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「 表現者として 」





僕は心が

不自由です

表現者として

致命的に俗物です

しかも経験が不足して

近視眼的であり

基本的に

嘘つきです

あらゆる場面で

最初にまず不誠実で

そのくせ

いいえ、それだからこそ

自分は誠実だと思いたくて

思い込みと直感を正当化して

自滅しそうになると

逃げ隠れて

その場限りのごまかしを

平気で言えるこの頭と口は

およそ真理や真実から程遠く

その上嫉妬や自尊心は

人並み以上です

信念らしきものはあっても

貫くこともできない

卑怯者なので

誰かに何かを伝えるのに

これほど不向きな男はいないのです



それでも僕は

誰かを愛します

誰かを愛している

僕を愛します

純粋であるか不純であるか

そんなことは勝手に決めて下さい

僕はただ

愛したくて愛して

そして誰かに愛されたくて

そういうことを

伝えたいだけなので

どうしても

伝えたいだけなので

心は不自由だけれども

やっぱり僕は表現者です



表現者に資質があるとすれば

それは心があるということでしょう

心のない機械みたいな存在ならば

表現させられることはあっても

表現するということはなくて

表現したいと僕が思っている限り

僕は出来損ないの機械ではなく

表現したがる心なのであって

心には出来損ないなどないから

やっぱり僕は成長する表現者です







poemed by Kobashiri




EMAIL:kobashi@nsknet.or.jp
http://www.nsknet.or.jp/~kobashi/




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