今月の一枚[2000]

>>>2000年発表アルバム

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Janualy

VIOLENT/VOLCANO (2000) JAPAN
アニメタルでもセンスの良いインストゥルメンタルを聴かせていた屍忌蛇の作り出したパワーメタリックなサウンドは、一連のブルータルなヘヴィメタルバンドが正統派よりの方向性を見せる事が多い中での数少ない逆のアプローチで、メロディックデスメタルへの伝統的なヘヴィメタルからの返答と言った風にも受けとめられます。
それはともかく、叙情的で扇情的なメロディを全面に配したドラマティックかつブルータルな楽曲は何か、今まで手に入れることが出来なかったものを与えられたような充足感を与えてくれ、現代的なヘヴィネスと伝統的なスタイルが結びついたサウンドがここにあります。
 

Februaly

CRIMSON/SENTENCED (2000) FINLAND
メロディックデスメタルにおいて「AMOK」という優れたアルバムを残した彼らも路線変更後はパフォーマンスの未成熟もあって、あまり正当な評価を受けてこなかったように思えます。過去の攻撃性をあふれんばかりの哀愁と叙情感に変えてゴシックメタル的な世界観を持った音楽性でも完成度の高い情感豊かな美しいアルバムを作っています。幅広い普遍的な魅力を多分に持った本作が彼らの新たな歴史を開く一枚になることでしょう。

完全に新人のアーティストの集まりというわけではありませんが、デビューアルバムにしてこれほどの完成度を持ったものを創り出す才能には今後に大きな期待を持たせてくれます。
 

March

AD ASTRA/SPIRITUAL BEGGARS (2000) SWEDEN
うねるグルーヴィと弾むリズムと妖しい魅力を携えた70年代の空気を色濃く残したリアルロックと形容するのがふさわしい、未来を見据えたヘヴィロックが色鮮やかに描かれています。ギターソロはあくまでも豊潤なメロディに彩られており、時にブルー・オイスター・カルトばりの叙情感、さらに扇情的なフレーズを奏で、ヴォーカルはエモーショナルかつ力強く歌い上げます。 純粋にロックするダイナミックな音空間を産み出した会心の一枚になっています。
 

April

THE FOURTH LEGACY/KAMELOT (1999) USA
フロリダ出身ながらヨーロッパ的な哀愁と様式に満ちた楽曲群は、元コンセプションのロイ・S・カーンの魅力的なヴォーカルを伴って荘厳で気品さえ持ったサウンドを作り出しています。元々のバンドが指向していた方向性を更に強化し新たな次元にまで引き上げたギタリストのトーマスとヴォーカルのカーン、さらにプロデュースを担当したヘヴンズゲイトのサシャ・ピートなどのバックアップが高品質のメロディックメタルを産み出しました。 また、伝統音楽やプログレッシヴな要素などの新たな面はバンドの可能性を広げており、ドラマティックなサウンドを華麗に彩っています。
才能豊かなアーティストの魅力が掛け合わされた会心の一枚と言えるでしょう。
 

May

 
ミリオンセラーも間近?のボン・ジョヴィの「CRUSH」を購入して周りの人とのコミュニケーションを図ってみるのが今週は吉と出ました。
 

June

BLAST FROM THE PAST/GAMMA RAY (2000) GERMANY
ヴォーカリストのラルフ・シーパースの脱退後のカイ・ハンセンは結局自分でヴォーカルも務めることになって久しいですが、カイ・ハンセンが自分の能力と楽曲の整合性を取るための苦心の末に産み出された「LAND OF THE FREE」アルバムで一応の成功を収めたわけですが、それでもヴォーカルへの不満は根強く残っていたようです。そして、これまでの手法では駄目だと感じたカイ・ハンセンは

「ヴォーカルが気にならないくらい音を詰め込む」

という境地に至った!!…かどうかは定かではないですが、その後の二枚のアルバムではこれでもかッ!と密度の高い作りこまれたサウンドを産み出してきました。 で、このベストアルバムのDISC 2ではカイ・ハンセンが自身を想定して書いた楽曲が揃っています。オペラティックな「LAND OF THE FREE」からのドラマティックな1〜3、4の壮大なナンバーで一息、そしてガンマ・レイの魅力を総て詰め込んだ5〜10に至る怒涛の楽曲群は息つく暇さえ与えない壮絶な濃縮ガンマ・レイ300%という感じになっていて、聴いた貴方は今日からガンマ線を眼から発しそうな(人には向けないように)、濃厚なカイ・ハンセン印のドラマティックワールドに入りこんでいることに気がつくだろう…。 そうなってしまうと空飛ぶピラミッドが見えたりするので注意しましょう。

あ、下にも何かある…。
BLAST FROM THE PAST/GAMMA RAY  (2000) GERMANY
そして!
ラルフ・シーパース時代のアルバムからピックアップした楽曲をカイ・ハンセン(唄いたがり)自身が唄って、さらに現メンバーのインプットを加えたニューアレンジ、再レコーディングバージョンの超問題作のDISC 1です。あのジューダス・プリーストのオーディションを内緒で受けたという噂の実力派ハイトーンヴォーカルのラルフ・シーパースに挑むという挑戦者カイ・ハンセンの意気込みや良し! 最近のアルバムで成功を収めた手法を初期の楽曲にも適用し、前任ヴォーカリストのイメージを払拭しようとしたのは良いですが、いかんせんヴォーカルを活かした曲作りをされているそれらの曲は、音を隙間無く詰め込む現在の手法とは相性があまり良くなく、デコレーションケーキに蜂蜜をかけて、さらにチョコレートコーティングしたような甘党の人には天国、そうでない人には地獄のような聴き手をかなり選ぶサウンドが展開されています。 また、カイ・ハンセンのパフォーマンスも前任者を意識したような無理な歌唱があったりで同じ土俵で闘っては不利に決まっている、という状況を把握しきれなかったような気もします。

そして、このアルバムを例えるなら、真剣勝負を目指しながら、ジャイアント馬場(故人)&スタン・ハンセン、ラッシャー木村、永源遙、渕正信、他で行なわれる全日本“エンターテイメント”プロレスの六人タッグ状態、はたまた、関根勉(元ラビット関根)演じるところのジャイアント馬場、上島竜平(ダチョウ倶楽部)演じるところの大仁田厚、春一番、井手らっきょ演じるところのWアントニオ猪木、さらにラッシャー板前のラッシャー木村がお笑いウルトラクイズで電流爆破地雷粘着場外リングでアジャ・コング、ジャガー横田組と一戦交えるような、そんな真面目なのか不真面目なのか傍目からは分かりにくい微妙で複雑な状態だったり。
で詰まるところ、このアルバムは買って良いのか悪いのか。

「どうですか、お客さん!」

July

V/SYMPHONY X (2000) USA
今までコンセプトアルバムを作っていなかったのが不思議なくらいなプログレッシブメタルバンド、シンフォニー・エックスの神話的なストーリーを基にしたアルバムです。 ネオクラシカルなフレーズにメタリックでヘヴィなギターリフを結びつけたその独特のサウンドは彼等の存在を異質なものにしており、そのにわかには受け入れにくい妖しげで聴き手の期待に応えないメロディがキャッチーさを取り去りシリアスなものに仕上がっています。神秘的かつ壮大に繰り広げられる情景と映画めいた鮮やかなドラマツルギーを産み出す緩急、起伏に満ちた展開はアルバム全体を一つの作品として提示するシリアスなものです。今までの彼等の作り出した独自の展開を次々と積み重ねていく様は、まるで最高の逸品を作り出そうとする職人的な気概を感じさせ、自らの道を突き進む事に一片の迷いもありません。
 

August

BURNING JAPAN LIVE 1999/ARCH ENEMY (2000) SWEDEN
多分、現在のデスメタルシーンではもっともツインギターが美しい青空デス(C/Koh@C.O.P.)の創始者のライブ盤は、まるでスタジオテイクを聴いているかのようなキレのあるプレイと別人のようにドスの効いたヴォーカルが新たな魅力を生み出している記録性も高いものになってます。それにしてもアモット兄弟はヘヴィメタルの至宝というか超重要人物達になりつつあるというか、でも知名度は今一つ高くなっていかないと言うか、アメリカドサ回りツアーをやって偉大なバンドへの道を辿ることが出来るでしょうか。
それはさておき、デスメタルじゃないハイトーンヴォーカルを使ったプロジェクトとかやらないのかなあ。
 

September

STATE OF TRIUMPH/METALIUM (2000) GERMANY
瞬間的なプロジェクトとして消え去ってしまうかと思われていた彼等もメンバーを周辺地域で固めて活動を継続することになって一安心。
前作を素直にスケールアップさせたドラマティックでヘヴィメタルらしいサウンドが繰り広げられており、攻撃的で漢臭いコーラスのいった彼等の特徴的な部分は多少欧州色が強まったりしていますが、それはさておき。バカメタル、じゃなかったメタルバカ一代を貫き通す姿は端から見れば苦笑ものではありましょうが、それがメタルの真実の姿です。
 

October

AFFAIR OF HONOUR/LIAR SYMPHONY (2000) BRAZIL
ブラジル出身の新世代パワーメタルバンド、ライアー・シンフォニーのデビューアルバムは新人離れしたクオリティのメロディとサウンドを引っさげて現れたわけですが、さすがに始めてのアルバムだけに色々あります。ちょっぴり不安定な昔のメロディアススラッシュを彷彿とさせる唄いあげるヴォーカルと上手いんだかどうなのか良く分からない勢いのあるギタープレイに、これでもかと畳みかけるフレーズの数々が妙な緊張感を生み出しており、多分この先成長して行くと失われてしまうであろう(失われた方がいいんだけど)綱渡りなバランスが魅力的なフックのあるメロディと結びついた化学反応を楽しめる、そんなアルバムです。
よく、言われるじゃないですか「映画は予告編の方が面白い」って。これから先のアルバムを期待させる可能性が満ちあふれている作品です。
 

Nobember

MIDIAN/CRADLE OF FILTH (2000) U.K.
作品毎に少しづつ異なった色を見せながら、それでいて独自のサウンドを貫き通している彼等の今回の作品は同じイギリスの幻想作家の作品をモチーフとした、それはまさに英国的な憂いと底知れない暗さに満ちた異形の世界を描き出しています。 聴くものを恫喝するかのように迫る狂気と凶気に満ちたヒステリックな叫びが邪悪と静謐な美によって作り出される暗黒の世界に響き渡り、世界を呪うかのような深い魔的なモノローグが底知れない地下世界を彩ります。 異形の美を産み出し続ける吸血鬼軍団の前途には果てしない恐怖と堕ちた魂が待ちうけているのでしょうか。
 

December

FOLLOW THE REAPER/CHILDREN OF BODOM (2000) FINLAND
すでにメロディックパワーメタル。