ALBUM COLLECTION バックナンバー 2023

January Februaly March April May June July August September October Nobember December


  1. AFTERMATH/ANGELUS APATRIDA [IMPORT]
  2. CYCLES OF PAIN/ANGRA
  3. TRUST BETRAYAL/ARCHED FIRE
  4. LIFE IS BUT A DREAM.../AVENGED SEVENFOLD
  5. BLOOD, FIRE, MAGIC AND STEEL/BATTLE BORN
  6. TALES FROM THE NORTH/BLOODBOUND
  7. 50th Anniversary Live - First Night -/BLUE ÖYSTER CULT
  8. THE DARK TOWER/BURNING WITCHES
  9. DARK PARADE/CIRITH UNGOL
  10. SHADES OF SORROW/CRYPTA
  11. AS GOMORRAH BURNS/CRYPTOPSY
  12. ALCHEMISTS/DEGREES OF TRUTH
  13. DARK WATERS/DELAIN
  14. LIFE/DGM
  15. INNERVOID/ELDRITCH
  16. XI/ELEGY OF MADNESS
  17. READER OF THE RUNES - RAPTURE/ELVENKING
  18. NOSTALGIA/ENFORCER
  19. IN MEMORIAM/EVERMORE
  20. ONCE UPON A TIME/EXCALION
  21. NECROPHONY/EXMORTUS
  22. BETWEEN DREAD AND VALOR/GALNERYUS
  23. RETURN TO THE KINGDOM OF FIFE/GLORYHAMMER
  24. LAND OF DECAY/GRAVE OF SACRIFICE
  25. FAUNA/HAKEN
  26. IVORY TOWER/HÄMÄRÄ
  27. HATRED REBORN/HATESPHERE
  28. HEPHAESTUS/HEIMDALL [IMPORT]
  29. WARLOCKS GRIM & WITHERED HAGS/HELLRIPPER
  30. S'ACCABADORA/HELL THEATER
  31. FOREGONE/IN FLAMES
  32. WEAPONS OF SPIRITUAL CARNAGE/IRONMASTER
  33. FIRESTAR/IRON SAVIOR
  34. THE HALLOWED/JAG PANZER
  35. KALMAH/KALMAH
  36. THE AWAKENING/KAMELOT
  37. THE SINNER RIDES AGAIN/KK'S PRIEST
  38. TEMPEST/LANCER
  39. JUDGEMENT DAY/LOVEBITES
  40. VAST REACHES UNCLAIMED/MAJESTIES
  41. BACK TO ATTACK/MAJESTY
  42. CONGREGATION OF ANNIHILATION/METAL CHURCH
  43. 72 SEASONS/METALLICA
  44. CELESTIAL VISION/MYSTFALL
  45. ERZDÄMON/MYSTIC CIRCLE
  46. GHOST TOWN/NARNIA
  47. OUTSIDER/NIGHT DEMON
  48. THE GATES OF THE UNDERWORLD/NOVERIA
  49. THE FALL OF THE SHIRES/OBLIVION PROTOCOL
  50. 龍凰童子/陰陽座
  51. SCORCHED/OVERKILL
  52. THIS DARKNESS FEELS ALIVE/OVERTOUN
  53. CODE RED/PRIMAL FEAR
  54. BLOODLINES/PYRAMAZE
  55. IMPERIAL DAWN/REXORIA
  56. THE SHADOW INSIDE/SADUS
  57. THE SINGULARITY (PHASE II: XENOTAPH)/SCAR SYMMETRY
  58. BLACKENED HEARTBEAT/SECRET SPHERE
  59. NEMESIS AD/SERENITY
  60. TRAVELER'S TALES/SHADOWSTRIKE
  61. SHADOWFALL/SILVER BULLET
  62. REMEMBER... YOU MUST DIE/SUICIDE SILENCE
  63. LEVIATHAN III/THERION
  64. RISE OF THE LIFELESS/TORTURED DEMON
  65. AT THE HEART OF WINTERVALE/TWILIGHT FORCE
  66. TOUCHDOWN/U.D.O.
  67. THE WRETCHED;THE RUINOUS/UNEARTH
  68. HERE FOR NONE/WARMEN
  69. NEKYIA/WINTERAGE
  70. SPECTRA/THE WRING
  71. THE WONDERS STILL AWAITING/XANDRIA

January

陰陽座 | REXORIA | SILVER BULLET | TWILIGHT FORCE |

龍凰童子/陰陽座

RYUOHDOUJI/ONMYO-ZA

KING RECORDS KICS-4092 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産和風メタルバンドの15枚目のアルバムです。

 抒情的なメロディが広がるシンフォニックなイントロから、こぶしの効いた女性ヴォーカルが力強く歌い上げていくミッドテンポの正統派なメタルナンバーの2へと至るアルバムは、オーセンティックなメタルリフで突き進むアップテンポの3、男性ヴォーカルが主導するソリッドなリフで進む躍動感のあるヘヴィなミッドテンポの4、エッジの効いた攻撃的なパートと典雅なヴォーカルが交錯する和風フレーズも盛り込んだダイナミックなスピードナンバーの5、タイトなリフがシャープに迫る男女ヴォーカルが絡み合うアグレッシヴなアップテンポの6、馬力のあるリフと怪しいムードが高まる妖怪メタル感が炸裂するダイナミックなミッドテンポの7、シャープなリフで突き進むアグレッシヴなスピードナンバーの8、抒情メロディで畳みかけるエモーショナルでタイトなミッドテンポの9、哀愁感高まるバラードパートからアグレッシヴなパートへの展開を見せるダイナミックなミッドテンポの10、エモーショナルなバラードナンバーの11、男性ヴォーカルがメインのグルーヴィなヘヴィロックナンバーの12、緊迫感高まるイントロから抒情リフが炸裂する多彩な展開の劇的ナンバーの13、抒情メロディで突っ走るアップテンポの14、爽やかなメロディで進んでいくアップテンポのロックナンバーの15が収録されています。

 ヴォーカリストの健康上の問題で活動が滞っていたバンドでしたが、復活なったアルバムではこれまで以上のパワフルな仕上がりを見せており、再始動と完全復活をアピールしていきます。これまでのバンドのスタイルを継承しつつ新機軸も少しずつ取り入れて進行形の姿を見せていく様は、ベテランバンドなれど創作に貪欲な姿勢を垣間見せます。バンドの持つ様々なスタイルを余すことなく提示していく強力な一枚でした。
同系統アルバム
EVOLUTION/UNLUCKY MORPHEUS
UNION GIVES STRENGTH/GALNERYUS
THE WITCH OF THE NORTH/BURNING WITCHES

IMPERIAL DAWN/REXORIA

インペリアル・ドーン/レキソリア

BICKEE MUSIC BKMY-1127 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身の女性ヴォーカルを擁するバンドの三枚目のアルバムです。

 パワフルな女性ヴォーカルが80年代風のキャッチーなメロディを歌い上げていくミッドテンポの1から、ゴールデンエイジのヘヴィメタルサウンドを展開するアルバムは、哀愁メロディが広がるエモーショナルでゴージャスなアップテンポの2、メランコリックなメロディで進むエモーショナルなミッドテンポの3、スリリングなリフとアグレッシヴなヴォーカルが一体となって好き進むファストチューンの4、情感高まるヴォーカルが歌い上げていくパワーバラード風のミッドテンポの5、ドラマティックなイントロからキャッチーなメロディが躍動するキラキラなアップテンポの6、メランコリックなムードが高まるエモーショナルなミッドテンポの7、キラキラメロディが広がるキャッチーなミッドテンポの8、抒情メロディで突っ走るスピードナンバーの9、シンフォニティーのキーボーディストがヴォーカルでゲスト参加したキャッチーなメロディで進む解放感高まるアップテンポの10が収録されています。

 80年代感強まるサウンドを展開していくアルバムは、バトル・ビーストらの影響を受けたバンドのサウンドを踏襲しつつ、安定感のある実直な仕上がりを見せていきます。先行するバンドよりは個性と言う点では見劣りしますが、クオリティは高くなっており安心して聴ける楽曲を揃えています。このままクオリティを高めていってもらいたい一枚でした。
同系統アルバム
CIRCUS OF DOOM/BATTLE BEAST
DARK CONNECTION/BEAST IN BLACK
THE CULT/CRYSTAL VIPER

SHADOWFALL/SILVER BULLET

シャドウフォール/シルヴァー・ブレット

WARD RECORDS GQCS-91273 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの三枚目のアルバムです。ヴォーカリストが交代しています。

 壮大でシンフォニックなイントロダクションに導かれるアルバムは、スリリングなコーラスワークとクランチーなリフで突き進むエッジの効いたドラマティックなスピードナンバーの2から、マイルドなヴォーカルがパワフルに歌い上げていくアルバムは、80年代風のキャッチーなメロディがエモーショナルに迫るミッドテンポの3、メランコリックなイントロから情感豊かに盛り上げていくセンシティヴなミッドテンポの4、ブラインド・ガーディアン感が炸裂する突進パワーメタルナンバーの5、アコースティックギターに導かれるパワーバラードナンバーの6、ソリッドなリフで突き進むパワフルなアップテンポの7、エスニックなムードも孕むダークでミステリアスな劇的ヘヴィナンバーの8、緊迫感高まるコーラスに導かれるエモーショナルでキャッチーなミッドテンポの9、壮大なイントロからの10はソリッドなリフで進むミッドテンポの劇的ナンバー、ボーナストラックには、80年代風のキャッチーなミッドテンポの11、ジューダス・プリーストのカバーの12、壮大なムードが広がるダークなミッドテンポの13、アイスド・アース風の14が収録されています。

 様々なスタイルの楽曲を配してバラエティに富むアルバムになった本作は、新ヴォーカルが楽曲に生命力を与えて豊かに表現しており、バンドのポテンシャルの高さを感じさせます。色々なことが出来過ぎるだけに、バンドの定番スタイルと言ったものが見つけにくい状態にはなっていますが、個々の楽曲のクオリティも高く安定感のあるパフォーマンスも伴って、聴き手に安心感を与えるサウンドが展開されていきます。オーセンティックなヘヴィメタルの様々な魅力を楽しめる一枚でした。
同系統アルバム
VENGEANCE IS MINE/SERIOUS BLACK
MALEDICTUS/SEVENTH STORM
RETURN OF THE DRAGON/SACRED OATH

AT THE HEART OF WINTERVALE/TWILIGHT FORCE

アット・ザ・ハート・オブ・ウィンターヴェイル/トワイライト・フォース

WARD RECORDS GQCS-91274 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの四枚目のアルバムです。

 バンド名を冠するキラキラメロスピナンバーの1からハイトーンヴォーカルとコーラスが高揚感を高めていくアルバムは、ファンタジックなメロディを積み重ねていくドラマティックで壮大な2、ファニーなメロディが躍動するキャッチーでファンタジックなアップテンポの3、繊細なイントロから抒情メロディで突き進む多彩な展開を見せていく10分超えの大作ナンバーの4、壮大なイントロからの5は解放感と飛翔感高まるエピックなアップテンポのナンバー、フォーク風の和やかなムードのインストナンバーの6、キラキラメロディやファニーなフレーズが炸裂するドラマティックなアップテンポのスピードナンバーの7、勇壮なイントロからシネマティックに展開するサウンドトラック風の壮大な大作ナンバーの8が収録されています。

 ファンタジックなメロディックメタルを追求していくバンドですが、ランニングタイム自体は短いものの充実したアルバムでバンドの目指すスタイルとしては完成された感を与える楽曲を揃えており、完成度と没入度の高いサウンドが眼前に繰り広げられていきます。もうやるべき事はやりきった印象が強いので、同じ路線を継続しないのであれば、次のアルバムはオーケストラアルバムとかサウンドを更に先鋭化させていくか、路線変更してガッカリされるかの二択かなって感じのバンドの全身全霊を注ぎ込んだ渾身の一枚でした。
同系統アルバム
WITH THE MAGIC OF WINDFYRE STEEL/POWER PALADIN
THE SABERLIGHT CHRONICLES/FELLOWSHIP
MARCO POLO: THE METAL SOUNDTRACK/SYMPHONITY





Februaly

DELAIN | IN FLAMES | LOVEBITES | XANDRIA |

DARK WATERS/DELAIN

ダーク・ウォーターズ/ディレイン

VICTOR VICP-65609 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 オランダ出身のシンフォニックメタルバンドの七枚目のアルバムです。中心人物であるキーボーディスト以外の、オリジナルメンバーや過去参加したメンバーなどを含めてメンバーを一新して制作しています。

 ロマンティックなメロディを歌い上げていくソフトな女性ヴォーカルに導かれる抒情感の強いミッドテンポの1から、シンフォニックで美しいサウンドが展開されていくアルバムは、ソリッドなリフで進むグロウルも加わったダイナミックで重厚なミッドテンポの2、タイトなビートとリフで進むエモーショナルでセンチメンタルなミッドテンポの3、壮麗なイントロからの4はソリッドなリフとコーラスが交錯するミッドテンポのナンバー、壮大なイントロからエモーショナルなメロディが広がるソリッドなアップテンポの5、緊張感高まるシンフォニックなイントロからタイトなリフを刻む圧の強いミッドテンポの6、キャッチーなメロディとクランチーなリフが交錯するミステリアスなミッドテンポの7、鮮やかなメロディで紡いでいくキャッチーなミッドテンポの8、スリリングなイントロからダークなリフを刻んでいく男性ヴォーカルも加わったシリアスなミッドテンポの9、豪華なコーラスと共に進むドラマティックな展開を見せるミッドテンポの10、11は2のピアノバージョンが収録されています。

 メンバーが変わっても作風には変わりなく、これまで通りのクオリティを維持しているアルバムは、壮大だったり流麗だったりするサウンドが充満しており、聴き手の期待を裏切らない仕上がりになっています。アルバム全体としては似たような曲調が多いので、多少平坦な印象があったりしますが、確かなパフォーマンスと良好なプロダクションによって充分な満足感を得られる一枚です。
同系統アルバム
THE WONDERS STILL AWAITING/XANDRIA
THE ALCHEMY PROJECT/EPICA
BEYOND IMAGINATION/SLAVERTY

FOREGONE/IN FLAMES

フォーゴーン/イン・フレイムス

WARD RECORDS GQCS-91271 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの14枚目のアルバムです。ギタリストに元ジャグ・パンツァーメガデスのクリス・ブロデリックを迎えて制作されています。

 メランコリックなアコースティックのイントロダクションで始まるアルバムは、ソリッドなリフをアグレッシヴに叩きつけていく攻撃的でダイナミックな2から、メロディックなサウンドを展開していくと、タイトなリフで圧を強めていくアグレッシヴでエモーショナルなアップテンポの3、タイトなリフとエモーショナルなメロディが交錯するミッドテンポの4、高圧のリフで押し込んでいく抒情スピードナンバーの5、エモーショナルでメランコリックなミッドテンポの6、バラード風ナンバーの7、ヘヴィリフで突き進むエモーショナルでアグレッシヴなミッド〜アップテンポの8、タイトなリフで威圧感を高めて進むヘヴィナンバーの9、タイトなリフに抒情メロディを乗せていくフックのあるミッドテンポの10、メランコリックなムードが高まるエモーショナルなミッドテンポの11、タイトなリフで突き進む威圧感の強いエモーショナルなミッドテンポの12が収録されています。

 初期に戻った!とすっかりメディアに煽られていましたが、全体としてみれば初期のテイストを取り込んでいるものの、これまでのバンドのスタイルを満遍なく取り入れたサウンドに仕上げられており、どの時代のファンも満足出来るような出来ないようなそんな感じ。最近からのファンの方が満足できる率が多そうな楽曲は、やっぱりモダンな印象の強いものが揃っており、現在進行形のバンドの姿を映し出していきます。初期メロデス路線とかもう帰ってこないんや!みたいな覚悟を今更ながら決めさせる独自路線を追求していく一枚でした。
同系統アルバム
ÖVERGIVENHETEN/SOILWORK
IN THE COURT OF THE DRAGON/TRIVIUM
TOWARDS THE DYING LANDS/HORIZON IGNITED

JUDGEMENT DAY/LOVEBITES

ジャッジメント・デイ/ラヴバイツ

VICTOR VICL-65777 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 国産レディースバンドの四枚目のアルバムです。バンドの創始者が脱退し、活動が危ぶまれていましたが新しいベーシストが加入して制作されています。

 エピックでドラマティックなイントロを経て、アグレッシヴでワイルドなリフを叩きつけていく攻撃的なファストナンバーの1から、テンションの高いハイトーンヴォーカルが叫ぶハイエナジーなヘヴィメタルを展開していくと、新ふぉにっ区でドラマティックなイントロからムードを引き継ぐ2はスリリングなリフと鮮やかな展開で突き進む様式美スピードナンバー、抒情メロディで突っ走る劇的スピードナンバーの3、アイアン・メイデン風味なドライヴ感の強いキャッチーなアップテンポの4、勢いのあるコーラスとソリッドなリフで押し込んでいくアグレッシヴなアップテンポの5、湿ったメロディで突っ走る劇的メロディックスピードメタルナンバーの6、80年代風のキャッチー感があふれるアップテンポのハードロックナンバーの7、抒情メロディと躍動するリフが一体となって突き進むネオクラスピードナンバーの8、不穏なイントロからクランチーなリフが叩きつけられていくスラッシュナンバーの9、緊迫感高まるイントロから最速のスピードで駆け抜ける疾走ナンバーの10が収録されています。

 バンドの危機を乗り越えて心機一転で送るアルバムは、スピード、パワー、メロディの三大要素を限界突破で強化しつつ、バンドに影響を与えたであろうバンド群をリスペクトするサウンドを作り出しており、バラードナンバーを収録しないというあたりにもバンドの気概を見せつけていきます。強さを前面に押し出した聴き手が予想するリミッターを全力で越えていく楽曲は、怖いもの知らずのデビュー作みたいな空気を生み出していきますが、これが新生ラヴバイツの一枚目ということになれば、バンドの信じるヴィメタルを提示するという意味では当然と言った感じでしょうか。力こそパワー、みたいな拳を上段に振り上げて聴き手をぶん殴っていく、色々とやりすぎ感がエクストリームな生き急いでるみたいな気迫に満ちた一枚でした。
同系統アルバム
EVOLUTION/UNLUCKY MORPHEUS
MARY'S BLOOD/MARY'S BLOOD
THE WITCH OF THE NORTH/BURNING WITCHES

THE WONDERS STILL AWAITING/XANDRIA

ザ・ワンダーズ・スティル・アウェイティング/キサンドリア

MARQUEE MICP-11766 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ出身のバンドの8枚目のアルバムです。中心人物以外のメンバーを一新して制作されています。

 壮大なイントロダクションで幕を開けるアルバムは、女性ソプラノヴォーカルが繊細に歌い上げダイナミックで豪華なオーケストレーションがシンフォニックに展開していくスケール感の大きい1から、鮮やかなサウンドを作り出していくと、スリリングなコーラスワークに導かれる2はドライヴするリフで突き進む緊迫感高まるドラマティックなアップテンポのナンバー、哀愁メロディが広がっていく3はグロウルも加えつつスケール感を高めていくエモーショナルでソリッドなミッドテンポのナンバー、リッチなコーラスのイントロから繊細なメロディで進むメランコリックなミッドテンポの4、スリリングなリフとコーラスで突っ走る劇的シンフォニックスピードナンバーの5、センチメンタルなメロディを紡ぐパワーバラードナンバーの6、緊張感高まるイントロからエモーショナルなヴォーカルとソリッドなリフが交錯するタイトでドラマティックなミッドテンポの7、劇的展開で突き進むアップテンポのスピードナンバーの8、メランコリックなムードが広がるドラマティックでエモーショナルなミッドテンポの9、タイトなリフとエモーショナルなヴォーカルが一体となって迫るダイナミックなミッドテンポの10、メランコリックなメロディが広がるシンフォニックなミッドテンポの11、シンフォニックに突き進む怒涛の劇的ナンバーの12、エスニックなイントロからオーケストレーションとタイトなリフが固まって進むミステリアスなムードが高まる大作ナンバーの13が収録されています。

 壮大なシンフォニックメタルを作り出していくアルバムは、メンバーが一新されても本質は変わることのないサウンドを展開しており、さらに絢爛豪華になった楽曲を揃えて世界観を強化していきます。オーケストレーションの圧倒的な音の奔流で聴き手を飲み込んでいくサウンドは、バンド感が薄まっていたり、女性ヴォーカルがバックに押し負ける場面もあったりと、何だかソロプロジェクトっぽくなってる感が強いですが、依然として高いクオリティを維持している、音もタップリ曲もタップリのお腹いっぱいになる一枚でした。
同系統アルバム
ΩMEGA/EPICA
OUR STORIES/LIV MOON
LEVIATHAN II/THERION





March

GALNERYUS | HAKEN | KAMELOT | MYSTIC CIRCLE | NIGHT DEMON | SUICIDE SILENCE |

BETWEEN DREAD AND VALOR/GALNERYUS

ビトウィーン・ドレッド・アンド・バロー/ガルネリウス

WARNER MUSIC WPCL-13466 [EXTRA] >>>>>BUY...?

 国産メタルバンドによる1年半ぶりのスペシャルアルバムです。

 スリリングかつテクニカルに展開するイントロダクションから、緊迫感高まるイントロからドラマティックにプログレッシヴに展開する大作スピードナンバーの2、抒情メロディで突っ走るスピードナンバーの3、エモーショナルなメロディが鮮やかに歌い上げられていくメランコリックでドラマティックなミッドテンポの4、キラキライントロから抒情リフで進むエモーショナルで勇壮さも孕んだアップテンポの解放感高まる5、高揚感とテンション高まるエピックメタルナンバーの6、センチメンタルなインストナンバーの7、8はアニメ「終末のワルキューレ II」でヴォーカリストの小野正利が歌っていたエンディング曲のバンドバージョンが収録されています。

 前に出たミニアルバムと合わせたらフルアルバムになったんじゃない…?(;´Д`)みたいな何だか小出しにされてる感が無くもない一枚ですが、クオリティの方は安定のガルネリウス節、前作のEPよりは明るめの曲調が多くなっています。このクオリティでもフルアルバムに仕上げないあたり、次のフルアルバムに求めるクオリティってどういう感じ?…って思いが高まる一枚でした。
同系統アルバム
ME7AMORPHOSIS/HIBRIA
EMPEROR RISING/KRILLOAN
HEGEMONY SHIFT/AGNES

FAUNA/HAKEN

ファウナ/ヘイケン

SONY MUSIC SICP-6506 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 英国産プログレッシヴメタルバンドの七枚目のアルバムです。キーボードに元メンバーが戻ってきています。

 ノイジーでヘヴィなイントロから浮遊感のあるヴォーカルが歌い上げていくテクニカルでエモーショナルなミッドテンポの1で始まるアルバムは、モダンなフィーリングが高まるサウンドを作り出していくと、多彩な展開で進むキャッチーでプログレッシヴな2、エレクトロなポップ感で進むエモーショナルなミッドテンポの3、浮遊感のあるメロディとテクニカルなフレーズが交錯するエモーショナルなミッドテンポの4、ミステリアスなムードが広がるダークなミッドテンポの5、アンビエントな空気感が高まるソフトなパートからテクニカルに展開していくムーディなミッドテンポの6、緊張感高まるイントロからポップなメロディを紡ぐダイナミックな展開を見せるAOR風味のミッドテンポの7、クィーンみたいなイントロから芳醇なメロディ満載の70年代風プログレッシヴロックが展開される大作ナンバーの8、繊細なメロディで進む穏やかなパートからドラマティックに展開する9、ボーナストラックには、アンビエントなインストナンバーが収録されています。

 新たな作風を模索していくアルバムは、抒情性の強いメロディを軸にモダンなサウンドを展開しており、予定調和に陥らないプログレッシヴな楽曲を揃えています。やりすぎないメタリック感とクリーンヴォーカルの表現力を活かして、複雑さと聴きやすさが両立するサウンドを作り出しており、様々なスタイルを取り込んでバランス良く仕上げています。ポスト・ロックを取り込んでプログレスしていく、今を映し出す一枚でした。
同系統アルバム
PROJECT CIPHER/THE WRING
RUINS/EMBER FALLS
ALTER ECHO/DIZZY MIZZ LIZZY

THE AWAKENING/KAMELOT

ジ・アウェイクニング/キャメロット

KING RECORDS KICP-4047 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産バンドの13枚目のアルバムです。ドラマーにメコン・デルタやサイラなどで活動するアレックス・ランデンバーグを迎えて制作しています。

 ミステリアスで壮大なイントロダクションで始まるアルバムは、ドラマティックに展開し厚いコーラスで盛り上げるアップテンポのスピードナンバーの2で、芳醇なメロディとエモーションを炸裂させていくと、タイトなリフと抒情メロディが一体となって進むダークなムードも醸し出すエモーショナルなアップテンポの3、エスニックなイントロからソリッドなリフを叩きつけていく緊張感高まるダークなヘヴィナンバーの4、スリリングなイントロからドラマティックに飛翔するダイナミックなスピードナンバーの5、メランコリックなイントロからの6は情感が高まるアコースティックのバラードナンバー、ダイナミックなイントロからタイトなリフで進んでいくエモーショナルでドラマティックなミッドテンポの7、ダークでシリアスなムードが広がるタイトなミッドテンポの8、ヘヴィリフにタイトなビートとエモーションが拮抗するドラマティックな9、壮大なコーラスに導かれる10はミステリアスで妖艶なムードを高めて進む女性ヴォーカルにグロウルも加えたドラマティックなミッドテンポのエピックナンバー、パワーバラードナンバーの11から、センチメンタルなイントロから壮絶な展開を見せる重厚な劇的ナンバーの12、メランコリックでシンフォニックなアウトロの13、ボーナストラックの14には抒情メロディで駆け抜けるスピードナンバーが収録されています。

 これまでの路線を継承するアルバムは、新機軸などは特に見当たりませんが、バンドの魅力を最大限に引き出す楽曲を揃えて安定感のある作風に仕上げられています。ヴォーカリストもその実力を存分に発揮してルーティン化しそうな楽曲を活力あふれるものへと引き上げています。独自の世界観が聴き手を飲み込んでいく圧倒的な存在感を放つ一枚でした。
同系統アルバム
THE TESTAMENT/SEVENTH WONDER
ME7AMORPHOSIS/HIBRIA
RESCUE/SHAMAN

ERZDÄMON/MYSTIC CIRCLE

エルツデーモン/ミスティック・サークル

WARD RECORDS GQCS-91291 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツの二人ブラックメタルバンドの9枚目のアルバムです。

 煽情性の強いメロディがグロウルに導かれるダイナミックな展開の劇的ナンバーの1から、シンフォニックなブラックメタルが展開されるアルバムは、哀愁帯びたイントロからアグレッシヴにスクリームしていく緩急の強い突進ナンバーの2、メロディックなリフで激走する高圧のスピードナンバーの3、不安感高まるメロディが迫る4は情念高まるヴォーカルが叫ぶ緩急の強いミッドテンポのナンバー、壮大なコーラスから凶暴なビートが荒れ狂うブルータルな5、荘厳なイントロからダークなリフで進むオカルティックな劇的ヘヴィナンバーの6、抒情メロディが広がるエモーショナルでダークなミッドテンポの7、静かなイントロから凶悪なリフとビートが襲い掛かる展開の激しいブルータルな8、抒情メロディで進むダークでオカルティックなミッドテンポの9が収録されています。

 活動再開したと思ったら二年連続でキタ――(゜∀゜)――!!みたいな感じですが、空白期間の鬱憤を晴らすかのように旺盛な創作意欲が爆発する一枚は、エクストリームでありながら聴きやすく仕上げられており、アンダーグラウンドとメインストリームを繋ぐような感触を与えます。自分たちのスタイルを貫く安心感のある一枚でした。
同系統アルバム
EXISTENCE IS FUTILE/CRADLE OF FILTH
MODERN PRIMITIVE/SEPTICFLESH
CERECLOTH/NAGLFAR

OUTSIDER/NIGHT DEMON

アウトサイダー/ナイト・デーモン

WARD RECORDS GQCS-91298 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 NWOBHMの影響下にある米国産バンドの三枚目のアルバムです。

 哀愁帯びたイントロダクションに導かれるアルバムは、抒情メロディを引っさげてアクティヴに突き進むアップテンポの2から、ダイナミックな展開を見せるメタル然とした楽曲を生み出しており、NWOBHM感が高まるドライヴするアップテンポの3、エモーショナルに迫るパワーバラード的なパートからドラマティックに展開する4、ソリッドなリフと湿ったメロディが交錯するロッキンなミッドテンポの5、ドライヴするリフで突き進むアップテンポのスピードナンバーの6、メランコリックなイントロからエモーショナルに展開するパワーバラードの7、静かなイントロからダイナミックなリフを繰り出していくミッドテンポのパートから加速していく緩急の強い8、ボーナストラックには、シン・リジィのカバーの9、ストレートなスピードナンバーの10が収録されています。

 NWOBHMあたりのムードを濃厚に醸し出すサウンドは、かなり70〜80年代のスタイルを作り出しており、手の込んだ展開を見せる楽曲を揃えていきます。味のあるヴォーカルと寂れたメロディが哀愁を生み出しており、伝統的なサウンドが高品質で楽しめます。ボーナストラックを聴く限りでは、まだ潜在能力を隠している感が残りますが、安定感のあるサウンドで駆け抜ける一枚です。
同系統アルバム
EARTH INFERNAL/SATAN
PAID IN FULL/SKULL FIST
PRINCE OF THE TRIBES/REINFORCER

REMEMBER... YOU MUST DIE/SUICIDE SILENCE

リメンバー…ユー・マスト・ダイ/スーサイド・サイレンス

WARD RECORDS GQCS-91297 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産のデスコアバンドの七枚目のアルバムです。

 ノイジーで不穏なイントロに呼び起こされるアルバムは、破壊力のあるタイトなリフを叩きつけていくソリッドでグルーヴィな2から、グロウルで押し切るブルータルなサウンドを展開していくと、ブルータルな突撃リフで口火を切るヘヴィリフのグルーヴが押し寄せる緩急の効いたミッドテンポの3、ダークなリフがグルーヴィに迫る圧の強いヘヴィパートから突進パートを経てソリッドに締めるダイナミックな4、ソリッドなリフで踏みつぶしにかかる緩急の強い5、ブルータルに突進する起伏の大きいダイナミックな6、のたうつグルーヴィなリフで進む密度の高いダークなミッドテンポの7、アグレッシヴなイントロからヘヴィリフで突き進む高圧の8、タイトなリフがブルータルに襲い掛かるアグレッションが炸裂する緩急の強い9、威嚇的に進むタイトなヘヴィナンバーの10、威圧感が高まるブルータルなミッドテンポの11、エスニックなメロディのイントロからやっぱりブルータルに展開していく緩急の強い突進ナンバーの12が収録されています。

 今まで未聴だったので、経緯はよく分かってないですが、何だか原点回帰したみたいなサウンドが展開されているそうです。圧の強い凶悪のサウンドが圧倒的な存在感で繰り広げられる様は、さすがのベテランバンドの凄みをうかがわせます。有無を言わせぬ破壊力を持ったヘヴィな音像を生み出していく一枚でした。
同系統アルバム
IF THE SKY CAME DOWN/LOST SOCIETY
ECHOES OF THE SOUL/CRYPTA
CANCER CULTURE/DECAPITATED





April

HELL THEATER | IRONMASTER | MAJESTIES | MAJESTY | METALLICA | OVERKILL | THE WRING |

S'ACCABADORA/HELL THEATER

アカバドーラ/ヘル・シアター

WORMHOLEDEATH JAPAN BITX-1249 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア産ホラーメタルバンドの2022年に発表された二枚目のアルバムです。

 オカルティックなムードが高まるエキセントリックなナレーションを絡めたイントロダクションで始まるアルバムは、ダイナミックなリフとヒステリックなハイトーンヴォーカルが交錯するシアトリカルなアップテンポの2から、怪しげなムードを高めていき、スリリングなイントロから緊迫感を高めていく緩急の強いミッド〜アップテンポの3、不穏なイントロからミステリアスに進行するエキセントリックでダークなミッドテンポの4、ハイテンションで突っ走るスリリングなスピードナンバーの5、ダークなメロディで進むソリッドでエキセントリックなミッドテンポの劇的ナンバーの6、メランコリックなパートからエモーショナルに展開するドラマティックなミッドテンポの7、ダイナミックに突っ走るファストチューンの8のA、オペラティックでエモーショナルなB、ジューダス・プリースト感もあるオーセンティックなメタルナンバーの9、オカルティックなイントロからのドライヴするスピードナンバーの10、オペラティックで荘重な雰囲気のアウトロの11が収録されています。

 キング・ダイアモンドなどの影響を受けるサウンドは、オカルト色の強いスタイルを追求しており、正統派メタルやスラッシュメタル的なアプローチもシアトリカルな楽曲に彩りを与えています。様々な音楽要素を詰め込んで作品の世界観を構築していく目論見は、バンドのビジョン通りに展開していると思われ、没入度の高いサウンドが作り出されていきます。イタリアっぽいオカルト感が堪能できる構築性の高い一枚でした。
同系統アルバム
OVERTAKER/HAMMERS OF MISFORTUNE
SCHYSMA/SCHYSMA
FIRESCORCHED/SADIST

WEAPONS OF SPIRITUAL CARNAGE/IRONMASTER

ウェポンズ・オブ・スピリチュアル・カーネッジ/アイアンマスター

SPIRITUAL BEAST IUCP-16360 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スカー・シンメトリーのロバート・カールソン、元カーナル・フォージ等のヨナス・キェルグレン、ダーク・フューネラルのヤンネ・ヤロマの三人によるスウェーデン出身のデスメタルスーパーバンドの二枚目のアルバムです。

 凶暴なリフが荒れ狂う荘厳さも孕むブルータルな突進ナンバーの1から、エクストリームなサウンドが充満していくアルバムは、破壊力全開の凶悪なリフとビートが押し寄せる怒涛のブルータルパートからメロディックなパートへの移行のコントラストも強いテクニカルな突撃ナンバーの2、高圧なリフとメランコリックなフレーズが交錯するダイナミックな突撃ナンバーの3、クランチーなリフで突っ走る緩急の強いスラッシーな4、凶暴なリフが乱舞する展開が複雑なブルータルな5、メランコリックなイントロからブルータルなリフで突進する緩急の強いダイナミックなファストチューンの6、メロディアスなインストナンバーの7から、凶悪なリフが襲い掛かる攻撃的な突進ナンバーの8へ。怒涛のリフの嵐が吹き荒れるテクニカルでブルータルな9、複雑に展開するリフが押し寄せる緩急も強いダイナミックでドラマティックな10、ボーナストラックには日本語曲名のエモーショナルなインストナンバーが収録されています。

 バンド名だけ見たら、どこのB級パワーメタルバンドだって感じでしたが、デスメタル界隈の実力者が集まったバンドと言うことで、期待値も高まるアルバムで前評判に違うことないブルータルでテクニカル、さらにはメロディックな要素もアピールしていくエクストリームな仕上がりを見せていきます。パフォーマンスやプロダクションもさすがのクオリティを見せており、経験値の高いメンバーの実力を存分に発揮しています。オールドスタイルのデスメタルの系譜を受け継ぐ、ハイブリッドなスタイルを追求していく一枚でした。
同系統アルバム
CANCER CULTURE/DECAPITATED
INHUMAN SPIRITS/DARKANE
A VALEDICTION/OBSCURA

VAST REACHES UNCLAIMED/MAJESTIES

ヴァスト・リーチズ・アンクレイムド/マジェスティーズ

MARQUEE MICP-11785 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2016年にアメリカで結成されたバンドのデビューアルバムです。

 哀愁帯びたメロディアスなリフとグロウルが交錯するダイナミックでドラマティックな1から、北欧風味のメロディックデスメタルが展開されるアルバムは、抒情メロディがエモーショナルに迫るタイトなミッドテンポの2、メロディアスなリフでドライヴしていくフックの強いミッドテンポの3、抒情メロディが広がる情感高まるミッドテンポの4、哀愁メロディが押し寄せるエモーショナルなミッドテンポの5、メロディとリフが一体となって突き進むファストチューンの6、圧の強いソリッドなリフで押し込んでいくダイナミックなアップテンポの7、抒情リフが積み重ねられていくタイトなアップテンポの8、アグレッシヴなリフで突っ込んでいく緩急の強いダイナミックな9、パワフルなビートとスケール感のあるメロディが交錯する展開の大きいミッドテンポの10が収録されています。

 初期のダーク・トランキュリティー的な北欧メロディックデスメタルに回帰するサウンドは、当時の空気感を再現して見せる仕上がりになっており、デビューアルバムにして完成度が高いものとなっています。最近のモダンにシフトするメロデス界隈の傾向に、一周回って真っ向から立ち向かう様に往年からのファンは喝采を上げそうです。とは言え、先人たちがかなり開拓してしまったスタイルなので、今後の方向性が危ぶまれますが、期待の高まる求心力の強い一枚でした。
同系統アルバム
REBORN/SERENITY IN MURDER
SEVEN/MORS PRINCIPIUM EST
PALO/KALMAH

BACK TO ATTACK/MAJESTY

バック・トゥ・アタック/マジェスティ

WARD RECORDS GQCS-91305 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ドイツ産パワーメタルバンドの10枚目のアルバムです。

 ナレーションが壮大なオーケストレーションを導くイントロダクションで幕を開けるアルバムは、勇ましいムードが高まるパワフルでタイトなアップテンポの2から、ハスキーヴォーカルが情感込めて歌い上げていき、厚いコーラスを絡めて進むエピック感の高まるソリッドなミッドテンポの3、タイトなリフで進むエピックメタルナンバーの4、ドラマティックなイントロから抒情メロディで進むエモーショナルなアップテンポの5、80年代風なキャッチーなメロディが広がるエモーショナルなミッドテンポの6、ソリッドなリフで押していく勇ましいミッドテンポの7、エモーショナル&ダイナミックに突き進むアップテンポの8、エピックでエモーショナルなミッドテンポの9、パワーバラードナンバーの10、タイトなリフで進軍するマーチ風のエピックナンバーの11、ボーナストラックの12には、湿ったメロディで突っ走るスピードナンバーが収録されています。

 かなりのベテランバンドの日本デビュー作ですが、このアルバムをもって解散ですってよ奥さん!Σ(゜Д゜)たしかにバンドの総決算と言うムードは漂ってますが、メロディやパワフルさも十二分に整っており、まだまだバンドを続けられそうな雰囲気はタップリ。まあ、気が変わったり、数年後に再結成とかアーティストは色々あるので、話半分に聞いておこう。そんなわけで、マノウォーヴァージン・スティールあたりの系譜に連なるサウンドは熟成された味わいを聴かせており、キャッチーだったりエピックだったりする楽曲を揃えて高揚感のある仕上がりを見せていきます。多分、遡ったりすると色々とガッカリしそうですが、ベテランらしい安心感のある一枚でした。
同系統アルバム
ACTA EST FABULA/PHOENIX RISING
THE WAR TO END ALL WARS/SABATON
RETURN OF THE DRAGON/SACRED OATH

72 SEASONS/METALLICA

72シーズンズ/メタリカ

UNIVERSAL MUSIC UICY-16145 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産ビッグバンドの11枚目のアルバムです。

 不穏なムード漂うイントロからアグレッシヴなリフで突き進むダイナミックなアップテンポの1から、タイトなリフでロックしていくミッドテンポの2、NWOBHM感があらわれるドライヴするアップテンポの3、ルーズなリフでロックしていくミッドテンポの4、黒いアルバムで聴いたことあるみたいなヘヴィナンバーの5、ルーツに忠実にドライヴィンに突っ走るファストチューンの6、ダークなイントロからグルーヴィに進むミッドテンポの7、ダークな序盤からアクティヴなコーラスに繋ぐミッドテンポのロックナンバーの8、ダークなリフを積み重ねていく9、哀感メロディを孕んでロックするアップテンポの10、タイトなリフで進むアップテンポの11、グルーヴィに展開していく長尺ナンバーの12が収録されています。

 序盤では、初期っぽいムードもありちょっと期待感が高まりましたが、終わってみれば近年の冗長さでいっぱいのメタリカ、みたいなアルバムで、ギターソロはここ最近では一番頑張ってる印象が強いです。曲自体の出来が他のアルバムのアウトテイクかなってくらいのものなので、サザンロックだったり、ヘヴィロックだったり色々な要素を今作でも取り入れていますが、ソングライターが変わったわけでもないので、マンネリ感もこれまで通り。アルバムを発表することに意義があるみたいな大御所の無理せずロックする一枚でした。
同系統アルバム
EARTH INFERNAL/SATAN
REMOTE CONTROL/ARCHED FIRE
SERMONS OF THE SINNER/KK'S PRIEST

SCORCHED/OVERKILL

スコーチド/オーヴァーキル

WARD RECORDS GQCS-91303 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産ベテランスラッシャーの20枚目のアルバムです。

 緊張感高まるイントロからクランチーなリフが迫るダイナミズム高まるアグレッシヴなミッド〜アップテンポの1から、不穏なイントロがヘヴィリフを呼び起こすダークなミッドテンポのパートから加速していく2はU.D.O.みたいなコーラスで盛り上がります。クランチーなリフで突き進むアグレッシヴな突進ナンバーの3、不吉なイントロからクランチーなリフが荒れ狂う怒涛のスラッシュナンバーの4、ラウドなリフで進むヘヴィロックナンバーの5、ドライヴするリフで突き進む躍動的なアップテンポの6、エモーショナルなヴォーカルに導かれる7はダークでミステリアスなムードが高まるミッドテンポのナンバー、唸りを上げるギターリフで突っ走るハイテンションの突撃ナンバーの8、クランチーなリフが押し寄せるソリッドなアップテンポの9、タイトなリフで進むロッキンなミッドテンポの10が収録されています。

 コロナ禍もあって、バンドとしては比較的長いスパンでの発表となったアルバムは、製作期間の長さもあってより練りこまれた楽曲を揃えており、バラエティにも富んだスタイルもあって新鮮さも感じさせるものとなっています。バンドの核となるスラッシュメタルを押さえつつも、メロディや曲展開などに工夫を凝らして、スピード一辺倒ではない充実した作品に仕上げています。ベテランバンドの余裕と意欲を併せ持つ色彩豊かな一枚でした。
同系統アルバム
ANGELUS APATRIDA/ANGELUS APATRIDA
DIABOLICAL/DESTRUCTION
SHATTERING REFLECTION/EVIL INVADERS

SPECTRA/THE WRING

スペクトラ/ザ・リング

WORMHOLEDEATH JAPAN BITX-1250 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 カナダ出身のプログレッシヴメタル・プロジェクトの第三弾です。中心人物のドン・デウルフ以外のメンバーを刷新して制作しています。

 フックのあるメロディを伴って当たりの柔らかいヴォーカルが歌い上げていくアップテンポの1から、テクニカルに進行するサウンドが展開されるアルバムは、捻りを利かせたメロディとリフが一体となって迫るミッドテンポの2、ソリッドなリフで突き進むドライヴ感の強いアップテンポの3、ミステリアスなムードで進むソリッドなインストナンバーの4、ダークなムードがエモーションを導いていくタイトなミッドテンポの5、トリッキーなリズムを刻むエモーショナルでタイトなミッドテンポの6、ダイナミックに進むパワフルでテクニカルなミッドテンポの7、ヘヴィリフで進むダークでタイトなミッドテンポの8が収録されています。

 メンバーは一新されましたが、80年代プログレッシヴロックの影響下にあるサウンドは変わりなく、エモーショナルで適度にテクニカルなプレイが充満するアルバムは、カナダ産バンドらしいムードを高めていきます。テクニックを前面に押し出さない聴きやすいサウンドが作り出す、スムースな楽曲が堪能できる一枚でした。
同系統アルバム
DIVIDING LINES/THRESHOLD
SYNCHRO ANARCHY/VOIVOD
THE GHOST XPERIMENT - ILLUMINATION/VANDEN PLAS





May

BATTLE BORN | BURNING WITCHES | ENFORCER | KALMAH | NARNIA | UNEARTH |

BLOOD, FIRE, MAGIC AND STEEL/BATTLE BORN

ブラッド、ファイア、マジック・アンド・スティール/バトル・ボーン

BICKEE MUSIC BKMY-1129 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2018年に結成された英国産バンドのファーストアルバムです。

 壮大なイントロダクションに導かれていくアルバムは、パワーヴォーカルが勇壮なメロディを高らかに歌い上げていくドラマティックなスピードナンバーの1から、メロディックなパワーメタルを作り出していくと、80年代感高まるキャッチーなメロディで進むキラキラ感のあるミッドテンポの2、抒情イントロからパワフルに突っ走る勇壮なスピードナンバーの3、マノウォー風味の80年代メタルナンバーの4、哀愁メロディで突き進むサバトン風味のアップテンポのキャッチーな5、センチメンタルなメロディで進んでいくバラードナンバーの6、抒情メロディから勇壮さを高めていくキャッチーでパワフルなアップテンポの7、勇壮なミッドテンポのエピックナンバーの8、郷愁誘うメロディと勢いのあるキャッチーなヴォーカル&コーラスが交錯するアップテンポの9、抒情メロディで突き進むソリッドなミッドテンポの10、情感豊かに突き進んでいくドラマティックなメロディックナンバーの11が収録されています。

 熊人間か…'`,、(´∀`) '`,、そんなわけで、マノウォーとビースト・イン・ブラックを混ぜ合わせたみたいなサウンドが展開されていくアルバムは、エピックなナンバーとキャッチーなナンバーが入り乱れるメロディックメタルを作り出しており、新人らしからぬ安定感のあるパフォーマンスで聴き手を惹きつけていきます。エリック・アダムス風のヴォーカルと80年代的なムードの楽曲は2020年代感は皆無でオリジナリティもそこまでではないですが、組み合わせ的にはちょっと珍しいので、今後への期待感が高まります。ジャケットのイメージとは少し違うサウンドが展開されるものの、活きのいいメロディックメタルを楽しめる一枚でした。
同系統アルバム
BACK TO ATTACK/MAJESTY
CIRCUS OF DOOM/BATTLE BEAST
EMPEROR RISING/KRILLOAN

THE DARK TOWER/BURNING WITCHES

ザ・ダーク・タワー/バーニング・ウィッチーズ

WARD RECORDS GQCS-91314 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スイス出身のフィメールバンドの5枚目のアルバムです。

 物悲しいメロディを響かせるダークなイントロダクションから、タイトでストロングなギターリフで押し込んでいくタフでアグレッシヴなアップテンポの2で、パワフルなヴォーカルとソリッドなサウンドを叩きつけていくアルバムは、オーセンティックなメタルリフで押し込んでいくダイナミズム高まるソリッドなミッドテンポの3、エキセントリックなイントロからタイトなリフで圧倒していくダークで威嚇的なヘヴィナンバーの4、ダークなリフが押し寄せるソリッドでエモーショナルなミッドテンポの5、抒情メロディを紡いでいくパワーバラードナンバーの6、ホラー風味のインターミッションから、ダークなリフが展開されるストロングでダイナミックなミッドテンポの8へ。タイトなリフとタフなメロディで進むミッドテンポの9、ホーリー・ダイヴしそうなヘヴィナンバーの10、ソリッドなリフが押し寄せる圧力の強いイーヴルなミッドテンポの11、重厚なリフで進むエピックメタルナンバーの12、タイトなリフで押し込んでいくダイナミックなミッドテンポの13が収録されています。

 剛腕を振りかざす正統派メタルサウンドが展開されていくアルバムは、楽曲の強靭さが更に強化されて、有無を言わさぬ迫力に満ちており、ヘヴィメタルを文字通り音にしたような楽曲を揃えています。やたらと曲の圧が強いため、メロディ成分が弱めになっていますが、楽曲自体は多種取り揃えており、工夫を凝らしているのは見て取れます。同じようなトーンの曲が続くため、アルバム一枚聴くとお腹いっぱいになってしまいますが、ヘヴィメタル然としたヘヴィメタルが詰め込まれた一枚でした。
同系統アルバム
SERMONS OF THE SINNER/KK'S PRIEST
FIREPOWER/JUDAS PRIEST
TOO MEAN TO DIE/ACCEPT

NOSTALGIA/ENFORCER

ノスタルジア/エンフォーサー

WARD RECORDS GQCS-91312 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの6枚目のアルバムです。

 哀愁帯びたイントロから、ドライヴする抒情リフで突き進むキャッチーなアップテンポのスピードナンバーの2へと進行するアルバムは、テンションがかなりオープニングナンバーな全力疾走していくファストチューンの3、80年代のMTV感が高まるエモーショナルでポップ感高まるミッドテンポの4、オーセンティックなメタルリフが炸裂するドライヴ感の強いスピードナンバーの5、どこのライオットだって言うド直球な正統派メタルをやってみせるアップテンポの6、抒情感高まるバラードナンバーの7、タイトなリフで進むポップなミッドテンポの8、曲名で察するブラックモアなムードのアップテンポの9、なぜかスペイン語で唄う爆走ファストチューンの10、かなりのLAメタルを披露するアップテンポの11、キレのあるリフで突き進むキャッチーで躍動感高まるスピードナンバーの12、スリリングなリフで突っ走るファストチューンの13が収録されています。

 前作では色々と楽曲の幅を広げていこうという目論見が見られましたが、やっぱり初期の路線を追求することにしたわー、みたいなアグレッションとスピード感が強まったサウンドが展開されているアルバムは、分かりやすさと親しみやすさが増量中で、あぁこれこれって感じです。初期のスタイルに戻ったのは、バンド的には進歩しているか後退しているかは微妙なところですが、とりあえず隆盛だったころのヘヴィメタルを思い出させる一枚でした。
同系統アルバム
OUTSIDER/NIGHT DEMON
EARTH INFERNAL/SATAN
PAID IN FULL/SKULL FIST

KALMAH/KALMAH

カルマ/カルマ

MARQUEE MICP-11792 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの9枚目のアルバムです。

 緊迫感高まるイントロからダイナミックなギターリフとグロウルが炸裂していくアップテンポの1から、抒情メロディが押し寄せるメロディックデスメタルの本流を突き進んでいくアルバムは、ソリッドなリフと哀愁メロディが交錯するエモーショナルなミッドテンポの2、抒情メロディが唸りを上げるダイナミックなファストチューンの3、繊細なチェロの響きに導かれる4はディープヴォイスで唄うエモーショナルなミッドテンポのナンバー、タイトなリフとメロディにダイナミックな展開で突き進むドラマティックな5、ダークなイントロからヘヴィリフを繰り出していくエモーショナルなスローパートから一気に加速していくドラマティックな6、躍動感のあるリフとメロディが交錯するパワフルで勢いのあるミッド〜アップテンポの7、哀愁メロディに導かれる8はタイトなリフと情念が一体となって迫るミッドテンポのナンバー、アグレッシヴに突き進んでいくリフとメロディが交錯するファストチューンの9、ピアノの響きに導かれる10はディープヴォイスが情念を高めるメランコリックなミッドテンポのナンバー、ボーナストラックの11は抒情メロディと躍動するリフが一体となって進むアップテンポのナンバーが収録されています。

 北欧メロディックデスメタルを体現するアルバムは、聴き手を次から次へと繰り出されていくメロディの奔流で押し流していくサウンドが作り出されており、初期の作風に近いスタイルを提示しています。アグレッションもそこそこ感じられますが、圧倒的なメロディの渦が印象的で、メロディ特化のメロデスの極北を突き進んでいきます。メロデスの一つの完成形を導きだしていく一枚です。
同系統アルバム
VAST REACHES UNCLAIMED/MAJESTIES
IN CONTINUUM/DESTINITY
SEVEN/MORS PRINCIPIUM EST

GHOST TOWN/NARNIA

ゴースト・タウン/ナーニア

BICKEE MUSIC BKMY-1130 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの9枚目のアルバムです。

 フォーク風味のイントロからソリッドなリフとパワフルなヴォーカルが交錯するミッドテンポの硬質なメロディックメタルが展開される1から、緊迫感高まるイントロからタイトなリフで進むダイナミックな展開のミッドテンポの2、80年代風のキーボードに導かれるエモーショナルでタイトなミッドテンポのロックナンバーの3、ドライヴ感の強いリフで突き進むソリッドなアップテンポの4、抒情性高まるメロディで迫るエモーショナルでメランコリックなミッドテンポの5、抒情メロディとメタリックなリフが交錯する情感高まるミッドテンポの6、ソリッドなリフとエモーショナルなヴォーカルが重なりあうミッドテンポの7、ヘヴィリフとエモーショナルなヴォーカルが迫るプログレッシヴ感のあるダークなミッドテンポの8、ミステリアスなイントロからスケール感の大きい世界観が広がっていくドラマティックな9、ダイナミックなリフとパワフルなヴォーカルが交錯するネオクラシカルなミッドテンポの10が収録されています。

 ネオクラ路線は影を潜めてソリッドなメロディックメタルを作り出していくアルバムは、パワフルなメロディは健在ながらも、ファンタジックなムードもなくストロングなメタルサウンドに仕上げられています。スタイルは変わったもののクオリティの高さを維持しており、ヘヴィメタルとしては充分な出来栄えになっています。ヴォーカルが変わっていた頃のスタイルをやっぱり継続したかったんですかね、って印象の残るソリッドな一枚です。
同系統アルバム
FIREWIND/FIREWIND
VENGEANCE IS MINE/SERIOUS BLACK
DIVIDING LINES/THRESHOLD

THE WRETCHED;THE RUINOUS/UNEARTH

ザ・レチッド;ザ・ルーイナス/アンアース

DIW on METAL DYMC-6090 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 8枚目のアルバムです。

 ソリッドなリフとビートが叩きつけられていく緩急の効いたアグレッシヴでエモーショナルなミッドテンポの1から、情感高まるグロウルが叫ぶメタルコアサウンドを作り出していくと、高速ビートで突っ走る突撃パートからブレイクダウンしながら突き進むヘヴィ&ファストナンバーの2、クランチーなリフが迫るファストからヘヴィを行き来するソリッドなナンバーの3、メランコリックなイントロからエモーショナルに進むダークでヘヴィなパートを経て突っ走っていく4、高速ギターリフで突き進んでいくファストナンバーの5、キャッチーなメロディとテンション上げるヴォーカルを高圧のリフで押し込んでいくミッドテンポの6、不穏なムードを高めていくイントロから加速していくダイナミックなアップテンポの7、メランコリックなインストナンバーの8から、タイトなリフとエモーショナルなヴォーカルで迫るダイナミズム高まるミッドテンポの9へ。ダークなイントロからロックしていくソリッドでヘヴィな10、タイトなリフで圧倒していくドライヴ感のあるミッドテンポの11が収録されています。

 実験的だったらしい前作を経ての今作は、彼ららしいサウンドが充満するメタルコア然とした楽曲を揃えてダイナミックに進んでいきます。ベテランバンドらしい余裕とスタイルを磨き上げていく強靭な意志を感じさせるサウンドが、バンドのアイデンティティを更に強化していきます。これまで培ってきたサウンドを安定感高めて作り出していく強力な一枚でした。
同系統アルバム
OF TRUTH & SACRIFICE/HEAVEN SHALL BURN
ATONEMENT/KILLSWITCH ENGAGE
FOREGONE/IN FLAMES





June

AVENGED SEVENFOLD | GLORYHAMMER | JAG PANZER | SCAR SYMMETRY | TORTURED DEMON |

LIFE IS BUT A DREAM.../AVENGED SEVENFOLD

ライフ・イズ・バット・ア・ドリーム・・・/アヴェンジド・セヴンフォールド

WARNER MUSIC WPCR-18604 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産バンドの8枚目のアルバムです。

 不穏なイントロから目まぐるしく展開していくカオティックな1から、ある意味プログレッシヴなサウンドが繰り広げられていくアルバムは、トリッキーなリフと抒情性の強いメロディが交錯するダイナミックなミッドテンポの2、ミステリアスでエモーショナルな壮大さを感じさせるスペーシーな3、激しく展開しながら疾走したりグルーヴィになったりする複雑な4、抒情メロディでメランコリックに進む5、プログレ感と情念の強まるエモーショナルなミッドテンポの6、ダークでポップでエモーショナルなヘヴィナンバーの7、女性ヴォーカルも加わる変拍子が炸裂するテクニカルでスポンテニアスな8、ファンキーなムードも高まるポップナンバーの9、ムーディな雰囲気がオーケストラに彩られていく10、ピアノのインストナンバーの11で幕を閉じます。

 最近はアルバム毎にスタイルが変化し続けているバンドですが、今作では何だかクィーンになりたくなったのかなあ、って印象が強いメロディと破綻寸前の曲展開で聴き手を試していくモダンなサウンドが作り出されていきます。メロトロンみたいなサウンドも詰め込んで、サイケデリックだったりアヴァンギャルドだったりしながら進行していく、ジャンル=アヴェンジド・セヴンフォールドなサウンドは、もう何でもありだなって感じです。いわゆるエクストリームメタルとは完全に乖離してしまいましたが、別の意味でエクストリームなスタイルを見せつける一枚です。
同系統アルバム
SCHYSMA/SCHYSMA
OVERTAKER/HAMMERS OF MISFORTUNE
RUINS/EMBER FALLS

RETURN TO THE KINGDOM OF FIFE/GLORYHAMMER

リターン・トゥ・ザ・キングダム・オブ・ファイフ/グローリーハンマー

WARD RECORDS GQCS-91332/3 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スコットランド出身のバンドの4枚目のアルバムです。ヴォーカルが交代して、キーボーディストは暗黒皇帝になりました(;´Д`)

 シンフォニックで壮大なイントロダクションで幕を開けるアルバムは、ファンタジックなムードと勇壮なムードが混在するドラマティックなスピードナンバーの2で、ハイトーンヴォーカルが高らかに歌い上げていくエピックなヘヴィメタルを作り出していくと、タイトなリフとファンタジックなキーボードが交錯するアグレッシヴで高揚感高まるアップテンポの3、80年代風のキラキラキーボードに導かれるキャッチーでテンションの高いアップテンポの4、勇壮なメロディで進んでいくエピックナンバーの5、キャッチーなメロディで突き進むアップテンポのファンタジックなスピードナンバーの6、サバトンみたいなミッドテンポのエピックナンバーの7、ドラゴンフォースみたいに突っ走るスピードナンバーの8、キャッチーなメロディが躍動するアップテンポの9、緊迫感高まるコーラスからスリリングなリフで突き進んでいくドラマティックな展開のスピードナンバーが収録されています。
 ボーナスディスクには、全曲のオーケストラ、インストゥルメンタルバージョンが収録されています。

 ヴォーカルの交代がバンドの良くも悪くも特徴的だったサウンドにかなりの影響を与えているアルバムは、基本的には方向性に変化は無いものの、やりすぎ感のあった濃度がすっかり薄れて割と普通のシンフォニックなパワーメタルになってしまっています。最近のパワーメタル界隈のトレンドも取り入れたりとバラエティのある楽曲を揃えており、ある意味洗練された風に取れなくもない仕上がりになっています。ちょっと薄味になってしまいましたが、それゆえ聴きやすさが上がった感もあり、そもそもこのスタイルで聴きやすさとか必要なの?みたいな色々と思うところのある一枚でした。
同系統アルバム
DINOSAUR WARFARE PT.2 - THE GREAT NINJA WAR/VICTORIUS
GLORY FOR SALVATION/RHAPSODY OF FIRE
BLOOD, FIRE, MAGIC AND STEEL/BATTLE BORN

THE HALLOWED/JAG PANZER

ザ・ハロウド/ジャグ・パンツァー

WARD RECORDS GQCS-91335 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産ベテランメタルバンドの11枚目のアルバムです。

 タイトなリフとダーティヴォイスが勇壮さを孕むメロディを歌い上げていくダイナミックなミッドテンポの1から、勢いのあるコーラスにザクザクしたリフを絡めたソリッドなミッドテンポの2、情念強いメロディを引っさげたエモーショナルなミッドテンポの3、アグレッシヴに突っ切っていくアップテンポの4、ヘヴィリフで迫るグルーヴィでエピックなミッドテンポの5、ギャロップするリフとエモーショナルなヴォーカルがソリッドに進むミッドテンポの6、NWOBHM感のあるタイトなリフを叩きつけていく勢いのあるアグレッシヴなアップテンポの7、湿ったメロディを絡めたタイトなミッドテンポの8、哀愁メロディで突き進むダイナミックなミッドテンポの9、静かなイントロから哀愁メロディが炸裂していく重厚なミッドテンポの10が収録されています。

 国内盤って今まで出たことなかったんだ…(;´Д`)みたいな名前だけは割と知られていたベテランバンドで、初期のアルバムも持っていたりしますが、特に変わってないな'`,、(´∀`) '`,、そんなわけで、ああヘヴィメタルだなあってサウンドが充填されていく感触は、時代性とか既に知ったこっちゃないって感じです。そんなことよりも、バンド名がヤークトパンターって呼べなかったからって理由だった方がビックリだよ!(;´Д`)
同系統アルバム
BACK TO ATTACK/MAJESTY
ACTA EST FABULA/PHOENIX RISING
RETURN OF THE DRAGON/SACRED OATH

THE SINGULARITY (PHASE II: XENOTAPH)/SCAR SYMMETRY

ザ・シンギュラリティ(フェイズII-ゼノタフ)/スカー・シンメトリー

WARD RECORDS GQCS-91334 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のテクニカルバンドの七枚目のアルバムです。ベーシストが脱退して、ギタリストが新たに加わっています。

 激しいドラムと咆哮で幕を開けるアルバムは、テクニカルなフレーズとキャッチーなクリーンヴォーカルが歌い上げるメロディがグロウルと交錯していくアグレッシヴでプログレッシヴなアップテンポの1から、独自のサウンドを展開していき、タイトなリフがグロウルと一体になって進む2はキャッチーなクリーンヴォーカルが解放感を演出するスリリングなアップテンポのナンバー、煽情性の強いメロディで進むスペーシーなクリーンヴォーカルとグロウルが合わさってエモーションを生み出していくキャッチーなアップテンポの3、ミステリアスなムードが高まるゴシックメタル的な感触も残るミッドテンポのダークな4、抒情メロディが広がるクリーンとグロウルが交錯するアグレッシヴでキャッチーなミッドテンポの5、テクニカルなプレイと優しいクリーンヴォーカルパートが融合していくスリリングなアップテンポの6、畳みかけるダブルヴォーカルのエモーショナルな歌唱が押し寄せる展開の激しいアップテンポの7、ソリッドなヘヴィリフで押し込んでいくミステリアスでダークなミッドテンポの8でもキャッチーなコーラスで印象を変えていきます。攻撃的なリフで突き進むブルータルでスペーシーなファストチューンの9、テクニカルなメロディを引っさげて進むタイトでエモーショナルなミッドテンポの10、壮大なイントロから緊張感を高めてスペーシーなコーラスへと進むダイナミックな展開の11が収録されています。

 ドリーム・シアターやラッシュにグロウルを導入したみたいな独自のサウンドが繰り広げられていくアルバムは、唄えるグロウルとクリーンヴォーカルが生み出す強いドラマ性が印象的な楽曲を揃えており、特にメロディの充実度が高まっています。エクストリームメタルとしての独自の世界観を追求していく、完結編の期待も高まる三部作の第二弾でした。
同系統アルバム
EMPYREAN/FALLUJAH
SPIRIT OF ECSTASY/IMPERIAL TRIUMPHANT
NEGATIVE SUN/HEART ATTACK

RISE OF THE LIFELESS/TORTURED DEMON

ライズ・オブ・ザ・ライフレス/トーチャード・ディーモン

SPIRITUAL BEAST IUCP-16362 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 英国はマンチェスター出身のバンドの二枚目のアルバムです。ツインギター体制になって制作されています。

 物悲しくも壮大なイントロダクションに導かれるアルバムは、唸りを上げるギターリフが炸裂する嵐のような怒涛の突進ナンバーの2から、激しいグロウルとダイナミックな展開を見せつけており、北欧メロデス風の抒情リフを叩きつけていく起伏の大きいアグレッシヴでダイナミックなアップテンポの3、ドライヴしながら突き進む緩急の強いアグレッシヴな突撃ナンバーの4、抒情メロディのイントロから激しく展開するエモーショナルでダークなメタルコア風ナンバーの5、ミステリアスなイントロからクランチーなリフが繰り出されていく緩急も効かせた凶暴なデスラッシュナンバーの6、ブルータルに突っ走る突撃パートからダークでグルーヴィなパートへの転換も激しい7、怒涛のリフが襲い掛かる緩急の強いアグレッシヴなアップテンポの8、メロディ孕むアグレッシヴなリフで突き進むエモーショナルなアップテンポの9、ソリッドなリフを叩き込んでいくアグレッシヴでメランコリックなアップ〜ミッドテンポの10、ボーナストラックにはタイトなリフが叩きつけられていくミッドテンポの威嚇的なナンバーが収録されています。

 デスラッシュとメタルコアの融合という触れ込み通りのアグレッシヴで展開の激しいサウンドが作り出されていくアルバムは、若さ溢れる破壊力別群の楽曲を揃えて一気呵成に突き進んでいきます。曲展開も様々なスタイルから影響を受けており、一筋縄ではいかない才能の豊かさを感じさせます。高いパフォーマンスを見せていく実力に、伝統的なスタイルに加えて貪欲に現代的なメタルサウンドを取り込んでいく吸収力にセンスを伺わせる一枚でした。
同系統アルバム
INHUMAN SPIRITS/DARKANE
GRIND OVER MATTER/DEFLESHED
NIGHTSIDE/WITCHERY





July

BLOODBOUND | ELVENKING | EXCALION | HATESPHERE | METAL CHURCH | OVERTOUN | PYRAMAZE |

TALES FROM THE NORTH/BLOODBOUND

テイルズ・フロム・ザ・ノース/ブラッドバウンド

KING RECORDS KICP-4055/6 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの10枚目のアルバムです。

 哀愁帯びたアコースティックな響きのイントロから、抒情メロディで突き進むアップテンポのスピードナンバーの1で幕を開けるアルバムは、ハイトーンヴォーカルが歌い上げていくメロディックメタルを展開していくと、威勢の良いコーラスを伴って進む勇ましいヴァイキングメタル風のエピックナンバーの2、ダイナミックなイントロから抒情メロディが炸裂するスピードナンバーの3、フォーク風味のイントロからキャッチーなメロディで進んでいくスケール感の大きいミッドテンポの4、煽情的なメロディで突き進むドラマティックでエモーショナルなスピードナンバーの5、キャッチーなメロディが印象的なミッドテンポの80年代風ナンバーの6、抒情メロディが炸裂するダイナミックなアップテンポの7、明朗なメロディで突っ走るキャッチーなスピードナンバーの8、哀愁メロディが広がるエモーショナルなミッドテンポの9、解放感広がるメロディが広がるキャッチーなアップテンポのスピードナンバーの10、抒情メロディで突っ走るドラマティックなアップテンポの11、ボーナストラックには、1、7、11のデモバージョンが収録されています。
 ディスク2は2018年のマスターズ・オブ・ロックからのライヴ音源が収められています。

 前作からの作風を受け継ぐアルバムは、ヴァイキングメタル風味も少し盛り込みつつキャッチーなメロディックメタルを作り出しており、聴き手の期待を裏切らないサウンドが展開されています。安定感のあるパフォーマンスも伴って、ベテランの余裕を感じさせる仕上がりになっています。キャッチーさとアグレッションがいい感じでまとめられた一枚でした。
 しかし、ライヴ音源って実際のところベスト選曲みたいなもんだから、比べられてしまうこのアルバムってよほど自信がないとリスキーじゃないですかね、って思った今日この頃です。
同系統アルバム
ELEMENTS OF POWER/VEONITY
THE SABERLIGHT CHRONICLES/FELLOWSHIP
RETURN TO THE KINGDOM OF FIFE/GLORYHAMMER

READER OF THE RUNES - RAPTURE/ELVENKING

リーダー・オブ・ザ・ルーンズ〜ラプチャー/エルヴェンキング

KING RECORDS KICP-94057 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア産フォークメタルバンドの11枚目のアルバムです。

 物悲しくも勇壮なイントロダクションを経てドラマティックに展開していく抒情メロディが炸裂するアップ〜ミッドテンポの1から、ワイルドなヴォーカルが湿ったメロディを歌い上げていく楽曲作り出していくアルバムは、勇壮なムードが高まるミッドテンポのエピックナンバーの2、抒情メロディで進むメランコリックなミッドテンポの3、情念高まるダイナミックな展開を見せるエモーショナルなミッドテンポの4、正統派メタル感が高まる湿り気帯びたミッドテンポの5、フォーキーなメロディで突っ走るイントロからタイトに進む郷愁誘うミッド〜アップテンポの6、ソリッドなリフが勇壮なメロディを導くミッドテンポの7、バラード風のエモーショナルなパートからダイナミックに展開する劇的ナンバーの8、重厚さが高まるエピックナンバーの9、アグレッシヴに突き進むダイナミックなアップテンポの10、哀愁メロディが広がるエモーショナルなミッドテンポの11、ボーナストラックの12はヴェノムのカバーが収録されています。

 前作を聴いていなかった!と思ったらもっと前から聴いてなかった'`,、(´∀`) '`,、そんなわけで、フォークメタル路線をひたすら追求していくサウンドが展開されていくアルバムは、スピード感とかは減っていますが哀愁感や勇壮さは強まって情感に訴えるものになっています。安定感のある楽曲を堪能できる一枚でした。
同系統アルバム
THALASSIC/ENSIFERUM
JYLHÄ/KORPIKLAANI
THE WAR TO END ALL WARS/SABATON

ONCE UPON A TIME/EXCALION

ワンス・アポン・ア・タイム/エクスキャリオン

WARD RECORDS GQCS-91348 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2000年に結成されたフィンランド出身のバンドの6枚目のアルバムです。

 哀愁帯びたメロディが広がりエモーショナルな歌唱を紡ぐドラマティックなミッドテンポの1から、スリリングなムードが高まるダイナミックなアップテンポの2へと進むアルバムは、ハイトーンヴォーカルと多彩なメロディで作り出されるメロディックメタルを展開していくと、抒情メロディで突き進むアップテンポの劇的スピードナンバーの3、エモーショナルな歌唱で進むタイトなミッドテンポの4、ダンサブルなビートと煽情性の強いメロディが交錯するミッドテンポの5、ソリッドなリフとダークなムードがコーラスから一転するミッドテンポの6、テンション上げるシャウトから疾走する劇的スピードナンバーの7、メランコリックなメロディで進むパワーバラードナンバーの8、哀愁メロディを歌い上げていくエモーショナルなミッドテンポの9、センチメンタルなパートからダイナミックに展開する劇的ナンバーの10、ドライヴするリフで突き進むアグレッシヴなスピードナンバーの11が収録されています。

 北欧産メロディックメタルのイメージに忠実なメロディ満載のアルバムは、目新しさは無いものの安定感のあるパフォーマンスで構築性の高い楽曲を作り出していきます。このスタイルのファンには刺さりそうな完成度の高い一枚でした。
同系統アルバム
THE AWAKENING/KAMELOT
BLOODLINES/PYRAMAZE
GHOST TOWN/NARNIA

HATRED REBORN/HATESPHERE

ヘイトレッド・リボーン/ヘイトスフィア

WARD RECORDS GQCS-91347 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 デンマーク出身のデスラッシュバンドの11枚目のアルバムです。ヴォーカルが交代して制作されています。

 アコースティックギターの静かな響きが不安感を募らせるイントロから、不穏なリフが押し寄せるアグレッシヴで高圧な突進ナンバーの2で聴き手を圧倒していくと、ドライヴ感の強いリフで突き進むダークなアップテンポの3、唸りを上げる凶暴なギターリフで突き進む緩急の強い突撃ナンバーの4、圧の強いクランチーなリフで突っ切る突進パートからグルーヴィなヘヴィパートへと展開する5、不穏なイントロからブルータルに突撃する起伏の大きいファストチューンの6、アコースティックのイントロからシュレッディングなリフで切り裂いていく攻撃的で緩急を効かせたファストナンバーの7、ソリッドなリフで進むグルーヴィなヘヴィナンバーの8、ダークなムードが高まるグルーヴィなインストナンバーの9を経て、凶悪なリフで一気呵成に突っ走る起伏のある突撃ナンバーの10、11はスコーピオンズのヘヴィなカバー、12はライヴ音源が収録されています。

 新ヴォーカルを迎えたアルバムですが、基本的なスタイルはそのままにグルーヴィなスタイルを取り込んで、モダンな感触も与えるサウンドを展開していきます。新ヴォーカルのパフォーマンスは楽曲のスタイルにうまく対応しており、不安を感じさせない仕上がり。シンプルに速い曲の方が求められていそうですが、安定感とクオリティが維持されたサウンドと、異なるスタイルにも意欲的なバンドの姿勢が見られる一枚でした。
同系統アルバム
GRIND OVER MATTER/DEFLESHED
INHUMAN SPIRITS/DARKANE
RISE OF THE LIFELESS/TORTURED DEMON

CONGREGATION OF ANNIHILATION/METAL CHURCH

コングレゲイション・オブ・アナイアレイション〜殲滅のメタル集会〜/メタルチャーチ

RUBICON MUSIC RBNCD-1378 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産パワーメタルバンドの13枚目のアルバムです。2021年に急逝したマイク・ハウに代わり、ロス・ザ・ボスで活動するマーク・ロペスが加入して制作されています。

 ザクザクしたリフで突っ込んでいくアグレッシヴでタイトなアップテンポの1から、ダーティヴォイスのヴォーカルが叫ぶ攻撃的なサウンドを展開するアルバムは、クランチーなリフで突き進むドライヴ感の強いスピードナンバーの2、アナイアレイターみたいなクランチーでソリッドな3、タイトなリフでロックしていくアッパーな4、メランコリックなイントロから情念強いヴォーカルが歌い上げるエモーショナルなミッドテンポの5、クランチーなリフが繰り出される緊迫感高まるソリッドなアップテンポの6、最近のメタリカみたいなドライヴするロックナンバーの7、8、アメリカンロックなスピードナンバーの9、ボーナストラックにはブルージーなヘヴィロックナンバーの10、展開の大きいソリッドなナンバーの11が収録されています。

 初期のヴォーカリストを濃くしたような後任の影響もあってか、サウンド自体も初期のフィーリングを取り戻したようなバラエティのある楽曲を揃えており、バンドの歴史を辿るかのような構成はスラッシュメタル一辺倒ではないバンドの側面を明らかにしていきます。ゆえに微妙なところも忠実に再現だ(;´Д`)まあ、スラッシュメタルって何それ、みたいなアルバムばかり作ってきたわけで、これが現状のメタル・チャーチって感じです。
同系統アルバム
SCORCHED/OVERKILL
72 SEASONS/METALLICA
METAL II/ANNIHILATOR

THIS DARKNESS FEELS ALIVE/OVERTOUN

ジス・ダークネス・フィールズ・アライヴ/オーバートン

WORMHOLEDEATH JAPAN BITX-1263 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 チリ&アメリカ出身のバンドの2021年に発表された二枚目のアルバムです。

 厳かなメロディを孕むイントロから、クランチーなリフと暴虐性の強いグロウルが一体となって進むテクニカルでタイトなミッドテンポの1から、圧の強いデスメタルを作り出していくアルバムは、圧の強い緩急の激しい突進ナンバーの2、メランコリックなメロディをクリーンヴォーカルが歌い上げていく3は慟哭のグロウルとのコントラストで情感を高めていきスリリングな高速パートで一気に盛り上げます。不穏なイントロからクランチーなリフが襲い掛かる攻撃的なアップテンポの4、ブルータルに突き進む緩急の強いテクニカルな5、不穏なイントロから一気に加速していく緩急の効いた突撃ナンバーの6、緊張感高まるリフで突き進む威圧感の強いパートとダークなメロディが交錯するスリリングな7、メランコリックなメロディを紡いでいくイントロからヘヴィリフで進むエモーショナルなミッドテンポの8、牧歌的なムードが広がるラテン系のメロディで進むアコースティックのインストナンバーの9、不穏なビートとリフが一斉に押し寄せるテクニカルなミッドテンポの10が収録されています。

 「デスメタルとラテンミュージックの融合!」という叩き文句ほどはラテン要素は強くないアルバムは、テクニカルな要素の方が印象に残るサウンドが展開されており、クリアーなプロダクションも伴ってモダンな感触を与えていきます。様々な手法を用いて新しいサウンドを作り出していこうとする試みは上手くいったりいかなかったりしていますが、意欲的なバンドの意向を強く感じさせます。看板に偽りあり!って感じのサウンドでしたが、デスメタルを現代的なアプローチで聴かせる一枚でした。
同系統アルバム
HATRED REBORN/HATESPHERE
WEAPONS OF SPIRITUAL CARNAGE/IRONMASTER
REMEMBER... YOU MUST DIE/SUICIDE SILENCE

BLOODLINES/PYRAMAZE

ブラッドラインズ/ピラメイズ

MARQUEE MICP-11807 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 プロデューサーとしてもお馴染みのヤコブ・ハンセンが加入したことでも知られる、デンマーク出身のバンドの7枚目のアルバムです。

 湿ったメロディとドラマティックな展開のイントロダクションで始まるアルバムは、哀愁メロディが炸裂するエモーショナルなミッドテンポの2から、ソリッドなサウンドとメロディが交錯する楽曲を作り出していくと、ダイナミックなリフで突き進む壮大なムードを孕んだアップテンポの3、抒情メロディで進む情感があふれ出すエモーショナルなミッドテンポの4、ドラマティックなイントロからエモーショナルに展開するスケール感の大きいシンフォニックなミッドテンポの5、女性ヴォーカルも加わりメランコリックなメロディが紡がれるパワーバラードナンバーの6、アグレッシヴなイントロからダイナミックに展開していくアップテンポの劇的ナンバーの7、抒情メロディが広がる煽情性の強いエモーショナルなミッドテンポの8、抒情メロディが炸裂する展開の大きいアップテンポの劇的ナンバーの9、シンフォニックな劇的インストナンバーの10、ボーナストラックには、5、9、7のオーケストラバージョンが収録されています。

 パワフルなヴォーカルと抒情メロディによって生み出されるメロディックメタルは前作からのスタイルを継承し、安定感のあるサウンドを構築していきます。プログレッシヴな要素は抑えられていますが、メロディは更に強化されておりドラマティックな楽曲を彩っていきます。バンドの方向性も固まって、安定感と安心感が高まる一枚です。
同系統アルバム
FINAL ADVENT/DYNAZTY
GHOST TOWN/NARNIA
DIVIDING LINES/THRESHOLD





August

ARCHED FIRE | HEIMDALL | HELLRIPPER | LANCER | MYSTFALL | OBLIVION PROTOCOL | U.D.O. | WARMEN | WINTERAGE |

TRUST BETRAYAL/ARCHED FIRE

トラスト・ビトレイアル/アーチド・ファイヤー

WORMHOLEDEATH JAPAN BITX-1267 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの二枚目のアルバムです。

 ヘヴィなイントロからクランチーなリフとエキセントリックなヴォーカルで突っ走るファストチューンの1から、荒々しいサウンドが展開されるアルバムは、ソリッドなリフを叩きつけていくテンションの高いタイトなでアグレッシヴなミッドテンポの2、激しいリフで突き進むジューダス・プリースト風の緩急の効いた攻撃的なアップテンポの3、不穏なムードが高まるイントロからタイトなリフを刻んでいくダイナミックでスラッシーな4、ソリッドなリフとダークなメロディで迫るミッドテンポのパートから大きく展開していくダイナミックな5、ザクザクしたリフで圧をあげつつNWOBHM風の展開を見せるミッドテンポの6、タイトなリフとワイルドなヴォーカルで突き進む勢いのあるミッドテンポの7、ソリッドなリフが押し寄せるエキセントリックでタイトでダークなミッド〜アップテンポの8、勢いつけて突っ走るモーターヘッド的なドライヴ感高まるスピードナンバーの9、ザクザクしたリフに乗ってハイテンションのヴォーカルが叫ぶドラマティックなミッドテンポの10が収録されています。

 NWOBHMの影響が強かった黎明期のスラッシュメタルに近いスピードメタルを作り出していくアルバムは、前作から順当にレベルアップしており、手の込んだ楽曲を揃えて勢いのある作風に仕上げています。ヴォーカルや演奏など時折危なっかしいところも聴かれたりしますが、素直にテンションの上がる展開を作り出していく様はヘヴィメタル的には好感触。クオリティアップのために、あまり整合性が高まってしまうと特徴である荒々しさが失われそうなのが難ですが、とりあえず行けるところまで行ってみようか!みたいな一枚でした。
同系統アルバム
NEGATIVE SUN/HEART ATTACK
SHATTERING REFLECTION/EVIL INVADERS
WARLOCKS GRIM & WITHERED HAGS/HELLRIPPER

HEPHAESTUS/HEIMDALL [IMPORT]

ヘファイストス/ヘイムダール

PRIDE & JOY MUSIC PJM13545 [☆☆☆☆]

 イタリア出身バンドの2023年に発表された10年ぶりとなる6枚目のアルバムです。ベーシストが交代しています。

 鍛冶場のSEからパワフルなハイトーンヴォーカルが歌い上げていく重厚なミッドテンポのエピックメタルナンバーの1で幕を開けるアルバムは、煽情的なメロディとコーラスで突き進むエモーショナルなアップテンポの劇的スピードナンバーの2、タイトなリフを刻んでいくイントロからエピックなムードを高めていくダイナミックな劇的ナンバーの3、重厚なイントロから哀愁メロディが広がるミッドテンポの4、メランコリックなイントロから抒情メロディが紡がれていくエモーショナルでドラマティックな5、マノウォー風のタイトル通りのパワフルナンバーの6、ソリッドなリフで押し込んでいくフックの強いコーラスが印象的なパワフルなアップテンポの7、抒情メロディが広がるエモーショナルなミッドテンポの8、 9はクィーンのカバーが収録されています。

 さすがに10年も熟成したらかなりの出来になったよ!'`,、(´∀`) '`,、みたいな感じですが、エピックメタル感が戻ってイタリアンパワーメタルらしいサウンドが展開されていきます。カバー曲を除けば全8曲ということで、10年あったのに曲少なくない?と思いましたが、曲自体は充実しているので、満足度はそれなりに高い一枚でした。
同系統アルバム
BLOOD, FIRE, MAGIC AND STEEL/BATTLE BORN
TALES FROM THE NORTH/BLOODBOUND
THE HALLOWED/JAG PANZER

WARLOCKS GRIM & WITHERED HAGS/HELLRIPPER

ウォーロックス・グリム&ウィザード・ハグズ/ヘルリッパー

MARQUEE MICP-11818 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 英国産独りスラッシャーによる三枚目のアルバムです。

 切れ味鋭いギターリフが唸りを上げるクランチーで展開の大きいスピードナンバーの1から、スクリームするデスヴォイスが炸裂するダイナミックなサウンドが展開されるアルバムは、ミステリアスなイントロからドライヴするリフで突っ走るダイナミックなファストチューンの2、不穏な空気が立ち込めるイントロからダークなメロディが連なるNWOBHM風味のミッドテンポの3、パンキッシュに突っ走る抒情スピードナンバーの4、唸りを上げるギターリフで駆け抜ける怒涛のスピードナンバーの5ではメイデン風のパートも飛び出します。モーターヘッド風味のスピードナンバーの6、哀愁メロディで突っ走るファストチューンの7、壮大なイントロから軽快に突っ走る展開の大きいスピードナンバーの8、ボーナストラックの9はとりあえず爆走してみるファストチューンが収録されています。

 時々クレイドル・オブ・フィルスみたいに聴こえたりするアルバムは、NWOBHM経由の初期スラッシュメタル的な感覚とブラックメタル由来の冷気が合わさって、英国的な空気を醸し出していきます。高速パートとメロディアスなパートとのコントラストも強く、勢い任せではない緻密な感触も与えており、アーティストの強いヴィジョンを窺わせます。伝統を受け継ぎつつアグレッシヴに突き進む一枚でした。
同系統アルバム
RISE OF THE LIFELESS/TORTURED DEMON
THRASHING EXTINCTION/INCRYPT
NIGHTSIDE/WITCHERY

TEMPEST/LANCER

テンペスト/ランサー

WARD RECORDS GQCS-91352 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの4枚目のアルバムです。ヴォーカリストにスウェーデン出身のVANDORのジャック・L・ストロームを迎え、さらにドラマーが交代しています。

 タイトなリフとハイトーンヴォーカルが一体となって突き進むダイナミックなアップテンポの1から、エモーショナルなメロディを歌い上げていく展開の大きいメロディックなミッドテンポの2、緩急の大きい展開で感情を高めていくミッドテンポの3、タイトなリフで突き進むスピードナンバーの4、ミッドテンポのバラードナンバーの5、小品の爽やかなインストナンバーの6からの、タイトなリフと躍動するヴォーカルで突き進むミッドテンポの7、抒情メロディとヘヴィリフで進むダークなムードのエモーショナルなミッドテンポの8、タイトなビートとソリッドなリフで押し込んでいくキャッチーなミッドテンポの9、抒情メロディが広がるイントロからソリッドなリフで進むタイトでキャッチーなミッドテンポの10、ボーナストラックにはタイトなリフで進むエモーショナルなロックナンバーの11、アコースティックのインストナンバーの12が収録されています。

 このバンドってこんなに下手だっけ…(;´Д`) みたいな、ちょっとヘタウマ系のヴォーカルとドタバタ気味のドラマーのパフォーマンスに引っ張られて、あんまり印象がよろしくないアルバムは、伝統的なヘヴィメタルのフォーマットに沿った楽曲を揃えているものの、NWOBHMからの脱却を図ろうとする試みも見られます。曲展開などには工夫もあり構成力の高さも伺わせており、バンドの指向するサウンドに向かって進んでいる様が見て取れます。次回作はもうちょっと安定したサウンドを聴かせてくれるといいなって一枚でした。
同系統アルバム
HAMMER OF DAWN/HAMMERFALL
TALES FROM THE NORTH/BLOODBOUND
OUTSIDER/NIGHT DEMON

CELESTIAL VISION/MYSTFALL

セレスティアル・ヴィジョン/ミストフォール

WARD RECORDS GQCS-91351 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2022年に結成されたギリシャ出身の男女ヴォーカルを擁するメロディックメタルバンドのファーストアルバムです。男性ヴォーカルはオン・ソーンズ・アイ・レイにもベースで参加しています。

 オーケストレーションによる壮大で抒情的なイントロダクションに導かれるアルバムは、メランコリックなメロディを絡めてコーラスをふんだんに盛り込んだ豪華なサウンドが展開されるミッドテンポの2から、オペラティックなソプラノ女性ヴォーカルとグロウルが交錯するシンフォニックメタルを作り出していくと、豪華なイントロからエモーショナルな歌声を披露していくドラマティックなミッドテンポの3、スリリングなリフワークで進むエモーショナルで煽情性の強いミッドテンポの4、センチメンタルなメロディを紡ぐエモーショナルなパワーバラード風の5、叙情的でキャッチーなメロディで進むグロウルを絡めた展開の効いたミッド〜アップテンポの6、シリアスなムードが広がる重厚なミッドテンポの7、抒情メロディのイントロからヘヴィリフを刻んでいく緩急の効いたシンフォニックでドラマティックな8、抒情メロディが広がるパワフルなミッドテンポの9が収録されています。

 デビューアルバムにして破格のクオリティで打ち出されるアルバムは、先達のバンドにまったく引けを取らない仕上がりになっており、個々のメンバーの技量とセンスの高さをうかがわせていきます。プロダクションも良好で、バンドの明確なヴィジョンを的確に表現することに成功しています。まだファーストアルバムと言うことで、このスタイルのバンド群の中ではあまり特徴を打ち出せてはいませんが、今後の活躍には期待できそうな一枚でした。
同系統アルバム
THE WONDERS STILL AWAITING/XANDRIA
DARK WATERS/DELAIN
ΩMEGA/EPICA

THE FALL OF THE SHIRES/OBLIVION PROTOCOL

ザ・フォール・オブ・ザ・シャイアーズ/オブリヴィオン・プロトコール

WARD RECORDS GQCS-91353 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 英国出身のスレッショルドのキーボーディストのリチャード・ウェストがアルバム「レジェンズ・オブ・ザ・シャイアーズ」の続編を作ろうと結成されたバンドのファーストアルバムです。

 物悲しいメロディを切々と歌い上げていくメランコリックなミッドテンポの1から、ヘヴィなイントロからソリッドなリフで迫るエモーショナルでキャッチーなミッドテンポの2、静かなメロディを紡いでいくセンチメンタルなミッドテンポの3、抒情メロディが情感豊かに広がる煽情性の強いミッドテンポの4、ヴォーカルが繊細に歌い上げていくエモーショナルな起伏のあるミッドテンポの5、不穏なイントロからメランコリックなメロディを紡いでいくエモーショナルなミッドテンポの6、タイトなリフを刻んでいく展開の大きいミッドテンポの7、センチメンタルなバラード風ナンバー8が収録されています。

 スレッショルドのメンバーには却下された続編ですが、マイルドな感触のプログメタルが展開されるアルバムは、柔らかいメロディとそれなりにテクニカルなプレイが交錯する情感豊かな世界を描き出しており、プログレハード的なサウンドを作り出していきます。メンバーはキャリアのあるプレイヤーを集めておりパフォーマンスに不安はもなく、またリチャード・ウェストがヴォーカルも務めていますが、大分ソフトな歌声なので本家のパワフルな感触はなく、そのあたりも雰囲気の違いを感じさせます。本家でやったら大分違うものになっただろうなあ、と推察される一枚でした。
同系統アルバム
LEGENDS OF THE SHIRES/THRESHOLD
SPECTRA/THE WRING
VIRUS/HAKEN

TOUCHDOWN/U.D.O.

タッチダウン/ユー・ディー・オー

WARD RECORDS GQCS-91357 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ベテランジャーマンメタラーの18枚目のアルバムです。オーケストラとの共演アルバムはカウントしない模様。ベーシストにツアーに参加していた元アクセプトのピーター・バルテスが正式加入と言う驚きのニュースで迎えられています。

 ハードなドラミングでスタートするアルバムは、タイトなリフといつも通りのスクリームが炸裂するアップテンポのアグレッシヴな1から、ソリッドなサウンドで組み立てられる純正ヘヴィメタルを展開していくと、ヘヴィリフで迫る威圧感高まるダークでグルーヴィなミッドテンポの2、タイトなリフが躍動するエモーショナルでダイナミックなアップテンポの3、正統派メタルリフで突き進み、モーツァルトの「トルコ行進曲」をソロパートで披露するアクセプトを継承するかのような勇ましいミッドテンポの4、ドライヴするリフで駆け抜けるキャッチーなアップテンポの5、空耳アワーになりそうなグルーヴィでミステリアスなヘヴィナンバーの6、タイトなリフで突き進むロックナンバーの7、ソリッドなリフとモダンなフィーリングが交錯するシリアスでアグレッシヴな8、ロック的なリフから勇壮なコーラスへと進むドラマティックなミッドテンポの9、アクセプト感が高まる湿ったメロディが炸裂するフックの強いミッドテンポの10、厚いコーラスで進むソリッドなミッドテンポの11、不穏なムードが高まるダークでエモーショナルなミッドテンポの12、新たな定番曲になりそうな攻撃的に突き進むファストチューンの13で幕を閉じます。

 ピーター・バルテス(曲は作ってない)が加わったというだけでワクテカしてしまうアルバムは、若いメンバーたちに世界情勢や気候変動などのアクシデントが降りかかった影響か、アグレッシヴな仕上がりになっており、ウド・ダークシュナイダーのカバーアルバム発表でのオーセンティックなサウンドへの指向と合わさって、初期のサウンドを思い起こさせる空気感を作り出していきます。さすがに「トルコ行進曲」はそんなに長尺で弾いたの聴いたことないわー'`,、(´∀`) '`,、、みたいな感じだったりしますが、フラッシーなプレイを聴かせるギタリストのパフォーマンスにガッツとドラマ性が聴き手を鷲掴みにする仕上がりには、前作の煮え切らない有様は何だったのか、と疑問符でいっぱいです。やっぱりヘヴィメタルはトラブルが降りかかってこそ良作が出来るんだ!(違う)などと昔ながらのメタラーに喝采を上げさせる一枚でした。
 そう言えば、バラードは一曲も無かった。
同系統アルバム
FIREPOWER/JUDAS PRIEST
THE HALLOWED/JAG PANZER
CELEBRATION DECAY/VICIOUS RUMORS

HERE FOR NONE/WARMEN

ヒア・フォー・ナン/ウォーメン

WARD RECORDS GQCS-91354 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 元チルドレン・オブ・ボドムのキーボーディストであるヤンネ・ウィルマンが率いるバンドの6枚目のアルバムです。ヴォーカリストの元ノーサー〜現エンシフェルムのペトリ・リンドロスを迎えて制作されています。

 物悲しいキーボードの響きに導かれるアップテンポのダイナミックな1から、抒情メロディとグロウルが交錯するメロディックデスメタルなサウンドが展開されるアルバムは、ソリッドなリフを叩きつける緩急の強いアグレッシヴでダークな2でもメロディセンスを鮮やかに披露していきます。アグレッシヴに突っ走るダイナミックな爆走チューンの3、ヘヴィリフで威圧感を高めつつ抒情メロディを絡めていくミッドテンポの4、抒情メロディとタイトなリフが交錯するダイナミズムが高まるミッドテンポの5、馬力のあるリフとキラキラメロディで突き進むハイテンションの突撃ナンバーの6、ザクザクしたリフとキーボードサウンドが交錯するダークでタイトなミッドテンポの7、スレイヤーみたいなリフを刻むダイナミックな突撃ナンバーの8、エモーショナルでヘヴィなミッドテンポの9、ボーナストラックには英国産ロックバンドのウルトラヴォックスのカバーが収録されています。

 これまではソロプロジェクト的な感覚で様々なスタイルを作ってきたバンドですが、チルドレン・オブ・ボドムが失われたことが影響したか、北欧メロディックデスメタルに特化したスタイルへと変貌しています。印象的なキーボードサウンドによって、チルドレン・オブ・ボドムの後継者的な側面も強まっているとともに、このスタイルで名を成したヴォーカリストの加入でよりファンが求めるサウンドに近づいた印象を与えます。このままの路線を継続していくかどうかは定かではないですが、北欧メロデスシーンでの欠けたピースを埋めることができそうな一枚でした。
同系統アルバム
PAINT THE SKY WITH BLOOD/BODOM AFTER MIDNIGHT
SEVEN/MORS PRINCIPIUM EST
HEXED/CHILDREN OF BODOM

NEKYIA/WINTERAGE

ネキア/ウィンターエイジ

WARD RECORDS GQCS-91350 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2008年に結成されたイタリア出身のバンドの三枚目のアルバムです。

 サウンドトラック風の壮大で荘厳なイントロダクションで幕を開けるアルバムは、緊迫感が高まるスリリングな劇的ナンバーの2から、ファンタジックでシンフォニックなサウンドを作り出しており、緊張感が漲るアグレッシヴでスリリングな劇的スピードナンバーの3、抒情メロディで進む起伏の大きいエモーショナルなエピックナンバーの4、ナレーションが不穏な空気を演出するダークで荘厳なパートからダイナミックに展開する劇的ナンバーの5、アコースティックギターとヴァイオリンに導かれる壮大なファンタジックナンバーの6、スリリングなシンフォニックパートからダークに展開していく映画音楽的なスケール感の大きい7、フォーキーなメロディを絡めて壮大に展開するドラマティックなアップテンポの8、風雲急を告げるイントロからオペラティックかつシアトリカルに展開する劇的ナンバーの9、優雅で壮大なアウトロナンバーの10が収録されています。

 これはかなりのラプソディー(オブ・ファイア)'`,、(´∀`) '`,、オーケストラが派手な分、本家よりもゴージャスで鮮やかな仕上がりになっている上、ブラストビートや民族音楽的なフレーズも盛り込まれており、一聴した際のインパクトは強めです。ヴァイオリンがメンバーと言うことで、要所で華麗な響きを聴かせておりオペラティックなムードを高めるのに効果を発揮しています。でもまあ、基本的にはラプソディーなんでクオリティの高さは折り紙付きですが、新規性はあまり感じられない一枚でした。
同系統アルバム
GLORY FOR SALVATION/RHAPSODY OF FIRE
MARCO POLO: THE METAL SOUNDTRACK/SYMPHONITY
THE WONDERS STILL AWAITING/XANDRIA





September

CRYPTA | CRYPTOPSY | KK'S PRIEST | NOVERIA | PRIMAL FEAR | SHADOWSTRIKE |

SHADES OF SORROW/CRYPTA

シェイズ・オブ・ソロウ/クリプタ

WARD RECORDS GQCS-91359 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ブラジル産フィメールデスメタルバンドの二枚目のアルバムです。ギタリストが交代しています。

 メランコリックなイントロダクションから、凶暴なリフで突進していく起伏の大きいブルータルな2から、オールドスタイルのデスメタルを構築していくアルバムは、圧の強いタイトなリフと抒情メロディが絡み合う威圧的なヘヴィナンバーの3、ダークなイントロからソリッドなリフを繰り出していく高密度のグルーヴィなミッドテンポの4、エッジの強いリフが襲い掛かる緩急の強いミッドテンポの5、タイトなリフが切れ込んでくる展開の大きいダークな突撃ナンバーの6、不安感を煽る小品の7から、アグレッシヴなリフで突進する緩急の強いダイナミックな8、ダークなメロディを絡めて進むソリッドなヘヴィナンバーの9、ヘヴィリフがのたうつダークなパートと突撃パートのコントラストが強いダイナミックな10、タイトなリフで突き進む突進ナンバーの11、ダークなメロディで進む圧の強いタイトなアップテンポの12、メランコリックなアウトロの13、ボーナストラックの14にはダークでグルーヴィなヘヴィパートから加速する展開の大きいナンバーが収録されています。

 前作から順当にクオリティをアップさせてきたアルバムは、楽曲の整合性やプロダクションなども向上させて威圧感の強いデスメタルを作り出していきます。暗いメロディも絡めた攻撃性の強い楽曲はオールドスクールのサウンドと相まって、エモーショナルな感触も強まっています。女性的な感覚も感じさせるパワーアップしたエクストリームなサウンドを聴かせる一枚でした。
同系統アルバム
AS GOMORRAH BURNS/CRYPTOPSY
WEAPONS OF SPIRITUAL CARNAGE/IRONMASTER
SURVIVAL OF THE SICKEST/BLOODBATH

AS GOMORRAH BURNS/CRYPTOPSY

アズ・ゴモラ・バーンズ/クリプトプシー

VICTOR VICP-65616 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 カナダ産デスメタルバンドの8枚目のアルバムです。ギタリストが一人脱退しています。

 嵐のようなビートとリフが荒れ狂うブルータルでダイナミックな1から、凶暴でテクニカルなサウンドが展開されていくアルバムは、怒涛のようなイントロから凶悪なリフを畳みかける突進ナンバーの2、狂乱のブルータル突撃ナンバーの3、テクニカルに突進していく緩急の強いアグレッシヴな4、切れ味鋭いリフとビートが襲い掛かる凶暴な突撃ナンバーの5、緊迫感高まるフレーズが押し寄せるテクニカルでスリリングな6、不吉なイントロから激しいリフとビートが炸裂する緩急の強い7、ダークなイントロから威圧感タップリのリフを押し込んでいく起伏の激しいブルータルな8が収録されています。

 色々とスタイルを模索していたバンドでしたが、前作から二枚のEPを経てのアルバムは、デスメタル然としたサウンドが充満する凶暴で凶悪なものとなっています。曲数は初期みたいに8曲に戻っていますが、曲当たりの密度は凄まじいものとなっており、彼ららしいサウンドが繰り広げられていきます。破壊力抜群のエクストリームなデスメタルが堪能できる一枚でした。
同系統アルバム
WEAPONS OF SPIRITUAL CARNAGE/IRONMASTER
GRIND OVER MATTER/DEFLESHED
CANCER CULTURE/DECAPITATED

THE SINNER RIDES AGAIN/KK'S PRIEST

ザ・シナー・ライズ・アゲイン/KK’sプリースト

VICTOR VICP-65618 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 英国出身のバンドの二枚目のアルバムです。

 哀愁帯びたメロディが流れるイントロからタイトなリフとハイトーンヴォーカルが炸裂するダイナミックなアップテンポの1から、まごうことなき正統派メタルが展開されるアルバムは、ダークなリフがアグレッシヴなヴォーカルと一体になって突き進む攻撃的なミッドテンポの2、ドライヴするリフで突き進むロッキンでエモーショナルなアップテンポの3、タイトなリフで圧倒するミッドテンポのパートからアップテンポのインストパートへと鮮やかに展開するダイナミックな4、荘厳なイントロから重量感のあるリフで進む展開の大きいミッドテンポの5、メランコリックなフレーズを重ねていくイントロからタイトなリフを叩きつけていくアグレッシヴかつエモーショナルでドラマティックなミッドテンポの6、物悲しいメロディが広がっていくイントロからソリッドなリフで突き進んでいくアグレッシヴでスケール感の大きいアップテンポの劇的ナンバーの7、タイトなリフと勇壮なコーラスが一体となって進むアグレッシヴなミッドテンポの8、メランコリックなメロディで進むバラード風のパートから攻撃的なリフで押し込んでいくタイトなでドラマティックなミッドテンポの9、ボーナストラックには4と9のインストゥルメンタルバージョンが収録されています。

 前作での古巣への怨念も多少は薄れたか、比較的コンパクトにまとめられた楽曲はジューダス・プリーストでも発揮されていたヘヴィメタル分が濃厚なサウンドが詰め込まれており、聴き手の期待を裏切らない楽曲を揃えています。未だ衰えないヴォーカルのパフォーマンスにも支えられて、直球ど真ん中のヘヴィメタルを迫力たっぷりに描き出していく様は、K.K.ダウニングの生き様を見ているようです。ジューダス・プリーストのヘヴィメタルとしての側面を支えてきた事を改めて実感させられる一枚です。
同系統アルバム
CODE RED/PRIMAL FEAR
CONGREGATION OF ANNIHILATION/METAL CHURCH
THE DARK TOWER/BURNING WITCHES

THE GATES OF THE UNDERWORLD/NOVERIA

ザ・ゲイツ・オブ・ジ・アンダーワールド/ノヴェリア

WARD RECORDS GQCS-91362 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 同郷のDGMのメンバーも参加するイタリア出身のバンドの4枚目のアルバムです。

 壮大なイントロダクションで幕を開けるアルバムは、ソリッドなリフで突き進むダークでドラマティックなアップテンポの2から、テクニカルなプレイとパワフルなヴォーカルが織り成す劇的空間を作り出していくと、メランコリックなメロディを歌い上げていくイントロからスリリングなリフで進むエモーショナルでダイナミックな今は無き(多分)エレジーを彷彿とさせるミッドテンポの3、緊迫感高まるイントロからソリッドなリフを刻むグロウルも飛び出すダークでエモーショナルなミッドテンポの4、エッジの効いたリフで突き進むダイナミックな展開のミッドテンポの5、荘厳なイントロから緊迫感を高めていく展開の激しいダークなミッドテンポの大作ナンバーの6、エスニックなムードのイントロからヘヴィリフを刻んでいくダークでテクニカルなミッドテンポの7、パワフルに突き進むアップテンポの8、センチメンタルなメロディを紡ぐ9はエモーショナルなミッドテンポのナンバー、スリリングに突き進むスピードナンバーの10が収録されています。

 シンフォニー・エックスの影響を感じさせるプログレッシヴ・パワーメタルを作り出していくアルバムは、イタリアの空気感もうかがわせる鮮やかなシンフォニックサウンドを展開しており、確かな実力に裏打ちされるパフォーマンスを見せつけていきます。抒情メロディと凝った展開によって生み出される楽曲は、テクニカルすぎないキャッチーさも保って魅力的に仕上げています。プログメタル界隈でのイタリアの実力を見せつける一枚でした。
同系統アルバム
THE AWAKENING/KAMELOT
BLOODLINES/PYRAMAZE
UNDERWORLD/SYMPHONY X

CODE RED/PRIMAL FEAR

コード・レッド/プライマル・フィア

WARD RECORDS GQCS-91358 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ベテランジャーマンメタラーの14枚目のアルバムです。

 タイトなリフとパワフルなヴォーカルが一体となって進むメロディアスでソリッドなミッドテンポの1から、抒情メロディとソリッドなリフが交錯するコーラスも熱いエモーショナルなミッドテンポの2、ダークなムードにソリッドなリフと情念強いヴォーカルが絡むヘヴィナンバーの3、壮大なムードが高まるイントロから突撃していくアグレッシヴなファストチューンの4、湿ったメロディで突き進むキャッチーなアップテンポの5、スケール感のあるイントロからザクザクしたリフを繰り出すタフなミッドテンポの6、壮大なムードが高まる重厚なミッドテンポの7、タイトなリフで突き進む重い展開のアグレッシヴなアップテンポの8、緊迫感高まるイントロからダイナミックなリフで突進していく攻撃的でソリッドなアップテンポの9、壮大なパワーバラードの10、不穏なムードのタイトなヘヴィナンバーの11が収録されています。

 いつも通りのスタイルに、いつも通りの安定感と言うブランド力がモノを言うアルバムは、コロナ禍の影響がちょっぴりサウンドに出ている気がするヘヴィ感があったりなかったりしますが、まあ平常運転です。ヴォーカルおよびバックのパフォーマンスも衰えなく、質実剛健なヘヴィメタルが濃密に詰め込まれている一枚でした。
同系統アルバム
THE HALLOWED/JAG PANZER
RETURN OF THE DRAGON/SACRED OATH
VULTURES DIE ALONE/ARION

TRAVELER'S TALES/SHADOWSTRIKE

トラヴェラーズ・テイルズ/シャドウストライク

MARQUEE MICP-90124 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産メロディックスピードメタルバンドの二枚目のアルバムです。ドラマーが交代しています。

 ファンタジックでドラマティックなイントロから、ハイトーンヴォーカルが哀愁メロディで突っ走る明朗なスピードナンバーの2へと繋げていくアルバムは、スリリングなリフで突っ走る抒情スピードナンバーの3、荘厳なイントロから抒情メロディで進むエモーショナルで勇壮なミッドテンポの4、哀愁メロディで突き進む劇的疾走ナンバーの5、シンフォニックなイントロからの6は女性ヴォーカルとのデュエットによるファンタジックなナンバー、6のムードを引き継いでいく7はドラマティックに展開していくシンフォニックなスピードナンバー、キラキラスピードナンバーの8、さらにキラキラしていくスピードナンバーの9、リリカルなエピックナンバーの10、煌びやかなムードで進む劇的スピードナンバーの11、ボーナストラックには抒情スピードナンバーが収録されています。
 さらにボーナスディスクにはEP「フェイブルズ・アンド・フォークロア」の新録バージョンが収められています。

 前作からのレベルアップを感じさせるアルバムは、誰か振られた?みたいな歌詞が気になったりならなかったりしますが、パワーアップしたキラキラスピードメタルが展開されており、キャッチーさとハッピーさに振り切ったサウンドが詰め込まれています。順当に成長を続けていく姿と輝きを見せる一枚でした。
同系統アルバム
AT THE HEART OF WINTERVALE/TWILIGHT FORCE
RETURN TO THE KINGDOM OF FIFE/GLORYHAMMER
THE SABERLIGHT CHRONICLES/FELLOWSHIP





October

ANGELUS APATRIDA | CIRITH UNGOL | EXMORTUS | IRON SAVIOR | SERENITY |

AFTERMATH/ANGELUS APATRIDA [IMPORT]

アフターマス/アンジェラス・アパトリーダ

CENTURY MEDIA 19658831952 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2023年に発表されたスペイン出身のスラッシュメタルバンドの8枚目のアルバムです。

 唸りを上げるギターリフが高圧で押し込んでいく怒涛の突進ナンバーの1から、ダーティな吐き捨てヴォイスで攻撃的なサウンドを作り出していくアルバムは、クランチーなリフを重ねていくダークでタイトなアップテンポの2では浮遊感のあるコーラスも飛び出す複雑な展開を見せます。パンテラ風の怒涛の突進力を見せるアグレッシヴな3、ダークなイントロからタイトなリフで突っ走るファストチューンの4、クランチーなリフで突き進むスラッシュナンバーの5、メランコリックなイントロから抒情メロディが広がるエモーショナルなパートから一転加速していくアグレッシヴなパートへ移行するダイナミックな長尺の6、タイトなリフを繰り出していくアグレッシヴな突撃ナンバーの7、キレのあるリフで突っ走るタイトで緩急の効いたアップテンポの8、同郷のラッパーが参加するソリッドなリフで進むタイトなファストチューンの9、クイーンズライクのヴォーカルが参加する重厚でエモーショナルな劇的ヘヴィナンバーの10、ボーナストラックには2023年のライヴが二曲収録されています。

 ゲストも多数参加して豪華な仕上がりとなったアルバムは、こらまでの路線を継承していくアグレッシヴでスリリングなサウンドを作り出しており、安定感の強いパフォーマンスを伴って高品質の作品に仕上げています。キャッチーさもあり、フックの強いスラッシュメタルを情熱的に作り出していく様は、スペインの空気を感じさせます。バンドの充実した状態を堪能できる一枚でした。
同系統アルバム
THE SHADOW INSIDE/SADUS
DIABOLICAL/DESTRUCTION
THRASHING EXTINCTION/INCRYPT

DARK PARADE/CIRITH UNGOL

ダーク・パレード/シリス・アンゴル

WARD RECORDS GQCS-91394 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 「指輪物語」に登場する地名をバンド名に持つ、1970年代から活動し2015年に復活を遂げた超ベテランバンドの六枚目のアルバムです。

 タフなギターリフと荒々しいハイトーンヴォーカルが叫ぶアップテンポの1から、哀愁メロディとオーセンティックなサウンドが展開されるアルバムは、ダークなヘヴィリフが迫るグルーヴィーな2、圧の強まるヘヴィリフがにじり寄るドゥーミーな3、のたうつリフが這い寄るヘヴィナンバーの4、ワイルドなヴォーカルとソリッドなリフで進むミッドテンポの5、ドゥーミーなリフで進むダークでブラック・サバス的なヘヴィナンバーの6、ヘヴィリフが押し寄せるダークなミッドテンポの7、8が収録されています。

 ドゥーム・メタルやエピックメタルの開祖とか、マイケル・ムアコックの「エルリック・サーガ」をモチーフにしたジャケットなどが有名なバンドですが、このバンドがそんな影響力があるって思ったことは無かったなあ'`,、(´∀`) '`,、それはさておき、21世紀になっても独自路線を突き進むサウンドは、カルト的な魅力を備えており、一部の人には刺さりそうなものになっています。とは言え、現代風に色々とアップデートされて整理されたサウンドは、彼らの独自性を充分に発揮してる一枚でした。
同系統アルバム
S'ACCABADORA/HELL THEATER
THE HALLOWED/JAG PANZER
OUTSIDER/NIGHT DEMON

NECROPHONY/EXMORTUS

ネクロフォニー/エクスモータス

WARD RECORDS GQCS-91381 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 アメリカ産バンドの6枚目のアルバムです。

 ダークなマーチ風の重厚なイントロダクションで幕を開けるアルバムは、アグレッシヴなリフで突進していく威圧感の強いスピードナンバーの2から、グロウルとネオクラシカルなプレイが交錯するサウンドが展開されていくと、クランチーなリフで突進していく攻撃性も高まるスラッシーな3、メタル魂が燃えあがるタイトな正統派メタルナンバーの4、ネオクラシカルでスリリングなインストナンバーの5、ダークなメロディを重ねていくタイトでエモーショナルなアップテンポの6、抒情メロディのイントロからソリッドなリフを叩きつける展開の細かいアグレッシヴでメロディアスなアップテンポの7、ヘヴィリフで進む8はタイトでダークなミッドテンポのナンバー、物悲しいメロディを孕むイントロからアグレッシヴなリフで突き進むダークなアップテンポの9、激しいリフが荒れ狂う怒涛の突撃スラッシュナンバーの10、メランコリックでドラマティックなインストナンバーの11からダイナミックに展開していくネオクラシカルでアグレッシヴなスピードナンバーの12が収録されています。

 ネオクラシカル・デスメタルという謎のジャンルの前作からの流れを順当に受け継いでいくアルバムは、ネオクラシカルなプレイを炸裂させつつパワーメタルだったりスラッシュメタルだったり正統派メタルだったりするサウンドを詰め込んでおり、ハイトーンヴォーカルはリストラされたようですが、ダイナミックな展開の楽曲を揃えています。色々な意味でエクストリームなサウンドが充満する一枚です。
同系統アルバム
WARLOCKS GRIM & WITHERED HAGS/HELLRIPPER
WEAPONS OF SPIRITUAL CARNAGE/IRONMASTER
ERZDÄMON/MYSTIC CIRCLE

FIRESTAR/IRON SAVIOR

ファイアスター/アイアン・セイヴィアー

MARQUEE MICP-11822 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ベテランジャーマンメタラーの12枚目のアルバムです。

 フォーク風味のメロディを孕むイントロダクションで気分を盛り上げていくアルバムは、パワフルなリフとキャッチーなメロディで突っ走る熱気あふれるスピードナンバーの2から、テンション上がるサウンドを展開していくと、ドライヴ感強まるリフで駆け抜けるアップテンポのロッキンなスピードナンバーの3、ヘヴィリフで迫るテンション上げるタイトなミッドテンポの4、煽情性の強まるメロディで突っ走る勢いのあるファストチューンの5、タイトなリフが刻まれキャッチーさと熱いコーラスも高まるアップテンポの6、ソリッドなリフを叩きつけていく切れ味鋭いパワーメタリックなアップテンポの7、湿ったメロディを繋いでいくスケール感の大きいエモーショナルなミッドテンポの8、唸りを上げるギターリフで畳みかけるアグレッシヴな突進ナンバーの9、ボーナストラックのミステリアスなムードが高まるミッドテンポのヘヴィナンバーの10、80年代風味のキャッチーなメロディで進むフックの強いアップテンポの11、高揚感高まるメロディが広がるソリッドなアップテンポの12、 ボーナストラックにはジューダス・プリーストのカバーが収録されています。

 中心人物であるピート・シールクが癌であることを公表したりとバンドの環境は色々と大変だったようですが、サウンドの方はアイアン・セイヴィアーかくあるべし!と言った仕上がりになっており、ファンを満足させる楽曲を揃えていきます。信念を貫き通す気概がピュアなヘヴィメタルとして結実した一枚です。
同系統アルバム
THE HALLOWED/JAG PANZER
EMPEROR RISING/KRILLOAN
ELEMENTS OF POWER/VEONITY

NEMESIS AD/SERENITY

ネメシス A.D./セレニティー

MARQUEE MICP-11799 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 オーストリー出身のバンドの八枚目のアルバムです。テンペランスで活動するマルコ・パストリーノがギタリストとして加入しています。

 荘厳なコーラスに導かれるアルバムは、元キャメロットコンセプションのロイ・カーンをゲストに迎えたドラマティックなアップテンポの2で、シンフォニックでメロディアスなサウンドを構築していくと、オルガンの響きからダイナミックなリフが繰り出されていくエモーショナルでパワフルなミッドテンポのシンフォニックナンバーの3、センチメンタルなメロディが広がるエモーショナルでダイナミックな4、芳醇なメロディが大きく広がっていく壮大で解放感高まるキャッチーでドラマティックなアップテンポの5、フックの強いリフとシリアスなメロディで突き進むエモーショナルなアップテンポの6、緊迫感高まるイントロからダークなリフで切れ込んでいくエスニックなムードも孕むドラマティックなミッドテンポの7、ヘヴィリフとダークなメロディが絡み合うミッドテンポの8、優しいメロディが広がるエモーショナルなミッドテンポの9、抒情的なメロディで進む壮大なムードが広がるエモーショナルなミッドテンポの10、ボーナストラックには2のオーケストラバージョンが収録されています。

 ロイ・カーンを迎えた2からのあまりのキャメロット感にどうなることかと思いましたが、終わってみればこれまでの路線を継承するバンドらしさが出たサウンドが展開されており、ドラマティックな仕上がりの楽曲を揃えています。ルネッサンス期の芸術家アルブレヒト・デューラーをコンセプトとして壮大なサウンドを作り出しており、安定感あるパフォーマンスを披露していきます。コンセプトアルバムと言うフォーマットを継続して独自のサウンドへと昇華させていく一枚でした。
同系統アルバム
THE AWAKENING/KAMELOT
THE GOD MACHINE/BLIND GUARDIAN
MARCO POLO: THE METAL SOUNDTRACK/SYMPHONITY





Nobember

ANGRA | DEGREES OF TRUTH | DGM | ELEGY OF MADNESS | GRAVE OF SACRIFICE | HÄMÄRÄ | SADUS | SECRET SPHERE |

CYCLES OF PAIN/ANGRA

サイクルズ・オブ・ペイン/アングラ

VICTOR VICP-65619 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 ブラジル出身のバンドの10枚目のアルバムです。

 荘厳なコーラスワークのイントロダクションで幕を開けるアルバムは、アグレッシヴなリフで突き進むドラマティックなスピードナンバーの2から、鮮やかなメロディとパワーが交錯するヘヴィメタルを作り出していくと、不穏なイントロから湿ったメロディとソリッドなリフで進むエモーショナルなアップテンポの3、センチメンタルな4から情感を高めていくダイナミックでパワフルな5へ。ゲストヴォーカルが参加するラテン系の導入部からムードを引き継いでいくムーディでエモーショナルなミッドテンポの6、重厚なコーラスからの7はパワーメタリックなスピードナンバー、メランコリックなムードが高まるエモーショナルなミッドテンポの8、ラテン系のムードが高まるイントロからトライバルかつプログレッシヴに進むミッドテンポの9、ムーディで爽やかなメロディが広がるエモーショナルなミッドテンポの10、初期のムードを感じさせるドラマティックに疾走するスピードナンバーの11、アマンダ・サマーヴィルが参加したオペラティックな劇的ナンバーの12、ボーナストラックの13は12の別バージョンで現メガデスのキコ・ルーレイロも参加しています。

 ファビオ・リオーネが加入してから三枚目になるアルバムですが、イタリア由来の空気感とブラジルの土着性に様式美が絡まりあう、このラインナップでのサウンドが完成形を見たって感じの仕上がりになっています。様々な要素が提示される楽曲は、馬力のあるパワーとメロディが充満する完成度の高いものを揃えており、バンドの才能を見せつけていきます。バンドが新しいステージに至ったことを実感させられる一枚でした。
同系統アルバム
ME7AMORPHOSIS/HIBRIA
RETURN TO THE KINGDOM OF FIFE/GLORYHAMMER
BETWEEN DREAD AND VALOR/GALNERYUS

ALCHEMISTS/DEGREES OF TRUTH

アルケミスツ/ディグリーズ・オブ・トゥルース

WARD RECORDS GQCS-91405 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア出身の女性ヴォーカルを擁するシンフォニックメタルバンドの三枚目のアルバムです。

 静謐でメランコリックなメロディを紡ぐシンフォニックなイントロから、繊細な女性ヴォーカルが歌い上げていくメランコリックなミッドテンポの2へ進んでいくアルバムは、センシティヴなメロディを連ねていくドラマティックなミッドテンポの3、スリリングなイントロからオペラティックな歌唱が響くタイトなミッド〜アップテンポの4、エモーショナルなメロディで進むアップテンポのナンバー、メランコリックな空気が高まる劇的ナンバーの6、ミステリアスなイントロからシンフォニックに展開する劇的ナンバーの7、リリカルなイントロから加速していくアップテンポのメロディックナンバーの8、キャッチーなメロディで進む開放的なアップテンポの9、ロマンティックなメロディが広がるタイトでドラマティックなミッドテンポの10が収録されています。

 繊細なメロディを多彩な表現で歌い上げていく女性ヴォーカルの実力を存分に発揮させていくアルバムは、安定感のあるパフォーマンスで楽曲を彩っていきます。独自性と言う点では先達バンドほどではありませんが、確かな実力を感じさせます。イタリアの地力を感じさせる一枚でした。
同系統アルバム
THE WONDERS STILL AWAITING/XANDRIA
SCHYSMA/SCHYSMA
LEVIATHAN II/THERION

LIFE/DGM

ライフ/ディージーエム

MARQUEE MICP-11832 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア出身のバンドのの11枚目のアルバムです。

 スペーシーなイントロから、躍動感高まるフレーズとパワフルなヴォーカルが一体となって進んでいくテクニカルでキャッチーなミッドテンポの1から、メロディアスなサウンドが展開されていくアルバムは、ソリッドなリフで進む2はアグレッシヴな感触も高まるスリリングなアップテンポのナンバー、タイトなリフで押し込んでいくエモーショナルで重厚なミッドテンポの3、ヘヴィなリフと伸びやかなヴォーカルが交錯するエモーショナルなミッドテンポの4、キャッチーなメロディで駆け抜けるアップテンポのスピードナンバーの5、スリリングなリフとパワフルなメロディで突き進むスピードナンバーの6、ブルージーなイントロからの7はエモーショナルなインストナンバー、ダイナミックなイントロからポップ感高まるメロディで進む明朗なアップテンポの8、ドライヴしていくリフで進むテクニカルでソリッドなミッドテンポの9、ミステリアスなイントロからヘヴィに迫るスケール感の大きいミッドテンポの10、ボーナストラックには1のアコースティックバージョンが収録されています。

 前作よりもヘヴィネスが少しアップしたアルバムは、鮮やかなメロディとテクニカルなプレイはいつも通りの仕上がりで、満足度の高い楽曲を揃えています。すでに完成形に達していると思われるサウンドは、安定感と期待を裏切らない高品質を維持しており、バンドのプロフェッショナルな部分とアーティスティックな要素を上手く掛け合わせていきます。次のアルバムは少し趣を変えてくるという話ですが、変わらぬ魅力的なサウンドを作り出している一枚でした。
同系統アルバム
FINAL ADVENT/DYNAZTY
FAUNA/HAKEN
BLOODLINES/PYRAMAZE

XI/ELEGY OF MADNESS

XI/エレジー・オブ・マッドネス

WARD RECORDS GQCS-91398 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 女性ヴォーカルを擁するイタリア産シンフォニックメタルバンドの5枚目のアルバムです。

 ストリングスに導かれるシンフォニックなイントロで幕を開けるアルバムは、重厚なリフと豪華なコーラスを伴うシンフォニックな2から、女性ヴォーカルが歌い上げていく鮮やかなサウンドを展開していくと、デジタルビートとエモーショナルな歌唱が交錯するキャッチーなミッドテンポの3、重厚なフレーズを重ねていくエスニックでシンフォニックな4、エモーショナルな歌唱とスケール感のある演奏が一体になって迫るドラマティックな5、タイトなリフと繊細なヴォーカルが交錯するエモーショナルなミッドテンポの6、センチメンタルなヴォーカルとストリングスが主導するロマンティックな7、シンフォニックなイントロからアグレッシヴに展開する起伏の大きい劇的ナンバーの8、不穏な小品の9から、ダイナミックに突き進むシンフォニックスピードナンバーの10へと。ダークな雰囲気が高まるソリッドな劇的ナンバーの11が収録されています。

 表現力豊かな女性ヴォーカルと時折差し込まれるグロウルのコントラストも鮮やかにシンフォニックなサウンドを展開していくアルバムは、安定感のあるパフォーマンスに彩られて荘厳な世界観を構築していきます。イタリアンな割にはオカルティックな要素はそれほど強くなく、普通に聴ける感じですが、独自性が希薄に感じられる部分も残ります。他のバンドとの差別化は少し難しそうですが、実力的には太鼓判の一枚でした。
同系統アルバム
THE WONDERS STILL AWAITING/XANDRIA
CELESTIAL VISION/MYSTFALL
LEVIATHAN II/THERION

LAND OF DECAY/GRAVE OF SACRIFICE

ランド・オブ・ディケイ/グレイヴ・オブ・サクリファイス

WORMHOLEDEATH JAPAN BITX-1284 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 メキシコ出身のバンドの2022年に発表されたファーストEPです。バンドの結成は2021年。

 荒々しいリフが繰り出されていくモダンさも孕むヘヴィでソリッドなサウンドで突き進んでいく緩急の強いタイトな1から、グロウルが咆哮するエクストリームなサウンドが展開されるアルバムは、クランチーなリフとフラッシーなギターソロを叩きつけていくアグレッシヴでタイトな2、タイトなリフとビートで突進していく緩急を効かせた3、唸りを上げるリフでブルータルに進むミッドテンポの4、ソリッドなリフが押し寄せるブルータルなアップテンポのパートからミステリアスに展開する5が収録されています。

 モダンなフィーリングもあるデスラッシュって感じのサウンドが展開されるアルバムは、新人らしからぬ風情を醸し出しており、攻撃力の高い楽曲を揃えています。新規性はまだ感じられませんが、期待感の高まる一枚でした。
同系統アルバム
AS GOMORRAH BURNS/CRYPTOPSY
HATRED REBORN/HATESPHERE
GRIND OVER MATTER/DEFLESHED

IVORY TOWER/HÄMÄRÄ

アイボリー・タワー/ハマラ

WORMHOLEDEATH JAPAN BITX-1285 [☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2006年に米国で結成されたメロディックデスメタルバンドの2022年に発表されたファーストアルバムです。

 荘厳なコーラスとシンフォニックなイントロに導かれるアルバムは、哀愁メロディにクリーンヴォーカルとグロウルが交錯するダイナミックなメロデスナンバーの2、タイトなリフとビートを刻むエモーショナルなミッドテンポの3、クリーンとグロウルが掛け合いつつダイナミックに進行していくエモーショナルなミッドテンポの4、メランコリックなムードが高まるエモーショナルなミッドテンポの5、クリーンヴォーカルが主導するメランコリックで情動が強いミッドテンポの6、タイトなリフで突き進む密度の高いアップ〜ミッドテンポの7、哀愁メロディが炸裂する煽情的なアップ〜ミッドテンポの8、ソリッドなリフで進むダイナミックなアップテンポの9が収録されています。

 イン・フレイムスソイルワークの影響下にあるサウンドは、北欧メロデスのフォーマットに沿ったものとなっており、シンフォニックな装飾を含めて今では懐かしさを覚えるような楽曲を揃えています。ブルータルな要素がかなり少なく、メロディに全振りした風なスタイルを追求しているため、メタル的なカタルシスは薄いですが、割と安定した楽曲に仕上げています。オリジナリティはまだ現れてはいませんが、今後の伸びしろは感じさせる一枚でした。
同系統アルバム
VAST REACHES UNCLAIMED/MAJESTIES
FOREGONE/IN FLAMES
IN CONTINUUM/DESTINITY

THE SHADOW INSIDE/SADUS

ザ・シャドウ・インサイド/セイダス

WARD RECORDS GQCS-91402 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 1985年に結成された米国産スラッシャーの17年ぶりの6枚目のアルバムです。

 静かなパートからダイナミックなリフが繰り出されていく勇壮なイントロを経て、アグレッシヴでクランチーなリフを叩きつけていくテクニカルなスラッシュナンバーの1から、グロウル風味の吐き捨てヴォーカルが叫ぶ凶暴なサウンドが展開されるアルバムは、怪しいイントロから猥雑なサウンドが展開される威圧感の強いヘヴィナンバーの2、凶悪なヴォーカルとリフが一体となって迫る圧の強いミッドテンポのパートから嵐のように加速していく3、ヘヴィなイントロから凶暴に突進していくブルータルな4、激しいイントロからそのまま突っ走る怒涛のスラッシュナンバーの5、ヘヴィリフで進むタイトで凶悪なパートから高速パートへと移行していくダイナミックな6、クランチーなリフで進むダークでグルーヴィな7、テクニカルかつグルーヴィに進むヘヴィナンバーの8、メランコリックなイントロから乾いたムードが広がるインストナンバーの9からヘヴィ&グルーヴィに進むイーヴィルなスローパートからタイトに突き進んでいく10が収録されています。

 スティーヴ・ディジョルジオが在籍していたことでも知られていますが、デスメタルとスラッシュメタルを掛け合わせたみたいな、80年代の混沌としたサウンドが展開されていくアルバムは、アンダーグラウンド感を保ちながら、ブラッシュアップされた印象を与えており、衝動性の強いサウンドを作り出していきます。過去から現在までエクストリームなサウンドを追求していく一枚でした。
同系統アルバム
WARLOCKS GRIM & WITHERED HAGS/HELLRIPPER
INHUMAN SPIRITS/DARKANE
THRASHING EXTINCTION/INCRYPT

BLACKENED HEARTBEAT/SECRET SPHERE

ブラッケンド・ハートビート/シークレット・スフィア

WARD RECORDS GQCS-91399 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア産バンドの10枚目のアルバムです。

 アコースティックギターのイントロから、ダイナミックなリフで突進していくアグレッシヴでドラマティックなスピードナンバーの2から、劇的サウンドを展開していくアルバムは、アグレッシヴなイントロからテクニカルに展開していくタイトなミッドテンポの3、ダークなメロディとリフが交錯するソリッドなミッドテンポの4、メランコリックなムードが高まるエモーショナルなミッドテンポの5、テクニカルでダイナミックなフレーズを重ねていく劇的ナンバーの6、シンフォニックなイントロからアグレッシヴに突き進むエモーショナルなアップテンポの7、キャッチーなメロディで進むソリッドでドラマティックなアップテンポの8、ロマンティックなバラードナンバーの9、タフなリフで突っ走る劇的疾走ナンバーの10、ダークなヘヴィリフを叩き込んでいくダイナミックでドラマティックなミッドテンポの11、ボーナストラックには5のアコースティックバージョンが収録されています。

 オリジナルヴォーカリストが復帰しての二作目となる劇的世界を構築していくアルバムは、テクニカルなプレイと扇情的なメロディが炸裂する鮮やかなものとなっています。初期のサウンドをアップデートしてパワーアップしたかのような楽曲が揃えられており、当時では達成することができなかったサウンドを遂に完成させたような印象を与えます。独自性と完成度がバンドの目指す領域に達した一枚でした。
同系統アルバム
NEMESIS AD/SERENITY
GHOST TOWN/NARNIA
BLOODLINES/PYRAMAZE





December

BLUE ÖYSTER CULT | ELDRITCH | EVERMORE | THERION |

50th Anniversary Live - First Night -/BLUE ÖYSTER CULT

50th アニヴァーサリー・ライヴ - ファースト・ナイト - [Blu-ray+2CD]/ブルー・オイスター・カルト

WARD RECORDS GQXS-90488-0 [LIVE] >>>>>BUY...?

 米国産ハードロックバンドの50周年記念の特別公演の模様を収録した映像作品です。

 最新作がリリースされた時にも、もうバンドの解散かメンバーの死去しかニュースにならないと思ってましたが、50周年のライヴが映像化されましたよ奥さん'`,、(´∀`) '`,、えーと、78歳のエリック・ブルームと76歳のバック・ダーマと、ゲスト参加したオリジナルメンバーの76歳のアルバート・ブーチャードがとても元気そうで良かったです。楽曲の方は最新作からのラインナップも取り入れつつ全年代満遍なくプレイするって感じですが、珍しい曲もやってまして現役バンド感が高まっています。

 さすがに次に来日することがあったりしたらもう最後のような気がするので、機会は逃したくないよね!って一枚でした。
同系統アルバム
A LONG DAY'S NIGHT/BLUE OYSTER CULT
LIVE 1976/BLUE OYSTER CULT

INNERVOID/ELDRITCH

インナーヴォイド/エルドリッチ

WARD RECORDS GQCS-91409 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 イタリア産プログレッシヴメタルバンドの13枚目のアルバムです。ヴォーカルが交代しています。

 ミステリアスなムードのイントロから、ソリッドなリフを叩きつけていくアグレッション高まるアップテンポの2から、パワフルなヴォーカルとテクニカルなプレイが畳みかけるアルバムは、スピーディでテクニカルなイントロからヘヴィリフを刻んでいくダークでグルーヴィな3、情動的なヴォーカルに導かれるタイトなアップテンポの4、飛翔感のあるエモーショナルなヴォーカルが歌い上げていくキャッチーなアップテンポの5、メランコリックなムードが高まるパワーバラードの6、ダンサブルなビートで進むソリッドでエモーショナルなアップテンポの7、スリリングなフレーズが重ねられるタイトでアグレッシヴなアップテンポの8、ダークなムードが高まるエモーショナルでソリッドなミッドテンポの9、アグレッシヴに突き進む緩急の強い攻撃的なスピードナンバーの10が収録されています。

 パワーメタリックなムードとテクニカルなプレイが交錯するサウンドはベテランバンドながらも、躍動感と生命感の高まるものとなっており、パワフルな楽曲が高いパフォーマンスによって構築されており、新ヴォーカルの加入もあってフレッシュさが漲っています。メランコリックなメロディとドラマティックな展開はさすがのベテランの余裕を感じさせ、聴き手に安心感を与えます。ここまでのキャリアでさらにアップデートを続けていく一枚でした。
同系統アルバム
RESCUE/SHAMAN
BLOODLINES/PYRAMAZE
DIVIDING LINES/THRESHOLD

IN MEMORIAM/EVERMORE

イン・メモリアム/エヴァーモア

WARNER MUSIC WPCR-18648 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 2016年に結成されたスウェーデン出身のバンドの二枚目のアルバムです。

 物悲しいメロディが響くシンフォニックなイントロから、煽情性の強いメロディとハイトーンヴォーカルで突っ走るスピードナンバーの2へと繋いでいくアルバムは、ソリッドなリフで進むエモーショナルでダイナミックなミッドテンポの3、アグレッシヴに突っ走るハイテンションの劇的スピードナンバーの4、抒情メロディとタイトなリフが交錯するエモーショナルなミッドテンポの5、湿ったメロディで突き進むソリッドなパートから開放的なコーラスに飛翔するミッドテンポの6、ヘヴィリフで進むエモーショナルで壮大なミッドテンポの7、プライマル・フィア風の攻撃的なスピードナンバーの8、壮大なイントロからドラマティックに展開していくアップテンポの9が収録されています。

 フックのあるメロディと勢いのあるパフォーマンスが噛み合って、パワフルなメロディックメタルに仕上げられたアルバムは、シンフォニックなアレンジも加わってダイナミックな楽曲を揃えています。スリーピースバンドという事を感じさせないリッチなサウンドには才能を感じさせます。プロダクションには改善の余地がありますが、順調な成長を感じさせる一枚でした。でもライヴとか困りそうだからメンバーは増やした方がいいんじゃないかな(´Д`;)
同系統アルバム
ONCE UPON A TIME/EXCALION
BLACKENED HEARTBEAT/SECRET SPHERE
NEKYIA/WINTERAGE

LEVIATHAN III/THERION

リヴァイアサンIII/セリオン

WARD RECORDS GQCS-91411 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スウェーデン出身のバンドの17枚目くらいのアルバムです。

 グロウルとオペラティックな女性ヴォーカルが絡みあうダイナミックな劇的ナンバーの1から、豪華なコーラスとシンフォニックなサウンドに彩られていくアルバムは、メランコリックなアコースティックギターに導かれる2は女性ヴォーカルが切々と歌い上げていくパートからソリッドなリフを刻む荘厳なパートが交錯する起伏の大きいナンバー。キャッチーさも高まるコーラスワークで進むアップテンポの3、緊張感高まる展開で突き進むスピードナンバーの4、エピックなムードが高まるミッドテンポの5、ミステリアスなムードを高めつつ突き進むスピードナンバーの6、厚いコーラスが導くソリッドなミッドテンポの7、ダークなムードで迫るオペラティックなミッドテンポの8、アコースティックギターとトライバルな女性ヴォーカルに導かれるエピックでシアトリカルなナンバーの9、緊迫感高まるリフで突き進むアップテンポの10、怪しげなムードが高まるグルーヴィなパートから荘厳に展開していく劇的ナンバーの11が収録されています。ボーナストラックはアカペラとか何とか4曲収録されていますが、意図はよくわからない(´Д`;)

 「ファンが望むものを作る」トリロジーも最後と言うことで、たしかに皆が聴きたかったものが出来てました'`,、(´∀`) '`,、スピード感も少し高まってますし、コーラスはいつも通りのクオリティなので安心。さすがに次回作は何かとんでもないのを作ってきそうな予感もする一枚でした。
同系統アルバム
THE WONDERS STILL AWAITING/XANDRIA
CELESTIAL VISION/MYSTFALL
XI/ELEGY OF MADNESS