| ■ | Janualy |
| KNIGHTS OF THE CROSS/GRAVE DIGGER (1998) GERMANY |
| 十字軍遠征をテーマにしたドラマティックな歴史絵巻は骨太で勇壮な世界。起伏の激しい曲展開が数奇な運命を辿った十字軍騎士の物語と相まって劇的なパワーメタルを産み出します。 厚みのあるコーラスと激烈なシャウトが力強いリフと絡み合い、オーケストラアレンジを施されたキーボードと共に、ヘヴィメタルらしいダイナミズムに満ちたサウンドを聴かせてくれます。 自らのルーツであるヨーロッパを見据えた、その姿勢はテーマだけに止まらず、音楽にも多大な影響を及ぼしており変わらぬヘヴィメタルへの信念を見せ付けたものになっています。 |
| ■ | Februaly |
| RUSTED ANGEL/DARKANE (1999) SWEDEN |
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壮絶に疾走し、野獣のような咆哮から華麗な旋律を紡ぎ出す。
ジャケットのアートワークに象徴されるサウンドがここに忠実に再現されています。暗黒世界を描き出す、激烈ながらも冷徹かつテクニカルにビートを刻むドラムが攻撃的に鳴り響くギターと絡み合い聴き手を打ちのめします。ギターソロにおいては叙情的でメロディアスなフレーズが美を表現し、破壊的なサウンドとの強い対比を作り出しています。
完全に新人のアーティストの集まりというわけではありませんが、デビューアルバムにしてこれほどの完成度を持ったものを創り出す才能には今後に大きな期待を持たせてくれます。 |
| ■ | March |
| POWERPLANT/GAMMA RAY (1999) GERMANY |
| メロディック・スピードメタルの王道を突き進むガンマ・レイですが、いつもながらのヴォーカルの問題を抱えながらも今回も満足いくレベルを保った作品を創り上げています。 このアルバムではアイアン・メイデンを手がけたデレグ・リッグスをアートワークに採用するなど、全体的な作品のクオリティを高める意識が見られます。サウンド面で顕著に見られるのがジューダス・プリーストを思わせるリフ・ワークや曲構成で、それらは元々内在されていたものではありますが、楽曲の質を高めようとした結果かもしれません。 もちろん、彼らならではのキャッチーな部分や親しみを憶えるメロディは健在で、功罪併せ持つカイ・ハンセンのヴォーカルが楽曲への敷居を低いものにしています。 バラード・ナンバーは収録されておらず、全編に渡って疾走感あるアルバムになっています。前作までのアルバムに良く見られた躁状態で疾走する楽曲(MONEY、FUTURE MADHOUSEなど)も無く、また全体的に落ち着いたプロダクションが物足りない印象を与える事もあるかもしれませんが、それでも凡百のバンドとは比べ物にならない楽曲が揃っています。 という事で今回もオリジナルの凄みを見せつける事には成功しているのではないでしょうか。 |
| ■ | April |
| HATEBLEEDER/CHILDREN OF BODOM (1999) FINLAND |
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ヘヴィメタルの新たな地平を切り開いたような気がする彼らですが、このアルバムでは正統派ヘヴィメタルにより近づいたものになってます。それは結構な事なのですけど、そのおかげでディストーション・ヴォーカルがほとんど機能しなくなってしまいました。2、3曲でしかヴォーカルの必然性を感じられないのは問題有りではないでしょうか。
とは言っても、その代わりにギターがメロディを引っ張っているわけで、ヴォーカルの向こうを張って唄っています。ギターのメロディラインをヴォーカルが唄えばいいのではないかと思う事しきりです。
と、多少の問題は見受けられなくもないですが、ヘヴィメタルの醍醐味を味あわせてくれるに充分なパワーとメロディ、そしてアグレッションを有している事は間違いなく、ネオクラシカルなフレーズと激烈な疾走感、そしてドラマティックな展開は今作でも健在で、決して期待を裏切る事はありません。
プロダクションも良くなって楽曲の輪郭が鮮明になった事や安易なアレンジが払拭された事で洗練された印象を与えており、成長しているという事を強くアピールしています。
でも、この調子でやってくれる普通のヴォーカルのバンドはあらわれないのでしょうか。 |
| ■ | May |
| COLONY/IN FLAMES (1999) SWEDEN |
| 魂を揺さぶる哀しみ、怒り、苦痛、ネガティブな感情を内包する彼らのアルバムは、無機的な歌詞世界と扇情的な音楽世界を融合させ、負の感情を昇華し劇的な美の世界を創り上げる。 一聴して激しい情動を起こさずにはいられない、その壮絶な美意識に裏打ちされたメロディは咆哮とも聞こえるヴォーカルとともに聴き手を打ちのめすだろう。 |
| ■ | June |
| CRITERIA FOR A BLACK WIDOW/ANNIHILATOR (1999) CANADA |
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あのアナイアレイターが帰ってきた! スピードジャンキーの溜飲を下げる高速ナンバーの1から始まって、“アリス”の帰還を告げるスリリングな2、リリシズムとアグレッションを交錯させるインストゥルメンタルの5など初期の空気を取り戻したアナイアレイター節が存分に発揮されたサウンドが縦横無尽に展開されます。また、専任ヴォーカリストの存在が作曲やプレイに余裕を与えており、これ以前のアルバムでは見られなかった壮絶でテクニカルかつエモーショナルなギターワークが堪能できます。 それはサウンド面だけに留まらず、初期アルバムを手がけた作詞者とのコラボレーションが創り出すパラノイア的でミステリアスなサイコホラーに満ちた歌詞にも及んでおり、ジャケットまでも含めたトータルな方向性の統一を図っているのが感じられます。 複雑な曲展開と爽快ささえ与える切れ味あるリフが楽曲に有無を言わせぬ圧力を与えており、9の激烈疾走ナンバーに至るまでジェフ・ウォーターズの鬼気迫るギタープレイの渦に巻き込まれる事は必至です。 そして、アルバムは最後の一秒まで聴きましょう…。 |
| ■ | July |
| VERY/DREAMSCAPE (1999) GERMANY |
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表現したいものを理想通りに表現できる能力があるのは幸せな事です。 確かな演奏力と感情豊かなヴォーカルが美しくクリスタルのような多彩な面を鮮やかに現していきます。テクニカルなプレイは煌くメロディの魅力を充分過ぎるほど感じさせており、その幻想的な歌詞世界を忠実に再現しているように見えます。ヘヴィでソリッドなギターリフと飛翔感あるキーボードサウンドが絡み合い物語を昇華させていきます。 まだ先達の影響を完全に脱してはいませんが、彼ららしさも表れており今後にも大きな期待を抱かせるものになっています。 |
| ■ | August |
| COSMIC HANDBALL/SILENT MEMORIAL (1999) SWITZERLAND |
| 消極的に消去法で選んでみました。 しかし、内容的にはデビュー作とは思えないクオリティの高いものになっています。 美しいメロディとコーラス、スペーシーな音空間をハイトーン・ヴォーカルが力強くリードしていきます。そのテクニカルで凝った曲展開は星の海を渡るような世界観を与え、一遍の物語を紡ぐような感覚を味あわせてくれます。メンバーが流動的なのが多少気がかりですが、今後とも活躍してもらいたいバンドの一つです。 |
| ■ | September |
| ALIVE IN ATHENS/ICED EARTH (1999) USA |
| 演奏が不安定な個所とかいろいろ些少な問題もあったりしますが、それがライブの醍醐味でしょう。曲数が多くて一度に聴くのは大変とか値段が高いとか何とかあったりしますけど、この後当分ライブ盤など出ませんので、入手が容易な今のうちに聴いておきましょう。とりあえずヴォーカルのパフォーマンスがこのアルバムのキモです。 |
| ■ | October |
| VK3/VITALIJ KUPRIJ (1999) UKRAINE |
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はい、ウクライナのハンドパワーを持ったピアニスト(未確認)、ヴィタリ・クープリのサードアルバムです。もしかすると人より指の数が多いんじゃないかとか、そんな噂は流れてはいませんがそれはさておき。
キーボーディストのソロアルバムにも色々ありますが、これだけピアノが激しく情感豊かで、さらにへヴィメタリックな感触を感じさせるのはヴィタリ以外ではほとんど聴いたことが無いし、普通ディストーションギターとキーボードとピアノでユニゾンはしないだろう、ってわけでして。
そしてギターを担当するトニー・マカパインもドラマティックなプレイで曲は異様な緊張感に包まれていたりして、でもまとまりある展開というかコントロールされたスリルを味わえたりします。
つまり
ピアノでもへヴィメタルできるよ! って事です、そうなんです。 |
| FEAR THE FORCE/TEN (1999) U.K. |
| ジャケットの流麗さとは裏腹に、ああレコード会社に儲けさせてしまったなあ、とつくづく感じさせてくれる罪作りなミニアルバムです。6曲も入ってますが既出の曲には特に言うべき事もないし、未発表のアコースティックバージョンも特筆すべきこともありません。それより何より問題なのはこのアルバムの価格です。とりあえず、これにお金を払うならフルレンスアルバムを輸入盤で買ったほうが幸せになれるでしょう。おまけに何の解説もありゃしません。とにかく彼等の大ファンでもう他に購入するものが無い方なら敢えて止めはしませんが。 |
| ■ | Nobember |
| MILLENNIUM METAL -CHAPTER ONE-/METALIUM (1999) USA |
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ヘヴィメタル。
だけではマズイので。 パワフルなハイトーンヴォーカルを擁するオーセンティックなヘヴィメタルなわけですが、内容的には80年代正統派ヘヴィメタルのスタイルをほとんど網羅するような、まるで教科書か歴史書みたいな感じのアルバムになってます。大仰で熱くて漢臭い密度の高い音の渦に巻き込まれるのは必至、あなたもいつのまにかコーラスを唄っているにちがいありません。 今まで聴いていた人には懐かしく初心を思い出させてくれるものであり、最近聴き始めた人には新鮮に映るであろうヘヴィメタルらしさに満ち溢れたサウンドが目一杯詰め込まれています。 もっとも今時スモーク・オン・ザ・ウォーターをやってしまうのは只ならぬセンスと言うか何とかしてほしいと言うか。 |
| ■ | December |
| ONE NIGHT IN CARCOSA/DAWN OF RELIC (1999) FINLAND |
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いや、何となく。
ヘヴィメタルと怪奇趣味の融合はヘヴィメタル黎明期からずっと続けられてきているわけで、そういった意味では伝統に基づいた正統的なアプローチをしている…というのはアルバムの中身にはあまり関係ありません。 |