊かに表現するヴォーカルと幾重にも重なり合う音の波によって、色鮮やかに紡ぎだしていきます。
流麗で美しいメロディが渇いた心に染み渡る事でしょう…。

SOULS OF THE MERMAIDS

FALL FROM GRACE/LIONS SHARE

フォール・フロム・グレイス/ライオンズ・シェア

AVEX AVCB-66060

[☆☆☆☆]

力強いヴォーカルが、ヘヴィでダークなバックのサウンドにのってダイナミズムあふれる楽曲を産み出していきます。複雑な展開を持った楽曲は時にテクニカルなフレーズやメロディアスな旋律を奏で、重厚でシリアスな歌詞世界を表現していきます。5のような叙情的なバラードや7のようなクイーンばりの多重コーラスで構成された楽曲もありアグレッシヴでダークなだけではない幅の広さを感じさせます。
ジューダス・プリーストのカバーもやっています。

UNHOLY RITES

ABSTRACT SYMPHONY/MAJESTIC

アブストラクト・シンフォニー/マジェスティック

ZERO CORPORATION XRCN-10027

[☆☆☆☆]

派手なインストゥルメンタル・ナンバーで始まるこのアルバムはネオクラシカル様式美を文字通り表現したものになっており、イングヴェイに連なる様式美系アーティストのファンの溜飲を下げるものです。 スウェーデンのバンドである彼等は、北欧様式美の雄イェンス・ヨハンソンを彷彿とさせるプレイを聴かせるキーボードとテクニカルなギターの掛け合いがメロディアスでドラマティックな楽曲を産み出しています。
多少、類型的に流れてしまうフレーズや今まで何度と無く取り上げられたクラシック曲をモチーフにするところもありますが、力強いヴォーカル、全編通して弾きまくるキーボードの活躍振りと、その向うを張るギターが期待に違わぬサウンドを聴かせてくれています。

NITRO PITBULL

NAILED TO THE SHADE/MIND ODYSSEY

ネイルド・トゥ・ザ・シェイド/マインド・オデッセイ

VICTOR VICP-60621

[☆☆☆☆]

メンバーチェンジやレーベル移籍などのトラブルを乗り越えて制作された本作は、プログレッシブ風味のパワーメタルです。安定したプレイに支えられたテクニカルなフレーズやトリッキーで複雑な曲展開、様々な彩りに満ちた楽曲が初期のドリーム・シアターやクイーンズライチのような空気を感じさせ、ヨーロピアンテイストのメロディがそれらを活き活きとしたものにしています。

IN THE DARK

DREAMNING NEON BLACK/NEVERMORE

ドリーミング・ネオン・ブラック/ネヴァーモア

VICTOR VICP-60504 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

B000HWXS2S  モダンなヘヴィネスが特徴的なネヴァーモアのサードアルバムです。今回はコンセプトアルバム仕立てで、楽曲の起伏も際立っており、動的感覚を強く感じさせるものになっています。ヘヴィでシンプルなリフに、暗く激情の叫びをあげるヴォーカル、ギターの美しくも物狂おしいメロディが重なり合って、陰鬱で荒涼とした世界を描き出しています。苦悩と絶望に満ちた歌詞世界を唄い上げるヴォーカルは彼等独特のメロディラインによって、強い情念の高まりを表現します。
そして、サウンドを象徴するゴシック的なアートワークに彩られています。


 熱い!でもそれは黒い炎。
とことんヘヴィに固めたバックが強い圧力でこれでもか、って言うくらい聴き手を押し潰します。それはまるで生きたまま埋葬されたかのようなマゾヒスティックな感覚を味あわせてくれるリフの檻。が、その苦痛寸前の状態を苦悩と激情に満ちたヴォーカルが聴き手を突き放したり救い出したりして、引きずりまわしてくれるのが、不幸な人にはシンクロ率100%だったりして。さらにヒステリックで叙情的なところもあるギターソロが狂気度を高めてます。基本的には、それはとてもヘヴィメタルらしいということを言っておきます。
というわけで落ち込んでいる時に聴くのは危険な一枚です。もしかすると、このとことんなダークさが、自分の身の上を気楽なものに思わせて結果的にヒーリング効果をもたらすかも。
 なにはともあれ強い習慣性のある強力なアルバムです。チャートの上位にくることはないでしょうけど。

 センチュリー・メディア側の都合でリリースが遅らされたものの、その分クオリティは格段に上がった彼等の代表作となったアルバムです。心電図のパルスが停止するSEから始まるこのアルバムはカルト教団をめぐる主人公の迷走を描き出すコンセプトストーリーに基づいたものになっており、ウォーレル・デインの実体験をベースにしただけに迫真に満ちた描写が為されており、同じような始まり方を見せるクイーンズライクの「OPERATION:MIND CRIME」とテーマ的にも似たところがあるように思えます。
 ヘヴィでダークな音像をアルバムの隅々にまで浸透させて、出口の見えない迷路をさ迷うかのような世界を産み出したこのアルバムは前作でのテクニカルなアプローチは一旦影を潜め、情感や情念を主体にした有機的な感触を持った楽曲によって構成されており、唯一怒りの感情が爆発する“POISON GODMACHINE”を除いては苦悩と絶望に満ちた、まるでドゥーム/ゴシックメタルと同質の希望の無いサウンドが産み出されています。
アルバムの楽曲構成としてはメタリックなリフを活かしたパワーメタリックなナンバーやヘヴィネス重視ののたうちまわる曲、壮絶なバラードなど様々なものが揃っていますが、全体のトーンは、高熱にうなされる朦朧とした意識が作り出した狂気と悪夢の織り成す歪んだ自身の影を見るかのような苦痛と、逃げ場のない病的な懊悩が燠火のように消えることなく燃え続け狂熱が絶え間なく襲いかかる、そんな暗黒の世界は突き詰められているが故に“美”を感じさせ、絶望の彼方に訪れる“破滅”の二文字を想起させるものです。
 ここまで現実の苦痛と絶望を感じさせる鮮やかなアルバムを創り出す事に成功した彼等に対する評価が高まらないはずもなく、レーベルの一翼を担うバンドとしての地位を確保することができたのでした。

BLASPHEMY/NINNGHIZHIDDA

ブラスフェミー/ニンギジーダ

MARQUEE INC., MICY-1099

[☆☆☆☆]

メロディアスでシンフォニックなブラックメタルです。キーボードが全面的にフィーチュアされており楽曲を強く引っ張っているおかげで、ゴージャスなサウンドとドラマティックでダイナミックな展開を持つ事が出来ています。ゲストヴォーカリストも沢山参加しているため、女性ヴォーカル、咆哮型、わめき型のディストーション・ヴォーカル、コーラスなどが重なりあって楽曲はバラエティに富んでいます。プロダクションがあまり良くないせいもあるかもしれませんが、キーボードが主体になっているため、優しい印象が他のバンドよりも強く感じられ、サウンドが丸みを帯びています。叙情的なメロディ、ヘヴィメタリックなリフと合わさって、聴き易いと言えるアルバムになっています。
多分、歌詞の内容とは相反するのでしょうが…。

THE HORNED SERPENT

ANYTHING WORTH DOING IS WORTH OVERDOING/PRETTY MAIDS

エニシング・ワース・ドゥーイング・イズ・ワース・オーバードゥーイング/プリティ・メイズ

EPIC ESCA7440

[☆☆☆☆☆]

前作で原点回帰を果たした彼等の最新作は前作の延長線上にある、彼等の魅力を全面に押し出したものとなっています。大仰なイントロで始まる1(イントロは別の曲ではありません)はドラマティックに展開し、ハードなエッジが魅力の2などのスピードナンバーはメタリックな感触を伝え、ポップでキャッチーな3、哀愁をおびたバラードの7など、どの曲も豊潤なメロディにあふれています。前作よりも鋭い音作りがなされておりキーボードのきらびやかなアレンジ、厚いコーラスとあいまってゴージャスなサウンドを聴かせています。
そして、カバー曲はありません。

DESTINATION PARADISE






March

SPIRITUAL BLACK DIMENSIONS/DIMMU BORGIR

スピリチュアル・ブラック・ディメンションズ/ディム・ボガー

MARQUEE INC., MICY-1011

[☆☆☆☆]

拘束された天使のジャケットも艶めかしい、オーケストレーション・アレンジされたキーボードがアグレッシヴなギターリフにのって浮遊するシンフォニック・ブラックメタルの雄、ディム・ボガーの5枚目のアルバムです。ディストーションながらヴォーカルがメロディをなぞっているためブラックメタルとしては非常に聴き易くなっています。美しいピアノの調べやメロディアスなギターなど華麗とも言えるサウンドが疾走感ある楽曲をドラマティックに盛り上げていきます。ノーマルなヴォーカルも絡み、その多重に織り込まれた音が奥行きある世界を作り出しています。
そして直球勝負の邦題が注目です。

THE PROMISED AND THE CATHARSIS

POWERPLANT/GAMMA RAY

パワープラント/ガンマ・レイ

VICTOR VICP-60649

[☆☆☆☆☆]

メロディック・スピードメタルの鉄人、漢アーティストのカイ・ハンセン率いるガンマ・レイの彼等の史上初(!)の同一メンバーによるアルバムです。どこを切ってもカイ・ハンセン・ワールドが広がる今回のアルバムはライブ感覚の残るダイレクトなサウンドが伝わる力強いものになっており、現在のメンバーのチームワークを感じさせます。アルバムカバーにアイアンメイデンを手がけた事で知られているディレク・リッグスを起用し、また楽曲面ではジューダス・プリーストを彷彿とさせるリフや展開を見せるなど、古典的なヘヴィメタルに対する敬意の念が窺え、彼等のあるべき姿を表わしています。
いかにもガンマ・レイなファスト・ナンバーの1、キャッチーなメロディを持つ3、ドラマティックで多彩な展開を見せる4、畑違いの楽曲をヘヴィメタルに仕上げたカバー曲の7、マノウォー的で漢らしいヘヴィメタリック(笑)な8、コーラスをふんだんに盛り込んだ9、壮大でドラマティックな11など、バンドのメンバー全員が一つの方向を向いて創り上げたメロディアスな楽曲の数々はヴォーカルの問題を差し引いても、クオリティの高いものになっています。時にカイ・ハンセンのヴォーカルはロブ・ハルフォードのように聞こえる…事はないです。
でも、中途半端なフォロワーは聴く必要がないでしょう?

そして、ロニー・ジェイムズ・ディオに挑むレインボーのカバーについてはノーコメント(苦笑)。

STRANGERS IN THE NIGHT

DEADLY FAIRYTALES/GANDALF

デッドリー・フェアリーテイルズ/ガンダルフ

TOY'S FACTORY TFCK-87176

[☆☆☆☆]

フィンランド出身のメロディック・デスメタル・バンドです。デスメタルとは言ってもバックのサウンドは残虐性や攻撃性は少なく、ディストーション・ヴォーカルが際立つ、叙情的で扇情的なメロディを持ったメランコリックなものです。泣きのメロディを爪弾き出す楽曲はブラストビートもほとんど無いので、最近のイン・フレイムスにも似た聴き易い良質のメロディ・センスを持った有望な新人と言えるのではないでしょうか。少しだらっとした所もあったりしますけど。

FORLORN

EMBRACE THE WORLD/HARROW

エンブレイス・ザ・ワールド/ハロウ

SOUNDHOLIC SHCD1-0023

[☆☆☆☆]

オランダ出身のバンドの四枚目のアルバムです。一応コンセプトアルバムですがストーリーがあるわけではありません。ダーティな声質のヴォーカルがシャウトをまじえてパワフルに唄っており、パワーメタル然としたドラマティックな楽曲には馴染んでいます。キーボードなども使われていますが基本はヘヴィなリフ主体のソリッドな感覚を与えるものです。ヴィシャス・ルーマースに影響を受けているようでカバーもやっています。現在の本家よりも出来が良かったりして。もっとも、故カール・アルバート(ex.ヴィシャス・ルーマース)には遠く及びませんけど。

THE SUN

THE GATE OF PLEASURE/IN THY DREAMS

ザ・ゲイト・オブ・プレジャー/イン・ザイ・ドリームス

SOUNDHOLIC Co.LTD SHCD1-0022

[☆☆☆☆]

邪悪な感覚溢れるジャケットも鮮やかな、スウェーデン産メロディックデスメタルです。ブラストビートを多用したその疾走感あるサウンドは叙情的でメロディアスなリフに炸裂系のディストーションボイスという最近ではありふれたスタイルですが、リズムチェンジを行ってもスピードを落とすというところがほとんど無いため、勢いを最後まで保ったまま突き進みます。ファーストアルバムとしては、かなりクオリティの高いものです。
しかし、ディセクションやダーク・トランキュリティーからの影響が強く、特に後者の特徴である唐突に終わりを迎える楽曲の締めのパターンが多く見られるのは気になるところです。また、同じような印象を与える曲しかないので、楽曲間の起伏に乏しいのが難でしょうか。一曲目はヴァイオリンが取り入れられており他との差別化が図られているかと思われたのですが、それ以降はイントロに一曲使われているだけでした。
ぼーっと聴いている分にはいいかもしれません。とりあえず速いので。

BLINDED

FEEDING THE MACHINE/JAMES MURPHY

フィーディング・ザ・マシーン/ジェイムズ・マーフィー

ROADRUNER RECORDS RRCY-1096

[☆☆☆☆]

モダンなアルバムジャケットで登場したデス・スラッシュメタル界の渡り鳥ギタリスト、ジェイムズ・マーフィーのセカンドアルバムです。
様々なゲストが参加してのその筋では豪華なメンバーですが今回は何とアーテンションのヴィタリ・クープリとジョン・ウェストが参加しています。ヴィタリ・クープリは彼らしいキーボードソロを披露してくれますが、ジョン・ウェストの唄う楽曲は今一つだったりしてアーテンションの問題点が垣間見えたりするのは、ここでは関係無く。
モダンでヘヴィ、そしてスラッシーな楽曲を得意とするアーティストですが、今回は前作よりも多彩な方向性が見られ、ライオットもカバーしたことのあるアル・ディオメラのインストゥルメンタル・ナンバーをプレイしたりしています。ヘヴィなサウンドの嵐の中を実力に裏打ちされたテクニカルなギタープレイが駆け巡る様が聴きどころです。
ギタリストが作るソロアルバムでヘヴィネス路線のものは非常に珍しいと思われます。

NO ONE CAN TELL YOU

LIBERTINE HUMILIATIONS/MISANTHROPE

リバティーン・ヒューミリエーション/ミサントロプ

MARQUEE INC., MICY-1104

[☆☆☆☆]

フランス出身のメロディック・デスメタルバンドの4thアルバムです。テクニカルで複雑なリズムセクションが特徴的です。唸るように唄うヴォーカルとツインギターのハーモニーが繰り出すメロディアスなフレーズが突進力ある楽曲で駆け巡ります。プログレッシヴな雰囲気を持つそのサウンドが張り詰めた空気を作り出しています。

COMBATTANT SANS SEPULTURE

34.788%......COMPLETE/MY DYING BRIDE

34.788%......コンプリート/マイ・ダイイング・ブライド

AVEX INC. AVCB-66064

[☆☆☆]

ゴシックメタルの大御所、死せる花嫁の新譜ですが前作までの優美で華麗なところは少なくなり、退廃的で澱んだ感覚を全面に押し出したサウンドが展開されています。描き出される歌詞世界も幻想的なものから現実世界を映し出すものに変わっており、その音像と一致したものです。モダンな印象を与えるそのサウンドはヘヴィでうねりを感じさせるもので、聴き手を陰鬱で内省的な世界に引き摺り込む力を秘めており、これもゴシックの一つの側面といえるでしょうか。

UNDER YOUR WINGS AND INTO YOUR ARMS

THE SACRED TALISMAN/NOCTURNAL RITES

セイクリッド・タリスマン/ノクターナル・ライツ

VICTOR VICP-60672

[☆☆☆☆☆]

ハンマーフォール?

の新作かと一瞬思わせるアンドレアス・マーシャルのアートワークを引っ提げてスウェーデンのメロディック・メタルバンドがトイズ・ファクトリーからビクターに移ってきました。
ドイツのCENTURY MEDIAとの契約を交わし、前作の劣悪なサウンド・プロダクションを払拭したことにより、楽曲自体の魅力が際立ってきました。裏声やシャウトに頼らず丁寧に唄い上げるヴォーカルは上品な感覚をもたらし、ツインギターのハーモニーが扇情的なメロディを紡ぎ出します。オーセンティックなヘヴィメタルという点ではハンマーフォールに近いですが、こちらはライオットに似た雰囲気を持つブリティッシュ・ヘヴィメタル的な哀愁を持ったサウンドに様式系のテクニカルなギターソロが絡むといった感じで、明るすぎず暗すぎず、また激し過ぎず甘過ぎないという絶妙なバランスを保ったものになっています。
スピード感を持ったメロディ満載の楽曲は、そのヒロイック・ファンタジー的な世界観を持った歌詞世界、ジャケットのアートワークと共に完成度の高いものになっており、メロディック・メタルの第三世代の中からは頭一歩抜け出した感があります。

FREE AT LAST

SHOCKMACHINE

ショックマシーン

VICTOR VICP-60654

[☆☆☆]

ハロウィンのベーシストによるサイドプロジェクトです。ドラマーも参加しています。サウンドはストレートなヘヴィメタル、今は無きサンダーヘッドなどを少し思い出したりしました。ハロウィンのような雰囲気は少なく、ダーティな声質のヴォーカルが漢らしい力強いものになっています。ギターソロはメロディアスでちょっと哀愁があったりします。ジャケットはガンマ・レイのヘニユ・リヒターが描いたりなんかしています。それはとても80年代していたりします。

FAME






April

TUONELA/AMORPHIS

トゥオネラ/アモルフィス

VICTOR VICP-60673

[☆☆☆☆]

メロディック・デスメタルから華麗な転身を遂げたアモルフィスですが、今回のアルバムではメロディックな部分を更に追求し、あらゆる音楽の要素を貪欲に取り入れようとしたものになっています。荒れた感じのディストーション・ボイスまで使いこなす力強いヴォーカルが流麗なメロディの上を逞しく歌い上げ、それでいてヘヴィメタリックな感覚を失わないバックの演奏とのコンビネーションが独特のムードを創り出します。絡み付くような暗さを持ったメロディが、シタールを使ったオリエンタルな旋律やサックス、フルートといった楽器の導入、プログレッシヴな楽曲の展開などと結びつきダイナミックな幻想的な光景を出現させています。

DIVINITY

HATEBREEDER/CHILDREN OF BODOM

ヘイトブリーダー/チルドレン・オヴ・ボドム

TOY'S FACTORY TFCK-87180

[☆☆☆☆☆]

最凶のネオクラシカル様式美ブラックメタル再び。
前作の方向性はそのままに激烈で様式美に満ちたヘヴィメタルを作り出しています。サウンドプロダクションが著しく向上しており、デビューアルバムでは軽く感じられることのあったサウンドがヘヴィかつタイトにまとめられており、ギターの切れ味も増し、キーボードも高級感あるものになっています。
今回はより分かりやすいジャーマンメタルにも似たメロディや正統派ヘヴィメタル的なアプローチを見せるところもありますが、やはりネオクラシカルで豪華なフレーズによって全体を彩っており、彼ららしい壮絶で劇的な楽曲に仕上がっています。また、前作で多く聴かれたキーボードのオーケストラヒットも要所のみに絞られており、締まった印象を与えています。そしてヴォーカルの表現力の向上に伴って、一部のファンに好評だった掛け声というか、合いの手のような叫びも少なくなっており、それは良かったような残念なような。
多彩な展開が個々の楽曲を把握し難くしているとも感じられますが、とりあえず、聴き手を圧倒するメロディの流れに身を任せ、疾走するビートの渦に巻き込まれれば、あとはボドム湖に浮かぶだけです。

SILENT NIGHT,BODOM NIGHT

INSIGHT/CHROMING ROSE

インサイト/クローミング・ローズ

MIEZ RECORDS MIEZ99901-2

[☆☆☆]

4年ぶりの新作になるクローミング・ローズのハードロックアルバムです。

前作に残っていたヘヴィ・メタリックな要素は完全に払拭され、哀愁帯びたメロディを乾いたヴォーカルが唄い上げるメロディアス・ハードとなった本作は、ミドルテンポのナンバーが大部分を占め、全体的には開放的な感覚を持つその情感あるサウンドが特徴的です。基本的には前作からの方向性を保っていますが、攻撃的な面やヘヴィネスといった要素を取り去り、歌心を重視した感情に訴える楽曲を揃えています。ピンククリーム69やハーレム・スキャーレムといったバンドのサウンドの方向性に近いでしょうか。
とりあえず、昔の事はきれいさっぱり忘れた方がいいでしょう。

I LIED FOR YOU

MANIFESTO FOR FUTURISM/DALI'S DILEMMA

マニフェスト・フォー・フューチャリズム/ダリズ・ジレンマ

MARQUEE INC., MICY-1107

[☆☆☆]

マグナ・カルタレーベルが贈るプログレッシブ・メタル・バンドです。複雑なリズムを刻み、メロディアスに展開しながらもヘヴィメタル的なエッジを合わせ持つサウンドを繰り広げています。ドリームシアターを彷彿させる楽曲は、ざらついた感触を持ったヴォーカルが感情込めて唄い上げており、テクニカルなプレイながらも暖かみを感じさせるものになっています。インストゥルメンタル・パートの鋭いフレーズや、安定した演奏は聴いていて安心できるものになっています。

THIS TIME AROUND

IX EQUILIBRIUM/EMPEROR

闇の黙示録/エンペラー

TOY'S FACTORY TFCK-87181

[☆☆☆☆]

何かと物騒な話題ばかりが先行するブラックメタルの“帝王”の最新作ですが、よりシンフォニックに、より暴虐的になったサウンドは荘厳ささえ感じさせるものになっています。
ドラマティックに展開される恐怖と狂気に満ちた暗黒の世界は、ある種の美学を作り出しておりサウンド・プロダクションの充実と伴ってブラックメタルの“帝王”と呼ばれるのにふさわしいものになっています。

THE SOURCE OF ICON E

MENERGY/HEAVENS GATE

メナジー/ヘヴンズ・ゲイト

VICTOR VICP-60692

[☆☆☆☆]

シンフォニック・メタルのプロデューサーとしての方が有名になってしまったサシャ・ピートがいるヘヴンズ・ゲイトですが、今回はいわゆるジャーマンメタル的なサウンドを意図的に排し、モダンもしくは実験的な要素の多いものに仕上げています。
曲間を短いSEやナレーションで繋いでいくなど、カントリーやスパニッシュギターのフレーズがあったりと今までの彼らとは違うものを作り出そうとしています。全体的な楽曲のトーンは意識的に抑えられたもので所々に耳を惹くフレーズを配しており、シンプルでメロディアスな側面を活かすものや歌詞に沿った不思議な曲もありバラエティに富んでいます。雰囲気としてはクイーンズ・ライチ的な感覚も感じられたりします。
サシャ・ピートが多く手がけているシンフォニック・メタルとも過去のアルバムとも全く違うサウンドが展開されていますが、奇妙な手触りのサウンドは聴き手を惹きつける力を持っていると思います。
が、どうもサードアルバム同様問題作と呼ばれるような気が…。

BREAKIN' LOOSE

ENDORAMA/KREATOR

エンドラマ/クリエイター

VICTOR VICP-60704

[☆☆☆☆]

ジャーマン・スラッシュの雄と呼ばれた彼らも、このアルバムでその看板を下ろすことになりそうです。メロディを重視したダークでヘヴィな楽曲は彼らの現在の方向性がアグレッション一辺倒ではなく、精神的な深い世界へと進もうとすることを顕わすかのように思索に富んだ歌詞、叙情的メロディと以前とは別の側面からの攻撃性を残したものになっています。ゴシック的にも聞こえる、そのサウンドはそれでもクリエイターらしさを保っており、トレーニングを受けた事により表現力を増したヴォーカルの成長が窺えます。
初期の彼らとは全く異なる存在に変貌しており、昔を忘れる事ができるならクオリティの高いアルバムになっています。

FUTURE KING

ECHOES FROM THE OCEAN/LANA LANE

エコーズ・フロム・ジ・オーシャン/ラナ・レーン

MARQUEE INC., MICY-1106

[MINI]

来日記念ミニアルバムです。
アルバム未収録のナンバーを中心にリミックスや最新アルバム収録曲のロングバージョンなどを収めています。ディープ・パープル的なキーボードを主体にしたハードロック・ナンバーのアルバム未収録曲は、最新アルバムとは少し色合いが違いますが、アルバムに収められていても不思議ではない出来です。けれども、アルバムの世界観とはかなり距離のある歌詞はTOKYOを登場させるなど日本のファンを意識したものになっている…のでしょうか?

GATHERED AROUND THE OAKEN TABLE/MITHOTYN

ギャザード・アラウンド・ジ・オーケン・テーブル/ミソティン

SOUNDHOLIC SHCD1-0025

[☆☆☆☆]

ヴァイキングだ!
という事で漢らしいジャケットとメンバーの服装を見ればサウンドが分かるでしょう、という感じの闘いの唄を作り出しているスウェーデンのバンドです。そのサウンドはブラインド・ガーディアンやマノウォー、そしてランニング・ワイルドにも通じるヒロイックな世界観を持っており、オーセンティックなヘヴィメタル然としたメロディアスで硬質なフレーズとディストーション・ヴォーカルの取り合わせがミスマッチな感じもするドラマティックなものです。
哀愁あるメロディと雄々しい男性コーラスが雰囲気を盛り上げています。闘いの準備は出来ていますか?

IN THE CLASH OF ARMS

OCEANBORN/NIGHTWISH

オーシャンボーン/ナイトウィッシュ

TOY'S FACTORY TFCK-87179

[☆☆☆☆]

フィンランド出身の女性ヴォーカルを擁するシンフォニック・ヘヴィメタルバンドです。
オーケストレーション・アレンジを施されたゴージャスなキーボードサウンドが楽曲をドラマティックに展開させており、ソリッドなギターサウンドが伝統的なヘヴィメタルの部分を支えています。
そして、オペラティックな歌唱法を駆使する女性ヴォーカルはヘヴィメタルではあまり聴かれる事の無い肌触りを感じさせ、男性ハイトーンヴォーカルには少ない柔らかい感覚で楽曲を上品に包み込んでいきます。シンフォニックなだけではないヘヴィメタリックな面も持ちながら叙情的なメロディを流れるように産み出していく様はさながら一遍の物語のようです。
多少、ヴォーカルがフィットしないように感じられる個所があるところが気になります。

DEVIL & THE DEEP DARK OCEAN

KALEIDOSCOPE/ROLAND GRAPOW

カレイドスコープ/ローランド・グラポウ

VICTOR VICP-60679

[☆☆☆]

ハロウィンのギタリスト、ローランド・グラポウのセカンド・ソロアルバムです。今回のアルバムはイングヴェイ人脈のメンバーを揃えてクラシカルな様式美アルバムを作っています。そのサウンドは、さながらイングヴェイのいないイングヴェイといった感じです。ヴォーカルを自分でやらなくなったのは賢明な判断でしょう。
本家イングヴェイ的な曲展開とハロウィン風なリフが合わさったものでネオクラシカルな作風が中心になっており、一定レベルの完成度を維持していますが本家を越えるほどの魅力を得るまでには至っていないようです。どうも代替品的な印象が強いです、各人のプレイ、サウンドとも悪くはないのですが。

TILL THE END

THE CREATION/SINS OF OMISSION

ザ・クリエイション/シンズ・オブ・オミッション

TOY'S FACTORY TFCK-87183

[☆☆☆☆]

スウェーデン出身のメロディック・デスメタルバンドのデビューアルバムです。毎度お馴染みのイエテボリでフレドリック・ノルドストロームというパターンですが、咆哮デス・ヴォーカルが入らなければデスメタルとは気付かないくらいのサウンドです。実際普通に唄うパートでは(ほとんど無いけど)パワーメタルといった感じが強まります。
ツインギター・ハーモニーを駆使し、ザクザクした押しの強いギターリフがブラストビートの上に乗るスタイルで、曲の組み立て方はメロディックなリフを中心にしたものです。扇情的なメロディを紡ぐギターソロももちろんあります。メロウなパートもそこかしこで、デス声の必然性はあまり感じられず。あ、馬鹿みたいな事もやってます、隅っこで。
で、何が凄いかというと。
あの!クリムゾン・グローリーのカバーをやってるというところです。
ハイトーン・ヴォーカルで唄う、か・な・り・ヤバイ出来ではありますけど…。

TO THE GRIND

DISCLOSURE IN RED/TRAIL OF TEARS

ディスクロージャー・イン・レッド/トレイル・オヴ・ティアーズ

MARQUEE INC., MICY-1109

[☆☆☆☆]

ノルウェー出身の7人編成ゴシックメタルバンドのデビューアルバムです。
女性ソプラノヴォーカルと男性ディストーション・ヴォーカルの二人を擁するドラマティックで妖しい雰囲気を醸し出す哀愁に満ちたサウンドですが、女性ヴォーカルはソプラノ一辺倒ではない力強い歌声を聴かせてくれるため美と醜のコントラストが強まっています。哀愁帯びたメロディアスでダイナミックな曲構成もデビューアルバムとは思えない完成度の高いものになっています。
シンフォニックに流れるパートとアグレッションに満ちた激しいパートが絡み合い、暗き物語を作り出していきます。

ENIGMA OF THE ABSOLUTE






May

BURNING BRIDGES/ARCH ENEMY

バーニング・ブリッジズ/アーク・エネミー

TOY'S FACTORY TFCK-87184

[☆☆☆☆☆]

新世代ヘヴィメタル・ギタリスト、泣きのメロディメーカー、アモット兄弟率いるアーク・エネミーのサードアルバムです。ヴォーカルの表現力が上がっており、楽曲をより魅力的にすることに成功しています。ギターソロは相変わらず扇情的なメロディを産み出し、破壊的なリフワーク、ヴォーカルとの合わさってドラマティックに展開していきます。明るい雰囲気のメロディの導入は、叙情的で悲しみに満ちたものだけではない、彼らの新たな魅力を引き出しており、攻撃的な疾走感とのコントラストが鮮やかに聴き手を捕らえます。

そして、ヨーロッパのカバーは何がなんだか分かりません(苦笑)。

ANGELCLAW

AS NIGHT CONQUERS DAY/AUTUMN LEAVES

アズ・ナイト・コンクァーズ・デイ/オータム・リーヴス

SOUNDHOLIC SHCD1-0026

[☆☆☆☆]

デンマーク出身のバンドのセカンドアルバムです。ディストーション・ヴォーカルにメロディアスなギターソロ、それにブラストビートが少々。というわけで、いわゆる叙情メロディック・デスメタルです。メロディアスでザクザクしたギターリフを中心に緩急を活かした楽曲は時に複雑な展開を見せ、滑らかなギターソロを聴かせてくれます。印象的なテクニカルなフレーズが時折聴かれるのが特徴です。
どうもオビには“マスター・オブ・ブルータリティー”などと書かれていますけど、それはさすがに言い過ぎです。アーク・エネミーくらいにはブルータルで攻撃的だとは言えますけど。

GIVE ME LIGHT/DARKSEED

ギヴ・ミー・ライト/ダークシード

VICTOR VICP-60527

[☆☆☆☆]

ドイツ出身のダーク・ヘヴィメタルのサードアルバムです。力強く唄う個所ではRAGEのピーヴィー・ワグナーを彷彿とさせる歌唱はそのままですが、ミドルからスローテンポの曲が大半を占めており、よりゴシックめいたムーディーなサウンドになっています。女性ヴォーカルを配し、哀愁を帯びた物悲しく扇情力の高いメロディが心の内面に飛び込むかのようなドラマティックな世界を作り出しています。ヘヴィな側面も残っていますが、全体的にはメロディアスな面が前面に出ています。

COSMIC SHINING

A HANDFUL OF NOTHING/EBONY TEARS

ハンドフル・オブ・ナッシング/エボニー・ティアーズ

TOY'S FACTORY TFCK-87182

[☆☆☆☆]

スウェーデン出身のメロディック・デスメタルバンドのセカンドアルバムです。バンドとしての形を既に残していないためか、デビューアルバムで異彩を放っていたヴァイオリンを導入した耽美的なサウンドはすっかり影を潜め、アグレッシヴで激烈なデスラッシュ・サウンドに変貌を遂げています。ザクザクと切れ込んで来るスラッシュ然としたリフが疾走感溢れるビートにのって畳み掛けてくる特徴的なサウンドは叙情的なメロディアスなギターソロは残っていますが、聴き手に与える印象は破壊的な突進力が主です。
しかし、アット・ザ・ゲイツにも通じる直線的な楽曲がほとんどを占めるため個々の楽曲の差別化が困難になっており、オリジナリティも若干後退気味です。

A HANDFUL OF NOTHING

DESIRE/ETERNAL FLAME

ディザイアー/エターナル・フレイム

DREAMCHASER SCCD-8

[☆☆☆☆]

ドイツ出身のバンドのデビューアルバムです。マイケル・シェンケルという何処かで聞いたような名前のギタリスト兼ハイトーン・ヴォーカルが中心になっており、ネオクラシカルでテクニカルなギターソロを織り込んだメロディアスなヘヴィメタルをやってます。オビにはジャーマンメタルとか書いてありますけど看板に偽り有りです。イングヴェイ系レインボー的キャッチーなメロディと爽やか系のコーラスが満載の楽曲が中心でキーボードの割合も高いです。結構キャリアの長いメンバーが揃っているため安定したプレイと練られた楽曲を聴かせてくれます。

YOU'RE TOO DANGEROUS

STAIRWAY TO FAIRYLAND/FREEDOM CALL

ステアウェイ・トゥ・フェアリィランド/フリーダム・コール

VICTOR VICP-60717

[☆☆☆☆☆]

アンドレ・マトス(アングラ)がガンマレイに入ったらどうなると思います?

元ムーンドックのクリス・ベイとガンマレイのダン・ツィマーマンが中心となって結成されたニューバンドですが、徹頭徹尾ファンタジックでドラマティックな世界を作り出しています。オリジナルストーリーに基づいた、メロディアスなシンフォニック・メタルが展開されていきます。そのサウンドはガンマレイやハロウィンといったジャーマンメタルにアングラの劇的な展開を合わせたような雰囲気を持ち、クリス・ベイのヴォーカルは時にアンドレ・マトスを彷彿とさせたりします。厚いコーラスやシンフォニック・アレンジのキーボード、SEなどもふんだんに盛り込まれており、その世界観を強化しています。

誰もが思い描いていた夢の世界(いろんな意味で)がここにはあります。

HOLY KNIGHT

THE PHANTOM NOVELS/GRIEVANCE

ザ・ファントム・ノヴェルス/グリーヴァンス

MARQUEE INC., MICY-1114

[☆☆☆☆]

ノルウェー出身のシンフォニック・ブラックメタルのデビューアルバムです。本人達はダーク・プログレッシヴメタルと言っていますけど。ドラマティックなオーケストレーション・サウンドが特徴です。普通のヴォーカルや、明快なメロディのパートがあったりとかなり聴きやすくなっています。ブラストビートや暴虐なところも少な目ですし、あんまり邪悪さが無く華麗に聞こえるところがポイントです。で、イン・フレイムスのヴォーカルがプロデュース、さらに何曲かに参加しています。何故ならこのバンドはメンバーが二人しかいないからです。ギタリストのイエスパー・ストロムブラッドも参加してます。

THE MASK OF SIN

COLONY/IN FLAMES

コロニー/イン・フレイムス

TOY'S FACTORY TFCK-87185

[☆☆☆☆☆]

叙情メロディックデスメタルから正統派ヘヴィメタルへと近づき続けるイン・フレイムスの4thアルバムです。その扇情力ある叙情的なメロディはますます磨きがかかり、ディストーション一辺倒ではなくノーマルな歌声も聞かせるヴォーカルが狂おしい魂の叫びを聴かせてくれます。メロディアスなフレーズで構成されるギターリフを積み重ねられる事によって産み出されるドラマは激情と悲哀のほとばしる激しいものです。
彼らの出身地であるスウェーデンのトラディショナル・フォークを導入したり、ハモンドオルガンをイントロに使うなど新たな面を見せていますが本質的なところに変化はなく、サウンド、楽曲ともに成長を続けている感があります。
バンド内はメンバーチェンジが頻繁に行われており今後に多少の不安を抱かせますが、イエスパー・ストロムブラッドとアンダース・フリーデンのメロディを産み出す才能には何の翳りもありません。

SCORN

WARNING FROM HISTORY/MARSHALL LAW

歴史からの警鐘/マーシャル・ロー

PONY CANYON PCCY-01380

[☆☆☆☆]

イギリス出身のバンドの四枚目のアルバムです。独特の猫っぽい特徴的なヴォーカルとソリッドなリフ、そしてツインギターのメロディが鮮やかなブリティッシュ・ヘヴィメタルを作り出しています。その伝統的な楽曲とモダンな雰囲気も持ったサウンドはヘヴィメタルらしい魅力に満ちています。疾走感あるパワーメタルナンバーとザクザクしたリフ中心の楽曲は似通った印象を与えがちですが、それぞれの楽曲では印象的なメロディも聴かれ全体的には良い雰囲気です。

PRAY FOR DELIVERANCE

HEAVEN CAN WAIT/STORMWIND

ヘヴン・キャン・ウェイト/ストームウインド

DREAMCHASER SCCD-6

[☆☆☆]

スウェーデン出身の様式美メタルのサードアルバムです。北欧メタルマニアの間では有名なハイトーン・ヴォーカリスト(元TALK OF THE TOWN,CANDLEMASS)やWITHOUT GRIEFのドラマー、TREASURE LANDのキーボーディストを迎えて、ネオクラシカルでテクニカルな安定したプレイを聴かせています。透明感ある叙情メロディあふれるドラマティックな楽曲が目白押しです。

FOREVER FREE

HELLDORADO/W.A.S.P.

ヘルドラド/W.A.S.P.

VICTOR VICP-60666

[☆☆☆☆]

ロックンロールの野獣が完全復活!
という事で、すっかり初期のノリのいいロックンロール及びお下劣歌詞に戻ってしまったわけですが、キャッチーなサビとかメロディアスなギターソロなどがあるストレートなサウンドになってます。

DIRTY BALLS






June

BLEED/ANGEL DUST

ブリード/エンジェル・ダスト

VICTOR VICP-60727

[☆☆☆☆]

復活第二弾となる今作はコンセプトアルバムという事で、前作以上にドラマティックで起伏の激しい展開を見せる楽曲が揃っています。ピアノのイントロで始まるキーボードが大きく用いられているサウンドは凝ったアレンジがプログレッシブな雰囲気を作り出しており、ヘヴィメタル的なサウンドだけに留まらない意欲が強く感じられます。全体的にはシンフォニック・ロック的というかシャドウ・ギャラリー的だったりしますけど。
ヴォーカルの表現力がメロディアスな楽曲に追いつかない部分も少なからず見られますが自らの可能性を広げようとする試みは評価できると思います。

CRITERIA FOR A BLACK WIDOW/ANNIHILATOR

クライテリア・フォー・ア・ブラック・ウィドウ/アナイアレイター

ROADRUNNER RRCY-1107

[☆☆☆☆☆]

このところ、ジェフ・ウォーターズのソロプロジェクトになっていたアナイアレイターですが、今回のアルバムではファーストアルバムのヴォーカリストを呼び戻し、さながら再結成といった感じのメンバーで臨んでいます。
ファーストアルバムを彷彿とさせる緻密な疾走ナンバーで幕を開け、初期サウンドの復活を印象づけた後は、彼らの定番ともいえる「アリス」が主人公の連作ナンバーを久方ぶりに聴かせてくれアグレッシブでテクニカルな彼らの特徴を発揮しています。また、これまでのアルバムで培われたメロディアスでムーディな部分やヘヴィネスな感覚も残しており、単なる原点回帰でない事を示しています。インストゥルメンタルナンバーのSCHIZOSの続編が現れている事も興味深いです。
様々な道を経て大きく成長したアナイアレイターがスラッシュメタルとしての新たな一歩を踏み出したと言えるのではないでしょうか。

PROJECTOR/DARK TRANQUILLITY

プロジェクター/ダーク・トランキュリティ

TOY'S FACTORY TFCK-87186

[☆☆☆☆]

メロディック・デスメタルの一翼を担ってきた彼らですが、このアルバムではデスメタル色を払拭させるサウンド及び曲作りに精力を注ぎ込んでいるようです。ダークでゴシックめいたムーディなミドルテンポの曲が多数を占め、耽美的で叙情味あふれるメロディを中心にしたサウンドは最早デスメタルの名前を付けられないものです。ヴォーカルのクリーントーンの割合も増え、より扇情的で悲哀ある楽曲を多彩に表現するようになっています。
メタリックでソリッドな部分もありますが全体的な空気としては、それらは一要素に過ぎず楽曲を表現するための手段にまで比重が下がっています。精神的な部分を強く表現するようになったためか、内側を向いたサウンドになっている事が特徴でしょうか。

WINGS OF TIME/DGM

ウイングス・オブ・タイム/DGM

DREAMCHASER SCCD-9

[☆☆☆☆]

ヘヴィメタル・ルネッサンス(勝手に決めた)発動中のイタリアのバンドのセカンドアルバムです。ドラマティックなメロディック・メタルをやってます。物凄く音の軽いストラトヴァリウスかシンフォニーXといった感じのサウンドで、丁寧に唄ってますけど線が細い感じのするヴォーカルが起伏のある楽曲を表現しています。シンフォニックでクラシカルなフレーズと叙情的なメロディが耳を惹きます。かなり緻密で作り込まれた感のある楽曲に高い構成力を感じさせたりします、けどヴォーカルの人の容姿が少し危うい感じがするのは、やっぱり音楽性には関係ありません。

9/MERCYFUL FATE

ナイン/マーシフル・フェイト

VICTOR VICP-60730

[☆☆☆☆]

エキセントリックなヴォーカルが特徴の正統派ヘヴィメタル、マーシフル・フェイトの七枚目のアルバムです。タイトルは9ですが。今回の作品は全体的にヘヴィかつアグレッシヴな色合いが強まっており、スラッシュメタル然としたリフなども見られハードな印象を与えます。ヴォーカルの裏声も少し控えめになっており、その分妖しさは少なくなっています。もちろんツインギターの流れるようなギターワークや奇怪なギターソロ、起伏の激しい展開も健在ですし、今までの彼らのイメージを崩すようなものではありません。

DRACHENBLUT/MYSTIC CIRCLE

幻魔大戦/ミスティック・サークル

MERQUEE INC., MICY-1122

[☆☆☆☆]

ブラックメタルのフォーマットに従ったコスチューム&メイクさらにバンドネームの彼らですがアルバムの方は北欧神話をモチーフにしたドラマティックでシンフォニックなサウンドになっています。「竜と戦士と剣」というアイテムを揃えたジャケットから連想される雄大なファンタジックワールドが展開されていき、そのキーボード主導のアレンジは分かりやすく華麗とも言える印象を与える楽曲になっています。あまり無理な楽曲展開も見られず、ディストーション・ヴォーカルながらメロディを意識した歌唱、そして普通に唄うパートもあるため、ブラストビートが主体ながら全体的には聴きやすく仕上がっています。

JAWS OF DEATH/PRIMAL FEAR

ジョーズ・オブ・デス/プライマル・フィア

VICTOR VICP-60725

[☆☆☆☆]

元ガンマレイのラルフ・シーパースとシナーのマット・シナーのコンビの第二弾アルバムです。ベテラン・アーティストが揃っているだけにパフォーマンスは安定しており、まったく危なげを感じさせない堅実なプレイを聴かせています。このアルバムからツインギターの編成になってメロディアスなギターソロがより魅力ある物になっており、トップクラスの能力を持つヴォーカルとの組み合わせはメタリックな音像と合わさってまさに正統派ヘヴィメタルにふさわしいものになっています。
しかしながら、作曲に携わるメンバーがほとんどシナーという事で、それらでも見られる楽曲の与えるカタルシスが一歩手前で留まるという点が、強力無比のハイトーン・ヴォーカルを擁しながらも解消されていないように感じられます。もしかすると、シナー的な楽曲ではこのヴォーカリストの能力が完全に発揮されないのかもしれません。

BEWARE THE HEAVENS/SINERGY

ビウェア・ザ・ヘヴンズ/シナジー

TOY'S FACTORY TFCK-87188

[☆☆☆☆☆]

メロディック・デスメタルのオールスターといった感じのメンバーが並んだ正統派ヘヴィメタルバンドのファーストアルバムです。セリオンやディム・ボガーに所属していた女性ヴォーカル、キンバリー・ゴスを中心にイン・フレイムスのイエスパー、チルドレン・オブ・ボドムのアレキシ、マーシフル・フェイト、アーク・エネミーのシャーリー・ダンジェロでバックを固めた、その筋では豪華メンバーから予想される通りのサウンドを作り出しています。
イン・フレイムス、ハンマーフォールに通じるメタリックかつメロディアスなリフにチルドレン・オブ・ボドムの様式美ギターソロを組み合わせた、ある意味夢のような(笑)サウンドが展開されており、優しくもあり力強くもなるヴォーカルとあいまってドラマティックな楽曲になっています。そして、残りのメンバーである無名のドラマーも楽曲を提供しており、上記ギタリスト二人に負けない才能を感じさせたりする、ので要注意だったり。1、4といった疾走系のナンバーやバラード、ミディアムテンポのヘヴィなナンバーなどの楽曲があり、それぞれのパートは作曲者のカラーが強く出たものになっており、切れ味鋭いフレーズを随所に聴かせてくれます。
女性ヴォーカルという事で、メンバーが各々の属するバンドのサウンドよりは攻撃性や暴虐性といった要素は少なくおり、聴きやすいアルバムに仕上がっています。メンバーが流動的なのが気がかりですが今後も期待大のニューバンドです。

THE NUDE BALLET/WITHERING SURFACE

ザ・ヌード・バレー/ウィザリング・サーフェイス

MERQUEE INC., MICY-1121

[☆☆☆☆]

デンマーク出身のバンドのセカンドアルバムです。メロディック・デスメタルであることは間違いありませんが、これまた明るめのメロディとか普通に唄うパートが増えたりしてオーセンティックなヘヴィメタル的な展開を見せたりする個所が目立っています。哀愁ある湿ったメロディは健在ですし、疾走系の曲やゴシック系の曲もあったりでバラエティがありますがサビは割と明快でライブでは盛り上がりそうです。ドラムの手数が多いせいかテクニカルに聞こえるパートが多かったり楽曲も展開が多彩なところが見られます。






July

THE PLAGUE/ABLAZE MY SORROW

ザ・プレイグ/アブレイズ・マイ・ソロウ

MARQUEE INC., MICY-1128

[☆☆☆☆]

スウェーデン出身のバンドです。わめき型のディストーション・ヴォーカルに哀愁あるメロディに激しいリフ、という事でメロディック・デスメタルです。割とギターソロなどが正統派ヘヴィメタルに近い感じでしょうか。あとはブラストビートもあったりしてデスメタル的な部分とオーセンティックなヘヴィメタルな部分が半々くらい。時にイン・フレイムス的だったりダーク・トランキュリティー的だったりしますが、疾走感ある曲が多くツインリードがかなり決まっています。これは1997年のアルバムでニューアルバムの発表も近いようです。

RAIN FOREST/CONCERTO MOON

レイン・フォレスト/コンチェルト・ムーン

VAP INC., VPCC-81291

[☆☆☆☆☆]

日本の若きギターヒーロー(帯より、個人的には若いとは思わないけれど)率いるコンチェルト・ムーンのサードアルバムです。
なるほど、前作がすっかり色褪せてしまうようなタイトでハードなエッジを持った、それでいてメロウなメロディを宿した作品になっています。イントロダクションから様式に沿ったドラマティックな楽曲が続き、今回はキーボードも大きくフィーチュアされており、エモーショナルでテクニカルなギターとの絡みも鮮やかです。ヴォーカルの表現力も向上しており楽曲に説得力を与える事に成功しています。ファストナンバーからバラード、情感溢れるインストゥルメンタルまで、彼らのアイデンティティを壊さない範囲でのバラエティに富んだ楽曲を揃えており、さすがにイングヴェイの亜流というのは憚られる、と言うかイングヴェイやその他のフォロワーを打ちのめす力を持ったアルバムになっています。
様式美系メロディアス・ヘヴィメタルとしては文句の付けようのない出来でアラ探しをする方が大変です。日本語歌詞が気にならない事もないですが、それは好みの問題という事で。

VERY/DREAMSCAPE

ヴェリー/ドリームスケープ

MARQUEE INC., MICY-1127

[☆☆☆☆☆]

ドイツ出身のバンドです。ドリームシアター型のテクニカルなプログレッシヴメタルで、キーボードが主体となってエッジの効いたヘヴィなギターリフと共にドラマティックな楽曲を創り出しています。楽曲はメロディが主体となっておりテクニック偏重にならない分かりやすく聴きやすいものです。甘い雰囲気を持ったハイトーンヴォーカルの表現力も豊かで美しく煌びやかなメロディを持った楽曲を盛り上げています。特にピアノによるフレーズが印象的で、シャドウギャラリーなどにも通じるところがあります。確かな技術によってもたらされる安定した演奏がアルバムの世界観に違和感なく溶け込ませてくれます。メンバーが美形揃いなのはセールスポイントになるのでは。
とりあえず、ランニングタイムが長いのでお腹いっぱいになります。

WORLD OF ICE/INSANIA

ワールド・オブ・アイス/インサニア

MARQUEE INC., MICY-1125

[☆☆☆☆]

スウェーデン出身のバンドです。叙情的なメロディにドラマティックな展開、そしていわゆるジャーマンメタル的な要素を詰め込んだサウンドです。もちろんバスドラムは叩かれ続けています。最近のバンドで言えば(エドガイ+ノクターナル・ライツ)÷2で隠し味にストラトヴァリウス的クラシカル風味といった感じでしょうか。一言で言ってしまうとクサメタルなんですが(苦笑)。
あまりオリジナリティは無いですが上手くまとめているといった印象があります。ハイトーンヴォーカルもかなり頑張っていますし、ちょっと不安定に聞こえる事もあるバックもそれなりにフックのあるフレーズを聴かせています。もっともそのフレーズはかなりハロウィンだったりストラトヴァリウスだったりアングラだったりする訳ですけど。とりあえず今後には期待でしょうか。

SONS OF SOCIETY/RIOT

サンズ・オブ・ソサエティ/ライオット

TOSHIBA EMI TOCP-65264

[☆☆☆☆]

ゼロ・コーポレーションの撤退で一時はアルバムのリリースが危ぶまれたライオットですが新たに東芝EMIからの配給も決まって心機一転 (って三回くらい読んだ記憶がある…) 新たなスタートのアルバムです。
とは言っても、彼らの音楽性に変化があるわけでもなくツインリードギターの滑らかなハーモニーを聴かせるメロディアスなヘヴィメタルを作り出しています。前作から参加しているドラムスの手数の多さがメタル的なエッジを打ち出していますし、ちょっと珍しい「皆で唄うぞパートな漢コーラス」も入った曲もあったりします。その他はファストナンバーでのヴォーカルのパフォーマンスに多少問題がある事(7はいいけど)や、何か昔の曲で聴いたようなリフの楽曲もいつもの事ですが、ギターソロなどのインストゥルメンタル・パートは最近の作品の中ではよく練られたものになっておりテクニカルな部分では向上が見られますし、ミドルからスローなナンバーの出来は良い(ヴォーカルに合っている)ので、全体的には期待以上ではないが裏切られる事はない、といった感じでしょうか。

TWILIGHT/SHADOWS OF STEEL

トワイライト/シャドウズ・オブ・スティール

DREAMCHASER SCCD-10

[☆☆☆☆]

謎の銀仮面のヴォーカリストがいることで評判のイタリア出身、シャドウズ・オブ・スティールのファーストアルバムです。そのシンフォニックな要素を持ったメロディック・スピードメタルは同郷のラビリンスアシーナと同様の方向性であり、表現力もかなりあるハイトーン・ヴォーカルがドラマティックな楽曲を盛り上げています。先達の長所を素直に取り込んだサウンドは多少演奏に荒さもありますが、勢いのある分かりやすいものになっています。
そして、このアルバムは楽曲の半分がカバー曲という変則的な構成になっており、カバーの方も良い曲が揃っているため、オリジナルの方が多少構成力の弱さを露呈してしまう事になるのも致し方ないかもしれません。選曲のセンスは良いですが。

ABSORBING THE ASHES/WITHOUT GRIEF

アブソービング・ジ・アッシーズ/ウィズアウト・グリーフ

SOUNDHOLIC SHCD1-0027

[☆☆☆]

スウェーデン出身のバンドです。ディストーション・ヴォーカルとアグレッション満載のザクザクしたリフというわけでメロデスなのです。メロディもありますが、それよりも印象的なのは攻撃性や暴虐性であって叙情的なギターソロとのコントラストが効いています。咆哮型のヴォーカルも迫力充分でモダンヘヴィなサウンドと合わさって破壊力を増しています。ミドル〜アップテンポの曲が中心です。6は激しくていい感じです。






August

THE TEMPLE OF THEIL/HEIMDALL

ザ・テンプル・オブ・テイル/ヘイムダール

DREAMCHASER SCCD-11

[☆☆☆☆]

イタリアン・シンフォニックメタルバンドのセカンドアルバムです。
壮大なイントロで幕を開けるこのアルバムは世界に戦乱を巻き起こす神に挑む勇者を描くというぬるいロールプレイングゲームも真っ青のヒロイック・ファンタジーのコンセプトアルバムになっています。起承転結、ドラマティックな見せ場をふんだんに用意した勇壮なサウンドに仕上がっており、厚い男性コーラスの導入も伴ってブラインド・ガーディアン+マノウォー的な世界観を生み出しています。またリリシズムあふれる叙情的な曲や展開を絡めることによってアルバム全体に起伏を作り出しています。様々な表情を見せるヴォーカルもドラマティック性に彩りを添えています。
いかんせん、成長はしているもののヴォーカリストの力量がそのサウンドのクオリティを下げている事は否めず、サウンドプロダクションも良くなっただけに残念です。しかし、スケール感の大きい楽曲を作り出そうとする意欲と能力は注目するだけのものがありますし、期待しても良いと思います。ヴォーカルは聴いているうちに慣れてくる…といいなあ。
それでもジューダス・プリーストのカバーにはノーコメント。

INTERLUDE/IRON SAVIOR

インタールード/アイアン・セイヴィアー

VICTOR VICP-60820

[EXTRA]

ジャーマンメタルを文字通り体現するアイアン・セイヴィアーのライブ音源などを集めた企画盤です。故障したダン・ティマーマンの代わりに元ガンマレイのトーマス・ナックがドラムスを担当しています。ちょっとヴォーカルは高音がフェイク気味ですけど演奏は確かで盛り上がってそうなライブの模様が聴かれます。新曲はちょっと変わった雰囲気があるような無いようなジャーマン節が炸裂のパワーメタル・ナンバーになっています。もちろん次回作も安心の出来です、ってちょっと聴かせすぎ?
ちなみにオフィシャルサイトでは今までの二枚のスタジオアルバムの曲が全て聴けます。
やっぱりジューダス・プリーストのカバーにはノーコメント。

TIMELESS CRIME/LABYRINTH

タイムレス・クライム/ラビリンス

VICTOR VICP-60844

[MINI]

イタリアのスピードメタル・バンド、ラビリンスの先行ミニアルバムです。次のアルバムに収録予定の1はピアノの美しいイントロで始まるダイナミックな疾走ナンバーです。メンバーはラビリンスで一番速い曲だと言ってます。とはいえ起伏の激しいドラマティックな曲になっています。ちなみに次の曲も速かったりするんですが。あとはファーストアルバムの曲のリメイクとセカンドアルバムのボーナストラックだった曲です。そしておまけ。

ELODIA/LACRIMOSA

エロディア/ラクリモーサ

MARQUEE INC., MICY-1135

[☆☆☆☆☆]

ロンドン・シンフォニー・オーケストラとの共演が話題のシンフォニック・ゴシックの六枚目のアルバムです。そのサウンドはニューウェーブ・ゴシック風クラシック(何だそりゃ)。そういうわけで、へヴィメタルと呼ぶにもロックと呼ぶにも無理があるような気がしたりするのですが、系統としてはELENDとかTHERIONなどに通じるロックとクラシックとの融合という方向性を推し進めたものになってます。クラシックに偏り過ぎてしまった印象は強いですが。もっとも以前のアルバムはもう少しメタル寄りだったらしいですけど。
しかし。
男女ヴォーカルの激情的なパフォーマンスがドラマティックな世界を鮮やかに彩っており荘厳かつ優美な調べに乗って、繰り広げられる愛の劇場(笑うところではない)はダイナミズムに満ちています。オーケストラも世界観にピタリとはまって、サウンドトラック的な情景描写に強く寄与しています。シンフォニックという言葉に敏感に反応してしまう人は要チェック、でも決して疾走したりはしないので注意。

RISK/MEGADETH

リスク/メガデス

TOSHIBA EMI TOCP-65272

[☆☆☆☆]

挑戦的なアルバムタイトルを引っさげたメガデスの最新作ですが、前作からの流れを引き継いだメロディアスでキャッチーな要素満載のアルバムになっています。デジタルなエッジを持ちストリングスを多用した1からデイヴ・ムステインらしい皮肉めいて棘のあるダークな2、6から新たな彼らのアンセムになるであろう観客との掛け合いを想定したコーラスパートが印象的な3〜4、そのブラックな歌詞とは裏腹にポップな曲調の5、思わず誰かのカバーか?とクレジットを確認してしまうロックンロールの10、バラードの曲からドラマティックな展開を見せる連作の11、12などバラエティに富んだ楽曲はヴォーカル中心の曲作りがなされ聴かせるという意志を強く感じさせます。
その反面へヴィメタル的なエッジは大幅に後退しており、スラッシュメタルと呼ばれていた頃の鋭さは影を潜めています。暖かみのある音作りによって親しみを持たせることには成功しています。
一聴した印象ではブルー・オイスター・カルトを連想したのですが、それはさておき。
手の込んだ丁寧に作りこまれたサウンドはメジャー級の風格を感じさせるものですし、練りこまれた楽曲も魅力的に仕上がっています。へヴィメタルとしての評価はともかく、紛れもなくメガデスのサウンドがここにはあります。

と思ったら東芝EMIの区分では<ROCK/HARD ROCK>で既にへヴィメタルではなかったりして。ちなみにアイアンメイデンは<HARD ROCK/BRITISH METAL>です。

MASTERPEACE/METAL CHURCH

マスターピース/メタル・チャーチ

NIPPON CROWN CRCL-4725

[☆☆☆☆]

オリジナルメンバーで復活のメタル・チャーチのニューアルバムです。とは言ってもレコーディング中にギタリストは交替してしまったのですが。初代ヴォーカリストとメタル・チャーチサウンドの要であるカート・ヴァンダーフーフが戻った事により、初期の空気を持ったダイナミックな展開のパワーメタルが作り出されています。メロディック路線だった前作からの流れも引き継いでおり、キャッチーな唄メロの曲やドラマティックな曲など単に初期に戻っただけではない考えられた楽曲が揃っています。
独特の力強いヴォーカルと硬質なリフとメロディアスなフレーズを産み出すギターが起伏のある楽曲を盛り上げています。ただ、初期と後期の中間的なサウンドの印象が彼らの位置を不安定なものにしている感もあります。

IN DARK PURITY/MONSTROSITY

イン・ダーク・ピュリティー/モンストロシティー

MARQUEE INC., MICY-1134

[☆☆☆☆]

デスメタルのメッカ、フロリダからのデスメタルです。荘厳で重厚なイントロが期待を高めたところで、本編の入り方はちょっとパワー不足な感じが。疾走感あるザクザクしたリフの切れ味とメロディアス(あくまでもデスメタルの範疇)なフレーズがアクセントとなって曲の表情の多様性を生み出しています。疾走一辺倒ではなく緩急も要所をきちんと押さえており、ヴォーカルも最近のテスタメントくらいには聴き易い部類(あくまでもデスメタル!)に入るんじゃないかと思われます。迫力十分でも何言ってるか聞き取れるので。
というわけで、あまり他の要素を取り込んだりしない純粋培養のアグレッシブなデスメタルの魅力をたっぷり味わえるでしょう。

KEEP IT TO YOURSELF/MULLMUZZLER

キープ・イット・トゥ・ユアセルフ/マルマズラー

MARQUEE INC., MICY-1131

[☆☆☆☆]

ドリームシアターのヴォーカリスト、ジェイムズ・ラブリエのソロプロジェクト・アルバムです。
とにかく、マグナ・カルタ総動員といった感じでシャドウ・ギャラリーやマジェランのメンバーが作曲に駆り出されており、実際のプレイの方も演奏技術にはまったく危なげの無い顔ぶれを揃えており、バックを支えるにはこれ以上は無いという感じになってます。そしてジェイムズ・ラブリエのヴォーカルですが、アラビアンでファンタジックな3とかホーン導入の4などでドリームシアターで聴かれる以上に自由で伸びやかな印象を与え、またバンドでは見られない一面を見せたりと彼の実力を十分に発揮しています、歌詞の題材とかも違うしね。スリリングなインストゥルメンタルも強力ですが楽曲自体はヴォーカルを中心にして構成されており、ジェイムズ・ラブリエの魅力を引き出しています。
で、やっぱり本来のバンドの方は色々な意味でかなり心配になったり。

WALKING THROUGH MIRRORS/SCUDIERO

ウォーキング・スルー・ミラーズ/スクーディエロ

MARQUEE INC., MICY-1132

[☆☆☆☆]

スウェーデン出身のプログレッシブ・メタルバンドのデビューアルバムです。本人たちはプログレメタルと呼ばれるのは嫌みたいです。もっともプログレ・ハードという方がふさわしいかもしれませんが。
安定した演奏と確かな実力の湿った感じの伸びのあるヴォーカルで叙情的なメロディアスナンバーを聴かせています。プログレッシブとは言ってもテクニカル偏重ということは無く、楽曲優先の聴きやすく分かりやすい展開を見せており、ハードなエッジを持ったまとまりを感じさせる音作りが成されています。しかし、その一方で派手さやインパクトは多少弱く、印象が薄くなってしまうところもありますが、全体的には手堅く仕上げられた質の高いアルバムになっています。

COSMIC HANDBALL/SILENT MEMORIAL

コズミック・ハンドボール/サイレント・メモリアル

TOSHIBA EMI TOCP-65276

[☆☆☆☆☆]

軽めのドリームシアターみたいな音で始まるこのアルバムはスイス出身のバンドのデビューアルバムです。元キャンドルマス、ブレイズン・アボットのトーマス・ヴィクストロームの強力なハイトーン・ヴォーカルを擁したテクニカルでプログレッシブな感覚の強いサウンドはヴォーカルメロディを中心に据えたものですが、インストゥルメンタル・パートも調和しながら変転する奇妙な色彩を与えており独特の感覚を生み出しています。コーラスのメロディラインも美しく、伸びやかなヴォーカルと共にドラマティックな楽曲を盛り上げています。そのSFめいた幻想的な歌詞世界が緻密に構成された楽曲と結びついて、流転するめくるめくビジョンを現出させます。
宇宙的幻想世界を旅したい人のために。






September

ARK/ARK

アーク/アーク

MARQUEE MICY-1141

[☆☆☆☆]

惜しくも解散したコンセプションのギタリスト、トゥーレ・オストビーがバンド存続中に作り出したプロジェクトがアルバムを発表しました。現マンダヌス・インペリウムのヴォーカル、ヨルン・ランデ、そして現在はイングヴェイと共にプレイするベテランドラマー、ジョン・マカルーソによって生み出されるサウンドは、コンセプションの時点でも見られた多様な音楽性を更に推し進めたものとなっています。テクニカルなギタープレイはフリージャズからスパニッシュ的なフレーズまで様々な表情を見せており、エモーショナルでソウルフルなヴォーカルが力強く歌い上げる楽曲は自由さを感じさせるものです。自然体で作られたジャンル枠にとらわれないメロディ充分のテクニカルロックを聴かせています。

ONCE UPON A STAR/BLACKSMITH

ワンス・アポン・ア・スター/ブラックスミス

VICTOR VICP-60851

[☆☆☆☆]

スウェーデン出身の古参バンドの再結成復活アルバムです。
基本的には様式美的なギタープレイで荒い感じのちょっと粘りがあるハイトーンヴォーカルを擁したオーセンティックなメロディックヘヴィメタルをやってるわけですが、ドラゴンズ・ファイアーとかホール・オブ・ザ・マウンテン・キングといった素敵な曲名がズラリと並ぶところを見てもらえれば一目瞭然のオールドスタイルなわけで。スウェーデンのバンドでさらにメシュガーのギタリストが何故かドラムスで参加しているにも関わらず、昨今のメロディックデスメタルなどには全く影響を受けていません。メタリックでソリッドなナンバーやネオクラシカルな曲、パワーバラードなど色々取り揃えておりバラエティのあるアルバムになっています。とりあえず意外性とか新規性とかいったものはあまり、いやほとんどないですけど安心してまったり聴ける一枚になってます。

TIME IS PROGRESS/DELIRIOUS

タイム・イズ・プログレス/デリリアス

SOUNDHOLIC SHCD1-0024

[☆☆☆☆]

ドイツ出身のスラッシュメタル!バンドです。テスタメントを彷彿とさせる疾走感あるスラッシュメタル特有の金属的で尖ったリフが心地よく、ダーティなヴォーカルもメロディをなぞっており攻撃性と破壊力を同居させたパワーを感じさせます。ギターソロもスピード感ある速弾きを聴かせてくれ、楽曲も疾走ナンバー一辺倒ではなくミドルテンポからスローなヘヴィナンバーまで揃えており、その起伏の激しいサウンドはスラッシュメタル全盛期を思い起こさせます。
とりあえずスラッシュメタルファンは黙って買うべし。

REBORN IN PAIN/DEVILYN

リボーン・イン・ペイン/デヴィリン

SOUNDHOLIC SHCD1-0028

[☆☆]

ポーランド出身の真性デスメタルバンドのセカンドアルバムです。同郷のヴェイダーにも通じる激烈に疾走する破壊力あるサウンドを確かなテクニックで生み出しています。何かコンセプトアルバムらしいですが良く分かりません。まさしくデスメタルってな音が苦痛だったり快感だったり。なんか半分くらいでお腹いっぱいって感じです。

SOULBURNER/GARDENIAN

ソウルバーナー/ガーデニアン

VICTOR VICP-60874

[☆☆☆☆]

イン・フレイムスに一時期在籍していた二クラス・エンゲリンが中心になって結成されたバンドのセカンドアルバムです。サウンドの方はイン・フレイムス的な叙情フレーズやセンテンストのような激情などを適度に織り交ぜたディストーションヴォーカルを中心にしたスタイルですが、ゲストで参加している元ARTCHのエリック・ホークのクリーンで力強い歌唱によって楽曲に強いコントラストが生み出されています。クリーントーンとディストーションヴォーカルが絡み合う曲や山場でのハイトーンが効果的に楽曲を盛り上げており、さらに女性ヴォーカルも絡んでデスメタルに留まらない多様な表情を作り出すことに成功しています。6ではエリック・ホークが全編ヴォーカルを取ったりと、正統的なヘヴィメタル色が強まっていますが、デスメタル的な攻撃的リフや突進力も残っており、バラエティの富む楽曲が揃っています。個人的には全編エリック・ホークに唄ってもらいたいところですが。

EXCALIBUR/GRAVE DIGGER

エクスキャリバー/グレイヴ・ディガー

VICTOR VICP-60868

[☆☆☆☆☆]

正統派へヴィメタルの雄、グレイヴ・ディガーの最新作はアーサー王と円卓の騎士伝説を題材にしたコンセプトアルバムです。静謐から壮大へと変転するイントロダクションから力強いファストナンバーへと勇壮かつ神秘的な物語世界へと聴き手を引き込んでいきます。アコースティックな民族音楽風フレーズから雰囲気を盛り上げるバグパイプの調べなど世界観の確立に力を注いでいます。またダーティなトーンが中心のパワフルなヴォーカルもここぞという個所ではクリーントーンのエモーショナルな歌唱を披露したりと厚い男女混声コーラスも伴ってドラマティックな楽曲を更に説得力あるものにしています。様々な装飾をこらしながらも正にヘヴィメタル!といったサウンドを作り出してくる辺りはベテランバンドの円熟の技を感じさせ、彼等の真摯な姿勢を伺わせます。
歴史・伝奇ものとしては三枚目になる彼等の作風も完成の域に達しつつあるのではないでしょうか。ライブでは盛り上がること必至に違いありません。

HYPOCRISY/HYPOCRISY

ヒポクリシー/ヒポクリシー

MARQUEE MICY-1142

[☆☆☆☆]

解散説が囁かれていたデスメタルバンド、ヒポクリシーですが再建してニューアルバムを発表しました。
荘厳なイントロで始まる一曲目のゴシック風味のメロディアスで落ち着いたナンバーからどうなることかと思ったりしましたが、2曲目は激烈に突っ走ってます。3曲目はメロディアスでキャッチーにも聞こえるリフのアップテンポのナンバーで聴き易いです。と思っていたら4曲目はまたしてもゴシック的なスローテンポのコーラス主体のメランコリックに歌い上げる曲だったりして、その後も予想しにくい楽曲が並んでいてなかなかアルバムの全体像を掴むのが難しいですが、普通のへヴィメタルアルバムのようにバラエティがあると思うべきなのかもしれません。
まあ、なんだか捉えどころの無いアルバムですが個々の楽曲の質は高いものなので、このデス、メロデス、ブラック、ゴシックなど、なんでも詰め込んだ闇鍋的な試みは結構面白いんじゃないでしょうか。

CONSORTIUM PROJECT/IAN PARRY

コンソーティアム・プロジェクト/イアン・パリー

NIPPON CROWN CRCL-4508

[☆☆☆☆]

エレジーのヴォーカリストであるイアン・パリーのソロプロジェクトです。実力派揃いのメンバーが参加したこのアルバムは彼のヴォーカルを活かしたオーセンティックなヘヴィメタルをやっています。上手いヴォーカルはどんな曲でもよく聞えてくるから不思議です。湿ったメロディ満載の硬派で締まった楽曲とエモーショナルなヴォーカルが堪能できます。

ALIVE IN ATHENS/ICED EARTH

アライヴ・イン・アテネ/アイスド・アース

VICTOR VICP-60852-54

[LIVE]

アテネで行われたライヴの模様を収録した三枚組!アルバム。
これまであまり知られることの無かった彼等のライヴパフォーマンスを充分過ぎるほど堪能できる全31曲のボリュームあるアルバムになっています。最近の二枚のアルバムからの楽曲と日本では評価の高いセカンドアルバムからの楽曲が中心にセットリストが組まれており、彼等の特徴がよく出た選曲になっています。肝心のプレイの方ですが、一枚目ではギターソロなどがかなり危なっかしいところもあり、やはりリフ主体のプレイヤーだったのだろうか、という思いを抱かせたりしますが、大作組曲の ANGELS HOLOCAUST 〜 STORMRIDER そして最新アルバムからの PROPHECY 三部作を収めた彼等の集大成的な二枚目では演奏も安定しておりドラマティックな楽曲とアイスド・アース世界をたっぷり味わえます。
しかし、何より特筆すべきなのはヴォーカルのパフォーマンスです。これだけの楽曲をフェイク無しに安定して唄ってのけるその力量には並々ならぬものが感じられます。激しく時にはメランコリックに歌い上げるこのヴォーカリストはヘヴィメタルのフィールドにおいても余りにも過小評価されすぎているようにも思えます。
ともかく現在、正統派ヘヴィメタルとして名乗るにふさわしい彼等の力強いパフォーマンスと欧州地域での人気の高さを実感できるファンならずとも聴く価値のあるアルバムでしょう。

KING OF THE NORDIC TWILIGHT/LUCA TURILLI

キング・オブ・ザ・ノルディック・トワイライト/ルカ・トゥリッリ

VICTOR VICP-60858

[☆☆☆☆]

シンフォニックメタルで名を馳せるラプソディーの中心人物ルカ・トゥリッリのソロアルバムです。
ファンタジックでヒロイックファンタジー風のジャケットと長いタイトル、そして彼のバンドのサウンドから想像されるよく言えば期待通り、悪く言えば変化の無いシンフォニックメタルをここでも作り出しています。北欧系のヴォーカルは無名の新人にも関わらず歌唱力には何の問題もありませんが、本家の熱いオペラティックな歌唱と比べれば割とサッパリ(あくまでも比べれば)したハイトーンで聴き易いかもしれません。また、全体のサウンドの方もアルバムの主題となっているのが氷と雪の世界だからかは分かりませんが割と涼しげ(あくまでもバンドと比べれば)になっているかも。クラシカルなアレンジや牧歌的なメロディもそのままですけど。
何故このアルバムがラプソディー名義でないのかは今一つはっきりしませんが、彼等の特徴である華麗で劇的で絢爛豪華なサウンドはここでも確かに息づいています。

NEMESIS/MIDNIGHT SUN

ネメシス/ミッドナイト・サン

MARQUEE MICY-1138

[☆☆☆☆]

北欧叙情路線邁進中のミッドナイト・サンのサードアルバムです。
叙情的で哀愁漂う、それでいてちょっとキャッチーなメロディは今回も健在ですが、ちょっとヘヴィなリフとか変わったフレーズなんてのも取り入れたりしてます。かと言って方向性には変わりなく高品質の美しいメロディを次々繰り出してきます。ヨーロッパのカバーも良好でメロディアスハード好きにはたまらない一品となっております。

GHOSTS/RAGE

ゴースツ/RAGE

VICTOR VICP-60784

[☆☆☆☆☆]

クラシックとヘヴィメタルの融合に新たな境地を見出しつつあるRAGEのニューアルバムです。レコーディング直後にバンドの創設者であるピーヴィー・ワグナーを除いた三人が脱退すると言うトラブル見舞われたバンドですが、新たに元マインド・オデッセイのヴィクター・スモールスキとイングヴェイなどと活動していたマイク・テラーナを加入させて再び三人編成に戻っています。
サウンドの方は成長著しいヴォーカルメロディを中心にこのところの彼等の特徴であるオーケストレーションアレンジを更に推し進めてヘヴィメタルとの自然な形での一体化が進んだドラマティックなものになっています。アグレッションやスピードといった要素はほとんど影を潜めてしまいましたが、それらに変わるダイナミズムに満ちた壮大な世界を作り出しており、ダークな雰囲気が織り成す神秘的な空気とキャッチーともいえる叙情的で扇情性の高いメロディが絡み合って彼等独自のサウンドを生み出しています。
スローからミドルテンポの曲が中心となっていますが、前作よりもロック然としたアップテンポのナンバーも増えており、ギターソロでも様式的で印象的なもの(誰がプレイしているのかはっきりしませんが)が増えており楽曲がより洗練される方向に向かっているようです。ポップな曲はよりポップに、ダークな曲はよりダークにとコントラストのはっきりしたメロディ中心の楽曲が主となった新生RAGEの魅力を十二分に発揮したアルバムとなっていることは間違いありません。

THE CHAINHEART MACHINE/SOILWORK

チェインハート・マシン/ソイルワーク

SOUNDHOLIC SHCD-0029

[☆☆☆☆]

スウェーデン出身のメロディックデスメタルバンドのセカンドアルバムです。同郷のアーク・エナミーに近い方向性を持った攻撃的かつ疾走感あるサウンドを作り出しています。スラッシュメタルの手法を使ったエッジの鋭いギターリフを積み重ねながら、泣きのギターソロ、ツインリード、速弾き奏法などを駆使した扇情性の高いメロディをエモーショナルにプレイしています。全体的にインストゥルメンタルのパートが長く、これでもか、と言うくらいに聴かせていますが、ヴォーカルは割とよくあるタイプの吐き捨て型ディストーションボイスですし、ヴォーカルパートにはあまり工夫は見られないようです。まあ、ほとんどアーク・エナミーって感じですが、それよりは荒削りな感覚が味わえます。

QUESTIONS/TREASURE LAND

クエスチョンズ/トレジャー・ランド

VICTOR VICP-60119

[☆☆☆☆]

旧譜なので色を変えておきます。
1997年に発表されたスウェーデン出身のバンドのデビューアルバムです。そのサウンドはテクニカルなフレーズや複雑な展開を見せるキーボードを交えたプログレッシブ・メタルです。メロディラインは北欧的というよりはドリームシアターあたりの湿った雰囲気を持ったもので多少不安定ながら力強く歌い上げるハイトーンヴォーカルが多彩な表情を見せる楽曲をドラマティックに表現しています。ソリッドなエッジをもったリフを中心に細かいフレーズを積み重ねていく疾走感を持った楽曲が印象的でヘヴィメタル色の強いアルバムに仕上がっています。
ところで、このアルバムは日本盤でまだ入手できるのでしょうか。

ALCHEMY/YNGWIE J MALMSTEEN'S RISING FORCE

アルケミー/イングヴェイ・J・マルムスティーンズ・ライジング・フォース

PONY CANYON PCCY-01409

[☆☆☆☆]

ネオクラシカル・ギタリストの元祖、イングヴェイ・J・マルムスティーンの最新作です。彼の作ったバンド「ライジング・フォース」名義で発表された本作は初期作品群に見られたインストゥルメンタルの比重が圧倒的に高いギター・オリエンテッドな作品になっています。流石にこの形態のサウンドの創始者と唸らせる華麗でテクニカルなネオクラシカル・フレーズを縦横無尽に駆使し、スリリングな楽曲を作り出しており、近年の彼の作品には見られる事の少なかったギタープレイへの執念が感じられます。
しかし、インストゥルメンタルの充実度に比べるとヴォーカルパートの弱さは歴代最高と呼ばれるマーク・ボールズのパフォーマンスを以てしても埋められなかったように感じられます。また、インプロヴァイズされたギターソロも彼の得意な運指、もしくは聴き馴染んだ速弾きフレーズが多く聴かれ、新味には欠けるところもあります。
とはいえ、他のフォロアーの追随を許さない高品質な作品であることは間違い無く、彼のギタープレイに期待する向きには充分に満足できるものであり、これまで追求してきた様式美サウンドを文字通り体現したアルバムと言えます。

A TRIBUTE TO ACCEPT/V.A.

トリビュート・トゥ・アクセプト/V.A.

VICTOR VICP-60823

[EXTRA]

みんなが待ちに待ってたアクセプトのトリビュートアルバムだ!(笑)
アクセプトの楽曲のポイントと言えばウルフ・ホフマンのギタープレイとタイトなリズム隊、そしてウド・ダークシュナイダーの独特で特異なヴォーカルに尽きるわけですけど、ベテランバンドからニューフェイス、デスメタルバンドまで参加したこのアルバムはこんな感じです。
BALL TO THE WALL / SINNER
ジャーマンメタルの既に重鎮、シナーがトップを飾ってます。さすがに演奏などは安定して問題無くギターソロもちょっとシナーしてみたりですが、ウドに似せようと努力するマット・シナーの奮闘振りが心に染みると言うか、ちょっと無理があるような。ウドみたいに聞こえるところもあるんですけど、メ〜ンってところがかなり引っ張り過ぎでしょうか。
HEAD OVER HEELS / HAMMERFALL
最初のシャウトがあまりにもソックリだったのでソックリ大賞をあげようかと思いましたがウド本人でした(苦笑)。ハンマーフォールのアルバムを聴いて予想される通りの楽曲の仕上がりです。でもウドも唄ってます。という事でこの対比は結構ハンマーフォールにはキツイかも。サビと終盤で少しコーラスとかアレンジしてます。
SON OF A BITCH / TANKARD
既に違う曲になってます!(爆笑)
ミドルテンポのへヴィナンバーのオリジナルがここでは突進ファストナンバーに変貌しておりタンカード節が炸裂というか、どうしようもなく面白すぎます。ギターソロとかもカッコイイんですけど。
FAST AS A SHARK / STEEL PROPHET
良く知らないバンドですけど珍しくオリジナルに忠実なバージョンのこの曲を聴かせてくれたりします。ただ、それだけってところが何ですが。
I'M A REBEL / SODOM
カバー曲をカバーしてどうする!(笑)
ポップなオリジナルをちょっとダークな感じで始めてやっぱりソドムらしいファストなアレンジにして起伏を激しくしてます。
BREAKER / PRIMAL FEAR
ラルフ・シーパースはやっぱり上手いです。まるで自分の曲みたいに唄ってます。ギターソロは少しアレンジされてます。
SHAKE YOUR HEADS / ATROCITY
これも既に違う曲だ!(笑)
割と平坦なオリジナル曲をテンポを上げ、デジタルなアレンジでちょっと目新しい感じに仕上げてきており、かなり面白い曲になってます。アクセプトって感じじゃありませんけど(笑)。
FLASH ROCKIN MAN / AXXIS
ハイトーン・ヴォーカルのおかげで、とても爽やかな楽曲になってしまいました。これもまるで自分達の曲みたいに消化されきってます。
STARLIGHT / GRAVE DIGGER
普通すぎて、うーん。クリス・ってウド声だよなあ。あの馬鹿みたいな疾走感を出してこなかったのは少し残念。
MONSTERMAN / SEVEN WITCHES
これも良く知らないバンドだったりしますけど、なんか渋い選曲だなあ(笑)。いや悪い曲ではないんですが。 特に変わったアレンジは無し。
THE KING / THERION
なんてマイナーな曲を選ぶんだ!(笑)
という事でピアノ、女性ヴォーカルで始まる凄いアレンジになってます。哀愁帯びた叙情感は5割増しくらいになっており、やっぱり既に誰の曲か分からなくなってます。
GENERATION CLASH / TAROT
ウドのヴォーカルではなかった曲ということで奇をてらってきましたが、残念この曲は後にウドもリメイクして唄っていたという(苦笑)。元曲をよく覚えてないので出来は良く分かりませんでした。
BURNING / METALIUM
正統派メタルとして最近話題のこのバンドですけどロックンロール・ナンバーであるオリジナルを無難にこなしていると言うか、ハイトーン・ヴォーカルは割と頑張ってます。ほんの少しだけコーラスを差し込んだりしており、アウトロは好き勝手にやってます。
RESTLESS AND WILD / PEGAZUS
な、なんか演奏が(苦笑)。ヴォーカルは全力で唄ってますって言うか、力みすぎ?ギターソロはかなりアレンジされてます。
WATCHTOWER / RUN IF YOU CAN
何て酷いヴォーカルなんだ!(笑)いや、それより何より音がアンマリでは…(汗)。曲は覚えてないのでまあいいです。
LONDON LETHERBOYS / RYKERS
むせっかえる男臭さ爆発の応援団[(C)ケイゴ・オオイシ氏]的デス声による楽曲破壊の一例。
CHINA LADY / NEW EDEN
こんな曲だっけ?ちょっと聴きなおしてみます。
FIGHT IT BACK / SACRED STEEL
なーんーてーへーたーなーんーだー。元曲が良くなかったらくたばってます。
MIDNIGHT MOVER / DARKSEED
こんなに唄えないヴォーカルだったろうか…。普通の曲だとどうも魅力半減って感じですな。


てなわけで、ボーナストラック含む全19曲でした。





October

AMEN/AMEN

エイメン

ROADRUNNER RRCY-1106

[☆☆☆]

エイメンというかなり剣呑な名前と危険度が高そうなジャケットのアメリカのバンドです。逃げ場の無い閉塞感に満ちた歌詞とは裏腹にサウンドはドライブ感のあるへヴィロックだったりします。ハードコア、インダストリアルを経由したようなノイジーで攻撃的なサウンドに思ったよりも分かりやすいメロディが雑音混じりのエフェクト系ヴォーカルで唄われてます。楽曲はダークでへヴィな雰囲気ながらもロックらしい力強さがあり、オビの叩き文句で煽るほどの危険度は無く聴きやすくなっています。

TEN MORE TALES OF GLAND ILLUSION/BALANCE OF POWER

テン・モア・テイルズ・オブ・グランド・イリュージョン/バランス・オブ・パワー

PONY CANYON PCCY-01419

[☆☆☆☆]

イギリス出身のバンドのサードアルバムです。徐々にハードポップなサウンドからエッジのあるハードなものへと移行してきた彼等ですが今作では更にその傾向が強まって様式美的な展開を見せるドラマティックなサウンドを作り出しています。ネオクラシカル調のテクニカルなギターソロがソリッドなリズム隊の上を浮遊し、伸びやかで感情豊かなハイトーンヴォーカルと繊細に綴られたコーラスが絡み合って起伏のある楽曲を生み出しています。明るすぎない湿ったブリティッシュロックの伝統的なメロディが扇情的に感情を揺さぶります。また、危なげない確かな演奏力は楽曲を鮮やかに表現しておりシリアスな歌詞とともにアルバムのレベルを高いものにしています。

SCREAM FOR ME BRAZIL/BRUCE DICKINSON

スクリーム・フォー・ミー・ブラジル/ブルース・ディッキンソン

VICTOR VICP-60861

[LIVE]

1999年4月にブラジルで行われたライブの模様を収めたアルバムです。スタジオレコーディング時と同じメンバーによって演奏が行われています。「ケミカル・ウエディング」アルバムからの曲を中心に新旧の人気曲で構成されています。ブルースのヴォーカルは全盛時を思わせる力強く張りのあるもので、ダークでミステリアスな雰囲気の楽曲を生命力豊かに表現しています。さらにロイ・Zとエイドリアン・スミスの両ギターもメロディを艶かしくリフをタイトにプレイしており、アルバム以上の激しさを感じさせています。観客もさすがにブラジル!といった盛り上がりを感じさせ、もうこのメンバーを見ることも無いのが非常に残念です。アイアン・メイデンが来日した暁には前座でも良いので是非このライブを再現してもらいたいものです。

COSMOSQUAD

コズモスクアッド

ZAIN RECORDS ZACB-1022

[☆☆☆]

エドウィン・デアーのギタリスト、ジェフ・コールマンのインストゥルメンタルをプレイするプロジェクトのファーストアルバムです。ベースにはイングヴェイやMSGなどに参加したことのあるバリー・スパークス、ドラマーにはやはり同じく参加していたシェーン・ガーラースがプレイしています。
いろんな事をやってるアダルトな雰囲気漂う70年代的フュージョンですけどBGMにしかならないような気もしないでもないです。時折スリリングなプレイも聴かれる事もあります。

FOR ALL TID + LIVE!!/DIMMU BORGIR

暗黒の宮殿/ディム・ボガー

MARQUEE INC., MICY-1150

[☆☆☆]

ノルウェー出身のブラックメタルバンドのデビューアルバムにライブ音源を収録した来日企画盤です。いまやシンフォニック・ブラックメタルとして推しも推されぬ彼等ですが、このアルバムの時点ではまだ大仰さや荘厳さが控えめになっており、北欧の森をイメージさせる暗く物悲しげなサウンドが展開されています。クリーントーンのヴォーカルの割合も高く、フォークやトラッド的なメロディも伴って寂寥とした雰囲気を作り出しています。おとなしいと言った印象が強いでしょうか。
と、これを書いている時点では既に彼等の来日公演は中止になっていたりするのですが、それでもアルバムだけは出てしまうのはいつぞやのメガデスの来日記念盤を思い出させるような。
アクセプトのカバーは普通です。

METROPOLIS PT.2:SCENES FROM A MEMORY/DREAM THEATER

メトロポリス・パート2 シーンズ・フロム・ア・メモリー/ドリーム・シアター

EAST WEST JAPAN AMCY-7087

[☆☆☆☆]

キーボードにリキッド・テンション・エクスペリメントでプレイしていたジョーダン・ルーデスを迎えて製作された今作は「輪廻転生」を主題にしたコンセプトアルバムになっています。とりあえず歌詞を読んだくらいでは把握するのが困難な「愛憎が絡み合う退廃的な関係から生み出された悲劇的な出来事を前世の記憶によって過去と現在とをリンクするような救いがあるのか無いのかハッキリしないストーリー」はさておき、 L.T.E.で聴かれたような長丁場のインストゥルメンタルでの激しく鬼気迫るプレイが目立っており複雑かつ多重的なサウンドを生み出しています。特に5の後半のプレイのすべての楽器が自由奔放に駆け巡る壮絶さや9のテクニカルな正確さは圧巻ですし、6のへヴィでアグレッシブな感触も最近のアルバムではあまり聴かれなかったような。それに8あたりではエキゾチックなフレーズが奏でられ雰囲気を盛り上げます。最近の彼らの作品のインストパートが弱いと感じられた人でも溜飲を下げる仕上がりです、と言うかヴォーカルは必要なのか?ってな凄いことになっちゃってます。
そういうわけで比重が軽くなったとか印象が薄くなってしまった感もあるヴォーカルもエモーショナルな歌声を力強く披露していますし、ゲストの女性ヴォーカルとかゴスペルコーラスなどもあったりして物語に沿った心象風景を映し出す効果を上げています。
IMAGES AND WORDS をベースに彼らのこれまでの成果を散りばめたような、そんな印象を与えるアルバムのような気がします。

THE GREAT DIVIDE/ICE AGE

ザ・グレイト・ディヴァイド/アイス・エイジ

MARQUEE MICY-1144

[☆☆☆]

プログレ・シンフォニック系レーベル「マグナ・カルタ」発の期待の新人バンドのデビューアルバムです。メタリックな色彩を持ったサウンドでエモーショナルなヴォーカルが力強く唄い上げるスタイルです。テクニックも確かなようで新人バンドとは感じさせない安定したプレイを聴かせています。アメリカ出身者が多数を占めるバンドですがメロディなどは欧州風味の湿ったものになっていたりしますけど、ところどころはドリームシアターの影が見え隠れ。ラッシュ風の明るめの曲もあったりして手札の多さを示していますが、まとまりが良すぎて印象が多少薄くなってます。

ANIMATRONIC/THE KOVENANT

邪悪の烙印/ザ・コヴナント

MARQUEE MICY-1147

[☆☆☆☆]

COVENANTから改名してTHE KOVENANTになってのサードアルバムです。シンフォニックでドラマティックなブラックメタルをやってた彼らですが今回のアルバムではデジタル色が強まっており、例えて言うなら機械化されたセリオンとかシンフォニックなマリリンマンソンといった感じでモダンな雰囲気が漂ってます。とはいえメインのヴォーカルは切れたキング・ダイアモンドみたいなパフォーマンスをやってますし女性コーラスもたくさん、さらにエッジが強まった6はメガデスみたいに聞こえなくもないです。リフはあくまでもメタリックなものですし、ギターソロなどもへヴィメタルみたいな(なんだそりゃ)挿入のされ方、かつ、らしいフィーリングを出しているので、サウンドに対する違和感も少なくなってます。でも、ちょっと大仰さは無くなったでしょうか。

REALITY...FATE/N8

リアリティー・フェイト/エヌ・エイト

SOUNDHOLIC SHCD1-0030

[☆☆☆☆]

イタリア出身のプログレッシヴメタルバンドのファーストアルバムです。哀愁帯びたメロディラインを伸びやかなハイトーンヴォーカルが歌い上げ、テクニカルな構成のインストゥルメンタルがバックを支えるというドリームシアター系のサウンドをやってます。プログレシブな雰囲気が全体的に漂っていますが、無理な曲展開などは少なく滑らかな流れの楽曲が中心になっています。エモーショナルな感覚を充分に表現するヴォーカルのパフォーマンスが目立っており聴きやすくなっています。

FEAR/ROYAL HUNT

フィア/ロイヤル・ハント

PONY CANYON PCCY-01417

[☆☆☆☆]

D.C.クーパーが脱退して新たにアーテンションのジョン・ウエストを迎えた新生ロイヤル・ハントの5枚目のアルバムです。メンバーチェンジの影響も全く感じさせない、まさしくどこを切ってもロイヤル・ハントと言ったメロディやドラマティックな展開に満ちておりアンドレ・アンダーセンさえいれば彼等のサウンドは成り立つことがはっきりと示されたと言えるかもしれません。実力者として知られるジョン・ウエストのヴォーカルもメロディの充実度が上がっているため、アーテンションで聴かれるものよりも表情豊かになっているようにも感じられます。
収録曲が7曲と昨今のアルバム事情から比べるととても少なく、また一曲当たりの時間も長めですが、テーマはあるとは言えコンセプトアルバムではないため、曲単位でのまとまりや起承転結がはっきりしており分かりやすくなっています。インストゥルメンタル・パートの割合も増えておりヴォーカル中心から楽曲中心へと比重が移っているようです。

FEAR THE FORCE/TEN

フィア・ザ・フォース/テン

MERCURY PHCR-3082

[MINI]

予定が遅れに遅れたテンのミニアルバムがやっと出ました。
アートワーク・コンテストで選ばれたジャケットデザインな訳ですが、解説とかまったく付いていないので詳細などはサッパリ分かりません。それはさておき、内容の方は「スペルバウンド」からのシングルカット3曲と未発表アコースティック・バージョン3曲という事で、それはアッサリし過ぎてドラマティックさが薄まって地味かもしれんくらいしか、とりたてて言うべきことも無いのですが、マーキュリーのカテゴリーではテンはポップスだったのか、と気づいたり。

THE GATHERING/TESTAMENT

ギャザリング/テスタメント

POLYDOR POCP-7428

[☆☆☆☆☆]

スラッシュからモダンヘヴィネス、そしてデスメタルにまで接近して純粋にヘヴィメタルを追及しつづけるテスタメントの新作はこれまでの彼等の作品の集大成的な雰囲気を持ったものになっています。レコーディングにデスメタル〜スラッシュメタルでの実力者であるギタリスト、ジェイムズ・マーフィーとスレイヤー〜グリップ・インクのドラマー、デイヴ・ロンバードを迎えてメンバーには万全を期した体勢で望んだ本作ですが、一曲目の怒涛のファストナンバーから始まってヘヴィなエッジを持ったミドルテンポの2、ムーディーな空気を持った4などなど初期の楽曲を現在のサウンドで再現したかのような、無理な制約を取り払った自由さを感じさせるものになっています。ヴォーカルもディストーションのみだった前作から、パワフルに吼えるいつものスタイルが中心になっており、すべての楽曲のダイナミズムや起伏も高まり、独特のメロディラインも伴って躍動感さえ感じさせるサウンドが確かな演奏力で展開されています。
過去の彼等にあった閃くようなギターソロはジェイムズ・マーフィーが加わったとは言え彼の関与した比率が少ないせいか、このアルバムでもあまり聴かれませんが、新世代スラッシュを強く意識させるソリッドでヘヴィなサウンドはテスタメントの真髄に迫るものとなっています。

SKELTON SKELETRON/TIAMAT

スケルトン・スケルトロン/ティアマット

VICTOR VICP-60886

[☆☆☆☆]

デスメタルからの転身を図って久しいティアマットの6枚目のアルバムです。前作あたりまではプログレッシブ的にオリエンタルなフレーズなどさまざまな音楽的要素を取り入れて妖しい雰囲気を醸し出していましたが今度のアルバムではよりゴシックロック的な統一されたサウンドになっており、彼ら独自の世界を作り出しています。静謐と耽美をイメージさせるバックの演奏に、呟くように唄うヴォーカルと艶やかな女性ヴォーカルが陰鬱と優美のコントラストを強く生み出しており、優しくもあり哀しげでもあるムーディなサウンドに包み込まれていきます。

VISION DIVINE/VISION DIVINE

ヴィジョン・ディヴァイン

VICTOR VICP-60883

[☆☆]

ラビリンスのギタリスト、オラフ・トーセンとラプソディー、アシーナのヴォーカリスト、ファビオ・リオーネが中心となったプロジェクトのファーストアルバムです。ファビオ・リオーネがラビリンスを脱退せずに次のアルバムを作っていたならこんな感じだったろうか、と思わせるスピード感あるメロディアスなサウンドになっています。
が、ラプソディーの大仰さとかラビリンスのエキセントリックな要素などもほとんど無くなっており、またサウンドの方も各人が在籍するバンドよりは薄く軽いものになっているため更に楽曲が与える印象が弱くなったりしています。無難にまとめられた音はこじんまりとしてますし。テクニカルな速弾きギターソロやキーボードとの絡みもありますが、全体的に淡白なため曲の山場がとても低くなってます。さらにドラマティックに唄い上げるはずのヴォーカルも唄メロを唄いやすい方に持っていきすぎてるのか盛り上がってません。楽しんでプレイするのはいいですが、ちょっと楽をし過ぎたんじゃないでしょうか。
ファイナル・カウントダウンが心に染みます。

VK3/VITALIJ KUPRIJ

VK3/ヴィタリ・クープリ

ROADRUNNER RRCY-1112

[☆☆☆☆☆]

ウクライナの役所が悪いのか本人の手際が悪いのか、それは定かではありませんが一向に来日することが出来ないヴィタリ・クープリのオールインストゥルメンタルのサードアルバムです。今回はギタリストにあのトニー・マカパインが参加してたりしますが、あんまりバトルとかはやってなかったりします。それはさておき、収録曲が7曲(流行りか?)で個々の楽曲の時間が長く取られており、クラシック的な要素が強くなっているこのアルバムはやはり展開の妙を聴き込むというのが正しい姿みたいです。ピアノのみの曲とかは無いですが、相変わらずのスリリングなキーボードは圧倒されますし、要所を締めるギタープレイもツボを押さえてるって感じでドラマティックに進んでいきます。
でも、さすがに三枚目だと耳が慣れたかもしれない、と思いつつ。





Nobember

TOKYO WARHEARTS - LIVE IN JAPAN 1999/CHILDREN OF BODOM

東京戦心〜トーキョー・ウォーハート/チルドレン・オヴ・ボドム

TOY'S FACTORY TFCK-87200

[LIVE]

1999年7月10日、11日の両日の日本公演の模様を収めたライブアルバムです。スタジオアルバム同様華麗で攻撃的なプレイが随所に聞かれ、キーボードソロ、ギターソロなどのパートも盛り込まれており起伏ある展開のライブの流れを作っています。アクセプトのボール・トゥ・ザ・ウォールみたいなリフを弾いたりしたのはカバーする予定でもあるのでしょうか。それはさておき、スタジアム並(笑)の歓声が盛り上がっている会場の様子を漏らさず伝えており是非次回は単独で来日してもらいたいものです。なおスピードはいつもの一割増しくらいです。

ASTRONOMICA/CRIMSON GLORY

アストロノミカ/クリムゾン・グローリー

KING RECORD KICP-688

[☆☆☆☆]

銀の仮面で一世を風靡した?クリムゾン・グローリーが再結成して帰ってきました。強力なハイトーンヴォーカルのミッドナイトは音楽業界から身を引いてしまったようで既に在籍してはいませんが、後任のヴォーカリストも荒れた感じの声質のパワフルなハイトーンを聴かせています。一曲目の勇壮な行進曲のようなインストゥルメンタルナンバーから期待を高め、往年の湿ったメロディを持ったドラマティックでプログレ風味なヘヴィメタルがずらりと並びます。ヴォーカルは荒削りながらハイトーンを馬力で引っ張りまわすだけでなく、メロディを聴かせたりもして結構芸の細かいところを見せています。楽曲は以前に近いサウンドとは言え、リフなどに90年代のモダンヘヴィネスの影響も少し感じさせたり、ヴォーカルエフェクトなどを使ったりして新生面も打ち出していますが、全体的にはやはり彼ららしいものになっており、ギターソロなどのハーモニーやユニゾンが変わり無いのは安心感を与えています。
ボーナストラックにはミッドナイト在籍時のライブが収められています。

THE RASPBERRY JAMS/JASON BECKER

ザ・ラズベリ−・ジャムズ/ジェイソン・ベッカー

ROADRUNNER RRCY-1113

[☆☆☆☆]

難病に苦しむギタリスト、ジェイソン・ベッカーのオール・インストゥルメンタルのソロアルバムです。このアルバムでは過去に収録した未発表曲やアイデア段階のテイクなど、彼が病床につくまでのアイテムを集めたものになっています。年代も題材も様々な楽曲を集めたものですが、多様なスタイルの楽曲がモザイクのように合わさって多彩な側面を露にしています。友人であるマーティ・フリードマン(メガデス)との共演曲や彼が影響を受けた様々な音楽に対する敬意に満ちたサウンドが聴かれます。
ほとんど身体も動かせない状態に陥っていても、尽きぬ才能の輝きは同じような境遇の人ならずとも総ての人に希望を与えるものになっているのではないでしょうか。

SLIPPED INTO TOMORROW/JOHN NORUM

スリップド・イントゥ・トゥモロウ/ジョン・ノーラム

TOSHIBA EMI TOCP-65325

[☆☆☆☆]

元?ヨーロッパのギタリスト、ジョン・ノーラムのソロアルバムです。このアルバムでは彼が全編ヴォーカルもとっています。エモーショナルなギタープレイはさることながら、ヴォーカルの方も結構いけてます。ジョン・サイクスをダークにしたような感じでしょうか。ブルージーなプレイからテクニカルで華麗なプレイまで、これでもかって弾きまくっている、というのが文字通り当てはまる縦横無尽の活躍を聴かせています。
攻撃的でエッジの効いたハードな曲も多く、バラエティに富んだ躍動感のあるアルバムに仕上がっています。

ANGELS OF THE APOCALYPSE/MASTERMIND

エンジェルス・オヴ・ジ・アポカリプス/マスターマインド

MARQUEE INC., MICY-1153

[☆☆☆☆]

ストイックにプログレッシブ街道をひた走ってきたベレンズ兄弟率いるマスターマインドですが、このアルバムではかなり異なる印象を与える変化を遂げています。新たに女性ヴォーカリストを迎えて製作された本作は一曲目の小気味良いテンポの妖しげなイントロから大仰かつドラマティックな展開、そしてオーセンティックなヘヴィメタルらしい醍醐味を見せていきます。前作から参加しているイェンス・ヨハンソンの影響かネオクラシカルなフレーズも多く聴かれ、まるで別のバンド、例えて言えばラナ・レーン的なものになっています。とはいえインストゥルメンタル部分ではテクニカルかつ多層的な展開を見せ、彼らの持ち味である自由奔放なプレイで魅力を発揮しています。
ヘヴィメタル然とした部分とプログレッシブな部分の整合性が多少噛み合わないと感じられるところもありますが、感情豊かに表現するヴォーカルの艶やかさが楽曲の扇情性を増しており新たな境地への転身は充分に成功しているでしょう。
過去のアルバム(サードアルバム)を聴いてからかなりの時間が経過していますが、その時点でのスリリングなサウンドが極彩色といった風の鮮やかなものになっており、プログレッシブロックに耐性が無い人にも受け入れやすいのではないでしょうか。けれどもライブは何かと大変そうです。

EL&Pのカバーも独自のアレンジを施してとても良い感じにやってます。

MILLENNIUM METAL -CHAPTER ONE-/METALIUM

ミレニアム・メタル/メタリウム

MARQUEE INC., MICY-1156

[☆☆☆☆☆]

名前からいきなり本気か?と思わせる恐るべきプロジェクト、メタリウムですが心配御無用。彼らは本気です!
サヴァタージのクリス・キャファリー、現RAGEのマイク・テラーナ、ヴェルヴェット・ヴァイパーのラーズ・ラッツの三人が中心となって始められたプロジェクトです。オムニバスアルバムなどで活動を続けているメタリックでパワフルなハイトーンヴォーカルのへニング・バッセの歌唱はそのオーセンティックな楽曲を伴って時にクリムゾン・グローリーのように聞こえたりします。ソリッドなリフを主体にした硬質な楽曲は中期サヴァタージ的だったり、野太いコーラスがアクセプト的だったりジューダス・プリースト的だったりマノウォー的な突進力や大仰な展開など伝統的なヘヴィメタルのスタイルを再現しつつ、自分達が信じるヘヴィメタルを作り出す強い意志を感じさせるものになっています。
残念なことに音質はあまり良くはありませんが、ヘヴィメタルらしいヘヴィメタルを求める人には一服の清涼剤となることは間違いありません(熱いけど/笑)。
でも、どう考えてもジャケットは何とかした方がいいと思います。

THE BUTTERFLY EFFECT/MOONSPELL

バタフライ・エフェクト/ムーンスペル

VICTOR VICP-60900

[☆☆☆☆]

ポルトガル出身のゴシック系バンドの4thアルバムです。今度のアルバムではデジタル色が強まったエッジの効いたサウンドが特徴的で、今までのダークなゴシック的世界の陰鬱で内面に迫る楽曲に凶悪な破壊力を秘めた暴虐性が見え隠れするものになっています。ヴォーカルはディストーション・ヴォイスから囁き、呟き、語り掛けるように唄い時には浮遊感あるキャッチーな面など表現力の豊かさを見せたりしています。頽廃と苦悩に満ちた歌詞世界ながら、うねりのたうつヘヴィな楽曲からドライブ感ある楽曲、インダストリアル的で歯切れのいい楽曲などで多彩に表現しながら心の暗黒を吐き出している、ようなものになっているみたいです。

DIVA FUTURA/NIGHTFALL

ディヴァ・フューテュラ/ナイトフォール

MARQUEE INC., MICY-1154

[☆☆☆☆]

ギリシャ出身のメロディックデスメタルバンドです。前作同様オーセンティックともいえるスタイルの叙情的でメロディアスなフレーズを中心としたバックに唸り吼えるヴォーカルが乗る形には変わりありませんが、今回はゴシック風味やエキゾチックなフレーズの導入など音楽性を広げる方向に向かっているようです。1、2曲目のアイアンメイデン的なリフやグルーブ感ある3、などメタリックな感触はデジタル処理も多少施されて個々の楽曲において色々な面を表現するようになっていてバラエティがあります。
ここまでメロディアスな面を強調されるとヴォーカルの表現力に多少不満を覚えますが全体的にはメランコリックでダーク、そしてセンチメンタルな感触の作品になっています。

CRYSTAL TEARS/ON THORNS I LAY

クリスタル・ティアーズ/オン・ソーンズ・アイ・レイ

MARQUEE INC., MICY-1148

[☆☆☆☆☆]

ルーマニアが本拠地のゴシックメタルバンドのサードアルバムです。メタリックな感触を残しながら女性ヴォーカルの繊細で柔らかな声と幻想的な雰囲気を持った叙情的なメロディがヴィオラやピアノの生楽器の旋律と一体となって悲壮感ある世界を作り出しています。東欧の暗い森の凍てつくような夜を連想させるサウンドがセンチメンタルな空間を美しく華麗に彩っており、扇情性の高い楽曲を揃えています。ボーナストラックはメロディックデスメタルといった風ですが、それも悪くありません。(日本盤発売10月作品)

Q2K/QUEENSRYCHE

Q2K/クイーンズライク

east west japan AMCY-7102

[☆☆☆]

前作でのアルバムの方向性を握っていたとされるクリス・デガーモが脱退し新たにケリー・グレイを迎えて製作された7作目です。前作の欠点をすべてクリス・デガーモに押し付けて心機一転出直し的な雰囲気になったアルバムですが、なるほど前作ほどの露骨な方向性の擦り寄りは少なくなったものの前作からの延長線上にあるラフでグルーヴ感を中心としたサウンドを作り出しています。とは言えヴォーカルのパフォーマンスは素晴らしいですしメロディにも光るものが戻りつつあり、ヴォーカル・オリエンテッドなロックアルバムといった雰囲気が強まっています。
確かに前作よりは良くなっていると思われますがクイーンズライクがこんなものでいいのか?と言う感じは否めないところです。

ONE FOR ALL/RAVEN

ワン・フォー・オール/レイヴン

PONY CANYON PCCY-01405

[☆☆☆]

イギリス出身のベテランバンド、レイヴンのニューアルバムは彼らの代表作「ALL FOR ONE」のタイトルに引っ掛けたものになってます。サウンドの方は前作での復活なったパワフルな突進スピードメタルを踏襲したものになっておりノリのいいロックした楽曲が揃ってます。エキセントリックな調子のヴォーカルも相変わらずのキャッチーなサビを叫んでます。
でもジャケットは脱力気味。

MISTRESS OF THE SHADOWLIGHT/SECRET SPHERE

ミストレス・オブ・ザ・シャドウライト/シークレット・スフィア

DREAMCHASER SCCD-13

[☆☆☆☆]

イタリアからのシンフォニックメタルバンドのデビューアルバムです。同郷のラプソディーとラビリンスの中間的な方向性を持つ大仰でドラマティックなサウンドはどことなくブラインド・ガーディアンやアングラ的な雰囲気も持っています。ハイトーンヴォーカル(ちょっとストラトヴァリウスっぽい)のパフォーマンスも満足できる出来になっており、キーボード及びギターソロも華麗に決めて疾走感ある楽曲に華を添えています。楽曲の方はミドルテンポのメロディ重視のものから激しく疾走するもの、緩急を付けた起伏のあるものが揃っており、ストーリーアルバム的な要素の強い歌詞世界を十分に表現するものになっています。
これまた新人のイラストレーターが描くところのジャケットは脱力してしまうような出来ですが、中身のサウンドの方はそれを上回る出来になっており今後にも期待できそうです。しかしながらイタリアの水にも何か混ざってるんでしょうか。

MADE IN JAPAN/SEX MACHINEGUNS

メイド・イン・ジャパン/セックス・マシンガンズ

TOSHIBA EMI TOCT-24258

[☆☆☆☆]

一曲目のヴォーカルエフェクト炸裂のインダストリアル風味のインストが初期アイアンメイデンな曲からどうなることかと思いましたが、二曲目からいつものメロディックパワーメタル・ジャーマン風になっていてとりあえず一安心?
3.前作の“HANABI-la大回転”風のメロウなスピードナンバー。
4.アラビアンな雰囲気の“ファミレスボンバー”風の曲。中期テスタメントみたい?
5.“デビルウイング”タイプの曲。80年代の日本のヘヴィメタルみたいな雰囲気。
6.今までにない感じの曲。囁くように唄うパートと開放されるパートが合わさってミステリアスな雰囲気。デジタルなパートもあり、攻撃的にクライマックスを迎え、ピアノで終わる。
7.スラッシーなリフの速い曲。こっちがテスタメントだったか。
8.様式美なイントロで始まるメロディアスなナンバー。ギターソロも様式美。
9.タイガーマスクの曲(カバーではない)。メロディアスな(ってもういいか?)スピードナンバー。
10.パワーメタリックな突進疾走ナンバー。歌詞は社会の暗部を描き出す告発の書、つまるところバカ。
11.ベースリフからギターが重なっていく初期メガデスみたいな曲。ギターソロはメタリカ。歌詞は男女の微妙な機微を描き出す真実の書、いわゆるバカ。
全体的には歌詞の飛ばしっぷりが少し収まってインパクトが減ったような、でも楽曲の方は充実してきています。

CODE RED/SODOM

コード・レッド/ソドム

HOWLING BULL HWCY-34

[☆☆☆☆]

最近すっかり丸くなってしまっていたソドムですがスラッシュ魂は死なず!って感じの初期サウンドを彷彿とさせるアルバムを作ってきました。畳み掛けるような疾走感あふれるリフの波状攻撃はあのエージェント・オレンジを思い起こさせたりして、前作でのパンク色を強く出してきた作風とは攻撃性及び破壊力が格段に上がっています。血塗れチェインソーでシリアルキラーなジャケットもヴァイオレンスでチープな感じを醸し出しており、取りあえず頭振っとけって感じでしょうか。





December

NO ESCAPE/AT VANCE

ノー・エスケイプ/アット・ヴァンス

DREAMCHASER SCCD-15

[☆☆☆]

センターズというプロジェクトで活動していたオーラフ・レンクとオリヴァー・ハードマンが新たに結成したバンドのデビューアルバムです。そのサウンドはいわゆるネオクラシカル系の様式美スタイルをディオに似たタイプのパワフルなハイトーンヴォーカルが唄うというもので、起承転結のハッキリしたドラマティックな楽曲をやってます。イングヴェイとか初期レインボーに、荘厳なコーラスを加えたような、そんなスタイルの保持に忠実な楽曲は安定したギタープレイを伴って安心して聴くことの出来るクオリティになってます。キャッチーなメロディをもったものやクラシックの曲やアバをカバーしたりと色々手の込んだアルバムです。
アイ・オブ・ザ・タイガーは良い曲です。

BLO.TORCH/BLO.TORCH

ネザーランドの灯火/ブロー・トーチ

TOY'S FACTORY TFCK-87199

[☆☆☆☆]

オランダ出身のデスメタルバンド、ウィキッド・ワールド・レーベル産です。アット・ザ・ゲイツ的な疾走感と突進力を持ったリフと硬質で叙情的なメロディを奏でるギターソロが吐き捨て型のヴォーカルを乗せて畳み掛けてきます。スピードの緩急を付けてダイナミズムを作り出す手法は今となっては珍しくなくなってしまいましたが、バランスの取れた楽曲をここでは聴かせています。フレットレスベースが多少なりとも影響を与えているとは思われますが、それほど気の付くものでもなかったり。ミドルテンポの曲では普通声も使ったりと器用なところも見せたりしながらアイアンメイデン直系って感じの扇情性の高いサウンドを作ってます。

ONE NIGHT IN CARCOSA/DAWN OF RELIC

カルコサの一夜/ドーン・オブ・レリック

TOY'S FACTORY TFCK-87197

[☆☆☆☆]

ウィキッド・ワールド・レーベルからのフィンランド出身バンドのデビューアルバムです。H.P.ラヴクラフトに多大な影響を受けたと思われる恐怖と暗黒の世界をディストーションヴォーカルを配したメロディックデスメタルで作り出しています。リリカルでメランコリックなメロディを充分に持った緩急のあるドラマティックな楽曲でインストゥルメンタルが主体ですが、雰囲気重視でヴォーカルを除けば割とオーセンティックとも言えるサウンドをやっています。叙情感が全編を覆っているため、ラヴクラフト世界の邪悪面はさほど感じられたりはしませんが、寂寥感は強く感じさせたりして何気なく聴き易い部類に入る音になっています、ヴォーカル以外は。ちょっとアイアンメイデンの「第七の予言」っぽいところもあります、何となく空気が。

DRAGONLORD(TALES FROM THE NOBLE STEEL)/DOMINE

ドラゴンロード(テイルズ・フロム・ザ・ノーブル・スティール)/ドミネ

SOUNDHOLIC SHCD1-0033

[☆☆☆]

イタリア出身のマノウォー系ヘヴィメタルバンドのセカンドアルバムです。デビューアルバムからマイケル・ムアコックの「エルリック・サーガ」を題材にしたジャケットを採用するなどヒロイックファンタジー系の世界観を追求しているそのサウンドは大仰で壮大かつドラマティックなものをやろうとしています。デビューアルバムに比べるとプロダクション、演奏、ヴォーカルのパフォーマンスなどの着実な進歩を感じさせますが、肝心の楽曲の方は凡庸でフックの感じられないギターリフや変化に乏しいリズムパターンなどによって魅力が半減しています。ギターソロなどのインストゥルメンタル部分も親しみやすいというよりは稚拙な印象が強く、発展途上にあるハイトーンヴォーカルの孤軍奮闘が目立つ結果となっています。SEやナレーションなどの雰囲気作りよりもまず良く練られた楽曲を提供する方が大切なのではないでしょうか。

FIREBIRD/FIREBIRD

ファイアバード/ビル・スティアズ・ファイアバード

TOY'S FACTORY TFCK-87203

[☆☆☆☆]

元カーカスのビル・スティアが新たに結成したバンドのファーストアルバムです。70年代ロックテイストあふれるジャケットに象徴されるシンプルでグルーブ感あるサウンドを作っています。カーカス時代の壮絶なサウンドはここにはありませんが、自由に感情を開放するブルージーなギタープレイはロックらしいスピリットに満ちており、乾いた雰囲気のヴォーカルも味わい深いものになっています。自身のバックグラウンドを敬意を持って再現する、そんな思い入れを感じさせるアルバムです。

SILENT SCREAM/KELLY SIMONZ

サイレント・スクリーム/ケリー・サイモン

ROADRUNNER RECORDS RRCA-1006

[☆☆☆☆]

インターネット上のウェブサイトからブレイクした日本発のマルチプレイヤー、ケリー・サイモンのメジャーデビュー作でセカンドアルバムです。アメリカでセッションプレイヤーとして能力を磨いてきたそのサウンドはイングヴェイ・マルムスティーンの流れを汲むネオクラシカル系様式美を中心にジャズやブルーズなどを絡めた重層的なものとなっています。今回のアルバムでもヴォーカル、ドラムを含めた総てのパートを一人でプレイしていますが環境の整備に伴ってプロダクションは向上しており、楽曲の魅力をより引き出すことが出来ています。
1.緻密に組み上げられた様式美展開を見せるドラマティックなナンバー。
2.テクニカルでファンキーな彼の多彩な背景を見せるものナンバー。インストパートが印象的。
3.TENに似た雰囲気を持つメロディアスなバラード。ここでのヴォーカルはTENのゲイリー・ヒューズを彷彿とさせたりします。ゲイリー・ヒューズよりは線が細いですが、ギターソロはより扇情的。
4.ヘヴィなリフのメタリックなナンバー。ヴォーカルメロディはハードロック調。荘厳な雰囲気のキーボードソロから泣きのギターソロ。
5.ネオクラシカルな様式美ナンバー。
6.ピアノを中心にしたスローテンポのムーディーな曲。美しいピアノとアコースティックギターの重なり合う調べ。
7.メロウなミドルテンポのヨーロピアンハードロック的ナンバー。
8.ギターのみのインストゥルメンタル。スパニッシュな雰囲気。
9.叙情的なバラード。扇情的なメロディ。
10.ドラマティックな展開と構成のスリリングなギターソロを持つ様式美ナンバー。
11.美しいメロディを持つリリカルで静かなナンバー。

全体的には充実したインストゥルメンタルに比べると、まだヴォーカルのパフォーマンスが弱いように感じられ、よいヴォーカリスト探すべきではないかと思いますが、様式美を体現しつつ新たな境地を切り開くサウンドはそれだけで充分にアピールできるものになっています。

S & M/METALLICA

S&M〜シンフォニー&メタリカ/メタリカ

SME RECORDS SRCS-2144〜5

[LIVE]

素晴らしい!


サンフランシスコ交響楽団が。

1999年の4月にサンフランシスコでオーケストラとメタリカが共演した模様を収めたライブアルバムです。楽曲としてはオーケストラ用にバンド側で音を変えるとかアレンジを合わせるとかいうことは、あまり成されておらずギターソロなどもいつも通りに弾いてます、もちろんヴォーカルも。特筆すべきはヘヴィメタリックな楽曲を重厚壮大に演出するオーケストラの効果であり、メタリカに一歩も引けを取らない迫力を持ってそれらを再構築していくところです。それはメタリカの過去のシンフォニックな構造を持った曲でより効果を発揮しています。
どっちかと言うとバンド側の音はいらない気もしないでもないです。で、新曲はまあ普通です。

SIGNS/MIND ODYSSEY

サインズ/マインド・オディッセイ

VICTOR VICP-60937

[☆☆☆☆]

ギタリストのヴィクター・スモールスキがRAGEに加入した事で話題になったマインド・オディッセイの今年二枚目のアルバムです。リリースする間隔が短くてもクオリティは全く落ちておらず、良質の楽曲を提供しています。前作に比べるとパワーメタル的な勢いのようなものは減り、よりメロディアスに練られた展開を追及するようになっています。テクニカルで複雑なプレイも随所に聴かれ、欧州的なインストゥルメンタルとフックのあるメロディラインを唄う伸びのあるハイトーンヴォーカルが絡み合って、二転三転する作り込まれた感の強いドラマティックなサウンドを作り出しています。
シンプルな構造であっても色々ワザを聴かせていたりする捻りの効いた楽曲が難解にならずに上手くまとめ緩急自在のテクニシャンぶりを披露しており、聴きやすくそれでいて奥行きのあるアルバムに仕上がっています。

SATAN'S WEPT/MOON

サタンズ・ウェプト/ムーン

MARQUEE INC., MICY-1161

[☆☆☆]

ヴェイダーのドラマーが参加していることで話題のポーランド出身ブラックメタルバンドのセカンドアルバムです。バンド自体は何かゴタゴタしているみたいですが、それはさておき。サウンドはブラックメタルと言うよりはヴェイダーばりのアグレッションが強まったデスメタル色が強く、シンフォニックなアレンジが成されたキーボードが絡むインストゥルメンタル部分ではメロディアスで怪しい雰囲気を醸し出していますが、ヴォーカルもそんなにエキセントリックでは無いので劇的というほど楽曲は盛り上がったりはしていません。大仰なほどの起伏ある展開は少ないので、微妙な線を行く直線型疾走ブラックメタルという感じでしょうか。割とサッパリしているので聴き易い部類には入ると思います。

TECHNICAL DIFFICULTIES/RACER X

テクニカル・ディフィカルティーズ/レーサーX

MERCURY PHCW-1055

[☆☆☆]

元MR.BIGのポール・ギルバートが在籍していたことで一部で有名なレーサーXが再結成と言うかプロジェクトで(多分これっきり)復活しました。自らのソロアルバムやMR.BIGとは違うテクニカルなプレイを聴かせるポール・ギルバートの活躍ぶりが目立つアルバムで、曲の方は昔のものと方向性的には大きな変化もなくリズム隊もヴォーカルの衰えも見られず、さらにブルージーな曲などの音楽性の広がりもあったりして良好なサウンドになっていますが、やはりそれほど変わっていないだけに2000年に聴くのは結構辛いものがあるような。
でも当時の雰囲気を味わいたいとかポール・ギルバートの速弾きが聴きたいと思う向きには、それなりにアピールするような気もします。

SEVEN WISHES/SEVEN WISHES

セブン・ウィッシーズ

NIPPON CROWN CRCL-4513

[☆☆☆☆]

スウェーデン出身のメロディアスハードロックバンドのデビューアルバムです。前身はラブ・チャイルドというバンドだったらしいです。その出身にふさわしい北欧的なメロディ感覚にあふれるエッジの効いたハードロックをやっています。楽曲はアメリカンからヨーロピアン、グルーブ感の強いものからポップなものまで色々揃えていますが、疾走感あるヘヴィな5あたりは同郷のノクターナル・ライツを思い出さなくもないです。クリーンで抜けの良いハイトーンヴォーカルが伸びやかに唄い、ギターも哀愁あるメロディを次々繰り出しており良質のサウンドを作っています。

オフィシャルサイトは衝撃の日本語表記アリです。

ODYSSEY/TAROT'S MYST

オディッセイ/タロットズ・ミスト

MARQUEE INC., MICY-1158

[☆☆☆☆]

ストームウィッチのギタリスト、ハラルド・スペングラーがクローミング・ローズの元ギタリスト、ウヴェ・ヘルマンとともにジャーマンメタル人脈を辿って作り上げたプロジェクトです。ヴォーカルにはZARのトミー・ブロック、ドラマーはブレイン・ストームのディーター・ベルネントが参加しています。トロイ戦争で活躍した勇者オディッセウスの物語を基にしたコンセプトアルバムを哀愁あるメロディ満載のハードロックサウンドで表現しています。SEなどを導入し、古典的手法を用いた楽曲はメロウなギターソロと湿ったヴォーカルが歌い上げるシンプルでダイレクトに魅力を伝えるものになっています。またコンセプトアルバムながら個々の楽曲は完全に独立しています。
多少、オーセンティック過ぎておとなしく感じる楽曲は特に悪いところは見当たりませんが、全体的に平均的なものが並ぶためアルバムの要が希薄になっていたりします。それでも叙情感あるメロディがあらゆるところに散りばめられており良質なアルバムになっていることは間違いありません。
最後のボーナストラックはシン・リジィの曲ですか?

ASIAN TYPHOON/X.Y.Z.

エイジアン・タイフーン/エックス・ワイ・ズィー

X.Y.Z.RECORDS XZCS-1

[☆☆☆☆]

元・ラウドネスの二井原実、元・筋肉少女帯の橘高文彦、爆風スランプのファンキー末吉、バーベQ和佐田という知名度の高い、そして現在活動が滞っているアーティストが世紀末に放つ正統派ハードロックアルバムです。ヘヴィメタリックな方向のサウンドで評価の高い二井原実、橘高文彦の二人にあまりそういう面を見せることの無かった爆風スランプ組が合わさってそれぞれのバックグラウンドを感じさせるエッジのあるハードなナンバーやアグレッシブなものから、パワーバラード、キャッチーなメロディを持ったポップなナンバーまでバラエティに富んだ楽曲が揃っています。
少し作曲者の色がそれぞれの楽曲で強く出ているため全体の統一感は弱まっていますが、今後の活動によって一体感が強化されれば大きな存在になる可能性を秘めています。予定されている英語バージョンのアルバムも期待大です。