私の幻灯は、これでおしまいであります。

「どうだ、やっぱりやまなしだよ。よく熟している。 いいにおいだろう。」 「おいしそうだね、お父さん。」 「待て待て。もう二日ばかり待つとね、こいつは下へ しずんでくる。それから、ひとりでにおいしいお酒 ができるから。さあ、もう帰ってねよう。おいで。」  親子のかには三びき、自分らの穴に帰っていきます。  波は、いよいよ青白いほのおをゆらゆらと上げました。それはまた、金剛石の粉をはいているようでした。

 私の幻灯は、これでおしまいであります。

絵の工夫したところ

波がむずかしかった

月の光がむずかしかった

賢治の思い

賢治は青白いほのおできれいに表そうとしていると思う