ALBUM COLLECTION バックナンバー 2017

January Februaly March April May June July August September October Nobember December


  1. THE RISE OF CHAOS/ACCEPT
  2. LIFE/ADAGIO
  3. KINGSLAYER/ALMANAC
  4. DARKNESS OF ETERNITY/AMBERIAN DAWN
  5. FOR THE DEMENTED/ANNIHILATOR
  6. WILL TO POWER/ARCH ENEMY
  7. RELENTLESS MUTATION/ARCHSPIRE
  8. BLOOD - FURY - DOMINATION/ARTHEMIS
  9. BRINGER OF PAIN/BATTLE BEAST
  10. BERSERKER/BEAST IN BLACK
  11. TRIQUEDRACO/BELLFAST
  12. NIGHTBRINGERS/THE BLACK DAHLIA MURDER
  13. WAR OF DRAGONS/BLOODBOUND
  14. TRI ODYSSEY/BLOOD STAIN CHILD
  15. BURNING WITCHES/BURNING WITCHES
  16. LILITH/BUTCHER BABIES
  17. MIRRORS/CARDIANT
  18. OFF THE GRID/CELLADOR
  19. THE SICK,DUMB & HAPPY/THE CHARM THE FURY
  20. RED N' ROLL/CHRONOSPHERE
  21. CRYPTORIANA - THE SEDUCTIVENESS OF DECAY/CRADLE OF FILTH
  22. VANQUISH THE DEMON/CRY VENOM
  23. カルナバル・ジ・アビス/電気式華憐音楽集団
  24. REACHING INTO INFINITY/DRAGONFORCE
  25. SIX/DREAM EVIL
  26. WELCOME TO EMBER FALLS/EMBER FALLS
  27. TWO PATHS/ENSIFERUM
  28. EPICA VS ATTACK ON TITAN SONGS/EPICA
  29. CLOAKS OF OBLIVION/ERUPTION
  30. THE GREAT BROTHERWAR/EVERTALE
  31. NEW WAR ORDER/EXARSIS
  32. THE FERRYMEN/THE FERRYMEN
  33. IMMORTALS/FIREWIND
  34. 1981/F.K.Ü
  35. ONCE UPON A JOKE/GAIDEN [IMPORT]
  36. RETURN OF THE COSMIC MEN/GALDERIA
  37. ULTIMATE SACRIFICE/GALNERYUS
  38. CLAIMING SUPREMACY/GAME OVER
  39. HEALED BY METAL/GRAVE DIGGER
  40. NORTHERN HELL SONG/GYZE
  41. STRENGTH IN NUMBERS/THE HAUNTED
  42. INCORRUPTIBLE/ICED EARTH
  43. GODS OF VIOLENCE/KREATOR
  44. ARCHITECTURE OF A GOD/LABYRINTH
  45. MASTERY/LANCER
  46. AWAKENING FROM ABYSS/LOVEBITES
  47. WALL OF SOUND/MARTY FRIEDMAN
  48. HEROES IN TIME/METALITE
  49. KINGDOMS DISDAINED/MORBID ANGEL
  50. EMBERS OF A DYING WORLD/MORS PRINCIPIUM EST
  51. SLIME AND PUNISHMENT/MUNICIPAL WASTE
  52. PHOENIX/NOCTURNAL RITES
  53. THE CURSE WITHIN/NO RETURN
  54. GUNMEN/ORDEN OGAN
  55. RAGING OUT/OUTRAGE
  56. THE GRINDING WHEEL/OVERKILL
  57. FATAL COMMAND/PÄNZER
  58. PHOENIX RISING/PASTORE
  59. SIXTH DIMENSION/POWER QUEST
  60. SEASONS OF THE BLACK/RAGE
  61. HANDS OF FATE/SAVAGE MESSIAH
  62. THE NATURE OF TIME/SECRET SPHERE
  63. CODEX OMEGA/SEPTICFLESH
  64. MACHINE MESSIAH/SEPULTURA
  65. LIONHEART/SERENITY
  66. MAGIC/SERIOUS BLACK
  67. SHADES OF HUMANITY/SHADOWSIDE
  68. SYSTEMATIC ANNIHILATION/STORMTHRASH
  69. STRIKER/STRIKER
  70. ONE FOOT IN THE GRAVE/TANKARD
  71. WEAPONS OF THRASH DESTRUCTION/TERRIFIER
  72. LEGENDS OF THE SHIRES/THRESHOLD
  73. THE SIN AND THE SENTENCE/TRIVIUM
  74. HEROES OF MIGHTY MAGIC/TWILIGHT FORCE
  75. APEX/UNLEASH THE ARCHERS
  76. AGAINST ALL KINGS/VHÄLDEMAR
  77. LEVIATHAN/VOLCANO
  78. THE GUILLOTINE/VULTURE
  79. WOE TO THE VANQUISHED/WARBRINGER
  80. STONEHYMN/WIND ROSE
  81. THE FOREST SEASONS/WINTERSUN
  82. I AM LEGION/WITCHERY
  83. THEATER OF DIMENSIONS/XANDRIA

January

FIREWIND | GRAVE DIGGER | KREATOR | LANCER | MORS PRINCIPIUM EST | SEPULTURA | TWILIGHT FORCE | XANDRIA |

IMMORTALS/FIREWIND

不滅神話 - イモータルズ/ファイアーウィンド

SONY MUSIC SICP-5166 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ギリシャ出身ギタリスト、ガスG.率いるバンドの八枚目のアルバムです。

 ハスキーなボーカルを伴ってパワフルなギターリフを叩きつけていくソリッドでドラマティックな1から様式美全開のサウンドが炸裂するアルバムは、タイトでアグレッシヴなリフが切れ込むスリリングなアップテンポの2、ナレーションを絡めたメランコリックなイントロから叙情メロディが炸裂するドラマティックでタイトなアップテンポの3、オルガンの荘厳な響きに導かれる4はソリッドなリフがダイナミックに展開していくシャープでエッジの効いたミッドテンポのロッキンなナンバーでランディ・ローズ風のソロパートが印象的。アコースティックの静かなイントロからエモーショナルなヴォーカルが染みるバラード調パートから勇壮に展開する情感豊かなミッドテンポの5、哀愁帯びたイントロからタイトなリフを刻むエモーショナルなミッドテンポの6、ブルージーなイントロから情感豊かに進むバラードナンバーの7、スリリングなリフが激しく展開していくインストナンバーの8から空気を引き継いでドラマティックに展開していくスピードナンバーの9、叙情性高まるイントロからアグレッシヴに展開するダイナミックなミッドテンポの10、ボーナストラックには、叙情メロディで突き進むタイトでスリリングな劇的ナンバーの11、1と3のデモバージョンが収録されています。

 ガスG.のソロアルバムの仕上がりがアレな感じだっただけに、こっちの方でもアメリカナイズされたサウンドが展開されるのではと懸念されましたが、そんなことはこれっぽっちもなかった'`,、(´∀`) '`,、ギターヒーローここにありと言う派手なギターソロが全開の様式美メタルがこれでもか、と繰り広げられており、すっかり溜飲を下げる出来栄えに。ソロアルバムとはまるで別人のようなプレイっぷりに、オジーのところはストレスがたまるんだろうなあ、とか思ったり思わなかったり。鮮やかなギタープレイと堅実なパフォーマンスが堪能できる一枚でした。
同系統アルバム
SAVAGE REQUIEM/MAGIC KINGDOM
APOCALYPSE AGAIN/THUNDERSTONE
DIABOLICA/IRON MASK

HEALED BY METAL/GRAVE DIGGER

ヒールド・バイ・メタル/グレイヴ・ディガー

WARD RECORDS GQCS-90255 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ジャーマンメタルの重鎮による19枚目のアルバムです。ちょっと数え方は不明だけど(´Д`;)

 厚いコーラスに導かれるタイトなヘヴィナンバーの1で幕を開けるアルバムは、アグレッシヴに畳み掛けるソリッドなパワーメタルナンバーの2、スリリングなリフワークで突進していくアグレッシヴなスピードナンバーの3、初期アクセプトみたいなキャッチーなコーラスに導くザワザワするミッドテンポの4、タイトなリフで切り込むエピックなコーラスとメイデンみたいなソロパートが印象に残るエッジの効いたアップテンポの5、どこのカム・トゥギャザーだって言う空気のヘヴィなミッドテンポの6、ザクザクしたリフが激しく切り込みつつダークなメロディを重ねるダイナミックなミッドテンポの7、ドライヴするリフと叙情メロディで押し込んでいくパワフルなアップテンポの8、ソリッドなリフを叩きつけつつ派手なコーラスへと導くアップテンポの9、グルーヴィなリフを連ねる奇妙なキャッチー感を生み出すヘヴィナンバーの10、ボーナストラックには、切れ味鋭い突進ナンバーの11、ミッドテンポのロックナンバーの12、哀愁帯びたメロディを紡いでいくバラード風ナンバーの13が収録されています。

 前作同様にコンパクトな楽曲が揃えられて緊張感を維持していくアルバムは、いつも通りの哀愁帯びたメロディとパワフルなサウンドが重なり合うものになっており、安定したクオリティを保っています。特別変わったこととか新たな要素とかは見当たらないので、マンネリだと感じる人もいるかもしれませんが、これが(・∀・)イイ!!そんなわけで、普通にグレイヴ・ディガーな一枚でした。
同系統アルバム
TITANCRAFT/IRON SAVIOR
DECADANT/U.D.O.
THE LAST STAND/SABATON

GODS OF VIOLENCE/KREATOR

ゴッズ・オブ・ヴァイオレンス/クリエイター

WORD RECORDS GQCS-90273/4 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ジャーマンスラッシュの重鎮による14枚目のアルバムです。

 マーチ風のケルティックで壮大なイントロダクションで幕を開けるアルバムは、唸りを上げるギターリフで突っ走るダイナミックな展開のスピードナンバーの2から一気にテンションを高めていくと、ダークでグルーヴィなムードで進む重厚なミッドテンポの3、クランチーなリフが荒れ狂うドラマティックな展開を絡めた怒涛の突撃ナンバーの4、メランコリックなイントロから勇壮なコーラスを呼び起こす5はスラッシュメタルとエピックメタルが融合するダイナミックなナンバー、不穏なムードと叙情メロディが交錯するイントロから突っ走る緩急を効かせたスラッシーな6、哀愁帯びたミッドテンポのエピックメタルナンバーの7、リリカルなイントロからNWOBHMの息吹を感じさせつつ突撃するスピードナンバーの8、躍動感のあるタイトなリフで突き進むエモーショナルなミッドテンポの9、起伏大きく突っ走るダイナミックなスピードナンバーの10、センチメンタルなイントロから加減速を繰り返しつつドラマティックに突き進むアップテンポの11、ボーナストラックの12はタイトなリフを刻みつつ緊張感を高めドラマティックなコーラスへと雪崩れ込むアップテンポのナンバーが収録されています。
 付属のライヴBlu-rayは2014年のヴァッケンの模様が収録されており、前作の楽曲がすっかりこなれた感じで演奏されており、パイロとか発炎筒とかいいよね!(´∀` )って感じだ。

 ここ最近では常に前作をアップデートしてくるバンドですが、今作でもエピックメタル的な要素を強く盛り込んで、ドラマティックに仕上げています。研ぎ澄まされていくメロディラインは、更に強化されて北欧メロデスバンドもかくや、と言う充実度を見せて楽曲を盛り上げていきます。ピュア・スラッシャーには色々不満が残るかと思われるアルバムは、これまで試行錯誤してきた多彩な要素をスラッシュメタルの土台に組み込んで、独自のサウンドに仕上げるスタイルも完成形に近づきつつある感を強めつつも、新たな領域も模索する貪欲な姿勢を露にする、ベテランバンドの意欲的な一枚です。
同系統アルバム
THE EVIL DIVIDE/DEATH ANGEL
PANGEA/PARADOX
BROTHERHOOD OF THE SNAKE/TESTAMENT

MASTERY/LANCER

マスタリー/ランサー

WARD RECORDS GQCS-90254 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの三枚目のアルバムです。

 テンション上がるハイトーンヴォーカルの叫びで幕を開けるアルバムは、湿り気帯びたメロディが印象的なアップテンポの1から、メロディックメタルを追求しており、哀愁メロディのイントロから叙情メロディが躍動するミッドテンポの2、シリアスなムードを高めるダイナミックな展開で進むパワフルなミッドテンポの3、リリカルなイントロから情感高めていきスケール感を生み出していくエモーショナルなナンバーの4、不穏なイントロが導く5はスピード感高まるスリリングな展開と躍動するリフが印象的なファストチューン。グルーヴィなリフとエスニックなメロディで進む起伏の大きいミッドテンポの6、タイトなリフでスリリングに突き進むドラマティックなファストチューンの7、物悲しいイントロからの8は情感高まるリリカルなミッドテンポのナンバー、ソリッドなリフで突っ走るエッジの効いたアップテンポのファストチューンの9、エモーショナルな歌唱を聴かせる導入部からドラマティックに加速していく展開の激しいスピードナンバーの10、メランコリックでエモーショナルなメロディで迫るドラマティックなミッドテンポの11、ボーナストラックの12は6のラジオバージョンが収録されています。

 ハロウィン系譜の正統派なメロディックメタルを作り出していくアルバムは、順当なレベルアップを重ねており、整合性のとれた楽曲を揃えていきます。ヴォーカルのパフォーマンスもそこそこ安定しており、バラエティを増してきた楽曲と相まって完成度を高めてきたことを強く感じさせます。着実に地力を高めつつある、成長の最中にある一枚でした。
同系統アルバム
SEVENTHIAN ...MEMORIES OF TIME/DREAMTALE
AVALON/TRAUMER
BUILT TO LAST/HAMMERFALL

EMBERS OF A DYING WORLD/MORS PRINCIPIUM EST

エンバーズ・オヴ・ア・ダイイング・ワールド/モルス・プリンシピアム・エスト

MARQUEE MICP-11329 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの六枚目のアルバムです。

 緊迫感高まるシンフォニックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、北欧的な叙情感残るメロディを保つダイナミックなミッドテンポの2からグロウルによる情念高まる叫びが木霊するサウンドが展開されていくアルバムは、捩れたギターリフを繰り出しつつタイトなビートを刻んでいくエモーショナルなミッドテンポの3、厚いコーラスに導かれる4はタイトなリフで突進していく攻撃性を高めたアップテンポのナンバー。女性ヴォーカルも加えた哀愁メロディが充満するメランコリックで情念が炸裂する5、懊悩高まるダークなリフで進む密度の高いダイナミックなミッドテンポの6、ブルータルに突進していくスリリングなファストチューンの7、混声コーラスによる荘厳なムードの小品の8から、攻撃的なリフを繰り出すアグレッシヴな突撃ナンバーの9へ。シンフォニックなイントロからの10は感情の振幅と起伏の大きいミッドテンポのナンバー。ボーナストラックには、過去に郷ひろみがカバーしたことでお馴染みのリッキー・マーティンのブルータルなカバー(´Д`;)が収録されています。

 えーっと、うん普通の北欧シンフォメロデスだな'`,、(´∀`) '`,、というくらいに個性が希薄になってきてしまったアルバムですが、楽曲のクオリティは一定レベルを保っているので、それなりに聴けるものにはなっています。シンフォニックな要素やクワイアも大幅に投入されてスケール感の大きい空気感を醸し出していますが、そこまで吹っ切れてはいないので、デスメタル的な鋭角さとの相克がマイナスの方に働いています。方向性が微妙に定まらなくて、色々もやっとする一枚でした。
同系統アルバム
ATOMA/DARK TRANQUILLITY
CAPTIVITY & DEVOURMENT/ARMAGEDDON
COLD INFERNO/DISARMONIA MUNDI

MACHINE MESSIAH/SEPULTURA

マシーン・メサイア/セパルトゥラ

WARD RECORDS GQCS-90263 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ブラジル出身のバンドの14枚目のアルバムです。

 ダークで重厚なヘヴィナンバーの1で幕を開けるアルバムは、アグレッシヴに突進していくブルータルな2、トライバルなビートを加えつつエキゾティックに迫る3はタイトなリフと咆哮が交錯する高密度のミッドテンポのナンバー、タイトなビートを刻む4は威嚇的なヴォーカルが襲い掛かるテクニカルなヘヴィナンバー、不穏なリフが唸りを上げるイントロから多彩なプレイを聴かせていくプログレ風味のインストナンバーの5、不安感の残るイントロから壮大な展開を見せるブルータルなヘヴィナンバーの6、破壊力満点のグルーヴィでシネマティックなヘヴィナンバーの7、タイトでクランチーなリフで突っ走る緩急の強い突撃ナンバーの8、エモーショナルなギターソロを絡めて突っ走るスラッシュナンバーの9、タイトなビートが浮遊感を生み出すリフと交錯する破壊的なナンバーの10、ボーナストラックにはアグレッシヴに突き進むミッドテンポの11、そして何でこの曲を選んだ?のウルトラセブンの歌が収録されています。

 めっきりIQの高いサウンドを展開するようになって久しいバンドですが、今作でも自らのルーツであるトライバルな要素やプログレにまで足を突っ込んだエクストリームな楽曲を揃えています。凶暴性と理性がもつれ合うようなサウンドは、バンドの新たなアイデンティティとなっており、さらに洗練されたスタイルを提示していきます。旧来のストレートな楽曲を期待する向きはもう少なくなったと思われますが、クオリティはそれなりに高い、ちょっと捻りの効いたアグレッシヴな一枚でした。
同系統アルバム
THE VIOLENT SLEEP OF REASON/MESHUGGAH
WHAT SHOULD NOT BE UNEARTHED/NILE
BEAST/DESPISED ICON

HEROES OF MIGHTY MAGIC/TWILIGHT FORCE

ヒーローズ・オブ・マイティ・マジック/トワイライト・フォース

WARD RECORDS GQCS-90266 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの二枚目のアルバムです。

 オーケストレーションが全開の派手なイントロで幕を開けるアルバムは、ハイトーンヴォーカルがファンタジックなサウンドに導かれる重厚ながらもキラキラ感満載の劇的疾走ナンバーの1から、煌くシンフォニックメタルが作り出されており、ドラマティックなイントロからキラキラしながらスケール感大きく進んでいく起伏の大きいアップテンポの2、ストリングスの響きが呼び起こすイントロから色鮮やかなフレーズが乱舞しシアトリカルなコーラスワークで盛り上げるミッドテンポの3、牧歌的なメロディを孕んだシンフォニックなイントロからの4は重厚なコーラスに導かれる飛翔感の強い劇的スピードナンバー、壮大なイントロから緊張感を高めつつドラマティックに突き進む疾走ナンバーの5、スリリングに突っ走る荘厳なスピードナンバーの6、不穏なムードが高まるイントロからの7は情感高めて突き進んでいくアップテンポのナンバー、ファンタジックなムードが高まる8は躍動的な明るいフレーズを重ねるアップテンポのナンバー、緊迫感高まるイントロから一気に突っ走る劇的疾走ナンバーの9、壮大なイントロからの10は光り輝くエピックメタルナンバー、ナレーションによるエピローグとなる11、荘厳で壮大なコーラスに導かれる12で幕を閉じます。

 音ちっせえな!(´Д`;)と言う印象が先に立ったりしますが、派手な演出を全力で繰り出すシンフォニックメタルを追求したアルバムは、まさしく劇場的な鮮やかな場面を想起させるものとなっており、色々振り切った感を与えるものになっています。徹頭徹尾ファンタジックな世界観を音で構築していく様は、確かな実力を窺わせており、バンドの地力を感じさせます。このスタイルはアルバムを重ねるごとに大変になっていくわけですが、新たなシンフォニックメタルの継承者として期待がかかる一枚でした。
同系統アルバム
SEVENTHIAN ...MEMORIES OF TIME/DREAMTALE
INTO THE LEGEND/RHAPSODY OF FIRE
SPACE 1992: RISE OF THE CHAOS WIZARDS/GLORYHAMMER

THEATER OF DIMENSIONS/XANDRIA

シアター・オブ・ディメンションズ/キサンドリア

WARD RECORDS GQCS-90258 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ産バンドの七枚目のアルバムです。

 期待感高まるシンフォニックで壮大なイントロダクションに導かれるアルバムは、厚いクワイアとオペラティックな女性ヴォーカルが一体となって進む優雅でシリアスな劇的ナンバーの1から、華麗でシアトリカルなサウンドが広がるアルバムは、躍動感高まるヴォーカルがエピックメタル的な勇壮さを湛えて進むダイナミックなアップテンポの2、センチメンタルな静かなパートで始まる3は優しいメロディで情感を高めていくバラード風ナンバー、スリリングなコーラスワークからの4は様式美感高まる起伏の大きい劇的スピードメタルナンバー、緊張感高まるイントロからタイトなビートが響くスケール感の大きいアグレッシヴなアップテンポの5、メランコリックなイントロから情緒高まるヴォーカルがしっとりと唄い上げる壮大なバラードナンバーの6、ダークなムードが充満する7は荘厳さと優雅さが交錯する緊迫感高まるミッドテンポのヘヴィナンバー、タイトなリフを刻んでいく8は壮大なコーラスとオペラティックなヴォーカルが優雅な世界観を生み出していくミッドテンポのナンバー、マーチ風のイントロからエピックなムードを高めていくインストナンバーの9、叙情メロディが華麗に広がるアップテンポの10、キャッチーなメロディで進むオペラティックながら軽快なムードを作り出すミッドテンポの11、アコースティックなイントロからの12は厚いコーラスで進むドラマティックなミッドテンポのナンバー、リリカルなイントロから緊張感を高めていく壮大で豪華な劇的大作ナンバーの13で幕を閉じます。

 オペラを彷彿とさせるシンフォニックなサウンドが充満するアルバムは、さすがに七枚目の言うことで完全に完成されたスタイルを提示しており、安定感を説得力のある楽曲がアルバムの華麗な世界観に十二分に耽溺させてくれます。ロックオペラ色が印象に強く残るので、メタル的な感触は若干弱めですが、壮大なサウンドを支える確かな存在感を残しています。他のシンフォニックメタル勢との差別化がかなり難しい中、堅実なクオリティの高いサウンドを作り出している一枚でした。
同系統アルバム
ENDLESS FORMS MOST BEAUTIFUL/NIGHTWISH
THE EARTH EMBRACES US ALL/TEMPERANCE
THE JAGUAR PRIEST/UNIVERSAL MIND PROJECT





Februaly

BATTLE BEAST | BLOODBOUND | CELLADOR | 電気式華憐音楽集団 | OVERKILL |

BRINGER OF PAIN/BATTLE BEAST

ブリンガー・オブ・ペイン/バトル・ビースト

WARD RECORDS GQCS-90303 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの四枚目のアルバムです。中心人物のギタリストが脱退して、キーボーディストの弟が新たに加入しています。

 フックの強いリフが躍動するアップテンポのキャッチーな1から、パワフルな女性ヴォーカルが唄い上げるオーセンティックなヘヴィメタルが展開されるアルバムは、エッジの効いたリフで突き進むテンションの高い馬力のあるスピードナンバーの2、タイトなビートとフラッシーなリフに導かれるダイナミックなミッドテンポの3、湿り気帯びたメロディで勢い良く進むキャッチーなアップテンポのスピードナンバーの4、繊細なヴォーカルも披露するシアトリカルでポップ感あふれるミッドテンポの5、男性ヴォーカルも加えてシンフォニックに展開するダークなヘヴィナンバーの6、ギャロップしながらキャッチーなコーラスへと雪崩れ込む勢いのあるアップテンポの7、哀愁メロディで進むエモーショナルなミッドテンポの8、昔のMTVで流れていそうな湿ったポップナンバーの9、繊細なバラードナンバーの10、ボーナストラックには、勇壮さが高まるミッドテンポのダイナミックな11、キラキラ感あふれるタイトで情念高まるミッドテンポの12、アッパーにドライヴしながらハードロッキンしていく13、14は10のアコースティックバージョンが収録されています。

 いかつい見た目とは異なって様々な表情を見せる女性ヴォーカルの表現力を最大限に活かす方向に舵を切ったアルバムは、80年代サウンドが充満するヘヴィメタル全盛期の空気を呼び起こす楽曲を揃えており、キャッチーさやポップ感が増強されています。一般向けに聴きやすいサウンドになった影響で、メタル的な硬質感が減っていますが、バラエティに富んだ楽曲でその辺りを補っています。ある意味、ジャケット通りのサウンドが展開されていくパワフルで派手な一枚でした。
同系統アルバム
THE BLAZE/BURNING POINT
STAND IN THE FIRE/STRIKER
PROJECT X/DARK MOOR

WAR OF DRAGONS/BLOODBOUND

ウォー・オヴ・ドラゴンズ/ブラッドバウンド

MARQUEE MICP-11337 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの七枚目のアルバムです。

 ナレーションを絡めたイントロダクションに導かれるアルバムは、シンフォニックな演出が加えられたアップテンポの派手な劇的ナンバーの2から、パワフルなヴォーカルとファンタジックなサウンドが展開される勇壮な楽曲を揃えていき、キャッチーな厚いコーラスワークで畳み掛けるフックの効いたアップテンポの3、ナイトウィッシュで聴けそうな展開のタイトでキャッチーなミッドテンポの4、ケルティックなムードが高まるメランコリックなアップテンポの5、勢いのあるコーラスと勇壮なメロディで進むアップテンポのエピックメタルナンバーの6、叙情メロディとパワフルなヴォーカル&コーラスが交錯するタイトなアップテンポの7、重厚なコーラスに導かれる8はミッドテンポのエピックなナンバー、キレのあるリフで突っ走るスリリングな劇的スピードナンバーの9、シンフォニックに展開していく壮大でシアトリカルなアップテンポの劇的ナンバーの10、ミステリアスなムードでタイトなリフを刻みつつ優しいコーラスに進むミッドテンポの11、開放感と飛翔感が高まるアルバムのエンディングを飾るアップテンポの劇的ナンバーの12、ボーナストラックには過去曲のデモバージョンが収録されています。

 すっかりシンフォニックなエピックメタルのスタイルが身についたアルバムは、パワフルなヴォーカルと豪華なサウンドが相まって、テンションの上がる楽曲を揃えています。初期を思い返すと、どうしてこうなった!?みたいな感慨が浮かびますが、まあ正統派路線は行き詰っていたので、これはこれでバンドの意気込みを感じさせる大きな転回点になるであろう一枚に仕上がっています。でも、このスタイルも行き詰るのは早いから次を模索しないとね!'`,、(´∀`) '`,、そんなこんなで、クオリティも高い楽曲が揃ったパワフルな一枚でした。
同系統アルバム
INTO THE LEGEND/RHAPSODY OF FIRE
THE LAST STAND/SABATON
DIABOLICA/IRON MASK

OFF THE GRID/CELLADOR

オフ・ザ・グリッド/セラドール

KING RECORD KICP-1835 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 11年ぶり!?の米国産バンドの二枚目のアルバムです。メンバーは中心人物以外一新されています。

 湿ったメロディで突っ走るパワフルでスピード感高まるスピードナンバーの1で、いきなりテンションを高めていくアルバムは、ヴォーカルも担当することになったギタリストによるハイトーンヴォーカルが割とやれている感を出しつつ、焦燥感の強いメロディで突き進むタイトなビートが印象的なスピードナンバーの2、タイトでアグレッシヴなリフで突撃するスピードナンバーの3、叙情メロディで突っ走るアップテンポのキャッチーなスピードナンバーの4、湿り気帯びたメロディで進むアップテンポの5、ブラストビートも絡めて突き進む哀愁スピードナンバーの6、叙情メロディでスリリングに突っ走るスピードナンバーの7、シンディ・ローパーのカバーの8、緊迫感を高めて突き進むエッジの効いたファストチューンの9、テンション上げて突っ走る明朗なスピードナンバーの10、ボーナストラックはダークなムードのアップテンポのナンバーが収録されています。

 11年も経ってしまっているので、ほとんど別のバンドだろ!みたいな感はありますが、ヴォーカル兼ギタリストのパフォーマンスは思ったよりも悪くなく、ファーストアルバムの衝撃は無いもののスピードに拘ったサウンドを追求しています。当時の若さに任せた怒涛の疾走感は既にありませんが、それでも高品質のスピードメタルを作り出しているアルバムは、滑らかなプレイと自然な展開で盛り上げる流石に時間を感じさせるものになっています。1がヘヴンズ・ゲイトみたいになってたので、その辺のサウンドを期待すればあまりガッカリしない一枚でした。
同系統アルバム
MAXIMUM OVERLOAD/DRAGONFORCE
STAND IN THE FIRE/STRIKER
MASTERY/LANCER

カルナバル・ジ・アビス/電気式華憐音楽集団

Carnaval The Abyss/Denkishiki Karen Ongaku Shuudan

WHIPLASH! WSCA-0023 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産音楽ユニットのオリジナルアルバム第二弾です。前作から妖精帝國のギタリスト、紫煉が加入しています。

 ピアノの物悲しい調べに導かれるアルバムは、ギターとドラムが激しく躍動するミステリアスでキャッチーなメロディを繰り出すスラッシーなスピードナンバーの1から、コケティッシュな女性ヴォーカルとハードなサウンドが交錯する独自のスタイルを見せ付けていくと、ソリッドなリフがアグレッシヴに展開していく緩急の強いスリリングな疾走ナンバーの2、畳み掛けるタイトなリフとビートが躍動しつつ扇情的でキュートなコーラスとフラッシーなギターソロへと雪崩れ込むダイナミズム高まるアップテンポの3、鋭さが際立つ高速プレイが炸裂していく序盤からブレイクダウンを絡めつつモダンかつドラマティックに展開していく情感高まるスピードナンバーの4、初期の妖精帝國を彷彿とさせるトランスミュージックとヘヴィサウンドが融合するスリリングでエモーショナルな5、ヘヴィリフが凶悪に迫る高圧の怒涛のパートとタイトなコーラスがモダンヘヴィネス的なムードを生み出していく緊迫感の強いアップテンポの6、シャッフルするヘヴィなビートと気だるいムードのヴォーカルが一体になって突き進むタイトでブルージーな7、叙情性が高まるエモーショナルなバラード風ナンバーの8、緊張感高まるイントロからタイトなビートが刻まれていくドラマティックでキャッチーなアニソン風スピードナンバーの9、不穏な空気が漲るヘヴィリフで突き進む10はハードコアなバックがポップでパンキッシュなコーラスへと雪崩れ込む前掛りなアップテンポのナンバー、どこのメロデスバンドだって言うブルータルな突進力を見せるキャッチーなメロディとチアコーラスまで飛び出す場面展開の激しい電波が飛び交うファストチューンの11、静かなアウトロの12でアルバムは幕を閉じます。

 ブルータルと言っても良さそうな激しいバックのサウンドとポップ感あふれる女性ヴォーカルが独特のセンスで絡み合うサウンドは、至るところがパワーアップしており、前作からの明らかな飛躍を見せ付けていきます。弾けた電波的なフレーズは減って、バンドとしての整合性を高めていくサウンドは、様々なメタル要素を詰め込んだ破壊力のある楽曲に仕上げていき、諸々の余分な枷が取り去られた生のヘヴィメタルが展開されていきます。メインストリームのシーンとか知ったことか!みたいな趣味性に突き進む自由奔放さがシンパシーを生み出す、新旧メタルを取り混ぜた凶暴な一枚でした。
 1ってアナイアレイターリスペクトなんですかね…(´Д`;)
同系統アルバム
SHADOW CORPS[e]/妖精帝國
NORTHERN HELL SONG/GYZE
KINGS AMONG MEN/CRIMSON SHADOWS

THE GRINDING WHEEL/OVERKILL

ザ・グラインディング・ウィール/オーヴァーキル

WORD RECORDS GQCS-90285 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産ベテラン・スラッシャーの18枚目のアルバムです。

 タイトなドラムとおなじみのベース音が響くイントロからクランチーなリフが切れ込む緊張感が高まるパートとグルーヴィなパートが交錯するミッドテンポの1から、パンキッシュなムードも加えて躍動していく小気味良いアップテンポの2、スピードメタル的な疾走感も残るスラッシーなファストチューンの3、躍動感とグルーヴ感が交錯するダークでタイトなミッドテンポの4、哀愁帯びた勇壮なイントロダクションに導かれる5は攻撃的なリフワークで突進するダイナミックなアップテンポのナンバー、オーセンティックなメタルを想起させるドライヴ感高まるアップテンポの6、どこのブラック・サバスだって言うグルーヴィでロッキンなナンバーの7、グルーヴィなパートも絡めた、アグレッシヴに突っ走る突撃スラッシュナンバーの8と怒涛の突進力を見せるスラッシーな9、エピック感高まる不穏なイントロからダークなパートを経て瞬発力の強いファストパートから荘厳なムードへと移る大作ナンバーの10、ボーナストラックには、シン・リジィとアイアン・メイデンのカバーが収録されています。

 グルーヴ感を強めに出して全体的にはルーツにある70年代風のサウンドがそこかしこに聴かれるバラエティに富んだ楽曲が揃えられたアルバムは、ギタープレイもオールドスタイルなムードを醸し出しており、スラッシュメタルと古典メタルが混ざり合って今までと多少異なった感触を与えていきます。スラッシュメタルとしては異質な要素が増えていますが、オーヴァーキルらしさは充分に発揮された楽曲を揃えて、ここにきてのバンドの充実度を示しています。時々実験的とも言える意欲作を発表するバンドの、新たなステージに向かう意気込みを見せる一枚でした。
同系統アルバム
THE EVIL DIVIDE/DEATH ANGEL
PANGEA/PARADOX
BROTHERHOOD OF THE SNAKE/TESTAMENT





March

THE CHARM THE FURY | GYZE | STRIKER | WARBRINGER |

THE SICK,DUMB & HAPPY/THE CHARM THE FURY

ザ・シック・ダム&ハッピー/ザ・チャーム・ザ・フューリー

WARD RECORDS GQCS-90312 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 オランダ出身の女性ヴォーカルを擁するバンドの二枚目のアルバムです。

 攻撃的でスピーディーなイントロから始まるアルバムは、グロウルとタイトなヘヴィリフで押し込んでいく緩急をミッドテンポの1から、ダークなリフでジリジリ迫るグルーヴィなヘヴィナンバーの2ではクリーンなコーラスでアクセントをつけていきます。アグレッシヴに突き進むタフで勢いのあるミッドテンポの3、静謐としたイントロからタイトなリフを刻む緊迫感高まるミッドテンポの4、クリーンヴォーカルも交えてグルーヴィでダークなリフが気だるげに刻まれるスローナンバーの5、ノイジーなSEの6から不安感を煽るリフを連ねてドライヴしていくソリッドなミッドテンポの7、メランコリックなイントロからエモーショナルに迫るバラードナンバーの8、不穏なイントロからタイトなリフを刻むタイトなミッドテンポの9、勢いをつけて突進していくアグレッシヴなアップテンポの10、攻撃的なリフが突き刺さるパワーメタリックなミッドテンポの11が収録されています。

 モダンなヘヴィロックのスタイルで作られるアルバムは、遅れてきただけに流石に上手く仕上がっていますが、独自性は希薄で特徴を挙げるのが難しい感じ。ヘヴィなパートでは、それがより顕著になるため耳が滑りやすいのが難。クリーンパートの方が可能性を感じられますが、いかんせん比率は低いのが残念。このスタイルのアルバムとしては、まあ良くできているなあ、って印象だけが残った一枚でした。
同系統アルバム
THE LAND OF THE DEAD/EVIL DRIVE
TAKE IT LIKE A MAN/BUTCHER BABIES
EYE OF PROVIDENCE/THE AGONIST

NORTHERN HELL SONG/GYZE

ノーザン・ヘル・ソング/ギゼ

UNIVERSAL MUSIC UICN-1089 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ラウドパーク15での演奏も記憶に残る、北海道出身のメロディックデスメタルバンドの三枚目のアルバムです。

 叙情メロディが炸裂するドラマティックなイントロで幕を開けるアルバムは、華麗なネオクラシカルプレイを聴かせるギターとスクリームが一体となって突き進む勢いのある疾走ナンバーの1から起伏の大きい高密度のサウンドを展開していくと、哀愁メロディがあふれ出すダイナミックなアップテンポの様式美ナンバーの2、リリカルなイントロからの3はポップ感のある叙情メロディで進むミッドテンポのナンバー、期待感高まるイントロからアグレッシヴに突っ走る疾走感高まるダイナミックなスピードナンバーの4、センチメンタルなイントロからの哀愁インストナンバーの6、クラシカルなムードも高まる躍動感の強いドラマティックでフォーキーなアップテンポの7、叙情メロディがグロウルと一体になってエモーショナルに迫る勇壮なミッドテンポの8、ダイナミックなイントロから疾走していく9はドラマティックな展開を見せる起伏の大きいナンバー、扇情性の強いメロディで突き進むフォーキーなスピードナンバーの10、緊張感高まるイントロから叙情メロディがはじけるスリリングで勇壮なアップテンポの劇的ナンバーの11、叙情性高まるインストナンバーの12、ボーナストラックには、ベートーヴェンの月光ソナタの超絶カバーを収録していますが、ヴォーカルの入ったこの曲は衝撃的'`,、(´∀`) '`,、

 メロディックデスメタルをベースにネオクラシカルなギタープレイと的なヴァイキングメタル的な勇壮さを盛り込んで北海道の土着的な空気感をも醸し出す、オリジナリティを上げてきたアルバムは日本独自のペイガンメタルと言える仕上がりになっています。テクニカルで華麗なプレイは更に凄みを増して楽曲のクオリティを高めており、影響を受けているチルドレン・オブ・ボドムを越えた要素も見られる多彩な音楽要素を詰め込んで鮮やかなものを生み出しており、世界レベルで活動するバンドの凄みを感じさせます。世界を回り更にスケール感を増した強力な一枚でした。
同系統アルバム
IMMORTALS/FIREWIND
SAVAGE REQUIEM/MAGIC KINGDOM
KINGS AMONG MEN/CRIMSON SHADOWS

STRIKER/STRIKER

ストライカー/ストライカー

MARQUEE MICP-11344 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 カナダ産メタルバンドの五枚目のアルバムです。オリジナルメンバーのギタリストが脱退して4人編成になっています。

 ドライヴ感の強いギターリフで進んでいくアクティヴなアップテンポの1から、オーセンティックなメタルサウンドを作り出していくアルバムは、攻撃的なイントロからアグレッシヴに突き進むクランチーな2、フックのあるメロディで突き進む湿り気帯びたアップテンポの3、インストナンバーの4を経て、ソリッドなスピードナンバーの5へ。ドライヴするリフと乾いたメロディで進むロッキンなアップテンポの6、クランチーなリフで突進する攻撃的なアップテンポの7、ヘヴィリフが哀愁メロディと一体になって進むミッドテンポの8、アメリカンパワーメタル的なファストチューンの9、ボーナストラックには、オジー・オズボーンのカバーの10、ジューダス・プリーストのカバーの11が収録されています。

 セルフタイトルと言う意気込みを感じさせる仕上がりになったアルバムは、80年代的なサウンドをベースにしつつも、多彩な要素を盛り込んで世界レベルのスケール感を持った楽曲を揃えています。全体的には意気込みは強く伝わりますし、プロダクションも上がってサウンドの品質は高まっていますが、楽曲自体は製作期間が足りないのか練りこみ不足なのが否めないところ。順調な成長を見せるバンドですが、急ぎすぎたかなって印象の一枚でした。
同系統アルバム
WIN HANDS DOWN/ARMORED SAINT
BRINGER OF PAIN/BATTLE BEAST
IN THE RED/CRUCIFIED BARBARA

WOE TO THE VANQUISHED/WARBRINGER

ウォ・トゥ・ザ・ヴァンクウィッシュド/ウォーブリンガー

WARD RECORDS GQCS-90306 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産スラッシャーの五枚目のアルバムです。

 クランチーでタイトなリフを繰り出していく緩急を効かせたスリリングなファストチューンの1から吐き捨てヴォーカルが吼える攻撃的なサウンドを展開していくアルバムは、デスメタル的なブルータリティを見せ付ける威圧感の強まる突撃スラッシュナンバーの2、ソリッドなリフで緊迫感を高めていく不穏なミッドテンポの3、激しいリフが唸りを上げる凶暴な突進ナンバーの4、不穏なイントロからのブルータルな怒涛の疾走ナンバーの5、サイコホラー的な空気感を演出するダークでミステリアスなミッドテンポの6、北欧メロデス的な叙情性と暴虐さを合わせ持つドラマティックな突進ナンバーの7、哀愁帯びた物悲しい雰囲気が蔓延する情念に満ちるミッドテンポの大作ナンバーの8、ボーナストラックには、デスとコロナーのカバーが収録されています。

 ますます手の込んだスラッシュメタルを作り出していくアルバムは、曲数は少ないながらも練りこまれた展開の楽曲を揃えて充実度の高いものに仕上げています。スピードナンバー一辺倒ではない多様性を見せつつ、往年のスラッシュメタルバンドのように、時間的には短いものの高密度で一気に駆け抜ける様に爽快感を憶えます。思った以上に頭を使った展開の妙を見せる力の入った一枚でした。
同系統アルバム
UNDER ATTACK/DESTRUCTION
THE EVIL DIVIDE/DEATH ANGEL
DECISION DAY/SODOM





April

ARTHEMIS | CHRONOSPHERE | CRY VENOM | GAIDEN | LABYRINTH |

BLOOD - FURY - DOMINATION/ARTHEMIS

革命の狼煙/アルテミス

UFR RECORDS QIHC-20001 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア産バンドの八枚目のアルバムです。

 ソリッドでタイトなリフを高密度で刻みつつ進むミッドテンポのパワフルな1から、ハスキーな馬力のあるヴォーカルが歌い上げていくパワーメタリックなサウンドを作り出していくアルバムは、叙情性帯びたリフがパワフルに刻まれるタイトでエモーショナルなミッドテンポの2、威圧感タップリのリフワークを繰り出していくシャープでアグレッシヴなアップテンポの3、湿り気帯びたメロディで進む緩急の強い情感豊かなアップテンポの4、メランコリックなバラードナンバーの5、哀愁帯びたイントロから攻撃的に突き進むダイナミックなファストチューンの6、躍動感のあるメロディで進むタイトなミッドテンポの7、壮大なコーラスに導かれる8はクランチーなリフとパワフルなヴォーカルが交錯するドラマティックなスピードナンバー、トライバルなパーカッションをアクセントにタイトなリフを刻んでいくスリリングでダイナミックなアップテンポの9、ロック色の強いハードなリフで突き進むミッドテンポのヘヴィナンバーの10、タイトなリフとシャープなメロディが緊張感を高めていく緩急の強いアップテンポのスピードナンバーの11、ボーナストラックには、哀愁メロディで突っ走るソリッドなスピードナンバーの12、前作からの曲のアコースティックバージョンの13が収録されています。

 いまだにバンド名とサウンドとのギャップが納得いかないバンドですが、硬質感高まるヘヴィメタルサウンドと作り出していくアルバムは、往年のギターヒーロー的なプレイを聴かせるギタリストの活躍もあって、モダンな要素も加えたオーセンティックなスタイルながらも鮮やかな印象を与えていきます。ダークさが伴うソリッドなサウンドは、キャッチーさは満載ですが、シリアスなムードが強く緊張感あふれるものになっています。様々な手法を取り込んで高品質のヘヴィメタルに仕上げていく堅実な一枚でした。
同系統アルバム
IMMORTALS/FIREWIND
THE STAGE/AVENGED SEVENFOLD
HIBRIA/HIBRIA

RED N' ROLL/CHRONOSPHERE

レッドン・ロール/クロノスフィア

SPIRITUAL BEAST IUCP-16262 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ギリシャ産スラッシュメタルバンドの三枚目のアルバムです。

 オカルトホラー映画風のイントロダクションで幕を開けるアルバムは、不穏なクランチーリフを刻みつつダーティヴォイスがスクリームする怒涛の疾走ナンバーの2で一気に駆け抜けると、唸りを上げるギターリフで突っ走るハイテンションのロッキンなスピードナンバーの3、タイトなギター&ベースが切れ込む緩急の強いクランチーな突進ナンバーの4、ドライヴ感高まるアップテンポのロッキンなスピードナンバーの5、ダークなリフを刻みつつ緩急大きく突き進むアップテンポの6、荒々しく激しく突き進む突進ナンバーの7、さらに空気感を受け継ぎつつ突っ走るロール感のあるスピードナンバーの8へ。ザクザクしたリフが威圧的に迫るアナイアレイター風のミッドテンポのパートから一転して加速する9、スリリングなイントロからタイトなリフが唸りを上げる緩急を効かせたスピードナンバーの10、ボーナストラックにはソロパートを大きくアレンジしたメタリカのカバーと、4のベース&ドラムバージョンが収録されています。

 エナジー漲るスラッシュメタルを追求するアルバムは、自身のルーツであるスタイルも覗かせつつ勢いのあるサウンドを展開していきます。鮮やかでフラッシーなギターソロも随所で披露しつつ、複雑になり過ぎない爽快感のある楽曲に仕上げており、バンドの着実な成長を感じさせます。新世代スラッシュメタルバンドの中でも独自の位置をキープできそうな手ごたえを感じさせる一枚でした。
同系統アルバム
DECISION DAY/SODOM
THE EVIL DIVIDE/DEATH ANGEL
UNDER ATTACK/DESTRUCTION

VANQUISH THE DEMON/CRY VENOM

ヴァンクウィシュ・ザ・ディーモン/クライ・ヴェノム

KING RECORDS KICP-1837 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 アメリカ・ロシア混成の米国に拠点を置くバンドのデビューアルバムです。バンドの結成は2016年。

 ユーロビート風のムードを持ったイントロダクションで幕を開けるアルバムは、ハイトーンヴォーカルと湿ったメロディに加えてネオクラシカルなギターソロまで盛り込んだハイテンションに突っ走る怒涛の劇的スピードナンバーの2でエンジン全開で進んでいくと、そのままのテンションでキャッチーなメロディとエレクトロなキーボードを引っさげたエッジの効いたダイナミックな展開のスピードナンバーの3へ。ドラマティックなイントロからソリッドなリフを刻む4はキャッチーなメロディでエモーショナルに迫るブレイクダウンも見せるアップテンポのナンバー、叙情メロディで迫る5はエモーショナルな感覚が強まるミッドテンポのナンバー、鮮やかなコーラスに導かれる6はフックの強いリフと哀感帯びたメロディで突き進むドラマティックなアップテンポのナンバー、高速イントロからヘヴィリフのメタルコア的なパートとスピードメタルの疾走パートとのコントラストの強いダイナミックなナンバーの7、スペーシーなキーボードが印象に残る展開の激しい鮮やかなスピードナンバーの8、激しく躍動する疾走ナンバーの9、優しいムードのリリカルで広がりのあるメロディックナンバーの10、クラシックのフレーズも飛び出す希望に満ちたメロディが広がるアップテンポのキャッチーな11、キラキラキーボードに導かれる叙情スピードナンバーの12、ボーナストラックの13はグロウルやキーボードを盛り込んだ派手なアイアン・メイデンのカバーが収録されています。

 ハイトーンヴォーカルを擁するメロディックスピードメタルと言うフォーマットに、メタルコアやエレクトロ、クラシックなどでデコレーションした派手なサウンドを展開するアルバムは、ジャケットのアレさからは想像できないハイブリットなものになっています。多彩な要素を盛り込んでいますが、スピードメタルのアイデンティティを保っているため、マンネリズムを解消した爽快さを強く感じさせていきます。異なる要素が多少ぶつかり合っている感はありますが、新人らしい爆発力のある強力な一枚です。
同系統アルバム
ATOMIC NUMBER 22/TITANIUM
THE FIRE WITHIN/ETERNITY'S END
THE PASSAGE/DGM

ONCE UPON A JOKE/GAIDEN [IMPORT]

ワンス・アポン・ア・ジョーク/ガイデン

BANDCAMP DIGITAL [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2007年に結成されたフランス出身のバンドのファーストアルバムです。バンド名は日本語の“外伝”から取っていますが、理由はバンドに聞いてください。

 鐘の音に導かれる小芝居を絡めたシアトリカルなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、攻撃的なリフを刻みつつ場面転換の細かいアップテンポのソリッドな2から、多彩な表情を見せるヴォーカルがテクニカルなプレイと共に進むアルバムは、ダークなヘヴィリフを繰り出していく3は情動的なメロディを歌い上げていくダイナミックで緊張感高まるミッドテンポのナンバー、手の込んだリフのイントロから叙情的なパートと躍動的なパートとのコントラストが印象に残るテクニカルで鮮やかなミッドテンポの4、キャメロットを彷彿とさせる哀感高まるアコースティックから壮大に展開するパワーバラードの5、トリッキーなリフで進む6は力感あふれるヴォーカルと細かい展開で盛り上げていくタイトでスリリングなナンバー、ミステリアスなイントロからテクニカルなリフと湿ったメロディが交錯するミッド〜アップテンポの7、タイトなギターリフが熱量の強いヴォーカルを導くダークなミッドテンポの8、ミステリアスなリフが不穏な空気を生み出すグロウルも導入した威嚇的でタイトなミッドテンポの9、繊細なメロディを紡ぐ導入部からアグレッシヴに展開していく10は強い感情を高めていく劇的展開の大作ナンバー、ボーナストラックの11はパワフルなメロディで突き進む正統派なアップテンポのナンバーが収録されています。

 バンド名から連想される日本的な要素は皆無であるサウンドは、テクニカルなプレイと情感豊かなメロディを組み合わせたもので、パワフルな歌唱も伴って、パワーメタル的な感触を強く与えていきます。ツインギターによるインストゥルメンタルパートは、かなり手の込んだことをやっていて、興味深いものになっていますが、音の分離があまり良くないせいで、時々分かりにくいのが残念。プログレッシヴメタルとしては珍しくキーボードがいないバンド構成は、よりメタリックな側面を強調するものとなっており、曲展開の妙に集中する効果を生み出します。かなり高い完成度と今後の可能性を感じさせるサウンドが共存する、伸び代がまだまだありそうな地力を感じさせる一枚です。
同系統アルバム
THE PASSAGE/DGM
VOLTE-FACE/MANIGANCE
BLOOD - FURY - DOMINATION/ARTHEMIS

ARCHITECTURE OF A GOD/LABYRINTH

アーキテクチャー・オブ・ア・ゴッド/ラビリンス

KING RECORDS KICP-1845 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア産メロディックメタルバンドの8枚目のアルバムです。キーボードとドラムが交替して製作されています。

 期待感を高めるミステリアスなイントロで幕を開けるアルバムは、ハイトーンヴォーカルが歌い上げていくスリリングなリフで突き進むドラマティックな哀愁スピードナンバーの1から、叙情性高まるエモーショナルなミッドテンポのメランコリックナンバーの2、緊迫感高まるエッジの効いたイントロから疾走する劇的スピードナンバーの3、哀感たっぷりのメロディで進むバラード風ナンバーの4、叙情メロディで進むキャッチーで躍動的なアップテンポの5、メランコリックなインタールードの6を経て、多彩な展開を見せる情感豊かな大作ナンバーの7、訃報が伝えられたロバート・マイルズのカバーのニューウェーブ的なインストナンバーの8、センチメンタルなバラードナンバーの9、叙情性の強いメロディで進むミッドテンポの10、激しいリフワークで突き進む劇的疾走ナンバーの11、センチメンタルなバラードナンバーの12、ボーナストラックには9のアコースティックバージョンが収録されています。

 ラビリンスらしい叙情メロディが満載のアルバムは、一時期の迷走感は解消されたものの、期待値よりは少し低い辺りを漂っている感が強く、もう一声って言いたくなるモヤっとした印象。スピードナンバーではそれなりに爽快感を与えていきますが、全体的には山場が全盛期よりは低くなっています。それでもクオリティは安定しているので、聴かせるものになっているあたりはベテランの技。もうちょっとポテンシャル的には出来そうなんだけどなあ、って要望を言いたくなるのを含めてラビリンスっぽさが全開の一枚でした。
同系統アルバム
THE JAGUAR PRIEST/UNIVERSAL MIND PROJECT
FRAGMENTS OF CREATION/SUNBURST
THE PASSAGE/DGM





May

DRAGONFORCE | DREAM EVIL | EMBER FALLS | THE FERRYMEN | TERRIFIER |

REACHING INTO INFINITY/DRAGONFORCE

リーチング・イントゥ・インフィニティ/ドラゴンフォース

WARNER MUSIC WPZR-30755/6 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 英国産スピードメタルバンドの七枚目のアルバムです。

 期待感高まるイントロから、パワフルヴォーカルが炸裂する激しさと情感が高まるスピードナンバーの2で一気にテンションを挙げるアルバムは、スペーシーなイントロから躁状態で突っ走る彼ららしいフルスピードナンバーの3、アグレッシヴな怒涛の突進力を見せるスリリングなスピードナンバーの4ではブルージーなソロパートも聴かせるなどアクセントを付けていきます。叙情メロディで進みダイナミックなヴォーカルがエモーショナルな歌唱を見せるアップテンポの5、ドラマティックなパワーバラードの6、ハイテンションにアッパーに突っ走る緩急の強いファストチューンの7、ミステリアスなイントロからの8はアナイアレイターみたいなシュレッディングなパートと開放的なコーラスのコントラストが鮮やかなスピードナンバー、忙しいリフワークで突っ走るアグレッシヴなスピードナンバーの9、メランコリックなイントロからの10はグロウルも飛び出すダークでドラマティックなメイデン風味の大作ナンバー、叙情メロディ高まるスピードナンバーの11、ボーナストラックには、ガンマ・レイみたいなスピードナンバーの12、ちょっと前に聴いたよ!(´∀` )なデスのカバーと、驚きのZIGGYのカバーが収録されています。
 DVDにはウッドストックでの公演の模様が収録されていますが、マットに乗ってクラウドサーフか…(´Д`;)でも、マルチアングルってコレじゃない。

 前作から更に深化を進めたアルバムは、最大公約数的なドラゴンフォースらしさは薄まっているものの、洗練されつつある曲の構成力は高まっており、表現力をあげてきたヴォーカルと共に整合性の取れた仕上がりを見せていきます。グロウルやスピードに頼らない大作など新機軸にも取り組んだ挑戦的な姿勢を前面に押し出して、大きな一歩につなげようとする意図を伺わせてバンドの進歩を感じさせます。バンドに求められているであろう個性を殺してでも普遍性を強化した客層を拡大していく一枚でした。
同系統アルバム
VANQUISH THE DEMON/CRY VENOM
KINGS AMONG MEN/CRIMSON SHADOWS
OFF THE GRID/CELLADOR

SIX/DREAM EVIL

シックス/ドリーム・イーヴル

KING RECORDS KICP-1849 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フレドリック・ノルドストローム率いるスウェーデン出身のバンドの6枚目のアルバムです。ギタリストに4枚目に参加したマーク・ブラックが出戻っています。

 ソリッドでヘヴィなギターリフで進むミッドテンポの1からハイトーンヴォーカルがパワフルに唄い上げるオーセンティックなヘヴィメタルを作り出していくアルバムは、ドライヴ感強くソリッドに迫るアップテンポの2、湿ったメロディがエモーショナルに紡がれるキャッチーでメランコリックなミッドテンポの3、エモーショナルなパワーバラード風ナンバーの4、大陸的なハードロックするタイトなミッドテンポの5、ダークなメロディとグルーヴィなリフで進むヘヴィナンバーの6、華麗なイントロからタイトなリフを刻んでいくアップテンポの7、フックのある叙情メロディを重ねるミッドテンポの8、勢いのあるコーラスで盛り上げるタイトなミッドテンポの9、ヘヴィリフとキャッチーなコーラスで進むソリッドなミッドテンポの10、開放感のあるヴォーカルとソリッドなリフで構成するミッドテンポの11、壮大なコーラスで盛り上げる重厚なミッドテンポの12、ボーナストラックには、ミステリアスなイントロからヘヴィに迫るタイトな13、ドライヴ感の強いアップテンポのスピードナンバーの14、叙情メロディで進むエモーショナルなミッドテンポの15、ソリッドなリフを刻むエッジの効いたミッドテンポの16が収録されています。

 フレドリック・ノルドストロームの音作りはいつも通りのクオリティですが、楽曲の方は正統派ヘヴィメタルのスタイルを堅持しつつも、パフォーマンスに比べると完成度が追いついていない印象、って言うかこんなに面白くない曲ばっかりだっけ、このバンド…(´Д`;)ミッドテンポの起伏の大きくない曲をタップリ揃えてくれて聴き手に忍耐を強いられる、音がよくなかったら我慢ならないって感じです。実際ボーナストラックだけで充分だったんじゃないかな。メタル然としたサウンドは心地よいものの、久しぶりのアルバムでキャッチーな曲の作り方忘れたんじゃないかって感じの一枚でした。
同系統アルバム
RULEBREAKER/PRIMAL FEAR
IMMORTALS/FIREWIND
SCARY CREATURES/BRAINSTORM

WELCOME TO EMBER FALLS/EMBER FALLS

ウェルカム・トゥ・エンバー・フォールズ/エンバー・フォールズ

MARQUEE MICP-11355 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドのファーストアルバムです。バンドの結成は2010年。

 ダーティヴォイスのヴォーカルが躍動感の強いギターリフに乗って叙情的なメロディックなサウンドを作り出していくダイナミックなミッドテンポの1から、メインストリーム的なポップなムードとメタリックなスタイルを融合させていくアルバムは、ドラマティックなイントロからグロウルとクリーンヴォーカルを絡めたフックのあるメロディで進んでいく起伏の大きいアップテンポの2、エレクトロな演出と叙情メロディが交錯する哀愁ポップナンバーの3、ダンサブルなビートとキャッチーなメロディが叙情性を高めるアップテンポの4、メランコリックなムードを高めていくバラードナンバーの5、タイトなリフを刻む6はニューメタル風の展開を見せる緊迫感高まるミッドテンポのナンバー、ニューウェーブ的な叙情性を持ったエモーショナルなミッドテンポの7、ダンサブルなビートとラップ風ヴォーカルを加えたキャッチーな8、タイトなリズムで加速するキャッチーなアップテンポの9、シンフォニックメタル的なアレンジで進む叙情メロディックナンバーの10、エレクトロなキーボードサウンドとソリッドなギターリフが交錯するメロデス風味のアグレッションを重ねたドライヴ感の強いソイルワークみたいな11、ボーナストラックには女性ヴォーカルも加わったニューウェーブ風のセンチメンタルでアグレッシヴなミッドテンポの12が収録されています。

 ニューメタルとメジャーポップを合わせたようなサウンドが展開されていくアルバムは、メタルと言う印象よりもメインストリームな感触の方が強まってしますが、テクニカルなギターソロではメタルスピリットを見せ付けたりもして、多彩でカラフルな楽曲を揃えています。ポップ感とキャッチーさが強い楽曲は作風の持ち札が多いので飽きさせずに聴かせる魅力を備えており、新人らしからぬ実力を見せていきます。サウンド的に面白い試みを盛り込んだ新たな息吹を感じさせる一枚でした。
同系統アルバム
MASSIVE ADDICTIVE/AMARANTHE
QUIET WORLD/NATIVE CONSTRUCT
THE EARTH EMBRACES US ALL/TEMPERANCE

THE FERRYMEN/THE FERRYMEN

ザ・フェリーメン/ザ・フェリーメン

WARD RECORDS GQCS-90343 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身でプライマル・フィアのマグナス・カールソン、アメリカ出身の元レイジのマイク・テラーナ、そして、ローズ・オブ・ブラックのロニー・ロメロによるプロジェクトのファーストアルバムです。

 ドラマティックなイントロからパワフルなヴォーカルが重厚なメロディを歌い上げていく様式美にあふれるミッドテンポの1から、様式美メタルを作り出していくアルバムは、シンフォニックなアレンジを加えつつエキゾチックに迫るレインボー的なミッドテンポの2、オーセンティックなリフワークで開放的なメロディを導くミッドテンポの3、荘厳なイントロからの4は哀愁メロディが炸裂するダイナミックなミッドテンポの劇的ナンバー、湿ったメロディで情感豊かに迫る壮大なミッドテンポの5、ロマンティックなパワーバラードナンバーの6、不穏なイントロからの7はヘヴィリフを刻みつつスケール感の大きいメロディを紡ぐミッドテンポの劇的ナンバー、叙情メロディで進むダイナミックなミッドテンポの8、ドラマティックな展開のダイナミックなナンバーの9、哀愁メロディックスピードナンバーの10、メランコリックなバラードナンバーの11、ドライヴ感強まるスピードナンバーの12、ボーナストラックの13は6のアコースティックバージョンが収録されています。

 ラウドパーク16でその実力を発揮したロニー・ロメロを筆頭に、実力派アーティストが揃ったアルバムは、様式美サウンドを追求したなドラマティック楽曲を揃えており、確かなパフォーマンスに裏打ちされた説得力を生み出しています。安心感さえ憶えるスタイルは期待を裏切らないものに仕上がっていますが、この顔ぶれで期待されたほどの満足感には達していないかなと言う印象。最終的には予定調和に落ち着くアルバムですが、完成度は高い高品質の北欧メロディックメタルを聴かせてくれる一枚です。
同系統アルバム
AS DAYLIGHT BREAKS/SERIOUS BLACK
TSAR/ALMANAC
DIABOLICA/IRON MASK

WEAPONS OF THRASH DESTRUCTION/TERRIFIER

ウェポンズ・オヴ・スラッシュ・ディストラクション/テリファイアー

SPIRITUAL BEAST IUCP-16265 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 カナダ産スラッシャーの二枚目のアルバムです。バンドの結成は2012年ですが、前身バンドからのキャリアを加えると既に10年選手。

 クランチーなギターリフが唸りを上げる破壊力満点の突進ナンバーの1で幕を開けるアルバムは、ヒステリックな吐き捨てヴォーカルが叫ぶスラッシュメタルを追求していき、エッジの効いたギターリフで切れ込んでいく躍動感高まるアグレッシヴなファストチューンの2、湿ったメロディを絡めた手の込んだギターワークで押し込んでいく3は後半への加速感が印象的な密度の高いアップテンポのナンバー、高速ロールしていく強烈な速度感を見せ付けるイントロから起伏激しく進んでいくアグレッシヴな4、細かいリフワークで切り刻んでいくダイナミックなスピードナンバーの5、躍動感の強いリフワークで進んでいくスラッシュ&ロールな6、攻撃的なリフが荒れ狂う緩急の強い突撃ナンバーの7、ダークでメランコリックなインストナンバーの8を経て、狂乱のリフが炸裂する怒涛の突撃ナンバーの9へ。ボーナストラックには、デモかって言う音質のテスタメントみたいな突進ナンバーの10、タイトでスピーディーなスラッシュナンバーの11が収録されています。

 エクソダスやスレイヤーを彷彿とさせるオールドスタイルのスラッシュメタルをブラッシュアップしていくアルバムは、圧倒的なスピード感と破壊力を引っさげて全力で突っ走っていきます。80年代風のジャケットやバンドロゴまでスラッシュメタルに徹していくスタイルで一気呵成に突き進む潔さが爽快感を生み出しつつも、テスタメントやメガデスを思い出させるソロパートなどの手間のかけ方にセンスを伺わせたりします。スラッシュメタル黄金期の良いところを集めたみたいなテンションの上がる一枚でした。
 さすがにこのスペルでファイアーって無理じゃないかな…(´・ω・`)
同系統アルバム
UNDER ATTACK/DESTRUCTION
DIVISION OF BLOOD/SUICIDAL ANGELS
RED N' ROLL/CHRONOSPHERE





June

ICED EARTH | MUNICIPAL WASTE | SECRET SPHERE | SHADOWSIDE | TANKARD | UNLEASH THE ARCHERS |

INCORRUPTIBLE/ICED EARTH

インコラプティブル/アイスド・アース

MARQUEE MICP-11362 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産パワーメタルバンドの12枚目のアルバムです。

 不穏なイントロに導かれるアルバムは、ハイトーンシャウトとクランチーなリフが炸裂する緊迫感高まるタイトなアップテンポの1から、独自のサウンドを形成していき、メランコリックなイントロからの2はタイトなリフと威圧的なヴォーカルが一体になって進むミッドテンポのナンバー、センチメンタルなイントロからシュレッディングなリフが叩きつけられていくエモーショナルなミッドテンポの3、叙情感の強い導入部から情念高まるヴォーカルが歌い上げていく扇情性の強いミッドテンポの4、不穏なイントロからクランチーなリフと荒々しいヴォーカルで圧倒してスリリングな展開を見せる攻撃的でソリッドな5、タイトなリフと叙情性の強いメロディで進むソリッドなミッドテンポの6、ソリッドなリフを繰り出していく7は叙情メロディで進むインストナンバー、哀愁メロディで扇情性を高めていくタイトなミッドテンポの8、ドラマティックなイントロから激しいリフを叩きつけていくダイナミックで攻撃的なファストチューンの9、静かなイントロからトライバルなビートや勇ましいコーラスを絡めた大胆な展開を見せる大作ナンバーの10が収録されています。

 優れたパフォーマンスを聴かせるヴォーカルの加入で安定感を増した最近のアルバムでは、更にメロディを強化しており、「ホラー・ショー」あたりの作風に近づいたような印象を与え、全体的に聴きやすい感触になっています。エッジの効いたギターの響きやパワフルなサウンドはこれまで通りの仕上がりになったおり、安心感と安定感を高水準で保っています。個々の楽曲はドラマティックながらも、アルバム全体としてはコンパクトに仕上げられたパワフルな一枚でした。
同系統アルバム
JUGGERNAUT/VOLCANO
BACK TO HAUNT/POLTERGEIST
PANGEA/PARADOX

SLIME AND PUNISHMENT/MUNICIPAL WASTE

スライム・アンド・パニッシュメント/ミュニシパル・ウェイスト

WARD RECORDS GQCS-90345 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産スラッシャーの6枚目のアルバムです。バンドメンバーと別バンドで活動しているギタリストが新たに加入しています。

 切れ味鋭いクランチーなギターリフが荒れ狂うファストチューンの1から吐き捨てヴォーカルが叫ぶ勢いのあるスラッシュメタルが展開されていくアルバムは、息もつかせず突っ走るハードコアな2、攻撃的なヴォーカルがアジテイトしながら加速していくダイナミックな3、アクセル全開で突っ走るスラッシュナンバーの4、唸りを上げる硬質なリフで突き進むパワーメタリックで威圧感の強いスピードナンバーの5、不穏なイントロからアグレッシヴに進む緩急の強い6、クランチーなリフで突き刺さる突撃ナンバーの7、ソリッドなリフで吐き捨てていく勢いのあるアップテンポの8、パンキッシュに突っ走るファストチューンの9、ボーナストラックの10は息せき切って突っ走る忙しいスピードナンバー、唸るギターリフで爆走するファストチューンの11、不穏なイントロからアグレッシヴに突っ走りつつ正統派的な展開も見せる12、躍動するクランチーなリフがダイナミックな展開を見せていくインストナンバーの13、ダイナミックなリフワークで突き進む勢いのあるアップテンポから加速していく14、ダークなイントロから勢いのあるパンキッシュなコーラスと重厚な展開を見せる15が収録されています。

 えー、3分以上の曲ありません'`,、(´∀`) '`,、そんな感じのハードコアテイスト強まるスラッシュメタルが展開されていくアルバムは、油断しているとすぐ終わってしまう、あっという間の花火を打ちあげるかの如く一気に突っ走っていきます。とは言え中身の方は、思った以上に手が込んでいてメタル然としたインストナンバーあり、テクニカルなギターソロありと、メタルスピリットを強烈にアピールしていきます。密度がやたらと高い気付いてみたら終わってる一気呵成のアルバムです。
同系統アルバム
RED N' ROLL/CHRONOSPHERE
WEAPONS OF THRASH DESTRUCTION/TERRIFIER
MASS CONFUSION/DUST BOLT

THE NATURE OF TIME/SECRET SPHERE

ザ・ネイチャー・オブ・タイム/シークレット・スフィア

KING RECORD KICP-1853 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア産バンドの8枚目のアルバムです。ギタリストが脱退、さらにドラマーが交替しています。

 叙情的なメロディがシンフォニックに綴られるイントロで幕を開けるアルバムは、緊迫感高まるイントロからのタイトな劇的ナンバーの2で、哀愁メロディとドラマティックな展開を披露していくと、ロマンティックなメロディが染みるバラード的な3、テンションあげてキタ━(゜∀゜)━!な盛り上がる劇的スピードナンバーの4、優しいメロディで進む柔らかいエモーショナルなミッドテンポの5、壮大なムードとソリッドなギターリフが絡み合う様々なスタイルを取り入れたダイナミックな展開のミッドテンポの6、ドラマティックなイントロからスリリングに突き進むテクニカルでエッジの効いたアップテンポの7、アグレッシヴなリフで押し込むテクニカルで緊迫感高まるミッドテンポの8、ヘヴィなイントロからプログレな展開を見せるインストナンバーの9、雄大なイントロからの10はシンフォニックなパートを経て疾走する劇的スピードナンバー、哀愁たっぷりのイントロから優しいメロディで進むエモーショナルな劇的ナンバーの11、ボーナストラックには5のオーケストラバージョンが収録されています。

 パワフルヴォーカルに替わってから、すっかりB級らしさが薄くなってしまってある意味残念なところもありますが、クオリティを順調に高めたアルバムは、叙情メロディ満載の劇的サウンドを作り出しており、コンセプトに沿った彼ららしい世界観を提示していきます。初期のような衝動性の強いスピード感とかは望むべくも無いですが、すっかり整合性と完成度が高まった楽曲を揃えて、安心感のある仕上がりを見せます。プログレメタル的な側面が強まったものの聴き手に優しい一枚でした。
同系統アルバム
ARCHITECTURE OF A GOD/LABYRINTH
THE PASSAGE/DGM
THE FIRE WITHIN/ETERNITY'S END

SHADES OF HUMANITY/SHADOWSIDE

シェイズ・オヴ・ヒューマニティ/シャドウサイド

SPIRITUAL BEAST IUCP-16268 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ブラジル産の女性ヴォーカルを擁するバンドの4枚目のアルバムです。

 粘りのあるパワフルな女性ヴォーカルが歌い上げていくソリッドなミッドテンポの1から、タイトなリフを刻むパワフルなミッドテンポの2、モダンなヘヴィ感を強めていくタイトでグルーヴィな3、タイトなリフで突き進むアップテンポのスピードナンバーの4、ソリッドなリフとエモーショナルな歌唱が交錯するミッドテンポの5、 ドライヴ感の強いタイトでエモーショナルなアップテンポの6、グルーヴィなリフを繋げるソリッドなヘヴィナンバーの7、エモーショナルなヴォーカルが先導するタイトなミッドテンポの8、キャッチーなイントロから明朗なメロディを紡いでいくミッドテンポの9、ソリッドなリフを叩きつけていくアグレッシヴなアップテンポの10、情感高まるヴォーカルがダイナミックに迫るタイトで壮大なヘヴィナンバーの11、ボーナストラックはクランチーなリフで突っ走るアグレッシヴなスピードナンバーが収録されています。

 安定したパフォーマンスと実直な曲作りで仕上げられたアルバムは、正統派スタイルのヘヴィメタルを堅実に作り出していくもので、現代的なヘヴィネスも取り込んだアップデートされたサウンドを聴かせています。齟齬の無いプレイによって描き出される楽曲はまさしくヘヴィメタル然としたものになっていますが、あと一歩インパクトに欠けるもどかしい感じが残ります。4枚目にしては、あと何か加えたら突き抜けるような印象ばかりが残った一枚でした。
同系統アルバム
BLOOD - FURY - DOMINATION/ARTHEMIS
BURNING WITCHES/BURNING WITCHES
IN THE RED/CRUCIFIED BARBARA

ONE FOOT IN THE GRAVE/TANKARD

ワン・フット・イン・ザ・グレイヴ/タンカード

WARD RECORDS GQCS-90357 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 結成35周年、ベテランジャーマンスラッシャーの17枚目のアルバムです。

 不穏なイントロで始まるアルバムは、クランチーなギターリフと馬力のあるビートが繰り出す重量感のあるダイナミックな1から、ビール焼け気味のダミ声ヴォーカルが吼えるオールドスタイルのスラッシュメタルを展開していくと、グルーヴ感を強めてストロングに迫るモーターヘッド的でタイトなミッドテンポの2、タフなギターリフを叩き込んでくる高密度の3はアグレッシヴに迫るタイトなナンバー、叙情性の強いイントロから爆発力のあるリフと劇的なギターソロで突っ走る威嚇的なファストチューンの4、パワーメタル的なムードで突き進むダイナミックなアップテンポの5、ダークなイントロからの6はタイトなリフを激しく刻むアクティヴで叙情性の強いアップテンポのナンバー、ソリッドなリフを叩きつけていく起伏の激しいダイナミックな7、メイデンみたいな曲名の8はタイトなリフで押し込むアグレッシヴなナンバー、静謐なイントロから唸りを上げるリフが繰り出される緊迫感の高いアップテンポの9、遮二無二ドカドカ突っ込む突撃スラッシャーの10が収録されています。

 タンカードは酔っ払いスラッシュみたいな印象しかなかった上に、以前のアルバムを持っているかどうかも記憶が無い…どこか掘り返したらあるかもしれないけど(´Д`;)まあ、そんな感じで35周年おめでとうなアルバムは、バンドの集大成的な要素も孕みつつ、メロディックだったりパワフルだったりで、ずっとビールを呑んでるだけじゃないよ!と言うことを強くアピールする真面目な仕上がりになっています。思っていたよりもギターソロがドラマティックで安定感のあるサウンドと共に楽曲のクオリティアップに貢献しています。ベテランでもやっぱり元気なドイツ勢の勢いを感じさせる一枚でした。
同系統アルバム
THE GRINDING WHEEL/OVERKILL
THE EVIL DIVIDE/DEATH ANGEL
HEALED BY METAL/GRAVE DIGGER

APEX/UNLEASH THE ARCHERS

エイペックス/アンリーシュ・ジ・アーチャーズ

SPIRITUAL BEAST IUCP-16266 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 女性ヴォーカルを擁するカナダ産バンドの4枚目のアルバムです。ベーシストが交替しています。

 ミステリアスなイントロで幕を開けるアルバムは、畳み掛けるソリッドなギターリフの応酬が唸りをあげて開放的なコーラスへと導くダイナミックなアップテンポの1から、パワフルなハイトーンヴォーカルが唄い上げるドラマティックなヘヴィメタルを作り出していくと、ドライヴ感の強いリフで突っ走るアッパーなアップテンポの2、冒頭のシャウトでテンション上げる3はタイトなリフでスリリングに進むシリアスなアップテンポの劇的スピードナンバー、ダークでなリフを刻んでいくエモーショナルでタイトなヘヴィナンバーの4、叙情メロディがドライヴしていく展開の大きいアップテンポの5、タイトなビートと叙情メロディが交錯するエモーショナルなミッドテンポの6、ダークなムードを高めつつ壮大な空気も醸成するソリッドな劇的ナンバーの7、アコースティックのイントロからの8は男性ヴォーカルも加わったタイトなリフを刻んで緊張感を高めてダイナミズムを生み出すアップテンポのナンバー、哀愁メロディで突っ走るアップテンポの劇的スピードナンバーの9、アイアンメイデンを彷彿とさせる壮大で劇的な展開を聴かせる大作ナンバーの10、ボーナストラックにはクイーンズライクのカバーが収録されています。

 エクストリームメタルからの影響が見受けられたバンドですが、このアルバムでは正統派スタイルのオーセンティックなヘヴィメタルに徹しており、すっかり風格すら感じさせるサウンドが充満しています。説得力のあるヴォーカルに、フラッシーなギターソロを加えて、スリリングに展開していく様はベテランバンドに通じる伝統的な息吹とエネジーを感じさせるものとなっており、焦点の定まったストイックなサウンドを聴かせています。ストロングなパワーメタルが縦横無尽に展開する、バンドのヴィジョンが明確になった一枚です。
同系統アルバム
BRINGER OF PAIN/BATTLE BEAST
IMMORTALS/FIREWIND
APOCALYPSE AGAIN/THUNDERSTONE





July

BLOOD STAIN CHILD | BURNING WITCHES | ORDEN OGAN | RAGE | VOLCANO | WINTERSUN |

TRI ODYSSEY/BLOOD STAIN CHILD

トライ・オデッセイ/ブラッド・ステイン・チャイルド

BAKU-ON.ca RADC-096 [EP] >>>>>BUY...?

 国産トランスメタルバンドの4曲入りEPです。ヴォーカルが替わってベーシストが加わっています。

 エレクトロな高速フレーズで畳み掛けるキラキラしたスピードナンバーの1から、グロウルが吼えるダイナミックなサウンドが展開されており、北欧メロデスとトランスが交錯する怒涛の劇的疾走ナンバーの2、エレクトロなフレーズと叙情感高まるキャッチーなメロディが激しいビートに導かれるスペーシーなスピードナンバーの3、トランスミュージックを前面に押し出したフューチャリスティックなパートとメロデスパートのコントラストが鮮やかな4が収録されるアルバムは、休止期間が長かったこともあって最先端とまでは言えないサウンドになってしまっていますが、彼ら独自のJ-POP的なキャッチーさや世界観は健在で、今後の活動に期待を持たせる一枚です。
 DVDの方は、予算が削られてるんだろうなあ(´Д`;)って感が強いミュージッククリップが収録されています。
同系統アルバム
WELCOME TO EMBER FALLS/EMBER FALLS
MASSIVE ADDICTIVE/AMARANTHE
DREAMLESS/FALLUJAH

BURNING WITCHES/BURNING WITCHES

バーニング・ウィッチーズ/バーニング・ウィッチーズ

RUBICON MUSIC RBNCD-1235 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スイス産フィメールバンドのデビューアルバムです。プロデュースにはデストラクションのシュミーアを迎えて製作しています。

 ソリッドなギターリフとパワフルな女性ヴォーカルが一体となって突き進むタイトでダイナミックなアップテンポの1から、80年代風のオーセンティックなヘヴィメタルを作り出していくアルバムは、威圧感と躍動感の強いロックするミッドテンポの2、オカルティックなムードが高まる不穏でエキセントリックなミッドテンポのヘヴィナンバーの3、メランコリックなイントロからの4はグロウルも加えて湿ったメロディで進むメイデン風のダイナミックなアップテンポのナンバー、勢いのあるイントロからテンション上げていくダークなメタルアンセムなアップテンポの5、大陸的なパワーバラードナンバーの6、叙情感タップリのメロディのイントロからエキセントリックなヴォーカルとキャッチーなコーラスで起伏を生み出すタイトなミッドテンポの7、さらにエキセントリックさを見せるオカルティックでキャッチーなヘヴィナンバーの8、威嚇的な攻撃性を見せていくソリッドでドラマティックなミッドテンポの9、アグレッシヴなリフで威圧する緩急の強い展開を見せるミッドテンポの10、11にはジューダス・プリーストの丁寧なカバー、ボーナストラックには6のアコースティックバージョンが収録されています。

 ジューダス・プリーストやアイアン・メイデンをベースに80年代メタルを再現していくサウンドは、そのエキセントリックなパフォーマンスがマーシフル・フェイトあたりを彷彿とさせたりしますが、基本的にはキャッチーなメロディを全面に押し出した楽曲を揃えています。さすがに時々グロウルとか使ったりしますが、純粋な正統派メタルとしてのスタイルを追求しており、クオリティの高いプロダクションも手伝って新人離れした作品に仕上げています。伝統を守りつつもブラッシュアップして最新のスタイルに近づけているあたりに才能とメタル愛を感じさせる完成度の高い一枚でした。
同系統アルバム
BRINGER OF PAIN/BATTLE BEAST
APEX/UNLEASH THE ARCHERS
迦陵頻伽/陰陽座

GUNMEN/ORDEN OGAN

ガンメン/オルデン・オーガン

SPIRITUAL BEAST IUCP-16269 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ出身のバンドの6枚目のアルバムです。

 壮大なイントロダクションで幕を開けるアルバムは、パワフルなギターリフと重厚なコーラスが一体となって迫る叙情劇的スピードナンバーの1から、スケール感の大きいサウンドを作り出していき、タイトなリフと哀愁メロディでドラマ性を高めていくミッドテンポの壮大な劇的ナンバーの2、扇情性の強いメロディとコーラスが炸裂するメランコリックでパワフルなアップテンポの3、キャッチーなメロディに勢いのあるコーラスと勇壮なムードが錯綜するタイトでフックの強いミッドテンポの4、センチメンタルな女性ヴォーカルに導かれる5は叙情メロディで突っ走る劇的スピードナンバー、メランコリックなイントロからタイトなリフと哀愁メロディを紡いでいくミッドテンポの壮大な6、エモーショナルなメロディと重厚なコーラスで進むヘヴィナンバーの7、壮大なムードで圧倒していくアップテンポの劇的ナンバーの8、重量感のあるイントロからソリッドなリフで切れ込むダイナミックなミッドテンポの9、壮大で荘厳なミッドテンポのシンフォニックナンバーの10、ボーナストラックにはライヴが二曲と、2のオーケストラバージョンが収録されています。

 スケール感の大きいサウンドを追求していくアルバムは、コンセプトにあまり影響を受けない独自のスタイルを保ちつつ、壮大な世界観を作り出していきます。スピード感は若干減退していますが、トラッド的なメロディやシンフォニックなアレンジで楽曲の説得力を高めています。ボーナストラックのオーケストラバージョンの出来が良いので、一度全編でやる価値はあるんじゃないかと思いつつ、新機軸とかはそれほど見当たらないものの、手堅くまとめた一枚でした。
同系統アルバム
BEYOND THE RED MIRROR/BLIND GUARDIAN
THE JAGUAR PRIEST/UNIVERSAL MIND PROJECT
WAR OF DRAGONS/BLOODBOUND

SEASONS OF THE BLACK/RAGE

シーズンズ・オブ・ザ・ブラック/レイジ

WARD RECORDS GQCS-90382/3 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ産ベテランパワーメタルバンドの前身バンドのアヴェンジャーから企画アルバムまで数えて23作目、普通に数えてみたら20作目のアルバムです。

 唸りを上げるパワー満点のリフとビートで突っ走るエンジン全開のダークなスピードナンバーの1から、レイジらしいサウンドが炸裂していくアルバムは、切れ味鋭いイントロからタイトなリフを刻んでいメロウなコーラスへと繋げるアップテンポのスリリングな2、ソリッドなギターリフを刻んでいく3はエモーショナルなメロディがヘヴィなサウンドと一体になって迫るミッドテンポのナンバー、湿ったメロディがエッジの効いたリフで紡がれる扇情性の強いコーラスが印象的なアップテンポの4、ダークなリフでゴリゴリ進むタイトでミステリアスな5、クランチーなリフが襲い掛かる威嚇的でソリッドなアップテンポのファストチューンの6、ソリッドなリフと湿ったキャッチーなメロディが交錯するミッドテンポの7、組曲形式となる終盤4曲は、優しいメロディで進む小品の8、壮大なイントロからの9はタイトなリフとキャッチーなメロディが明朗なムードを生み出すミッドテンポのナンバー、荘厳なコーラスからアグレッシヴなリフを繰り出すダークで攻撃的なミッドテンポの10、シンフォニックなサウンドに情感豊かな壮大なメロディを乗せたパワーバラード風の11で幕を閉じます。
 ボーナスディスクには、アヴェンジャー時代の楽曲をリ・レコーディングした6曲が収録されていますが、ハイトーンで唄ってるピーヴィーの姿はすっかり懐かしい'`,、(´∀`) '`,、3が“ファイアストーム”なのは、うん知ってた(´Д`;)

 新しいラインナップでの二作目と言う事で、楽曲のまとまりも良くなって活力あふれる躍動感の強いサウンドが展開されていきます。レイジ好きなメンバーが揃ったおかげで、バンドの雰囲気の良さがサウンドにも伝わってくるラフなロック感が楽曲の生命力を高めていきます。ピーヴィー以外の二人も唄が上手いので、ハイトーンは割りと他に任せている感がありますが、バンドなんだから出来る人がやればいいよね!色々な緊張感から開放された、元気で楽しそうなムードに満ちたパワフルな一枚でした。
同系統アルバム
BLOOD - FURY - DOMINATION/ARTHEMIS
INCORRUPTIBLE/ICED EARTH
IMMORTALS/FIREWIND

LEVIATHAN/VOLCANO

リヴァイアサン/ボルケーノ

METALIC CORE MC-009 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産パワーメタルバンドのリリース間隔が詰まってきた6枚目のアルバムです。

 マカロニウエスタン風のイントロダクションに導かれるアルバムは、唸りを上げる破壊力満点のリフで突進する激烈なファストチューンの2で、ダミ声ヴォーカルが吼え華麗なギターソロを披露するサウンドが展開されていくと、オーセンティックなリフワークを絡めたドライヴするメロディアスなアップテンポの3、ヘヴィリフを刻むイントロからの4はアグレッシヴに突き進む起伏の激しい突撃ナンバー、不穏なイントロからタイトに進む5はロック的なコーラスやどこのエマーソン・レイク・アンド・パーマーだって言うインストパートを絡めたミッドテンポのナンバー、湿ったメロディのイントロからアグレッシヴなリフワークで突っ切るアクティヴな6、躍動感の強いリフが加速していくアグレッシヴなアップテンポの7、超重量級のイントロからの8は唸りを上げるリフが押し寄せるロック感も残るミッドテンポのナンバー、クランチーなリフで進む9は湿ったメロディが印象的なミッドテンポのナンバー、叙情メロディを絡めたグルーヴィなリフで進むエモーショナルなミッドテンポの10、泣きのメロディで突っ走る叙情スピードナンバーの11が収録されています。

 もう出たのかよ!Σ(゜Д゜)と言うあのブランク期間とは何だったのか、みたいなリリースペースのアルバムですが、クオリティは今までどおりで安心のサウンド。少しずつ新たな要素を加味してブラッシュアップを図る意図を感じさせつつも、全体的なイメージは保持してバンド全体で構築した自由なフィーリングが漲っています。製作に関しては色々あったみたいですが、確かな信念を感じさせる安定感のある一枚でした。
同系統アルバム
BROTHERHOOD OF THE SNAKE/TESTAMENT
THE EVIL DIVIDE/DEATH ANGEL
HEALED BY METAL/GRAVE DIGGER

THE FOREST SEASONS/WINTERSUN

ザ・フォレスト・シーズンズ/ウィンターサン

WARD RECORDS GQCS-90399 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの三枚目のアルバムです。

 春をイメージした静かな始まりからの1は、タイトなリフとグロウルが神秘的なムードで進むスリリングで多彩な展開を見せていく二部構成のアルバムで最長のナンバー。ヘヴィなイントロからの2はフォークメタル的で暗いムードを持ったタイトで壮大な劇的ナンバー、四部構成の3は、ダークなムードが高まるブルータルでシンフォニックな突撃パートから、哀愁帯びた叙情性の強いインストパートを中心にしたパート、威圧的で暴虐的なパートに雪崩れ込みます。寂寥感のあるイントロから、情感タップリに進んでいく壮大でエモーショナルな4、ボーナストラックは4のアコースティックバージョンが収録されています。

 シンフォニックデスメタルをファンタジックだったりエピックだったりミステリアスだったりとドラマティックに演出していくアルバムは、神秘の森の春夏秋冬を表現していくクラシックにも通じるモチーフを使ったもので、10分越えの曲が4曲とかなり尖った構成で作り出されています。やりたいことを追求するプロジェクトなわけですが、こだわりのサウンドは誰のフィルターも通らないだけに、冗長さは否めないところで、多少聴きとおすには忍耐が必要な模様。何となく皆が期待しているサウンドは今後も出てきそうにないんじゃないかなって一枚でした。
同系統アルバム
ERDENTEMPEL/EQUILIBRIUM
SLAYER OF GODS/BRYMIR
DREAMLESS/FALLUJAH





August

ACCEPT | ADAGIO | ERUPTION | THE HAUNTED | MARTY FRIEDMAN | SEPTICFLESH | SERIOUS BLACK | WIND ROSE |

THE RISE OF CHAOS/ACCEPT

ザ・ライズ・オブ・ケイオス/アクセプト

WARD RECORDS GQCS-90385 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ在住のメンバーが一人しかいない、ドイツ産ベテランバンドの15枚目のアルバムです。ギタリストにグレイヴ・ディガーなどに在籍していたウヴェ・ルイスとドラマーにクリストファー・ウィリアムズを迎えて製作されています。

 不穏なイントロから、タフなギターリフを刻んでいくストロングスタイルのアップテンポの1から、往年の姿を彷彿とさせるサウンドを展開していくアルバムは、ミステリアスなムードがタイトなリフで刻まれるミッドテンポの2、エッジの効いたリフを叩きつけていく迫力のあるスピードナンバーの3、初期のライオットみたいな雰囲気のブルージーなミッドテンポのハードロックナンバーの4、タイトなリフとビートが壁のように迫るエモーショナルなコーラスとソリッドなサウンドが交錯するスリリングなミッドテンポの5、80年代のアクセプトの空気感が蘇るミッドテンポのロッキンな6、湿ったメロディと哀愁コーラスで突き進むアップテンポの7、叙情メロディとソリッドなリフが一体となって迫る扇情的なミッドテンポの8、タイトなリフがドライヴしていくアップテンポのスピードナンバーの9、ヘヴィなイントロから焦燥感高まるメロディで進む緊迫感高まる展開のミッドテンポの10が収録されています。

 メンバーチェンジの影響は、良い方向にしか働かなかったようで、最近の作風を継承した正統派ヘヴィメタルが充満するアルバムに仕上げられています。全盛期のサウンドを感じさせるフィーリングにあふれた楽曲を揃えており、時々「ボールズ・トゥ・ザ・ウォール」っぽい感触を与えていきます。再結成時の路線変更を憶えているファンなら新機軸とかそこまで期待しないよね!みたいな新メンバーもほぼ同世代で固まった、安定感と安心感が充填された一枚です。
同系統アルバム
HEALED BY METAL/GRAVE DIGGER
IMMORTALS/FIREWIND
APEX/UNLEASH THE ARCHERS

LIFE/ADAGIO

ライフ/アダージョ

KING RECORDS KICP-1857 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フランス産バンドの5枚目のアルバムです。ヴォーカリストとドラマーが交替して、さらにヴァイオリニストが加入して製作されています。

 優雅ながらも不安感の高まるシンフォニックなイントロに導かれるアルバムは、馬力のあるハイトーンヴォーカルがダークなメロディを歌い上げていく展開の複雑なミッドテンポの1から、手数の多いヘヴィリフで始まるダークでメランコリックなミッドテンポの2、ミステリアスなイントロからエキゾティックなメロディとソリッドなリフが激しく展開していく壮大な劇的ナンバーの3、ロマンティックながらも不穏なイントロからの4は緊迫感の高まる展開で進む起伏の大きいナンバー、スリリングなイントロからダークでテクニカルなリフとスクリームで緊張感を高めていくソリッドなミッドテンポの5、ヴァイオリンの緊張感高まる響きに導かれる6はメランコリックでダークなミッドテンポのナンバー、ミステリアスなムードが高まるタイトなミッドテンポの7、センチメンタルなイントロからの優しいエモーショナルなナンバーの8、悲しげなピアノのイントロからシンフォニックなサウンドがスリリングに展開していくドラマティックな9、ボーナストラックの10はテクニカルなプレイで進むヘヴィナンバーが収録されています。

 テクニカルでドラマティックなサウンドが充満するアルバムは、内省的な題材もあってかとても重い雰囲気を全面に感じさせるものとなっていて、聴き手に圧迫感を与えていきます。高い次元で構築された音世界は天才ギタリストと称されるステファン・フォルテの才能を存分に発揮させており、緊張感を持続した楽曲を揃えていきます。一聴して分かるようなキャッチーな要素を削ぎ落として先鋭化を図っているため、聴き手を選ぶきらいが強まっていますが、完成度の高い高密度の一枚でした。
同系統アルバム
THE ASTONISHING/DREAM THEATER
QUIET WORLD/NATIVE CONSTRUCT
THE PHANTONAUTS/QANTICE

CLOAKS OF OBLIVION/ERUPTION

クロークス・オヴ・オブリヴィオン/イラプション

SPIRITUAL BEAST IUCP-16270 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スロヴェニア出身のバンドの三枚目のアルバムです。

 メランコリックでドラマティックなイントロダクションに導かれるアルバムは、クランチーなリフでアグレッシヴに突き進むダイナミズム高まるスピードナンバーの2で、ハスキーなハイトーンスクリーマーとダークな世界観を見せ付けていくと、リリカルなイントロから暗いメロディと情念高まるタイトなヘヴィナンバーの3、エッジの効いたリフとテンションの高いヴォーカルで突き進むスリリングなファストチューンの4、ヘヴィでダークなイントロからタイトなリフを刻む躍動感あるミッドテンポの5、緩急を効かせた突進力の強いアグレッシヴな6、ダークでミステリアスなムードを高めるエモーショナルなスローナンバーの7、起伏の大きいダイナミックな展開を見せるアグレッシヴな8、エモーショナルなヴォーカルとクランチーなリフで進むソリッドなミッドテンポの9、ボーナストラックにはデモバージョンの10にライヴが二曲収録されています。

 スピード/スラッシュメタル的なサウンドを作り出していくアルバムは、スピードを落としたパートが全部ネヴァーモアだと言う、ネヴァーモア後継って本家のサンクチュアリ以外にもういないんじゃないかと思われていたシーンに颯爽と登場!みたいな感じです(´∀` )ファストパートはアメリカンなパワーメタルやベイエリアスラッシュの影響を受けており、活力あるサウンドを作り出していきます。影響元であるネヴァーモアよりも圧倒的に敷居が低いですが、方向性としてはどこにでも転んでいく可能性も感じさせる、勢いのあるサウンドと暗い情念に彩られる今後も注目したい一枚でした。
同系統アルバム
THE YEAR THE SUN DIED/SANCTUARY
PANGEA/PARADOX
THE OBSIDIAN CONSPIRACY/NEVERMORE

STRENGTH IN NUMBERS/THE HAUNTED

ストレングス・イン・ナンバーズ/ザ・ホーンテッド

TROOPER ENTERTAINMENT QATE-10097 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの9枚目のアルバムです。

 怪しげなムードが高まるイントロに導かれるアルバムは、曲調を一転させて突進していくブルータルで展開の大きい2からグロウルと共にアグレッシヴに突き進んでいくと、ヘヴィリフでジワジワ迫る緩急の強いメランコリックでグルーヴィなミッドテンポの3、ソリッドなリフとダークなメロディを叩き込んでいく高圧のヘヴィナンバーの4、不穏なイントロからダイナミックなリフが加速していく展開の激しいアップテンポの5、咆哮から一気に突っ走っていく怒涛のブルータルナンバーの6、ダークなイントロからの7はグルーヴィなリフが這いよるヘヴィナンバー、畳み掛けるタイトなリフで押し込んでいく躍動感の強いミッドテンポからファストに展開する8、威勢よく突進していくアップテンポのアグレッシヴな9、ダークなメロディがヘヴィリフと一体になって迫るスローナンバーの10、ボーナストラックにはヘヴィリフで押し込んでいくブルータルでエモーショナルな11、ミステリアスで不穏な空気が漂うソリッドな12、エピックなイントロからタイトなリフが唸りを上げるミッドテンポの13が収録されています。

 メランコリックなメロディを大胆に取り入れた楽曲を増やしてきたアルバムは、これまでのブルータルなスタイルとも合わさって異なる感触を与えるものになっています。バラエティのある楽曲はアルバム全体の抑揚をつけるのに一役買っていますが、メロディが威圧感を割と損なう場面が多く、テンションが維持できない事も。手馴れたアーティストが揃っているので、楽曲を上手く仕上げていますが、気持ちコレじゃない感じが残る一枚でした。
同系統アルバム
MACHINE MESSIAH/SEPULTURA
BEAST/DESPISED ICON
IN HIS INFERNAL MAJESTY'S SERVICE/WITCHERY

WALL OF SOUND/MARTY FRIEDMAN

ウォール・オブ・サウンド/マーティ・フリードマン

WARD RECORDS GQCS-90389 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 面白外国人タレントじゃないんだよ!みたいなアメリカ人ギタリストの12枚目のソロアルバムです。

 ヘヴィでスリリングなギターサウンドが唸りを上げるエモーションとアグレッションが錯綜するシャープな1から、ブラック・ベイル・ブライズのギタリストがヴァイオリンで参加するドラマティックでメランコリックな2、ムーディなイントロからの3はダイナミックな展開で叙情的なメロディを繋いでいくタイトなナンバー、多彩なプレイを加えたプログレッシヴな展開を見せるテクニカルでスリリングな4、泣きのギターと優しいメロディが心に染みるエモーショナルな5、デフヘヴンのギタリストが参加した緩急の強いダークな6、扇情的なメロディが雪崩れ込み情念高まる7、ノルウェーのバンド、シャイニングのヴォーカルが参加した8はダイナミックでアグレッシブに進むハードアタックなナンバー、二胡みたいなムードのギタープレイを聴かせる哀愁帯びたライオットみたいな9、柔らかいメロディから勇壮に展開していく10、叙情的なメロディから緊迫感を高める唸りを上げるギターがスリリングに展開するダイナミックな11、ボーナストラックには前作からの曲のライヴバージョンが二曲収録されています。

 前作から更にサウンドとメロディをエクストリームに進めてきたアルバムは、さすがの自信作と言ったクオリティを見せており、多くの感情を詰め込んだ楽曲を揃えています。充満するフラッシーなギターが随所で爆発する渾身のプレイに魂を込めていく姿は正に求道者。まだまだ究極のサウンドに向けて歩みを止めない拘りの一枚でした。
同系統アルバム
UNDERWORLD/SYMPHONY X
ALTERED STATES OF CONSCIOUSNESS/ABNORMAL THOUGHT PATTERNS
SUICIDE SOCIETY/ANNIHILATOR

CODEX OMEGA/SEPTICFLESH

コデックス・オメガ/セプティックフレッシュ

WARD RECORDS GQCS-90409 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ギリシャ産シンフォニックデスメタルバンドの10枚目のアルバムです。

 不安感の残るシリアスなイントロダクションで開幕するアルバムは、オーケストラと一体となって迫る壮大なサウンドで圧倒していくブルータルでスリリングな展開を見せる重厚な1から、壮絶な世界観を作り出しており、怒涛のヘヴィリフが押し寄せ威圧感の強まるダイナミックでブルータルな突進ナンバーの2、静かながらも不穏なイントロからの3はスケール感の大きいリフとオーケストレーションで押し込む緩急の強いダークなヘヴィナンバー、ストリングスのイントロからグルーヴ感強まるリフが繰り出されていくエモーショナルなミッドテンポのヘヴィナンバーの4、スリリングなイントロから緊張感が高まっていく壮大なサウンドが展開される5、威嚇的な破壊力を高めつつ進むドラマティックなミッドテンポの6、クトゥルー神話を題材にしたスリリングでオカルティックな7、緊張感高まるタイトなリフで突き進むダイナミックなアップテンポの8、ダークなイントロからアグレッシヴなリフが展開される緊迫感高まる9、叙情的なメロディが紡がれていくリリカルなイントロから邪悪さが積もるヘヴィパートへと移行するダークな10が収録されています。

 気付いてみたらシンフォニックデスで固まったバンドですが、安定感のあるエクストリームなサウンドが繰り広げられる様は、すっかり安心のブランド。前作を継承するスタイルは黙示録やホラー小説をモチーフとして暗黒世界を描き出しており、慣れたせいかちょっと聴きやすいサウンドに仕上げられています。サウンドトラック的な感触の詰め込みすぎないスケールの大きい楽曲を揃えている完成度の高い一枚でした。
同系統アルバム
THE SATANIST/BEHEMOTH
WHAT SHOULD NOT BE UNEARTHED/NILE
SLAYER OF GODS/BRYMIR

MAGIC/SERIOUS BLACK

マジック/シリアス・ブラック

WARD RECORDS GQCS-90433 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ジャーマンメタルとして始まった多国籍バンドの三枚目のアルバムです。

 ナレーションを絡めたドラマティックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、ソリッドなギターリフを刻んでいくダイナミックでメロディアスなアップテンポの叙情ナンバーの2から、キャッチーなメロディがハイトーンヴォーカルで歌い上げられていく劇的メタルが展開されていくと、叙情メロディとタイトなリフが組み合わさった躍動感のあるミッドテンポの3、フックの強いキャッチーなメロディで突っ走るアップテンポの4、メランコリックなイントロからの5は哀愁メロディを紡ぐエモーショナルなナンバー、煽情性の強いメロディとダイナミックなリフワークで進むキャッチーなコーラスが印象的なミッドテンポの6、ソリッドなリフと湿ったメロディがシアトリカルなパフォーマンスを呼び起こすミッドテンポの哀愁ナンバーの7、タイトなリフを刻むミステリアスでダークなミッドテンポのネオクラナンバーの8、キラキライントロからの9は北欧メロディ全開のメランコリックなミッドテンポのナンバー、キラキラしながら突っ走る展開の大きい叙情スピードナンバーの10、ドラマティックなイントロからの11は哀愁メロディを紡ぐポップなミッドテンポのナンバー、スリリングなイントロから叙情メロディで進むタイトなミッドテンポの12、キャッチーなメロディで突き進むスピードナンバーの13、メランコリックな静かなイントロからクィーンみたいなシアトリカルな展開を見せる劇的ナンバーの14、ボーナストラックにはサビが日本語と言うメランコリックな曲が収録されています。

 二枚目を見逃していたら、メンバーが全然替わってた'`,、(´∀`) '`,、みたいなメロディックメタルを作り出していくアルバムは、メンバーの構成上北欧的なムードが強まっているものの、アルバムコンセプトに影響されてシアトリカルだったりするサウンドに仕上げられています。経験値の高いメンバーが揃っているだけに安定感のあるパフォーマンスと手堅い曲作りに聴き手も安心。突出した何かは無いものの、品質と能力値の高い一枚でした。
同系統アルバム
DIABOLICA/IRON MASK
TSAR/ALMANAC
IMMORTALS/FIREWIND

STONEHYMN/WIND ROSE

ストーンヒム/ウインド・ローズ

RUBICON MUSIC RBNCD-1237 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア産フォークメタルバンドの三枚目のアルバムです。

 不穏なムードが高まるフォーク風のイントロで幕を開けるアルバムは、パワフルなヴォーカルと男女コーラスが一体となって迫る勇壮でダイナミックなエピックメタルナンバーの2、勇壮かつ壮大に展開していくパワーメタリックなスピードナンバーの3、哀愁帯びたフォーキーなメロディで進むキャッチーでドラマティックなアップテンポの4、ウィスパーヴォイスから始まる5はアコースティックなパートからパワフルに進んでいくアップテンポの緩急の強い劇的ナンバー、プリミティヴなインストナンバーの6から、壮大なムードを高めつつ勇壮に迫るダイナミックなミッドテンポの7、フォーキーなイントロから威勢よく突き進んでいく起伏の大きいスリリングなスピードナンバーの8、叙情的なメロディが重ねられていくドラマティックでエピックなミッドテンポの9、ボーナストラックには、タイトなリフとミステリアスなムードが交錯するイントロからの勇壮なアップテンポの10、ライヴバージョンの11が収録されています。

 どこの北欧バンドかと思ったらイタリアのバンドだったよ!'`,、(´∀`) '`,、みたいなフォークメタルが展開されていくアルバムは、ブラインド・ガーディアンあたりのアプローチに近いパワーメタル由来のサウンドが充満しており、オーケストレーション満載の演出も相まってドラマティックな仕上がりとなっています。さすがにイタリアンなスピリットが加わった楽曲は、北欧産よりも派手さのある劇場性を生み出しており、シンプルな高揚感を味わえます。今後にも期待できそうな血沸き肉踊る一枚でした。
同系統アルバム
ARMAGEDDON/EQUILIBRIUM
BEYOND THE RED MIRROR/BLIND GUARDIAN
GUNMEN/ORDEN OGAN





September

ARCH ENEMY | ARCHSPIRE | CRADLE OF FILTH | ENSIFERUM | GALNERYUS | NOCTURNAL RITES | THRESHOLD |

WILL TO POWER/ARCH ENEMY

ウィル・トゥ・パワー/アーチ・エネミー

TROOPER ENTERTAINMENT QATE-10095 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの十枚目のアルバムです。

 ブルータルに突き進む緩急の強いアグレッシヴな突撃ナンバーの1で、一気にテンションを上げていくアルバムは、タイトなリフと叙情メロディが交錯するミッドテンポの2、エッジの効いたリフが突き刺さるスリリングなスピードナンバーの3、メランコリックなイントロからの4はソリッドなリフを刻んでいくエモーショナルなミッドテンポのナンバー、センチメンタルなイントロから情感豊かに泣きのギターとクリーンヴォーカルが絡み合うグロウルのサビがアクセントのパワーバラード風ナンバーの5、ブルータルに突進するシャープなギタープレイとグロウルが感情を揺さぶる定番スピードナンバーの6、ミステリアスなイントロからヘヴィリフでグルーヴィに迫る緩急の強いソリッドな7、小品のインストナンバーの8を経て、イェンス・ヨハンソンが参加したクラシカルな物悲しいイントロからの9はクランチーなリフが躍動的に突き進みダイナミックな展開を見せる様式美スピードナンバー、ブルータルでソリッドなリフで押し込むミッドテンポの10、ストリングスの調べに導かれる11はタイトなリフを刻む高密度のエモーショナルなミッドテンポのナンバーでシンフォニックなアレンジも盛り込みます。叙情フレーズで切れ込んでいくアウトロになってしまったインストナンバーの12、ボーナストラックには、プリティ・メイズの名曲のカバーにG.B.H.のカバーの二曲が収録されています。

 ヴォーカリストの表現力をようやく活用する方向に至ったアルバムは、楽曲のスタイルとしても新機軸満載の実験的なものを揃えたバラエティに富むものに仕上げています。いつもと違うことを色々とやっているせいか、楽曲としては上手くいったりいかなかったりとムラのある仕上がりになっていて、もやもやっとするパートが気になりますし、日本盤の曲順変更は解せない。それほど効果があったかどうかは微妙。定番パートも揃えてファンの期待にも応えていますが、さすがに色々と方向性を模索している感じの一枚でした。
同系統アルバム
COLD INFERNO/DISARMONIA MUNDI
FIVE/THE AGONIST
NORTHERN HELL SONG/GYZE

RELENTLESS MUTATION/ARCHSPIRE

リレントレス・ミューテーション/アーチスパイアー

WARD RECORDS GQCS-90440 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 カナダ出身のエクストリームバンドの三枚目のアルバムです。

 唸りを上げるギターと高速ドラムが高速グロウルを一体なって突き進む手数がやたらと多いブルータルな1から、音の奔流に押し流されていくアルバムは、スペーシーなイントロからタイトなビートを刻んでいくダークで高密度の2、ダークでソリッドなイントロからブルータルに突き進んでいくフラッシーな高速ギターソロとのコントラストが強い突進ナンバーの3、メランコリックなイントロからの4は音の押し引きが激しい落差の大きいテクニカルなナンバー、マシンガングロウルとブラストビートがテクニカルに突進していく5はフラッシーなギターソロを絡めつつ圧倒的な威圧感で押し込んでいく緩急のコントラストの激しい激烈ナンバー、トリッキーなビートで突撃していくカオスな展開を見せるテクニカルな6、ブルータルに荒れ狂うテクニカルパートとメランコリックなパートが激突する嵐のような7が収録されています。

 ボイスパーカッションみたいなグロウルとテクニカルなプレイが一体となって突き進む、とりあえず滅茶苦茶に忙しいエクストリームなサウンドが展開されるアルバムは、何だこの密度早送りかよ!'`,、(´∀`) '`,、って具合に音符が沢山詰め込まれていきます。カナダ産バンドらしく、詰め込み一辺倒ではない隙間のあるパートを組み込んで楽曲に強いコントラストを生み出していくあたりは、デスコアだけに留まらない手札の多さを見せ付けます。曲数も収録時間も少ないのに凄く音を聴かされてお腹いっぱいになる割りに聴きやすくなっている色々とんでもない一枚です。
同系統アルバム
BEAST/DESPISED ICON
THE VIOLENT SLEEP OF REASON/MESHUGGAH
TERMINAL REDUX/VEKTOR

CRYPTORIANA - THE SEDUCTIVENESS OF DECAY/CRADLE OF FILTH

クリプトリアナ〜腐蝕への誘惑/クレイドル・オブ・フィルス

WARD RECORDS GQCS-90427 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 英国産ブラックメタルバンドの12枚目のアルバムです。

 不安感高まる邪悪なイントロダクションで幕を開けるアルバムは、男女コーラスを絡めた叙情メロディがスリリングに展開していくダークでドラマティックなスピードナンバーの2から、独特のスクリームが炸裂する暗黒音楽が展開されていくと、エキゾティックなイントロからブラストビートが叩きつけられていくブルータルでオカルティックな高速ナンバーの3、ダークなメロディが連なる4はアグレッシヴに突き進む起伏の大きい攻撃的なナンバー、哀愁メロディに導かれる5はアナイアレイターアイアン・メイデンが交錯するスリリングな展開で圧倒する激烈な疾走ナンバー、メランコリックなイントロから激しく突進していく女性ヴォーカルも加わった緩急の強いダイナミックでシアトリカルな6、ダークでエモーショナルなメロディが激しく展開されて速度を変えながらドラマティックに突き進む7、荘厳なコーラスに導かれる8はダークで如何わしいヘヴィサウンドが展開されるシンフォニックな暗黒劇場。ボーナストラックにはスリリングに突き進むスピードナンバーの9とハマリっぷりが凄いアナイアレイターのオカルティックなカバーの10が収録されています。

 サウンドとテーマが完全に合致した暗黒世界が描き出されるアルバムは、ヴォーカルとビートのエクストリーム感がダークなメロディと一体になって進む彼ららしい楽曲を揃えており、退廃的で幻想的な空気感を醸造していきます。ギターソロがすっかり正統派している分、聴きやすくなっていますが、曲展開はエクストリームなリフを繰り出したりシンフォニックだったりと尖ったものになっており、サウンドに強いコントラストを生み出していきます。芸風と題材がうまく嵌るかどうかがこのバンドのキモですが、今作は上手くいって良かったなあって一枚でした。でも、このジャケのTシャツまた着れないな(´・ω・`)
同系統アルバム
IN HIS INFERNAL MAJESTY'S SERVICE/WITCHERY
THE EMPIRE/VADER
CODEX OMEGA/SEPTICFLESH

TWO PATHS/ENSIFERUM

トゥー・パス/エンシフェルム

WARD RECORDS GQCS-90441 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの七枚目のアルバムです。キーボーディストが脱退してアコーディオン奏者が色々プレイしています。

 壮大なムードが高まるイントロダクションに導かれるアルバムは、勇壮なムードが一気に高まるコーラスワークでテンションを上げていくグロウルの咆哮とタイトなサウンドが融合するアップテンポの2で北欧的な空気を呼び起こすと、フォーキーなメロディを孕むリフで突っ走る威勢の良さで突っ走るアップテンポの3、クリーンヴォーカルが叙情的なメロディを唄いエモーショナルに進むミッドテンポの4、フォーキーなメロディで突っ走る勢いのある疾走ナンバーの5、哀愁に満ちたメロディが紡がれる女性ヴォーカルも加わった情緒的で勇壮なミッドテンポの6、クリーンヴォーカルが湿り気たっぷりのフォーキーなメロディを歌い上げていくアップテンポの7、叙情メロディで突き進む展開の大きい重厚なミッドテンポの8、威勢よくフォーキーに突っ走りつつハイテンションで盛り上がるアップテンポの9、物悲しいメロディで進む重厚なヘヴィナンバーの10、アコースティックで紡がれるの物悲しいバラード風ナンバーの11、ボーナストラックには9と7の別バージョンが収録されています。

 北欧フォークメタルを実直にやってのけるアルバムは、良くも悪くも安定したサウンドを生み出しており、デジタルアコーディオンなんてものがあったのか…みたいな感じで微妙なクリーンヴォーカルを加えたり女性ヴォーカルを前面に押し出したりと色々手札をふやしているものの作風に大きな変化はありません。作風的には大きな驚きはありませんが、一定のクオリティを保った一枚でした。
同系統アルバム
NOITA/KORPIKLAANI
THE PAGAN MANIFESTO/ELVENKING
ARMAGEDDON/EQUILIBRIUM

ULTIMATE SACRIFICE/GALNERYUS

アルティメット・サクリファイス/ガルネリウス

WARNER MUSIC WPCL-12714 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産パワーメタルバンドの11枚目のアルバムです。ドラマーにアンラッキー・モルフェウスなどで活動するFumiyaが加入しています。アルバムジャケットなどは、「地雷震」や「爆音列島」などでお馴染みの高橋ツトムが手がけています。

 哀愁帯びたエピックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、飛翔するメロディでドラマティックに突き進むスピードナンバーの2から、華麗なギタープレイとパワフルなハイトーンヴォーカル一気にムードを高めていくと、更に加速するスリリングなスピードナンバーの3、勇壮なムードが高まる4はタイトなリフがダイナミックな展開を呼び起こすエピックメタル的なミッドテンポのナンバー、ヒロイックなムードで進むスケール感の大きい、どこのキース・エマーソンだって言う鮮やかなキーボードワークが印象的なミッドテンポの5、扇情的なメロディを紡いでいくパワーバラード風のエモーショナルな6、不穏で豪華なイントロから起伏の大きい展開で加速していくドラマティックなアップテンポの7、組曲第一部の8は、テクニカルなプレイで振り切るスリリングな8-1からドラマティックでエモーショナルなアップテンポの8-2、哀愁メロディが迫るエモーショナルでドラマティックなバラードナンバーの8-3を揃えています。組曲第二部の9は、哀感タップリのメロディが炸裂する劇的スピードナンバーが有機的に結びついて大きなドラマ性を生み出していきます。

 前作からのストーリーを引き継ぐコンセプトアルバム第二弾となった作品は、配給会社の移籍も伴ってプロダクションなども含めた全体のクオリティが底上げされており、グレードアップされた仕上がりを見せています。前作は作風もあって重厚さが強調されたものでしたが、今作は開放感や飛翔感の印象が強くなっており、難波弘之みたいなキーボードの仕事っぷりにより豪華さも加わってメジャー感が高まっています。二作連続のコンセプトアルバムとしての醍醐味も堪能できるスケール感の大きい一枚でした。
同系統アルバム
TSAR/ALMANAC
THE NATURE OF TIME/SECRET SPHERE
WAR OF DRAGONS/BLOODBOUND

PHOENIX/NOCTURNAL RITES

フェニックス/ノクターナル・ライツ

KING RECORDS KICP-1860 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの9枚目のアルバムです。ギタリストにスカー・シンメトリーのペル・ニルソンが加入しています。

 ダークでヘヴィなストロングスタイルのミッドテンポの1から、パワフルなハスキーヴォーカルとソリッドなサウンドが展開されるアルバムは、湿ったメロディが力強く歌い上げられるタイトなミッドテンポの2、緊張感高まるリフワークで突き進むシリアスでダイナミックなアップテンポの3、叙情メロディが積み重ねられていくエモーショナルでスケール感の大きいスローナンバーの4、ソリッドなリフを刻む5はパワフルなヴォーカルが情感豊かに感情を爆発させていくドラマティックなミッドテンポのナンバー、タイトなリフが激情のヴォーカルと一体になって迫るミッドテンポの6、タフなリフで畳み掛けダイナミズム高まるアグレッシヴなアップテンポの7、叙情性の強いリフとタイトなビートが情感高まるヴォーカルを導くミッドテンポの劇的ナンバーの8、メランコリックなメロディが壮大に描き出されるパワーバラードの9、エッジの効いたリフで突き進む攻撃的に迫るアップテンポの10、タイトなリフがスリリングに展開するダイナミックなスピードナンバーの11、ボーナストラックの12はアコースティックのバラードナンバーが収録されています。

 10年ぶりの作品ですが、ミッドテンポの曲を中心に叙情的なメロディを聴かせるというヨーロピアンな正統派メロディックメタルとしてのスタイルは健在で、前作からの流れを受け継ぐアルバムになっています。新加入のギタリストの影響はあまり感じられず、良かったような残念なような。手堅いバックのプレイと熱量の高いヴォーカルのコンビネーションを堪能できる一枚になっています。
同系統アルバム
BLOOD - FURY - DOMINATION/ARTHEMIS
IMMORTALS/FIREWIND
SCARY CREATURES/BRAINSTORM

LEGENDS OF THE SHIRES/THRESHOLD

レジェンズ・オブ・ザ・シャイアーズ/スレッショルド

WARD RECORDS GQCS-90423/4 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 英国産プログレッシヴメタルバンドの11枚目のアルバムで二枚組です。ヴォーカリストに二枚目のアルバムに参加していたグリン・モーガンが再び参加しています。

 森の情景のSEからメランコリックなメロディの進む穏やかなナンバーの1で幕を開けるディスク1は、ハードなリフとビートが重ねられていくタイトでエモーショナルなミッドテンポの2で、手の込んだ展開と情感豊かなメロディを組み合わせたサウンドを繰り出していくと、ミステリアスなイントロからロマンティックなメロディで進むバラード風パートからドラマティックに開放されていく大作ナンバーの3、ドラマティックなイントロからの4はエモーショナルなメロディがダイナミックに紡がれていくミッドテンポの長尺ナンバー、ベースイントロからメランコリックなムードが高まるエモーショナルなミッドテンポの5、スリリングなイントロからシリアスなムードが気だるく流れていき鮮やかなインストパートへ雪崩れ込む6が収録されています。
 ディスク2では、オープニングのモチーフを再び用いたメランコリックでドラマティックな1から、躍動するリフで突き進むソリッドでエモーショナルなアップテンポの劇的ナンバーの2、情感豊かなメロディで進むセンチメンタルなミッドテンポの3、ロマンティックなパワーバラードナンバーの4、アグレッシヴなムードを高めつつエモーショナルなメロディを紡いでいくミッドテンポの5、叙情性高まる小品の6を経て、荘厳なイントロから感情高ぶるドラマティックな展開を見せていくプログメタルの醍醐味を見せ付ける大作ナンバーの7、優しいメロディが紡がれていく広がりのあるロマンティックな8で長い旅路を終えます。

 柔らかなメロディと重層的な展開でドラマティックなサウンドを形成していくアルバムは、円熟したスタイルがコンセプトと結合して、これまで以上の英国感を醸し出しており、聴きやすく心地よい音世界を描き出していきます。一応在籍した三人のヴォーカリストを聴いたことになりますけど、まあヴォーカルによって音楽性を変化させるバンドなので、どのアルバムでも一定以上のクオリティを保っていましたが、ここにきて何だか落ち着き場所を見つけたみたいな安定感と充実度を見せています。再加入のヴォーカリストを得てベテランバンドの地力が充分に発揮された一枚です。
同系統アルバム
EL DORADO HOTEL/LANA LANE
CHRONICLES OF THE IMMORTALS: NETHERWORLD II/VANDEN PLAS[IMPORT]
THE ASTONISHING/DREAM THEATER





October

BELLFAST | THE BLACK DAHLIA MURDER | GALDERIA | LOVEBITES | OUTRAGE | PÄNZER | PASTORE | POWER QUEST | SAVAGE MESSIAH | SERENITY | STORMTHRASH | TRIVIUM |

TRIQUEDRACO/BELLFAST

トリケドラコ/ベルファスト

KING RECORDS KICS-3534 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産フォークメタルバンドの二枚目のアルバムです。フルートとヴァイオリンが交代していますが、特に音楽性への影響は無い模様。

 哀愁帯びたメロディが流れるイントロダクションに導かれるアルバムは、タイトなリフで突き進む緩急を効かせたスピードナンバーの2から、叙情性強まるフォーキーなメロディが泣きのギターとブルース・ディッキンソン風ヴォーカルによって紡がれていき、フォーキーなメロディが哀感と情感を高めていくエモーショナルなエピックナンバーの3、朗々としたフォーキーなメロディが乱舞するファンタジックなミッドテンポの4、ブルージーなギターと叙情性高まるメロディが弾むミッドテンポの5、フックの強いフォーキーなメロディで疾走するダイナミックなスピードナンバーの6、カオスなムードのイントロからテクニカルな展開を見せていくプログレッシヴな7、キャッチーなリフがドライヴする正統派メタル的な疾走感を生み出すアップテンポの8、ダークな雰囲気が高まるメランコリックでエモーショナルなミッドテンポの9、躍動するフォークサウンドが高揚感を生み出すエピックなアップテンポの10、物悲しいメロディが心に染みるバラード風ナンバーで幕を閉じます。

 7年ぶりのアルバムと言うことで、空白期間が色々気になったりしましたが、サウンドの方は前作以上にエネルギッシュに駆け巡るフォークサウンドが広がるものとなっており、プロダクションの向上も相まって格が上がったと言う印象が強まります。前作以上に多様性に富む音楽スタイルを詰め込みつつ、フォークメタルとしてまとめあげる力量にスキルのや経験の高さを感じさせます。順調にレベルアップしていく日本産のフォークメタルを作り出していく一枚でした。
同系統アルバム
THE PAGAN MANIFESTO/ELVENKING
ARMAGEDDON/EQUILIBRIUM
TWO PATHS/ENSIFERUM

NIGHTBRINGERS/THE BLACK DAHLIA MURDER

ナイトブリンガーズ/ザ・ブラック・ダリア・マーダー

WARD RECORDS GQCS-90453 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産デスメタルバンドの8枚目のアルバムです。ギタリストが交替しています。

 不穏なムードが高まるイントロから嵐のようなリフとビートがグロウルと一体になって荒れ狂う緩急の強いブルータルでダイナミックな1から、攻撃的なサウンドが展開するアルバムは、唸りを上げるリフで突き進む暴虐性高まる突進ナンバーの2、さらに激しく突き進んでいく凶暴な3、ダークでソリッドなリフが叩きつけられていく高圧のミッドテンポの4、再び凶悪なリフとビートが荒れ狂う突撃ナンバーの5、タイトなリフが躍動する叙情メロディとの絡み合いが心地よい起伏の大きいアップテンポの6、鋭角なリフが突き刺さるブルータルで緩急の強い7、ドラマティックなイントロからブルータルに突進していくダイナミックで凶悪な8、叙情性の残るイントロから激しくリフとビートが展開していく凶暴で哀愁帯びた突進ナンバーの9、ボーナストラックには、狂気めいた突進力を見せる10、カーカスのカバーの11、アット・ザ・ゲイツのカバーの12、ライヴが二曲収録されています。

 叙情的なギターソロとブルータルなサウンドが交錯するスタイルは今作でも替わらず安定したものになっており、エクストリームな楽曲を揃えていきます。終始一貫したサウンドを追求していく姿勢が、聴き手への信頼感に繋がっていることを強く感じさせるものになっています。不動の信念が聴き手とシンクロする安心の一枚です。
同系統アルバム
ECHOES OF THE TORTURED/SINSAENUM
EMBERS OF A DYING WORLD/MORS PRINCIPIUM EST
NORTHERN HELL SONG/GYZE

RETURN OF THE COSMIC MEN/GALDERIA

リターン・オブ・ザ・コズミック・メン/ガルデリア

RUBICON MUSIC RBNCD-1239 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フランス産メロディックメタルバンドの二枚目のアルバムです。ベーシストが交代してキーボーディストを新たに加えた五人編成で製作されています。

 輝きに満ちたシンフォニックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、ドラマティックに飛翔するシンフォニックで華麗なスピードナンバーの1から、ハイトーンヴォーカルとクワイアが織り成す重層的なサウンドを展開しており、アリーナ的なメジャー感のあるダイナミックでキャッチーなコーラスが印象に残るロックナンバーの2、メランコリックなメロディで進むパワーバラード風のエモーショナルなミッドテンポの3、叙情メロディで突っ走るドライヴ感の強いハードロッキンなスピードナンバーの4、フォーキーなムードを高めつつひた走るフックの強いアップテンポのスピードナンバーの5、センチメンタルで壮大なバラードナンバーの6、タイトなリフで押し込んでいくアグレッシヴでエモーショナルなアップテンポの7、クワイアの物量で圧倒するドラマティックで壮大なアップテンポの8、アコースティックの優しいバラードナンバーの9、6のエレクトロ版の10、ボーナストラックには、ひたすら遮二無二突っ走る怒涛のスピードナンバーの11が収録されています。

 5年ぶりながらも体制を立て直して、再びメロディックメタルを追求していくアルバムは、鮮やかなメロディと豪華なコーラスで突き進む音世界を作り出しています。キャッチーさが倍増した上に前作よりもグレードアップしたサウンドが堪能でき、諸々のゴタゴタを感じさせない仕上がりになっています。復活なったバンドの今後の活動にも注目したい一枚でした。
同系統アルバム
LIONHEART/SERENITY
SEVENTHIAN ...MEMORIES OF TIME/DREAMTALE
ATOMIC NUMBER 22/TITANIUM

AWAKENING FROM ABYSS/LOVEBITES

アウェイクニング・フロム・アビス ~リミテッド・エディション/ラヴバイツ

VICTOR VIZL-1256 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産ガールズバンドのファーストアルバムです。

 叙情的なメロディがドラマティックに展開していくイントロダクションで幕を開けるアルバムは、エスニックなイントロから激しく突き進んでいくダイナミックなスピードナンバーの2で、フラッシーなギターソロとパワフルで伸びやかな女性ヴォーカルが鮮やかなメロディを歌い上げて行くメタルサウンドを展開していくと、唸りを上げるドライヴィンなリフを刻んでいき様式美展開のギターソロも飛び出すタイトなアップテンポの3、哀愁メロディを紡いでいくイントロからソリッドなリフで突き進んでいく劇的スピードナンバーの4、タイトなイントロからの5は細かく刻んでいくリフが緊張感を高めていき開放感のある扇情的なコーラスへと導く躍動感の強いアップテンポのナンバー、ロマンティックなイントロから叙情性の強まるフレーズで進行するメイデン風味のエモーショナルなアップテンポの6、アクセプトみたいなリフで進むハロウィンみたいなメロディアスなアップテンポの7、スリリングなイントロからクランチーなリフがスラッシーに刻まれていくアグレッシヴなスピードナンバーの8、叙情メロディが躍動するテクニカルな展開も見せるドラマティックなアップテンポの9、叙情性を孕んだギャロップするリフがアイアン・メイデンを彷彿とさせるロッキンでエモーショナルなアップテンポの10、パワーバラード調のメランコリックなパートがエピックメタルなパートへと進んでいく劇的ナンバーの11、哀愁メロディックスピードメタルナンバーの12で幕を閉じます。
 DVDの方はミュージッククリップが二曲収録されていますが、見た目も華やかで映像映えします。ドラマーのオッパイに目がいくのは秘密だ(´∀` )

 女性バンドと言うことを感じさせないメタリックな仕上がりと安定感のあるパフォーマンスに圧倒されるアルバムは、ファーストアルバムながらも高いクオリティを誇っており、欧州メタルの影響が強い、ワールドワイドでも躍進できそうなポテンシャルを秘めています。バンドのヴィジュアルからは中々想像できないハードなメタル感が心地良いサウンドは、新旧メタルを織り交ぜつつキレイにまとめられており、まあ、ぶっちゃけ既にこのスタイルで完成してるよね、このバンド'`,、(´Д`;) '`,、気になるところと言えば、ヴォーカルメロディの乗せ方が凄く日本語っぽいことくらいで、ヴォーカルも上手いしファーストアルバムとしては破格の出来栄えです。ライヴがどんな感じか未知数ですが、今後ハロウィンみたいに全方位に伸ばしつつレベルアップしていけば、何だか凄いことになりそうな本格派メタルな一枚でした。
同系統アルバム
SHADOW CORPS[e]/妖精帝國
NORTHERN HELL SONG/GYZE
VANQUISH THE DEMON/CRY VENOM

RAGING OUT/OUTRAGE

レイジング・アウト(デラックスエディション)/アウトレイジ

UNIVERSAL MUSIC UICN-9033 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 デビュー30周年を迎えた国産バンドの13枚目のアルバムです。

 ダイナミックなリフを繰り出していくタフでメロディアスなミッドテンポの正統派ナンバーの1から、骨太のサウンドを展開していくアルバムは、ソリッドなギターと一体になってヴォーカルが吼えるドライヴ感の強いタイトなスピードナンバーの2、不穏なイントロからの3はヘヴィリフがロックしていくタイトなミッドテンポのナンバー、クランチーなリフが突き刺さるイントロからスラッシーに突っ走る攻撃的な突撃ナンバーの4、NWOBHM的なムードを内包するサウンドをテスタメントみたいに仕上げたミッドテンポの5、モーターヘッドをリスペクトするダイナミックなロックンロールナンバーの6、タイトなリフが切れ込んでいくイントロから緩急の強い展開を見せていくテスタメントとメガデスを混ぜたみたいなソリッドな7、ライオットみたいな空気感で突っ走るスピードナンバーの8、メタリカに影響を受けていた初期のムードを持ったスラッシュナンバーの9、70年代的なムードを生み出すグルーヴィなヘヴィロックナンバーの10、30年を経てのバンド名を冠した馬力のある突撃ナンバーの11、ボーナストラックには、既発曲のスタジオライヴが二曲と、パワーバラードナンバーが一曲収録されています。
 DVDには30周年記念ライヴの模様と、1のミュージックビデオが収録されています。

 テンションの高いタフなサウンドを充満させていくアルバムは、自身のルーツを明らかにしながらも、ヘヴィメタル然としたダイナミズム高まるものに仕上げています。バンドのキャリアを感じさせる構築性と、キャリアを忘れさせる勢いを合わせ持つサウンドが広がっていく様は、年季の入ったメタラーにはまるで実家のような安心感'`,、(´∀`) '`,、その分スタイル的な先鋭性はあまり感じられませんが、安定感と推進力が両輪で回転する、強力でパンチ力のある一枚でした。
同系統アルバム
LEVIATHAN/VOLCANO
FATAL COMMAND/PÄNZER
BROTHERHOOD OF THE SNAKE/TESTAMENT

FATAL COMMAND/PÄNZER

フェイタル・コマンド/パンツァー

WARD RECORDS GQCS-90425 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ産バンドの二枚目のアルバムです。デストラクションのシュミーア、元アクセプトのステファン・シュヴァルツマンの二人に加え、ポルターガイストのV.O.プルヴァーとハンマーフォールのポンタス・ノルグレンの二人のギタリストを加えて4人編成で製作されています。ついでにバンド名のAにウムラウトが付きました(´∀` )

 ダーティなヴォーカルが吼えタイトなリフを刻むアップテンポの1から、パワーメタリックなサウンドが展開されるアルバムは、ドライヴするソリッドなリフで突き進む威圧感の強いミッドテンポの2、タイトなリフとビートが一体になって迫るダイナミックなコーラスを導くアップテンポの3、湿り気帯びたメロディがタイトなリフに引っ張られるダークでヘヴィなミッドテンポの4、壮大なイントロからダイナミックにリフが展開していくタフで勢いのあるミッドテンポの5、クランチーなリフがタイトに刻まれるアグレッシヴなアップテンポの6、ヘヴィリフで進むダークでアグレッシヴなタイトなスローナンバーの7、ダークなリフが緊迫感を高めていくタイトで攻撃的なアップテンポの8、重量級のリフで圧倒していくダイナミックなミッドテンポの9、タイトなリフで切れ込むアグレッシヴな10、熱いコーラスワークと勢いのあるヴォーカルで突っ走るストロングなアップテンポの11、ボーナストラックの12はサクソンのカバーが収録されています。

 初期ジャーマンメタルらしさが満載のサウンドが展開されていくアルバムは、バンドの創始者の一人が抜けてしまった影響も感じさせない、ツインギターにより更にパワーアップしたものに仕上げられており、社会風刺的なジャケットも伴って古き良き空気感を生み出していきます。経験値の高いメンバーが揃って安定感のあるサウンドを作り出す、期待を裏切らない一枚でした。
同系統アルバム
TITANCRAFT/IRON SAVIOR
THE RISE OF CHAOS/ACCEPT
HEALED BY METAL/GRAVE DIGGER

PHOENIX RISING/PASTORE

フェニックス・ライジング/パストーレ

SPIRITUAL BEAST IUCP-16273 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ブラジル出身のパワフルヴォーカリスト率いるバンドの三枚目のアルバムです。

 タイトなリフを刻んでいくパワーメタリックなミッドテンポの1から、パワフルなハイトーンヴォーカルが炸裂していく正統派メタルなサウンドを作り出すアルバムは、ソリッドなリフに乗ってヴォーカルが躍動するタイトなミッドテンポの2、威圧感を高めてタイトなリフを繰り出していくアグレッシヴなミッドテンポの3、ヒステリックなヴォーカルが緊張感を高めるタイトなヘヴィナンバーの4、ダークなムードを重ねるエモーショナルなミッドテンポの5、パワフルなヴォーカルで押し込むタイトでソリッドなミッドテンポの6、威嚇的なヴォーカルでアグレッシヴに進むアップテンポの7、エッジの効いたリフと厚いコーラスで突き進むアップテンポの8、タイトなリフに緊張感の強いヴォーカルが乗ったスリリングな9、畳み掛けるリフとヴォーカルが迫るミッドテンポの10、スケール感のあるエモーショナルなミッドテンポの11、ボーナストラックには、シャープなスピード感を感じさせるアップテンポのナンバーが収録されています。

 実力あるヴォーカリストによって作り出される正統派メタルサウンドは、手堅い仕上がりの楽曲を揃えた力作になっており、メタル魂を感じさせるものになっています。楽曲自体は安定感のあるものになっているものの、バリエーションとしては若干不満の残るところになっており、アルバム全体としては少し画一的な印象を与えます。とは言え、パワー漲るサウンドを十二分に発揮したと言える馬力のある一枚でした。
同系統アルバム
INCORRUPTIBLE/ICED EARTH
IMMORTALS/FIREWIND
BLOOD - FURY - DOMINATION/ARTHEMIS

SIXTH DIMENSION/POWER QUEST

シックス・ディメンション/パワー・クエスト

MARQUEE MICP-11372 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 英国産バンドの6枚目のアルバムです。解散状態にあったバンドは中心人物のスティーブ・ウィリアムス以外を一新してアルバムを製作しています。

 哀愁帯びた湿ったメロディが畳み掛ける加減速して進むアップテンポのキャッチーな1から、マイルドなハイトーンヴォーカルが歌い上げて行くメロディックメタルが展開されていくアルバムは、叙情リフがタイトに詰め込まれていく小気味良いアップテンポの2、ドラゴンフォース感あふれるアッパーでハイなスピードナンバーの3、物悲しい鐘の音に導かれる4は哀愁漂うムードを高めつつ進むソリッドで激情的なミッドテンポのナンバー、キラキラ感高まるイントロで盛り上げるメロハー風のキャッチーなミッドテンポの5、リリカルなイントロからドライヴする叙情リフで進むドラマティックでエモーショナルなミッドテンポの6、キャッチーでポップなメロディがあふれる開放的なミッドテンポの7、明朗なメロディのイントロから叙情メロディを絡めつつ加速していくエモーショナルでキャッチーな8、女性ヴォーカルも参加したミステリアスなイントロからスケール感のある展開を見せていく叙情性高まるミッドテンポの9、ボーナストラックには既出曲のリメイクバージョンが収められています。

 なんだこの明るいストラトヴァリウス'`,、(´∀`) '`,、って言うサウンドが満載のアルバムは、以前のアルバムを聴いていたような聴いていなかったような感じではありますが、とりあえずヴォーカルの声質もあって、どのバンドを聴いているのか分からなくなる模様。英国産ながら北欧感あふれる叙情メロディが炸裂する高品質のメロディックメタルが展開されていく様は、ファンの溜飲を下げる出来栄えになっており、バンド内のゴタゴタを感じさせないものになっています。これまでの経緯を見る限り、この先大丈夫かなこのバンド(´Д`;)って感じではありますが、純粋に豊潤なメロディを聴かせる一枚です。
同系統アルバム
ETERNAL/STRATOVARIUS
ATOMIC NUMBER 22/TITANIUM
SEVENTHIAN ...MEMORIES OF TIME/DREAMTALE

HANDS OF FATE/SAVAGE MESSIAH

ハンズ・オブ・フェイト/サヴェージ・メサイア

TROOPER ENTERTAINMENT QATE-10101 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 英国産バンドの四枚目のアルバムです。ギタリストとベーシストが交代しています。

 ミステリアスなイントロからダークなリフを刻んでいくグルーヴィなミッドテンポで始まるアルバムは、ハスキーなヴォーカルがエモーショナルに歌い上げて行くサウンドを作り出していくと、叙情性強まるメロディで突き進むダイナミックなミッドテンポの2、ドライヴ感の強いリフで突っ走りフラッシーなギターソロへと突入するアップテンポのスピードナンバーの3、グルーヴィなリフと湿ったメロディが交錯するエモーショナルなヘヴィナンバーの4、タイトなリフからメランコリックなコーラスへと導くアップテンポの5、クランチーなリフを叩きつけていくアグレッシヴなスピードナンバーの6、エモーショナルな歌唱がソリッドなリフと一体になって迫るミッドテンポの7、パワーバラード風のダイナミックな8、ソリッドなリフで押し込むヘヴィナンバーの9、ルーズなムードが高まるエモーショナルなヘヴィナンバーの10、ボーナストラックにはライヴ音源が一曲収録されています。

 前作からはスピード感が大幅に減退したアルバムは、それを補うようにメロディを強化して聴き応えのあるサウンドを作り出しており、正統派メタルとしてのスタイルを追求したものとなっています。とは言え、ヘヴィナンバーが色々とメタリカだったりして何だかもやもやしますが、英国的な湿ったメロディのおかげでヨーロピアンなムードを維持しており安心して聴ける印象です。突進力とか疾走感が足りない分、どうなることかと思いましたが、通してみれば彼ららしいサウンドが詰め込まれた安定感のある一枚でした。
同系統アルバム
BLOOD - FURY - DOMINATION/ARTHEMIS
CONCUSSION PROTOCOL/VICIOUS RUMORS
XI/METAL CHURCH

LIONHEART/SERENITY

ライオンハート/セレニティ

WARD RECORDS GQCS-90381 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 オーストリー出身のバンドの6枚目のアルバムです。第3回十字軍遠征をテーマにしたコンセプトアルバムになっています。

 重厚でシンフォニックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、マイルドなハイトーンヴォーカルが力強く唄う叙情メロディが重なり合うドラマティックなミッドテンポの2で、歴史の重みを感じさせる空気感を醸造していくと、扇情的な泣きのメロディで突き進む緩急の強いダイナミックなナンバーの3、ヘヴィなイントロからシリアスなムードが高まる緊迫感の強いソリッドなアップテンポの4、厚いコーラスで盛り上げる哀愁帯びたエピックなナンバーの5、女性ヴォーカルも加わったバラードナンバーの6、ピアノのインストナンバーの7を経て、ドラマティックなスピードナンバーの8へと。ストーリー性と叙情性強まるドラマティックなミッドテンポの9、エスニックなイントロからヘヴィリフを刻むタイトでエモーショナルなミッドテンポの10、メランコリックなメロディが情感を揺さぶるミッドテンポの11、バラード風のイントロからソリッドなリフで迫るメランコリックなヘヴィナンバーの12、グロウルに女性ヴォーカルも加えてスケール感の大きいドラマティックな演出を聴かせる大作ナンバーの13でエンディングを迎えます。

 壮大な世界観を描き出していくアルバムは、大仰な作風がテーマと上手く合わさって、説得力のあるサウンドが詰め込まれていきます。コンセプトアルバムとしては楽曲の縛りがそれほどキツくない、楽曲優先になっているため、個々の楽曲としての魅力も充分に味わうことができており、迷走していた頃の女性ヴォーカルなども効果的に組み込まれています。いろいろ試行錯誤した結果、自分達の立ち位置に遂に辿り着いたかなって一枚でした。
同系統アルバム
ULTIMATE SACRIFICE/GALNERYUS
HEROES OF MIGHTY MAGIC/TWILIGHT FORCE
THEATER OF DIMENSIONS/XANDRIA

SYSTEMATIC ANNIHILATION/STORMTHRASH

システマティック・アナイアレイション/ストームスラッシュ

SPIRITUAL BEAST IUCP-16275 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 南米ベネズエラ出身のバンドのファーストアルバムです。

 ミステリアスでメランコリックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、叙情性を孕んだアグレッシヴなリフで突き進む緩急を効かせた突進ナンバーの2で、吐き捨てヴォーカルと殺傷力の高いギターが一体になって突き進んでいくと、不穏なイントロからの3は攻撃的なリフで駆け抜けるフラッシーなギターソロも魅せるブルータルなナンバー、キレのあるギターリフで切り裂いていくアグレッシヴでメロディックなスラッシュナンバーの4、唸りを上げるギターリフで突っ走る展開の大きいハイテンションのスピードナンバーの5、小気味良いビートとリフが疾走する威嚇的なファストチューンの6、テスタメント風のムードを持ったタイトなリフと細かい展開を見せていく突進ナンバーの7、叙情リフが駆け抜けるダイナミックなスピードナンバーの8、不穏なムードのイントロから畳み掛けるクランチーなリフで押し込む展開の大きいミッドテンポの9、ミステリアスなイントロからアグレッシヴなリフで突っ走るスラッシュナンバーの10、ボーナストラックにはスレイヤーのカバーの11とデスのカバーの12が収録されています。

 このバンド名でスラッシュメタルじゃなかったら、イーグルス・オブ・デス・メタルくらいの驚きだよ!と言うベネズエラでメタルバンドって存在できるんだ…(´Д`;)みたいな印象が先に立つアルバムは、メロデスやデスラッシュなどのスタイルを取り入れたモダンなスラッシュメタルをやっており、テクニカルだったりブルータルだったりするサウンドが展開されていきます。ギタリストも印象的なプレイをそこかしこで見せたり、ヴォーカリストも迫力たっぷりで魅力のあるパフォーマンスを聴かせており、雌伏期間の苦労が偲ばれます。ベネズエラの国内状況みたいなブルータルで荒々しいサウンドが詰め込まれた一枚でした。
同系統アルバム
UNDER ATTACK/DESTRUCTION
IN HIS INFERNAL MAJESTY'S SERVICE/WITCHERY
COUP DE GRACE/THE RESISTANCE

THE SIN AND THE SENTENCE/TRIVIUM

ザ・シン・アンド・ザ・センテンス/トリヴィアム

WARNER MUSIC WPCR-17937 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産メタルバンドの八枚目のアルバムです。ドラマーに元ハトリオットのアレックス・ベントを迎えて製作されています。

 静かなイントロに導かれるアルバムは、メランコリックなメロディを孕むリフで突き進むダイナミックなスピードナンバーの1から、クリーンヴォーカルとグロウルが交錯するアグレッシヴなサウンドが展開していき、タイトなイントロからの2はエモーショナルでダークなムードを湛えたメロディが激しく叙情性を高めていくミッドテンポのナンバー、センチメンタルなイントロからエモーショナルなヴォーカルが炸裂する扇情性の強いミッドテンポの3、タイトなビートとメランコリックなヴォーカルが情動を高めるミッドテンポの4、北欧メロデス風の突進力と破壊力を見せ付けていくダイナミズム高まるスピードナンバーの5、スラッシュメタル的なタイトなリフを刻むラウドでエモーショナルなヘヴィナンバーの6、哀感高まるメロディアスでエモーショナルなミッドテンポの7、ダークなイントロからメランコリックなパートとアグレッシヴなパートが交錯していくコントラストの強いミッドテンポの8、静かなヴォーカルからソリッドなリフとセンチメンタルなヴォーカルが強靭さを増していくミッドテンポの9、手の込んだ展開でヘヴィリフがダークに刻まれるタイトなアップテンポの10、アグレッシヴでエッジの効いたリフで進む展開の大きいドラマティックなアップテンポの11、ボーナストラックにはファーストアルバムからの曲のリメイクが収録されています。

 実験的と言うか野心的な作風が続いていたバンドですが、今作では一周回ったメタルコアらしい衝動性やこれまでに培われたメロディセンスが融合する、リスナーの期待に近いサウンドを作り出しており、バンドの核心に近い仕上がりになっています。デスラッシュ的な攻撃性やブラックメタル的な冷気も組み込んで、これまでの集大成的な楽曲はバラエティもあり、進歩を続けていくバンドの気概を感じさせます。バンドの成長がそのままサウンドに反映されて満遍なくスタイルを網羅した揺ぎ無い一枚です。
同系統アルバム
INCARNATE/KILLSWITCH ENGAGE
BATTLES/IN FLAMES
THE STAGE/AVENGED SEVENFOLD





Nobember

ALMANAC | BEAST IN BLACK | BUTCHER BABIES | CARDIANT | EVERTALE | EXARSIS | GAME OVER | NO RETURN | VHÄLDEMAR | VULTURE | WITCHERY |

KINGSLAYER/ALMANAC

キングスレイヤー(初回限定盤CD+ボーナスDVD)/アルマナック

WARD RECORDS GQCS-90445/6 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 元レイジのギタリスト、ヴィクター・スモールスキ率いるバンドの二枚目のアルバムです。ベーシストとドラマーが交代しています。

 不穏なメロディが紡がれるタイトなミッドテンポの1から、男女三人のヴォーカルが絡み合うドラマティックでエピックなサウンドを展開していくアルバムは、フラッシーなギターのイントロからアグレッシヴに突き進むドラマティックなスピードナンバーの2、叙情メロディのイントロからタイトなリフがダイナミックに展開していく迫力満点のパワーメタリックなミッドテンポの3、荘厳なコーラスに導かれる4はスケール感の大きい重厚なミッドテンポのヘヴィナンバー、ソリッドなギターとキャッチーなキーボードが交錯するイントロから躍動感の強いリフに繋ぐパワフルでダイナミックなコーラスを導く開放感の強いミッドテンポの5、哀愁帯びたギターの響きに導かれるインストナンバーからスリリングなギターがシンフォニックなサウンドと一体になって進むエモーショナルでドラマティックなアップテンポの7、テクニカルなギターが躍動するパワフルで激情的なアップテンポの8、静かなイントロからの9は詩情性強まるバラード風ナンバー、ザクザクしたリフが切れ込んでいくタイトでアグレッシヴなアップテンポの劇的ナンバーの10が収録されています。
 DVDには、割とお金の掛かってそうなコスプレ全開のちょっと横長過ぎるんじゃないですかね…みたいなPVが二本とメイキング、さらにライヴ映像やスタジオレポートなど盛りだくさん。

 アルバムも二枚目と言う事で、参加メンバーの特性も理解した楽曲を作り出してきており、バンドとしての体裁を整えたものとなっています。作風は前作からのスタイルを引き継ぎ、ドラマティックなパワーメタル路線を貫き通しており、相変わらずの完成度の高いサウンドに仕上げています。アルバムのテーマに合わせたテクニカルな音楽要素も加えてプログレッシヴな側面も見せつつ統一感のある楽曲を揃えています。アンディ・B・フランクとデヴィット・リードマンのスケジュールが気がかりになりますが、ヴィクター・スモールスキの創作意欲旺盛な一枚でした。
同系統アルバム
LIONHEART/SERENITY
DIABOLICA/IRON MASK
GHOSTLIGHTS/TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA

BERSERKER/BEAST IN BLACK

バーサーカー/ビースト・イン・ブラック

WARD RECORDS GQCS-90468 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 元バトル・ビーストのアントン・カバネンが中心となって結成されたフィンランドのバンドのファーストアルバムです。他のメンバーには元アンベリアン・ドーン〜現マージング・フレアのギタリストであるカスペリ・ウィッキネン、ベーシストは共にウィズダムに参加しているマテ・モルナール、元ブリュミルのドラマーに元ウォードラムのヴォーカルといった面々が集まっています。

 ダイナミックなリフワークで突き進むパワフルなヴォーカルとタイトなギターが交錯する勇壮なパワーメタルナンバーの1から、 まるで女性ヴォーカルのようなパフォーマンスを聴かせるジム・スタインマンみたいなキャッチーさを持ったミッドテンポのロックナンバーの2、メランコリックでエピックなサウンドを聴かせる重厚なミッドテンポの3、派手なイントロからセンチメンタルなメロディを繋げていくパワフルなコーラスが印象的なミッドテンポの4、荒々しいヴォーカルとタイトなリフが一体になって迫るドラマティックでダイナミックなアップテンポのスピードナンバーの5、キャッチーなリフで突き進む躍動感高まるタイトなアップテンポの6、ディスコ風シンセサイザーがレトロ感を生み出す北欧ポップな7、ミステリアスなイントロから叙情性を帯びたエモーショナルなサウンドが展開されるダイナミックなアップテンポのボーナストラックの8、ヨーロッパみたいなキーボードイントロからファイナルカウントダウンしそうなキャッチーなメロディが展開するミッドテンポのロックな9、キャッチーなリフがドライヴするフックの強いアップテンポのボーナストラックの10、80年代風のイントロからドラマティックなサウンドが広がっていくアップテンポの劇的ナンバーの11、メランコリックなバラードナンバーの12でアルバムの幕を閉じます。

 「ベルセルク」大好きなアントンが帰ってきたぜ!'`,、(´∀`) '`,、初期バトル・ビーストそのものと言う人物の作り出すサウンドがそのもの以外になるわけも無く、最近のバトル・ビーストに物足りなさを感じる向きには大満足の仕上がりのアルバムになっています。もちろん「ベルセルク」要素も忘れない。女性風歌唱からダーティなシャウトまでやってのけるマルチなヴォーカリストとテクニカルなギタリストを得て、更に表現力を増していくサウンドは、80年代メタルのエッセンスを散りばめつつ、多彩で華やかな表情を生み出しており、自由なフィーリングを強く感じさせます。現在のバトル・ビーストも良いですが、選択肢が色々広がるのはメタラーには良いことだよね!って言う待望の一枚でした。
同系統アルバム
BRINGER OF PAIN/BATTLE BEAST
THE BLAZE/BURNING POINT
APEX/UNLEASH THE ARCHERS

LILITH/BUTCHER BABIES

リリス/ブッチャー・ベイビーズ

MARQUEE MICP-11389 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 女性ツインヴォーカルを擁するエクストリームバンドの三枚目のアルバムです。ドラマーに元オーテップのチェイス・ブリッケンデンを迎えて製作しています。

 破壊力のあるタイトなリフを叩きつけていくソリッドでダイナミックなヘヴィロックチューンの1から、グロウルだったりクリーンだったりする二人の変幻自在のヴォーカルが荒れ狂う凶暴なサウンドを展開するアルバムは、ゴシック的なムードとブルータリティが交錯するダークでエモーショナルなミッドテンポの2、ミステリアスなイントロからの3はメランコリックなウィスパーヴォイスから叙情メロディが広がり情念高まる緩急の強いミッドテンポのナンバー、オルガンの荘厳な調べからタイトなリフが唸りを上げる凶暴で情感たっぷりなミッドテンポの4、凶悪なリフで突き進む緩急の強い突撃ナンバーの5、センチメンタルなメロディが全編を覆うエモーショナルでダイナミックなミッドテンポの6、デジタル風味な演出を加えつつ緊迫感を高めていく凶悪なミッドテンポの7、威嚇するリフとヴォーカルで押し込むエモでブルータルなヘヴィナンバーの8、メランコリックなムードを高めていくクリーンヴォーカルが印象的なパワーバラード風ナンバーの9、ライヴが物凄く盛り上がりそうなハイテンションでハイエナジーな突進ナンバーの10、シャッフルビートで駆け抜けるロッキンなスピードナンバーの11、ボーナストラックには、グルーヴィなヘヴィロックナンバーの12、アンビエントとアグレッシヴを行き来するヘヴィナンバーの13、攻撃的なリフとヴォーカルが鋭角に迫るファストチューンの14、ソリッドでアグレッシヴなミッドテンポの15、緩急を効かせてブルータルに突撃する威圧的な16が収録されています。

 女性的な側面をパワーアップさせていくアルバムは、感情高ぶるエモーショナルな要素と攻撃的なサウンドが両面で強化されており、艶やかな楽曲を揃えています。前作で印象的だったシアトリカルな要素は減っていますが、キャッチーなメロディとエクストリームなサウンドとのコントラストが強まっており、インパクトは負けず劣らずの印象を与えて迫力満点の仕上がりになっています。着実にバンドを強化していくパンチの効いたストロングな一枚です。
同系統アルバム
THE LAND OF THE DEAD/EVIL DRIVE
FIVE/THE AGONIST
THE SICK,DUMB & HAPPY/THE CHARM THE FURY

MIRRORS/CARDIANT

ミラーズ/カーディアント

MARQUEE MICP-11384 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身の男女ツインヴォーカルバンドの4枚目のアルバムです。

 哀愁帯びたメロディで突き進むタイトでドラマティックなスピードナンバーの1で幕を開けるアルバムは、ハイトーンヴォーカルが歌い上げていくテクニックを見せ付けるメロディックメタルを作り出していき、シリアスなムードが高まるタイトなリフで進む2はヴォーカルハーモニーで盛り上げ、クラシカルなフレーズも飛び出すミッドテンポのナンバー、サンダーストーンのヴォーカルが参加した女性ヴォーカルとも絡んだメランコリックでエモーショナルなバラード風ナンバーの3、女性ヴォーカルによるセンチメンタルなバラードナンバーの4、ツーバスで突き進みドライヴする哀愁帯びたスピードナンバーの5、叙情的なメロディで進むダイナミックなアップテンポのスピードナンバーの6、バーニング・ポイントのニッテ・ヴァロが参加したロマンティックなバラードナンバーの7、女性ヴォーカルによるキラキラシンフォニックパワーメタルナンバーの8、荘厳なイントロから起伏大きく展開するドラマティックな9、ツインヴォーカルでエモーショナルに迫るソリッドなミッドテンポの10、タイトなビートと情熱的なヴォーカルが交錯するアップテンポの11、ボーナストラックは劇的スピードナンバーが収録されています。

 スタイルを色々模索しているバンドですが、メロディックメタルの本線は動かさずに、バラエティに富んだ楽曲を揃えたアルバムに仕上げており、フックのあるサウンドを作り出していきます。男女ヴォーカルもそれなりに効果を上げており、楽曲の彩りに華を添えていますが、ゲストヴォーカルって必要だったのかなあ、って感じです。色々手の込んだ仕掛けを施しているものの、全体的にはシンプルに仕上げており聴きやすいものになっており、自由な発想と信念が上手く噛み合った一枚です。
同系統アルバム
THE EARTH EMBRACES US ALL/TEMPERANCE
ABSOLUTE CLARITY/SUNRISE
WELCOME TO EMBER FALLS/EMBER FALLS

THE GREAT BROTHERWAR/EVERTALE

ザ・グレイト・ブラザーウォー/エヴァーテイル

SPIRITUAL BEAST IUCP-16276 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ出身のバンドの二枚目のアルバムです。ドラマーが交代しています。

 激しい戦場での一幕で幕を開けるアルバムは、アグレッシヴなリフで突き進むストロングなコーラスも厚い展開の大きいエピックメタルナンバーの2から、パワフルなヴォーカルが朗々と唄い上げていくドラマティックなパワーメタルを作り出していくと、哀感帯びたダイナミックなイントロに導かれる3は畳み掛けるパワフルなリフで突き進む緩急の効いたスピードナンバー、叙情性強まるインストナンバーから力強くギターリフが叩きつけられていくソリッドでエピックなアップ〜ミッドテンポの5、郷愁漂うインストナンバーの6から、激しいリフで加速していく劇的なアップテンポのナンバーの7へ。叙情メロディで勇壮に迫るタイトなアップテンポの8、哀愁漂うメロディが紡がれるインストナンバーから、メロディを引き継ぎつつシャープに突き進む緩急の強い高速エピックナンバーの10、ドラマティックなイントロから激しく突っ走る劇的スピードナンバーの11、壮大なイントロからの12はタイトなリフを刻みつつ高揚感と哀愁を高めていくエピックなミッドテンポのナンバー、ボーナストラックには、威圧感たっぷりのリフで迫る焦燥感高まるソリッドなミッドテンポの13と、コーラスがアレな感じのキャッチーなミッドテンポの14が収録されています。

 ブラインド・ガーディアン度が更に増していくアルバムは、本家よりも勢いに任せた熱気と活気に満ちたものになっており、ファンタジックでエピックなサウンドが充満しています。音楽性そのものは前作から変わりなく、順調にパワーアップしたもので安心感を与えており、このスタイルに対する強い信念を窺わせます。ドラマティックな世界観を充分に堪能できる、感情に強く訴えかける一枚です。
同系統アルバム
BEYOND THE RED MIRROR/BLIND GUARDIAN
GUNMEN/ORDEN OGAN
THE JAGUAR PRIEST/UNIVERSAL MIND PROJECT

NEW WAR ORDER/EXARSIS

ニュー・ウォー・オーダー/エクサルシス

SPIRITUAL BEAST IUCP-16277 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ギリシャ産スラッシュメタルバンドの4枚目のアルバムです。ギタリストが交替して製作されています。

 タイトなリフを刻んでいく緊張感高まるイントロダクションで幕を開けるアルバムは、クランチーな高速リフとハイトーンスクリームで畳み掛ける突撃スラッシュナンバーの2で一気にテンションを上げていくと、不穏なイントロから激烈に突っ走る緩急を効かせた3、アジテートするナレーションから一気に突進していくタイトな疾走ナンバーの4、クランチーなリフを畳み掛けていくダイナミックな突撃ナンバーの5、ソリッドなリフがダークに刻まれるインストナンバーの6からヒステリックに加速していく威嚇的なファストチューンの7、緩急の強い展開でタイトに進んでいくダイナミズム高まる8、威圧感を高めつつ突撃していく狂乱のファストチューンの9、クランチーリフが唸りを上げる起伏の大きい突撃ナンバーの10、ボーナストラックにはスレイヤーのカバーの11とレイザーのカバーの12が収録されています。

 ギタリストは一人替わりましたが、作風には全く変化が無いと言う…。そんな感じのヒステリックなヴォーカルのスラッシュメタルが徹頭徹尾追求されていくアルバムは、オールドスタイルの伝統を継承するものになっており、すっかり安心のサウンドが満載。変わらないことが力になる、そんな感じの一枚です。
同系統アルバム
SLIME AND PUNISHMENT/MUNICIPAL WASTE
WOE TO THE VANQUISHED/WARBRINGER
WEAPONS OF THRASH DESTRUCTION/TERRIFIER

CLAIMING SUPREMACY/GAME OVER

クレーミング・スープレマシー/ゲーム・オーバー

MARQUEE MICP-11382 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア出身のスラッシュメタルバンドの四枚目のアルバムです。

 エモーショナルでダイナミックなイントロダクションに導かれるアルバムは、唸りを上げるクランチーなリフで突っ走る緩急の効いたアグレッシヴなファストチューンの2から、荒々しいヴォーカルとシュレッディングなギターが炸裂するサウンドが展開されていくと、激しいイントロから畳み掛けるリフで押し込んでいくソリッドでクランチーなアップテンポの3、トリッキーなリフで切れ込んでいくアグレッシブなアップテンポの4、焦燥感高まるイントロからの5は展開の細かい緩急を効かせた手の込んだナンバー、ダークなイントロからエモーショナルに進むミッドテンポのパートからアグレッシヴにドライヴしていくコントラストの強い6、タイトなリフを畳み掛けていくコーラスに勢いのあるアップテンポの7、メランコリックなメロディを紡ぐインストナンバーを経て、アグレッシヴに突進していく緩急の強い激走チューンの9、パンキッシュに突っ走るドライヴ感の強いファストチューンの10、ボーナストラックにはアンスラックスのカバーが収録されています。

 なぜか日本デビューしていなかったバンドですが、満を持して登場しただけのクオリティを見せ付けるアルバムは、オールドスタイルのスラッシュメタルをリスペクトしつつも現代的なサウンドで仕上げてリクリエイトされたスラッシュを作り出しています。手広くスタイルを網羅しているため個性が薄れていますが、正統派メタル的な展開とパンキッシュな衝動性を手堅くまとめた一枚でした。
同系統アルバム
RED N' ROLL/CHRONOSPHERE
SLIME AND PUNISHMENT/MUNICIPAL WASTE
WOE TO THE VANQUISHED/WARBRINGER

THE CURSE WITHIN/NO RETURN

ザ・カース・ウィズイン/ノー・リターン

BICKEE MUSIC BKMY-1057 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フランス産エクストリームバンドの11枚目のアルバムです。

 ドラマティックでスリリングなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、荒々しい叙情リフで圧倒していくダイナミックな突進ナンバーの2で、グロウルとメロディが交錯するサウンドを作り出していくと、メロディアスなリフが躍動するタイトでアグレッシヴな起伏の大きいファストチューンの3、センチメンタルなイントロから北欧的な叙情リフが突進していくアグレッシヴでエモーショナルな4、叩きつけられるタイトなリフで圧倒していく攻撃的で情動的な5、静かなイントロからの6は情感高まるメロディを繋いでいくエモーショナルなミッドテンポのナンバー、エッジの強いリフで進む緩急を効かせたドラマティックでエモーショナルな7、哀愁帯びたイントロから情感高まるソリッドなリフを繰り出していくエモーショナルなミッドテンポの8、クランチーなリフを叩きつけていく衝動性が高まるダイナミックなアップテンポの9、メランコリックなメロディを孕むリフで突き進んでいくタイトでエッジの効いた緩急大きいファストチューンの10が収録されています。

 ここまでに至る過程には色々あったと思われますが、ベテランらしい曲作りの妙とパフォーマンスで聴き手を圧倒していく様が心地よいメロディックデスメタル的なサウンドが展開されていきます。北欧メロディックデスメタルにも通じる叙情性とドラマティックとも言える曲展開で盛り上げる様は経験値の高さを見せ付けており、安定感のあるサウンドが詰め込まれています。個性的かどうかは今となっては微妙ですが、北欧勢にも引けを取らないクオリティの高さをアピールしていく一枚でした。
同系統アルバム
ABYSMAL/THE BLACK DAHLIA MURDER
INCARNATE/KILLSWITCH ENGAGE
WANDERER/HEAVEN SHALL BURN

AGAINST ALL KINGS/VHÄLDEMAR

アゲインスト・オール・キングス/ヴァルデマール

RED RIVET RECORDS RRR-21 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スペイン産バンドの五枚目のアルバムです。

 アクセプトを彷彿とさせるタフでストロングなミッドテンポの1から、ハスキーなダミ声ヴォーカルが熱く歌い上げて行くパワーメタリックなアルバムは、パワフルなリフと華麗なギターソロで押し込んでいく豪腕で突き進むアップテンポのスピードナンバーの2、タイトなリフと哀愁メロディが重厚に迫るエピックなミッドテンポのヘヴィナンバーの3、ゲストヴォーカルも参加したアイアン・セイヴィアープライマル・フィアを足して割ったみたいなパワーメタリックでキャッチーなスピードナンバーの4、タイトでシンプルなリフで進むフックの強いハードロッキンな5、物悲しいピアノのインストナンバーの6を経て、泣きのメロディとキラキラキーボードが炸裂する分厚いパワーメタルナンバーの7、荘厳なSEからの8はガンマ・レイを彷彿とさせる怒涛のパワフルリフが突っ込んでくるアップテンポの全力ナンバー、キレのある叙情リフが迫る躍動感の強いアップテンポの9は曲名と言いパフォーマンスと言いアンディ・デリス期のハロウィンを思い出させるメロディックなナンバー、勇壮なコーラスに導かれるエピックでメロディックなミッドテンポの10、メランコリックなアウトロの11、ボーナストラックにはスリリングなインストナンバーが収録されています。

 スペインのバンドながら、ドイツのバンド以上にジャーマンメタルなスピリットがあふれるアルバムは、パワー・スピード・メロディの三拍子揃ったヘヴィメタル然としたサウンドが満載の楽曲を揃えており、徹頭徹尾ヘヴィメタルに拘ってきたバンドの信念を叩きつけます。とりあえずこのバンドの現在の完成形といった風の一枚になっており、バンドの全力に聴き手が応えるべしと言う気にさせられます。直球勝負の本道を行くヘヴィメタルを堪能できる一枚です。
同系統アルバム
THE RISE OF CHAOS/ACCEPT
HEALED BY METAL/GRAVE DIGGER
FATAL COMMAND/PÄNZER

THE GUILLOTINE/VULTURE

ザ・ギロチン/ヴァルチャー

SPIRITUAL BEAST IUCP-16278 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2015年に結成されたドイツ産スラッシャーのファーストアルバムです。

 オカルトホラー映画風のイントロダクションで幕を開けるアルバムは、荒々しいクランチーなリフが駆け回る怒涛のスラッシュナンバーの1から、ヒステリックなスクリームが炸裂するテンションの高いスラッシュメタルを展開していくアルバムは、唸りを上げるギターリフを叩き込む緩急の効いたスピードナンバーの2、一気に加速していく急展開のファストチューンの3、手の込んだリフが荒れ狂うアイアン・メイデン風の展開も見せるアグレッシヴなスピードナンバーの4、メランコリックなイントロからの5は叙情性を持ったメロディを絡めつつ爆走していく突進ナンバー、リリカルなイントロからタイトなリフを重ねていく緊迫感高まるアップテンポの6、クランチーなリフで切り刻むスリリングに圧を高めていくファストチューンの7、ベースランから哀愁のフレーズを繋げていく8はアグレッシヴに突き進む突進ナンバー、ボーナストラックには衝撃のディープ・パープルのカバーが収録されています。

 80年代風のスピード/スラッシュメタルを作り出していくアルバムは、サウンド面でも80年代と言う、そこまでしなくてもいいのに…感が漂うものの、勢いに任せて突っ走るサウンドで振り切っていきます。ホラー映画を題材とした楽曲も揃えつつ、テクニカルでフラッシーなギターソロもそこかしこに配置して楽曲に彩りを添えていたりと思った以上に手をかけているのが分かる仕上がりになっています。この何とも言いがたい音以外は結構満足感の高い、新人離れした一枚でした。でも、日本盤のジャケットってこれと違うんだよね…(´・ω・`)
同系統アルバム
1981/F.K.Ü
SLIME AND PUNISHMENT/MUNICIPAL WASTE
DIVISION OF BLOOD/SUICIDAL ANGELS

I AM LEGION/WITCHERY

アイ・アム・レギオン/ウィッチリー

TROOPER ENTERTAINMENT QATE-10102 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの七枚目のアルバムです。

 不穏なムードが高まるヘヴィなイントロに導かれるアルバムは、グルーヴィでダークなリフが威圧感タップリに迫るミッドテンポのヘヴィナンバーの2で、凶悪なグロウルとソリッドなサウンドを展開していくと、スリリングなイントロからタイトなリフが突き刺さる不安感を高めるソリッドなアップテンポの3、グルーヴィなイントロから一気に突っ走る緩急の強い怒涛のスラッシュナンバーの4、ざわざわするSEからの5は破壊力満点のリフで押し込むグルーヴィなミッドテンポのヘヴィナンバー、ハイテンションで突っ走る凶暴な高速スラッシュナンバーの6、威嚇的なリフが押し寄せるタイトでブルータルなアップテンポの7、ダイナミックでメロディアスなリフが躍動するミッドテンポの8、威圧するヴォーカルとリフが密度を上げていくタイトなミッドテンポの9、エピックなムードのインストナンバーの10から、破壊力満点のリフが凶暴に荒れ狂うデスラッシュな11へ。ボーナストラックには緩急を効かせたスピードナンバーの12と、唸りを上げる不穏なリフで突き進むアップテンポの13が収録されています。

 ブラックメタル的な空気感が強かった前作から、スラッシュメタル路線に少し戻してみたアルバムは、ヴォーカルの芸風からブラックメタル的な要素も残しつつ、躍動感の強いパンキッシュなサウンドが増えており緊張感を持ったものとなっています。北欧の冷気を感じさせるメロディやサウンドは前作から受け継がれており、シリアスな曲調も継続しています。リリース間隔の早さが旺盛な創作意欲を窺わせる、馬力のある一枚でした。
同系統アルバム
COUP DE GRÄCE/THE RESISTANCE
BRAINDEAD/LOST SOCIETY
STRENGTH IN NUMBERS/THE HAUNTED





December

AMBERIAN DAWN | ANNIHILATOR | EPICA | F.K.Ü | METALITE | MORBID ANGEL |

DARKNESS OF ETERNITY/AMBERIAN DAWN

ダークネス・オヴ・エタニティー/アンベリアン・ドーン

MARQUEE MICP-11387 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの七枚目のアルバムです。

 クラシカルなフィーリングのイントロからソリッドなビートを刻んでいく華麗でドラマティックなアップテンポの1で幕を開けるアルバムは、女性ソプラノヴォーカルが優雅に歌い上げて行くシンフォニックメタルを作り出しており、ロマンティックなムードのキャッチーで情感豊かなミッドテンポの2、ネオクラシカルなフィーリングのフレーズがタイトに刻まれていくスリリングでエッジの効いたアップテンポの3、北欧ポップ感が充満するロマンティックな4、扇情性の強いメロディで突き進む緩急を効かせたスピード感高まるドラマティックな5、壮大なイントロからの6はリリカルなムードが高まるエモーショナルなミッドテンポのナンバー、叙情性高まるメロディが様式美展開で広がっていく劇的ナンバーの7、明朗さを帯びたクラシカルでキャッチーなフレーズで進むポップなアップテンポの8、優しいメロディが優雅に歌い上げられていく壮大な9、シリアスなイントロからオペラティックな展開を見せる劇的ナンバーの10、ボーナストラックにはファーストアルバムからの曲のリ・レコーディングバージョンが収録されています。

 ネオクラシカルでファンタジックなシンフォニックメタルを作り出すアルバムは、完成度の高いサウンドを確かなパフォーマンスで描き出しており、北欧由来のキャッチーさも手伝って聴きやすいものに仕上げています。あと一歩というところで物足りない感があったバンドが遂に色々なものが噛み合ったという印象を強く与えており、完成形に達した模様。彼らの世界観を十二分に堪能できる一枚でした。
同系統アルバム
ENDLESS FORMS MOST BEAUTIFUL/NIGHTWISH
THE EARTH EMBRACES US ALL/TEMPERANCE
THEATER OF DIMENSIONS/XANDRIA

FOR THE DEMENTED/ANNIHILATOR

フォー・ザ・ディメンテッド/アナイアレイター

MARQUEE MICP-11399 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 カナダ産バンドの16枚目のアルバムです。ヴォーカルは前作に続き、ジェフ・ウォーターズ自身が担当しています。

 不穏なイントロで幕を開けるアルバムは、ブルータルなビートとクランチーなリフで突き進む威圧感タップリの突進ナンバーの1から、荒々しいサウンドを展開していき、タイトなリフを繰り出しつつフックのあるヴォーカルで押し込んでいくミッドテンポの2、トリッキーなリフワークが変幻自在に展開するミステリアスな3、メランコリックなバラードかと思いきやPVを観てひっくり返る不穏な4、緩急の強いタイトでミステリアスなアップテンポの5、不安感高まるイントロからタイトなリフを叩きつけていく様々なフレーズが飛び出す展開の細かい6、静かなイントロからクランチーなリフで切り裂いていくタイトでトリッキーなスピードナンバーの7、ファンキーでロッキンな8、ミステリアスなインストナンバーの9、変な展開を見せるタイトなスピードナンバーの10が収録されています。

 またしてもジェフ・ウォーターズのヴォーカルと言うことで、雰囲気としては「キング・オブ・ザ・キル」っぽい体になっており、メンバーは揃っているものの楽曲のバラエティはどちらかと言えばソロアルバムっぽい空気感。初期アナイアレイターっぽい曲調も見受けられますが、そこまで振り切ってはいないので、全体的には中途半端な印象が拭えないところ。曲数もあってか、いつもよりボリューム不足と感じさせるあたりも印象がよくならない感じです。まあ、いいところも悪いところも含めてアナイアレイターっぽいなあって一枚でした。
同系統アルバム
DYSTOPIA/MEGADETH
CONCUSSION PROTOCOL/VICIOUS RUMORS
LILITH/BUTCHER BABIES

EPICA VS ATTACK ON TITAN SONGS/EPICA

エピカ・ヴァーサス・アタック・オン・タイタン・ソングス/エピカ

WARD RECORDS GQCS-90471 [EXTRA] >>>>>BUY...?

 オランダを代表するシンフォニックメタルバンドが、アニメ「進撃の巨人」の主題歌などをカバーすると言う企画アルバムです。

 曲自体は紅白歌合戦とか(´∀` )でも流れたので、知名度は高いと思われますが、かなり尖ったサウンドを作り出していた原曲でもテレビアニメ用ということで多少は抑え気味だったあたりを、生粋のメタルバンドのエピカだけに色々ぶっちぎった代物にしています。バカみたいに売れた1で、壮大なイントロからシモーネのソプラノヴォイスとタイトな演奏とゴージャスなシンフォニックサウンドが一体になって迫るあたりは、誰もが想像していた以上の緊張感ある仕上がりになっており、グロウルなども加えて凶暴さも演出していきます。演奏の切れ味が半端無い2は、さすがのコーラスのハマリっぷりに圧倒されます。シモーネが上手すぎて失禁しそうな3(´Д`;)に、本家はサビの歌詞がアレだよね…って感じでしたが、英語だったら何とも無いよね!(´∀` )みたいな豪華な4が揃えられています。 のこりの四曲はそれぞれのインストバージョンで、カラオケに入らないかな…って感じです。

 超がつくほどの実力派バンドだけに、一片の隙も見せない完成度で立ち向かう楽曲は、あれ?こっちが本家だったっけ…みたいな'`,、(´∀`) '`,、アレンジからコーラスに至るまで、あらゆる点がグレードアップしており、あまりのスリリングな出来栄えに、ちょっとオリジナルrevoの歌声を聴いて安心したくなる気分です。Linked Horizonの楽曲の妙とエピカの実力の双方を堪能できる、面白い企画盤でした。
同系統アルバム
進撃の軌跡/Linked Horizon
ルクセンダルク紀行/Linked Horizon
THEATER OF DIMENSIONS/XANDRIA

1981/F.K.Ü

1981/F.K.Ü

SPIRITUAL BEAST IUCP-16279 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの五枚目のアルバムです。ドラマーが交代しています。ホラー映画のタイトルが曲名に敷き詰められていると言う趣向。

 ビデオをセットするSEからクランチーなリフが叩きつけられていく激しい突撃ナンバーの1で爆発的に口火を切るアルバムは、更にアクセルを踏み込んで突進していくエッジィーでスラッシーな2、「エクソシスト」に出演したリンダ・ブレアが主演したことしか記憶に無い3はスピードをまったく緩めないクランチーで勢いのあるスピードナンバー、初期のメガデスっぽいムードも感じさせつつ忙しく爆走する4、ジェイソンもビックリなまだまだ加速していくスポーティーな感触もある緩急もやっとつけてみるパンキッシュなファストチューンの5、ミステリアスなイントロからやっぱり突っ走る起伏のある怒涛のスラッシュナンバーの6、ようやく一息つける威嚇的なミッドテンポの7、ルチオ・フルチ監督の作品名からの8は鋭角なリフで切り裂いていくフックのあるファストチューン、アグレッシヴに突き進む緩急も効かせた突撃スラッシャーな9、大仰なイントロからモチロン激しく突っ走る10、なんだこのメタリカって言う一気に突っ走る11、ブギーマンも目を回しそうな突撃スラッシャーの12、威圧的で緩急を効かせたファストチューンの13、タイトなリフで打撃していくイーブルなファストチューンの14、人気急上昇なデスのカバーの15、ボーナストラックにはやっぱり突っ走ってしまうツルハシの音が聞こえてきそうなスラッシーな16が収録されています。

 日本盤の担当者がちゃんと調べている!Σ(゜д゜lll)な1981年発表のスラッシャー(メタルではない)映画のタイトルをズラリと揃えたアルバムは、えーと歌詞は映画通りだけど曲調は内容とほとんど関係ないよね!って言うスラッシュナンバーをずらりと並べて突き進んでいきます。並べられている映画はそこそこ観たような気がしますが、ここの曲みたいな雰囲気とかゼロだから!それはさておき、いつもと変わらぬ一気呵成のスラッシュメタルが詰め込まれたアルバムは、モッシュとかサークルピットとかクラウドサーファーが続出しそうな勢いのあるもので、スラッシャーには溜飲の下がる仕上がりに。真正スラッシャーの期待を裏切らない改心の一枚でした。
 ちなみに15の邦題をを「死霊のはらわた」にすれば言うこと無かった、内容は関係ないけどね!(´∀` )
同系統アルバム
SLIME AND PUNISHMENT/MUNICIPAL WASTE
MASS CONFUSION/DUST BOLT
NEW WAR ORDER/EXARSIS

HEROES IN TIME/METALITE

ヒーローズ・イン・タイム/メタライト

RUBICON MUSIC RBNCD-1245 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデンで2015年に結成された女性ヴォーカルを擁するバンドのファーストアルバムです。

 エレクトロ的なキラキラ感高まるキャッチーな叙情メロディがあふれ出すアップテンポの1から、ソフトな感触の女性ヴォーカルが歌い上げて行くメロディックメタルが展開されていくアルバムは、湿ったメロディがドラマティックに迫るミッドテンポの2、エモーショナルな感覚が高まるダンサブルなビートも加えたキラキラするアップテンポの3、エレクトロでダイナミックな展開を見せるスケール感の大きいミッドテンポの4、キラキラ感とパワフルなメロディが交錯するタイトなミッドテンポの5、スリリングなイントロからキラキラ叙情メロディで突っ走るスピードナンバーの6、エレクトロポップ的なキーボードサウンドと叙情メロディが融合するアップテンポの7、メランコリックなイントロからドラマティックな展開を見せるエモーショナルなアップテンポの8、ロマンティックなバラードナンバーの9、扇情的なイントロからダイナミックに飛翔するミッドテンポの10、キラキライントロからメロディが躍動するアップテンポの11、ボーナストラックには9のピアノバージョンが収録されています。

 エレクトロなキラキラキーボードを大胆にフィーチュアしたメロディックメタルを作り出していくアルバムは、女性ヴォーカルのクリアーさもあって、ポップ感の強いキャッチーなサウンドに仕上がっています。北欧的なメロディ満載で取っ付きやすい楽曲を揃えて、ファーストアルバムらしからぬ完成度を見せており、実力のほどを窺わせます。分かりやすく心地よいサウンドが充満する期待高まる一枚でした。
同系統アルバム
THE EARTH EMBRACES US ALL/TEMPERANCE
WELCOME TO EMBER FALLS/EMBER FALLS
RETURN OF THE COSMIC MEN/GALDERIA

KINGDOMS DISDAINED/MORBID ANGEL

キングダムズ・ディスデインド/モービッド・エンジェル

VICTOR VICP-65465 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産デスメタルバンドの9枚目のアルバムです。ヴォーカル/ベーシストのスティーヴ・タッカーが復帰しています。

 ブラストビートと苦悶のリフがのたうつ暗黒のサウンドが展開されるタイトな1から、帝王の帰還を告げるアルバムは、破壊力満点のリフとビートで圧倒する緩急の効いた突進力の強い2、グルーヴィなヘヴィリフが蠢く高圧ナンバーの3、重量感たっぷりのリフで圧殺するイントロから突撃するブルータルな4、威圧感を高めて襲い掛かる凶暴なミッドテンポの5、のたうつリフが押し寄せる重圧の6、ソリッドなリフが叩きつけられていく緊迫感高まるアグレッシヴな7、ブルータルに突き進む破壊力満点の8、不穏なイントロから凶悪なムードが高まるミッドテンポの9、緊張感高まるブルータルな突撃ナンバーの10、さらに破壊力を増して蹂躙する11が収録されています。

 この実家のような安心感(´∀` )そんなサウンドが充満するアルバムは、戻ってきて良かったなあ、としみじみ感じさせるものになっており、徹頭徹尾デスメタルを追求する暗黒音楽を形成していきます。安定感では定評のあるスティーヴ・タッカーの参加で評価の高かった時期のスタイルを取り戻した復活の一枚です。
同系統アルバム
THE EMPIRE/VADER
WHAT SHOULD NOT BE UNEARTHED/NILE
ECHOES OF THE TORTURED/SINSAENUM