新着アルバム

10/26

DARKNESS INVISIBLE/MORS PRINCIPIUM EST

ダークネス・インヴィジブル/モルス・プリンシピアム・エスト

MARQUEE MICP-11983 [☆☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの8枚目のアルバムです。元メンバーの三人に、ゲスト参加したことのあるドラマーが加わって制作されています。

 オカルティックなイントロダクションで幕を開けるアルバムは、凶暴なリフで突進するダイナミックでドラマティックな1から、北欧メロディックデスメタルを体現するサウンドを展開していくと、シンフォニックなアレンジも加えて突き進む鮮やかなスピードナンバーの2、抒情性の強いシンフォニックな展開とエモーショナルなグロウルが交錯するミッドテンポの3、荘厳でオペラティックなコーラスに導かれる小品の4を経て、情念強まる劇的疾走ナンバーの5へ。物悲しいストリングスに導かれる6は起伏の大きい激情の突撃ナンバー、エッジの効いたリフと情念帯びたグロウルが交錯するエモーショナルでドラマティックなミッドテンポの7、タイトなリフとビートで駆け抜けるファストチューンの8、女性コーラスによるメランコリックな小品の9を経て、スケール感の大きいムードが高まるシンフォニックでドラマティックなヘヴィナンバーの10、ボーナストラックには同郷のアーティストのポップナンバーのカバーが収録されています。

 バンドの元メンバーが復帰したアルバムは、初期衝動と攻撃性が高まっており、バンドイメージを強くアピールしていくサウンドを作り出していきます。シンフォニックなアレンジも受け継ぎつつ、激しさを増していく楽曲を揃えており、北欧メロディックデスメタルの理想形に近いものを提示していきます。メンバーチェンジが多すぎて今後の活動も大丈夫かなって感じですが、満点のクオリティに仕上げてきた一枚です。
同系統アルバム
BAND OF BROTHERS/WARMEN
SERVITUDE/THE BLACK DAHLIA MURDER
WHAT IS DEATH?/UNHOLY ORPHEUS

STEELBOUND/BATTLE BEAST

スティールバウンド/バトル・ビースト

WARD RECORDS GQCS-91684 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フィンランド出身のバンドの7枚目のアルバムです。

 タフなギターリフを叩きつけていくソリッドなアップテンポの1から、女性ヴォーカルがパワフルに歌い上げていくメロディックメタルを展開していくアルバムは、シンセポップ風味のミッドテンポの2、哀愁メロディが躍動するキャッチーなアップテンポのポップナンバーの3ではパワフルな中間部が印象的です。ラテンなノリのシアトリカルなミッドテンポの4、パワフルなリフで迫るアグレッシヴなミッドテンポの5、壮大なインストナンバーの6から、勇壮さを持ったミッドテンポのエピックメタルナンバーの7、抒情メロディで進む80年代ポップ感の高まるミッドテンポの8、キャッチーなメロディが躍動するアップテンポの9、煽情的なメロディが広がるフックの強いアップテンポの10が収録されています。

 前作よりもさらにポップ寄りのサウンドに仕上げられたアルバムは、バラエティのある楽曲を揃えて80年代的な華やかなムードを作り出していきます。ヘヴィメタルとしては音が全体的に軽めになっていることと、アルバムのランニングタイムもあって軽快さが目立っており、様々な音楽要素も組み合わさってハードロック色が強まっています。メタル成分は更に減少していますが、ポップさとキャッチーさで聴き手を惹きつけていく一枚でした。
同系統アルバム
JOURNEY TO THE SUN/KILMARA
POWER TRAIN/MAJESTICA
THE SILVER KEY/CRYSTAL VIPER

10/13

INQUISITION/BURNING WITCHES

インクウィジション/バーニング・ウィッチーズ

MARQUEE MICP-11954 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 スイス出身の女性バンドの6枚目のアルバムです。ギタリストに元ファントム・ブルー〜ザ・アイアン・メイデンズのコートニー・コックスを迎えています。

 勇ましいコーラスがマーチ風のビートに乗ってやってくるエピックなイントロダクションから、タイトなリフを叩きつけていく密度の高いパワフルなミッドテンポの2で、テンションの高いヴォーカルが歌う圧の強いメタルサウンドを展開していくアルバムは、メガデスっぽいムードで進むダークでクランチーなリフを刻むヘヴィナンバーの3、湿ったメロディとソリッドなリフで進む勇ましいミッドテンポの4、不穏なイントロからタイトなリフで進むテンションの高い威圧的なミッドテンポの5、正統派メタル感の強まるダークなミッドテンポの6、攻撃性を露わにしていくクランチーなスピードナンバーの7、煽情的なバラードナンバーの8、緊迫感高まるイントロからクランチーなリフで突き進むアグレッシヴなアップテンポの9、ダークなメロディで進むエモーショナルでタイトなミッドテンポの10、圧の強いリフで押し込んでいくダイナミックなミッドテンポの11、ミステリアスなアウトロでアルバムは幕を閉じます。

 ゴリゴリの硬派なヘヴィメタルを作り続けるアルバムは、新たなギタリストの持ち込んだクランチーなリフワークなども伴って、更に高密度のサウンドを展開していきます。コンパクトながらも様々な表情を見せる楽曲を揃えて、堅実なパフォーマンスでテンション高い演奏を聴かせていく様は、バンドの完成度の高まりを見せていきます。新たな要素と確固たる信念を重ね合わせながら、着実に歩みを進めていく一枚でした。
同系統アルバム
NEW MESSIAHS/ASHES OF ARES
PLAGUE OF RATS/BRAINSTORM
DARK BELIEVER/MARTYR

PARA BELLUM/TESTAMENT

パラ・ベラム/テスタメント

WARD RECORDS GQCS-91675 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 米国産スラッシュメタルバンドの13枚目のアルバムです。ドラマーが交代しています。

 キレのある不穏なリフとグロウルにブラストビートが叩きつけられていくデスメタルかと思わせる攻撃性の高いアップテンポの1で幕を開けるアルバムは、抒情性帯びたイントロから激しいビートとクランチーなリフで突っ走る突進ナンバーの2、キレのあるリフと威圧感のあるヴォーカルで進む展開の大きいタイトなミッドテンポの3、アコースティックギターに導かれる4はオーケストラも導入されるパワーバラードナンバー。グロウルメインで進むタイトでグルーヴィなミッドテンポの5、メロデス風のイントロからスラッシーに突っ走る緩急の強い突撃ナンバーの6、オーセンティックなリフで進むアップテンポの伝統的なメタルナンバーの7、メガデスっぽさも感じさせる湿ったメロディとタイトなリフが交錯するエモーショナルなミッドテンポの8、クランチーなリフで突き進むテスタメント節が炸裂するアップテンポの9、ミステリアスなムードと多彩な展開で進むアグレッシヴな10が収録されています。

 若いドラマーの加入でリズム面で変化が見られるアルバムは、エリック・ピーターソンのサイドプロジェクトからの影響もあったりで、バラエティに富んだ楽曲を揃えており、バンドの懐の広さを思い出させるものとなっています。前作でも多彩な楽曲を見せていましたが、今作では個々の楽曲を更に突き詰めており、エクストリームなスタイルや伝統的なスタイルなどの要素がより強調されるものとなっています。曲の振り幅が大きすぎて全体の評価は難しくなっていますが、いずれの曲もクオリティ高く仕上げられたバンドの才能の豊かさを改めて知らしめる一枚です。
同系統アルバム
SANATORIUM/4BANNED
WRATH AND RUIN/WARBRINGER
TOE TAGGED AND BODY BAGGED/TRIP TO THE MORGUE

THE UNIVERSAL REALM - SPACE OPERA -/AEDAN SKY

ザ・ユニヴァーサル・レルム 〜スぺース・オペラ〜エイダン・スカイ

RUBICON MUSIC RBNCD-1451 [☆☆☆☆] >>>>>BUY...?

 フランス出身のガルデリアのギタリストによるプロジェクトのファーストアルバムです。同バンドのメンバー二人もヴォーカル、ギターで参加しており、トリプルヴォーカルと言う編成になっています。

 煌めくスペーシーなイントロで幕を開くアルバムは、ハイトーンヴォーカルが炸裂するハイテンションで突っ走る怒涛のメロディックスピードメタルナンバーの2を叩きつけていくと、重層的なコーラスを引っさげてスリリングに飛翔するスピードナンバーの3、メランコリックなピアノに導かれる4は穏やかなパートから躍動するリフと壮大なコーラスでダイナミックに迫るアップテンポのスピードナンバー。アグレッシヴに疾走するドラマティックなスピードナンバーの5、キラキラ感高まるイントロからファンタジックに進んでいくポジティヴなミッドテンポの6、華やかなイントロから印象的なコーラスも盛り込んだ劇的に展開する躍動的なスピードナンバーの7、マーチ風のイントロからエピックに進むインストナンバーの8を経て、重厚さを孕むダイナミックなスピードナンバーの9へ。壮大さを孕むメランコリックなアウトロの10、ボーナストラックには、活力あふれるエピック感の強いミッドテンポのナンバーが収録されています。

 「ランド・オブ・ザ・フリー」あたりのガンマ・レイをベースに最近のメロスピのトレンドを盛り込んだアルバムは、カイ・ハンセン以外にアーライって言うヴォーカルいたんだ…(;´Д`)みたいな、カイ・ハンセン濃度の高いヴォーカリストを筆頭に、伸びやかなヴォーカルが鮮やかなメロディを歌い上げており、高揚感を一気に高めていきます。アルバムがほぼスピードナンバーと言う潔さに信念と言うか何が何でもこれをやりたい!みたいな気概が強く伝わります。メロスピ愛があふれ出して聴き手を彼方へと押し流していく一枚です。
同系統アルバム
THE GREAT APOCALYPSE/INSANIA
THE SKIES ABOVE ETERNITY/FELLOWSHIP
AT THE HEART OF WINTERVALE/TWILIGHT FORCE