こんな用語がわからないコーナー 



 インターネットに手を染めた頃、あなたは「ネットサーフィン」、「ブラウザ」、「ダウンロード」、「HTML」など聞き慣れない言葉に遭遇し、尻込みしたり、かえって興味に駆り立てられた経験がありますか。
 アルコール依存症を知ろうとしたときや、自助グループに参加したときに、あなたはインターネットに触れたときと同じような体験をするでしょう。この専門用語とか業界用語といわれる聞き慣れない言葉は、一気に理解できるものではないでしょう。時間をかけて体験している内に次第に自分のものになっていくのが普通ですが、言葉の意味を効率よくわかる方が良いのは論を待たないでしょう。
 あなたが、その場でわからない言葉について尋ねる勇気を持つことは大事なことですが、それができなかったり、きちんとした意味を知りたかったら、このコーナーを利用して知りたい用語をクリックして下さい。
【  AA  】 【  AC  】 【  ASK  】 【  FAS  】
【  DV  】 【 KAST 】 【  NA  】 【アダルト・チルドレン】
【アメシスト】 【アラティーン】 【 アラノン 】 【アルコールてんかん】
【シアナマイド】 【 シングル 】 【 スリップ 】 【ソブライアティ】
【ドライドランク】 【パッチテスト】 【ブラックアウト】

【 共依存 】

【 抗酒剤 】 【自助グループ】 【 断酒会 】 【離脱症状】
【連続飲酒発作】      

 

探し出したい用語がなかったりした時は、お問い合わせhy-comp@nsknet.or.jp下さい。暫く待っていただければ、解説の用語を増やしたホーム・ページにいたします。どしどし、メール送って下さいね。


























AA
 AA(Alcoholics Anonymousの略)とは、アルコール依存症者に対する自助グループの一つで、アルコール依存症者の匿名(アノニマス)の会と呼ばれる。アメリカで、1935年に、ビルとボブの二人のアルコール依存症者の出会いから始まり、現在は世界的な相互扶助のネットワークを持っている。日本の断酒会と異なり、会に出席したものは自分の名前をのべることはなく、会の運営は献金により成り立っている。参加者は、12のステップという回復プログラムと12の伝統を共有し、単に断酒をするだけでなく、新しい生き方を身につけ、回復をめざす実践活動を行っている。1970年頃に日本に導入されている。































AC
AC(adult childrenの略、アダルトチルドレン)とは、幼いころにアルコール依存症やアルコール乱用の親を持つ家庭の中で育って大人になった人(人々)を言う。ACは、自分の感情を素直に表現できなかったり、他人の評価を気にしてつねにいい子であろうとしたりし、その為に生きづらさを感じたりします。最近はこの用語は、アルコール依存症の家庭に限定されず、不幸な家庭「機能不全家族」に育って大きくなった大人に拡大して使用されるようになっています。
 この用語は、クリントン大統領が「自分はACだ」と言ったことで広く知られるようにもなりました。































ASK
 
 アルコール問題全国市民協会の略で、アルコール関連問題についての正しい認識を社会に広め、予防や早期発見をすすめることを目的に作られた市民団体。季刊「Be!」(「アルコール・シンドローム」を改題)が有名。ASK Home Pageもあり。電話03−3249−2551。































DV
 ドメスティック・バイオレンス domestitic violence の頭文字をとったもので、夫や恋人(パートナー)からの暴力を意味している。暴力とは決して身体的暴力だけではなく、心理的(無視、侮辱、大切にしているものをわざと壊したり捨てたり)、性的(セックスの強要、暴力的な性行為、避妊に協力しない、中絶の強要、ポルノを強要)、経済的(生活費を渡さない、妻の就労を禁ずる、家計にこと細かく口を出す、収入や財産を知らせない)、社会的(親しい人との交際を禁止、手紙や電話のチェック、外出などを妨害)暴力も含まれている。































FAS
 胎児性アルコール症候群の略。妊娠中に飲酒することによって、生まれた子どもにに起こる異常をまとめたもの。具体的には、低体重・低身長で頭が小さく、特徴的な顔面などの発育不全と、知的発達障害などの中枢神経系の異常を認める。
 FAS予防については、飲酒はどのくらいの量であれば大丈夫かはわかっておらず、妊娠可能性が高い場合は飲酒をしない方が良いであろう。






























KAST
 久里浜式アルコール症スクリーニングテストの略。アルコール依存症であるか自己チェックする方法で、日本で考案された方法。14の質問に回答し、「重篤問題飲酒群」、「問題飲酒群」、「問題飲酒予備群」、「正常飲酒群」に分類する。重篤問題飲酒群はアルコール依存症の可能性が高い。集団でのスクリーニングなどにも利用されている。






























N A
 NARCOTICS ANONYMOUSの略。薬物によって大きな問題を抱えた人たちが、AAのやり方をモデルとして、自己の回復を模索する自助グループをNAと言います。実際には、12のステップと12の伝統を使い、ミーティングを重ねながら回復を目指しています。AAと同じように自分の名前や身分を名乗らない点など、共通したところが多い薬物依存の自助グループの一つです。






























アダルト・チルドレン

 アダルトチルドレン(adult childrenの略がAC)とは、幼いころにアルコール依存症やアルコール乱用の親を持つ家庭の中で育って大人になった人(人々)を言う。アダルトチルドレンは、自分の感情を素直に表現できなかったり、他人の評価を気にしてつねにいい子であろうとしたりし、その為に生きづらさを感じたりします。最近はこの用語は、アルコール依存症の家庭に限定されず、不幸な家庭「機能不全家族」に育って大きくなった大人に拡大して使用されるようになっています。
 この用語は、クリントン大統領が「自分はACだ」と言ったことで広く知られるようにもなりました。






























アメシスト
 アメシストは断酒会の中で、女性のアルコール依存症者のことを指す。アメシストは、紫水晶(2月の誕生石)のことですが、語源をたどると、ギリシャ神話に由来して「泥酔から守る」という意味があり、断酒を象徴する石でもあります。アメシストが誕生したのは、断酒会が男性中心に運営されており、女性が気軽に参加しにくい点がありました。そのため、女性だけの会合が断酒会の中に生まれてきており、それがアメシストの会です。






























アラティーン
 家族にアルコール依存症を持つ子どもたちの自助グループを指す。原則的には十代の集まりで、アラノンのメンバーによって指導されており、アラノン、アラノンACと同じようなルールに基づいて活動を行っている。問い合わせ先はアラノンジャパンGSO(TEL 03-3495-1667、〒141 東京都品川区西品川3-18-11-202)内にあり、ホームページで参照可能です。






























アラノン
 Al-AnonはA.A.をもじった語であり、アルコール依存症に影響された家族や友人のための集まりである。A.A.と同じ回復プログラムである「12のステップ」を用い、討論や体験、意見交換などが行われ、メンバーの回復がはかられています。A.A.とは別な組織です。
 アラノンの歴史は、1951年にAAの創始者の一人であるビル・Wの妻ロイス・Wと他の人たちの努力によって活動が始まっています。現在世界100カ国以上でその自助グループ活動が行われており、日本にもあります。日本では、1980年にセシリア・Mと二人のメンバーにより現在のアラノンジャパンGSO(TEL 03-3495-1667、〒141 東京都品川区西品川3-18-11-202)が設立され、その後活発な活動が行われており、ホームページもあります。






























アルコールてんかん

 ケイレン発作を認めるために「てんかん」という名前がついているが、てんかんという病気と異なり、離脱症状の一つである。アルコ−ルをストップしたり急に減量したりしたとき、24〜48時間内にケイレン発作を認める。発作の際に急に意識を失うことにより、生命の危機にさらされる事があるが、一般に1回の発作だけで死亡にいたることは少ない。ただ、この症状が出現するようになると、アルコ−ル依存症の病気はかなり進行しており、その後に振戦せん妄に移行したりする場合がある。






























アルコール性離脱症状

 禁断症状と言われたこともある。長期間飲んでいたアルコールを何らかの理由で急激にやめたり減らしたりした時に、手のふるえ、発汗(寝汗)、動悸、不眠などや、突然意識をなくしてケイレン発作を起こしたり、幻視や精神的な興奮を生ずるものを言う。離脱症状を認めた場合、身体依存が形成されたものと考えられる。






























エタノール・パッチテスト

 アルコールに対して、体質的に「強い」か「弱い」かを簡単に調べる方法です。ガーゼに消毒用アルコールをひたして、パッチを作り、やわらかい皮膚に7分間張り付け、10分後に皮膚が赤くなるかによって判定します。ALDH2の活性を調べるテストとも言えます。考案者は、国立療養所久里浜病院の樋口 進先生。






























シアナマイド

 抗酒剤の一つで、水薬を指す。この薬は、アルコールの分解を遅らせることによって、少量でもアルコールを飲むと、紅潮、悪心、嘔吐、激しい頭痛、極度の心悸亢進、呼吸困難、血圧低下などの苦痛の症状をもたらす薬である。アルコールが嫌いになるのではなく、嫌な体験をすることによって、飲酒を抑制させようとするものです。スリップしないように「転ばぬ先の杖」として利用されることが多い。
 シアナマイドは一日一回6〜10ml朝に飲酒し、24時間の持続効果がある。副作用として2割に薬疹が発現します。まれに嘔吐、発熱、頭痛、不眠などを認めることもありますが、ノックビンに比較しては副作用がマイルドな薬です。






























シングル
 断酒会のサブグループの一つで、女性ア症者グループ「アメシストの会」と同じように単身ア症者のグループを言う。断酒会では、夫婦や家族の参加が増え活発なミーティングがなされている。しかし、単身者にはそのような場は、一抹の寂しさやうらやましさがあるであろう。何よりも単身者でないと語れない内容も存在する。サブグループ・シングルとしての活動が望まれる。






























スリップ
 「スリップした。」などと使われる事が多く、再飲酒して失敗したことを意味します。最近は、アルコール依存症は病気であるから、再飲酒行動をもって再発と言うべきと主張される方もあります。






























ソブライアティ

 AAの用語のひとつで、「しらふで生きること」を意味する。単に酒を飲まないでいる事ではなく、アルコールや目の前の仕事に酔った生活から離れて心の平安を維持することを含んでいる。






























ドライドランク(dry drunk)

 AAの用語のひとつで、「空酔い」と訳されているが、ドライドランクと使用されることが多い。アルコール依存症者が飲まないでいるときに、いら立ち、絶望感、攻撃性などの徴候が認められ、それが酩酊時の徴候とよく似ていることから名付けられたもの。断酒会のミーティング上でも使用されており、考えや行動が飲んでいたときと少しも変わらない状態を「飲んでいない酔っ払い」という意味で使用されることが多い。






























ブラックアウト
 blackoutは、飲酒中やその直後に自分の行ったできごとについて、翌日に一部の記憶がなくなるアルコール性記憶喪失をいう。例えば、飲んでタクシーで帰ったが、友人に乗せられたまでは覚えているが、その後はまったく記憶がないなどである。社交飲酒家でも認められるが、アルコール依存症者ではしばしば認められる。ブラックアウトの出現は、アルコール依存症の入門切符である。






























共依存
 
工事中






























抗酒剤
 アルコール反応誘発物質のことを言う。この薬は、アルコールの分解を遅らせることによって、少量でもアルコールを飲むと、紅潮、悪心、嘔吐、激しい頭痛、極度の心悸亢進、呼吸困難、血圧低下などの苦痛の症状をもたらす薬である。アルコールが嫌いになるのではなく、嫌な体験をすることによって、飲酒を抑制させようとするものである。シアナマイドとノックビンが有名。






























自助グループ
 同じ悩みを持った患者や障害者どうしが、互いの困難な問題を語り分かち助け合い、自分たち自身で、問題を回復していくことを目的としたグループ活動をいう。セルフヘルプ・グループともいい、AA断酒会が代表例である。
 グループでは、自分や社会を変えていくことを方向としており、その活動の根幹をなすものが、例会やミーティングと言われています。定期的に会員が集まり、会員間の交流や自分を磨く場となっています。






























断酒会
 セルフヘルプ・グループの一つで、AAはアメリカで誕生したのに対して、日本生まれ。断酒会は、AAに影響されたが、日本の文化や宗教観の違いを配慮して作られ、AAと異なり組織化、非匿名、会費制が導入され、日本の国民性に合った自助グループとして発展してきた。例会の場で、全日本断酒連盟による「断酒新生指針」「断酒会規範」によって体験談を語り、回復・新生をはかっている。断酒会には「家族会」、単身者の「シングル」、身障者の「虹の会」、「親の会」、女性アルコール依存症者の「アメシストの会」などがあります。






























連続飲酒発作

 統制欠如飲酒とも言われ、今までブレーキのきいた飲酒であったものが、飲み続け、酔って目が覚めると飲むことばかり考えており、再び飲むという行動を続ける。この朝から晩まで飲み続ける行動は数日から1週間ほど続き、終了する。この薬物探索行動が出現すればアルコール依存症と言える。