運行表に戻る 前の停車駅 次の停車駅


「 穴 の 奥 」





街に疲れ

愛に疲れ

穴の中へ

奥へ奥へ



街に蹴られ

愛に蹴られ

痛みあれば

生きていた



深い深い穴の中で

サラサラサラサラ

遙か遠く街と愛が

過ぎてくその音を



地上にひしめく

ガラス細工たち

乱反射しながら

光のような顔で



熱のない光源

偽物の笑い顔

熱は闇の中に

暗い闇の中に



もっともっと

奥へ奥の方へ

求め続けてる

探し続けてる



熱い熱い暗闇

熱い熱い鼓動

そして何かに

届く気がする



最後の隔たりか

突き抜けた刹那

溢れ出す灼熱に

飲み込まれてた



それは誰かの夢

穴の奥に憧れた

熱情の奔流の中

押し潰されてく



今日も街と愛が

サラリサラサラ

地上のうわべを

撫でて過ぎては



真っ暗闇の

この穴の奥

眠る死骸を

憧れさせる



街に蹴られ

愛に蹴られ

痛みあれば

生きていた



でも街に疲れ

そう愛に疲れ

この穴の中へ

また奥へ奥へ



また奥へ奥へ



街に蹴られ

愛に蹴られ

痛みあれば

生きていた



痛みさえも

生きていた



生きていた


運行表に戻る 前の停車駅 次の停車駅