私的デジカメ選び

1999年 秋の陣      仕様一覧表へ行く

今年の前半はデジカメ各社一斉に200万画素へ高画素化する方向で新しいモデルを出してきました。
そのなかでニコンE950、オリンパスC-2000Zの実力が評価され人気を得てきました。
ウチのHPでも1999年春の陣では200万画素に注目してきました。
高画素化への流れはプリントアウトを前提した場合には効果が大きく、今後もこの流れは変わらないでしょう。
しかし、ディスプレイへの表示やHPでの使用を考えた場合には200万画素全体を表示できるシステムは
まだまだ一般的ではなく、実用的な画素数として100〜150万画素クラスで十分でもあります。

そして、その流れを作ったのがフジフィルムのFinepix1500。150万画素ながら他の200万画素モデルを
相手に大きく売上を伸ばしてきました。その要因としてコンパクトでファッショナブルなボディーに加え、
優れた色再現性があったといえるでしょう。
それまでの高画質=高画素という流れに150万画素でも優れた色再現性で勝負に出て、見事成功を収めたわけです。
もちろん、それだけではありません。フジフィルムのそれまでのモデルでユーザーからの多かった不満点を
しっかり改良してきた結果も評価が上がった理由だと思います。

この新しい流れは今シーズンの特徴になるようです。それまで一様に高画素化へ向かっていた流れに、
多様化という新しい流れが加わって、各社が各様のモデルを揃えてきました。

今シーズンのモデルが春に出た製品に対しどのようなアドバンテージを持つのかが注目点になるでしょう。

各モデルの仕様、値段は一覧表を見てください、

のらねこ洞のぴっぴさんのHP新製品へのリンク集を御利用下さい。
メーカーサイトやニュースサイトへの便利なリンク集です。ぴっぴさん>快くリンクさせていただきましてありがとうございます。

SANYO DSC-SX150
その先陣がこのモデル。サンヨーの同シリーズはそれまでもコンパクトで動作速度が早いのが特徴でした。
その最新モデルがSX150です。注目すべきは記録メディアとしてマイクロドライブ(最小ハードディスク)も使用可能
ということ。これを使用すれば5000枚近くの画像が保存可能ということです。
さらに動画、音声も記録可能なデジカメなのでマイクロドライブの使用価値は高いですね。
ただし、バッテリーへの負担も大きいことが予想できますので、購入予定者は、ユーザーの声を聞いてからのほうが
安心でしょう?

FUJI Finepix1700Z
FP1500の成功に間髪いれずに150万画素 3倍ズーム機を投入してきました。
形は縦型、バッテリーも専用のモノになり、FP1500のズーム機というよりもFP700のズーム機という印象。
私は1500のように形は横型のほうが持ちやすいと思いますし、
バッテリーも単三タイプを推奨してきたので、FP1700Zの、この方針には少し疑問が。
ただし、この大きさに3倍ズームを組み入れたことは単純に凄いなーとは思います。
画質的には1500の流れみたいなので、その点は安心してお勧めできます。
デジカメも嗜好品。デザイン重視の商品開発を否定するものでは無いのですが。

CASIO QV−8000SX
この春、沈黙していたCASIOからは個性あふれるモデルがまず発売されます。
ベースは形からもわかるように
前モデルのQV-7000SX。これをベースに何と8倍ズーム。
行けてますよコレ。さらに4倍デジタルと合わせて32倍ズームまで。なんか嬉しくなる仕様。
さらにマクロ(接写)は1cmまで寄れる。こんな風に他のデジカメに出来ないことをやってしまうのが好きだな。
こういう風に売りがあれば、ライバルはいないわけで。だって8倍欲しいんだもーん。と胸を張って購入できます。
その他、マニュアル撮影もいろいろ出来るので面白いと思います。
特に野外で鳥や動物狙ったりするには良いですよね。マクロも回転レンズなので被写体に近づきやすいし。
コレだけでかいレンズついていれば本体が多少でかくてもまーいいかーって事にもなるしね。

CASIO QV−2000UX
こちらはCASIOの200万画素モデル。スタイルからオリンパスC2000Zに似てると思ったら、
レンズはオリンパスのOEM。だからあの明るいレンズなんですよね。それに原色フィルター。
C2000Zは解像度重視の捕色系だったのですが、こっちは色重視の原色系と差別化を図っています。
さらにこちらは動画もいけるし、記録メディアにCF使用しているので、サンヨー同様、マイクロドライブも
使用できるというライバルに無いメリットがあります。
さらに、隠しモードを含め、各種マニュアル撮影が可能ということで、とっても美味しいモデルです。
その上、定価は88,000円なんです。USB接続キットも安いし。コストパフォーマンス抜群です。
強いて欠点を上げるとすると、あのデザインですが。好きになれれば、今シーズン台風の目になるかな。
(オリンパスは対抗策があるのでしょうか。楽しみではありますが)

SONY DSC−505K
SONYは200万画素に5倍ズームを載せてきました。
このスタイルはいかにもSONYらしい。格好良いと思ったらハマリマス。
少年の心を持った人は特に注意が必要でしょう。(笑)
マニュアルフォーカスのダイヤルも使いやすそうだし、この形って持ちやすそうだし。
画質も自然な感じがして良いです。
このモデルにも今のところライバルはいないわけで、高画素高ズームが欲しい人は買いです。

OLYMPUS C−2500L
OLYMPUSの一眼レフデジカメ。C-1400XLのフルモデルチェンジ版。
140万から230万画素への進化版。

さて、ここでは初心者が安心して買えるモデルをこれまでも選んできました。
クルマで言えばファミリーカーをお薦めしていくスタンスです。
春までのモデルとしてはFinepix1500、CP800、C2000Z当たりがお薦めだったのですが
この秋どんなモデルがでてくるか楽しみです。
今のところはCASIOの2000UXが仕様を見る限り文句なしなのですが。
(99/8/28)

KODAK DC290 ZOOM
コダックからの200万画素ズームの新モデルです。
コダックからは既にDC280Jという200万画素ズームが出ています。280Jは一般ユーザーを対象にした普及タイプのコンパクトズーム。
今回、発表されたDC290Zは高機能型のモデルでさらにいろんな写真を撮ってみたいというユーザー向きです。
モデルの流れとしてはDC260という150万画素のモデルチェンジ版で、DC260の欠点を改善、進化してきたモデルです。
コダックの特徴は何と言っても色。初めてデジカメを選んでいる人にとって、色が特徴?と疑問を持つ人も多いと思いますが、
デジカメのデータは簡単に言えば解像度と色の組み合わせです。最近の高画素化、高級レンズの使用により解像度は上がり
細かい部分まで再現できるようになりましたが、色の部分では、実際の色に比べて何か変?と思う部分があります。
この辺りはいろいろなモデルの同一ショットを比べないとピンと来ないと思いますが、メーカーによる差が大きい所でもあります。
この点でコダックは評価が高く。綺麗な発色を武器にしてきました。ただ、色と引き換えに解像度が低いのが欠点であったのですが
最近のモデルでは改善が進み色+解像度共にバランスのとれたモデルを出しています。
一般モデルとしてはその最高峰に位置するDC290Zですから、モデルの完成度はかなり高いことが推測できます。
また、前モデルのDC260の最大の欠点、速度の面でもかなり改良が進んでいるということなので発売が楽しみな一台です。

東芝 Allegretto M5
春に出したM4の3倍ズームモデルです。M4は小型+クラス最速にカラーモデルを加えて単焦点モデルの中では評価も高かった
のですが、オリンパスのC2000Z等の3倍ズームに評判を喰われてしまったことは否定できないでしょう。
そこに登場するのがM5です。M4と同シリーズとは思えない形、大きさになりましたが、クラス最速は健在です。
このモデルの特徴はライバルのC2000Zと同等なマニュアル機能に加え、動画も撮れるし、USBキットも同梱というマルチなモデル。
値段、機能共にCASIOの2000UXとも正面衝突しそうなモデルですね。これにC2000Zで激戦ですね。
ただ、このモデル、電源がリチウムイオンなんですよね。乾電池派の私にするとこの点がマイナス。
M4の時はコンパクトだったから、まだ許せたけどM5って乾電池入りそうな大きさだし。
他社モデルより頭一つ出るには、あとは画質ですね。サンプル画像が楽しみです。(←画像なかなか良いですよ。(99/10/16))

新機種2台追加しました。
今シーズンも各メーカー、レベル上がってますよね。後は他社に比べて特徴をいかに出すかなんですが。
あくまで、カメラという観点ですと、カメラ、フィルムメーカーに分があるわけですし。
マルチメディアとしてデジカメを捕らえれば、周辺機器的な位置付けで電機やコンピュータメーカーが得意な分野へ引き込めるし。
デジカメの位置付け、まだまだ不明確=混沌=目が離せないという状態ですね。
間違いなくポスト光学カメラの流れはあると思いますが、それ以外の可能性にも注目したいわけです。(99/9/12)

キャノン PowerShot S10 
NIKON E800
200万画素2ズームの新モデルです。
キャノンS10は130万画素のA50の200万画素版。コンパクト2倍ズーム。ズーム最小ボディーとデザインが特長。
常時携帯するのには適当な一台。
一方、NIKONは単焦点のE700、3倍ズームのE950の間を受け持つ2倍ズームE800。
画質、人気共にに定評の高かったE950に対して単焦点E700は人気はイマイチ。そこでE700のボディーに2倍ズームを搭載?
E700のレンズに比べひずみも少なく、また、CCDの改良等で画質も向上しているようですね。
E950は手が届かないけれど、憧れのニッコールレンズをという人向け。(950のコンバーターレンズも利用できるそうです。)
両者共にカメラメーカーらしいアプローチですし、従来機種からの正常進化版。デジカメをあくまでカメラとして使うことを前提に作られた2台。

またまた新機種2台追加しました。その他、サンヨーからは85万画素DSC-X200(DSC-110後継機)、
リコーは2.3倍ズームのRDC5000をベースに3倍ズームのRDC5300を発表。(99/10/16))

サンヨー DSC−X200
リコー RDC5300
前回の更新では時間がなくてコメント出来なかった2機種です。
まずはサンヨーX200。85万画素ということで画素数的に周りのモデルと比べ見劣りしますが、
HPの素材やレポートの挿入図としての用途なら十分すぎる画素数です。
定評のあったX110をベースにしていますから画質も良好。さらにデザインの変更
 、文字入力機能が追加されています。
クルマに軽四のように小回りの効くコストパフォーマンスの高いジャンルがあるように、デジカメも用途により各クラスが選べることが望ましいと思います。そういう観点からも85万画素の新モデルは好ましいことだと思います。
次にリコーRDC5300。前モデルのRDC5000は2.3倍ズームというちょっと中途半端な仕様だったため、ライバルに対してインパクト不足だったため、3倍ズームに衣替えして再登場です。レンズの変更以外にも操作性、速度も向上しているということですがライバルに比べ特長が無いんですよね。マクロ切り替え無しに4cmまで寄れたりとマクロに強いリコーのイメージも残しているのですが。
個人的にはカメラらしいシンプルなデザインがライバルと比べ良い感じに思えますが。

エプソン CP800S
こちらはCP800のマイナーチェンジ版。前モデルから接続キットを除いてコストダウンをしてきました。
これまでエプソンのモデルは接続キット同梱してあることで、最初の一台としてお薦めしやすいモデルが多かったのですが、
今回、この路線を変更してしまったようです。接続キット込みで値段を下げて欲しかったのですが。
機能的には前モデルとほぼ同様の単焦点モデル。強いてお薦めする要因が希薄になってしまったなー。

オリンパス C2020Z
春にベストセラーとなったC2000Zが半年後にモデルチェンジしてきました。
前モデルも多機能と高画質を売りにしていたのですが、さらに機能UP。
前モデルで不評だった操作ボタンの改良や、ローアングルやハイアングルでも見やすい液晶の搭載。
さらに露出、フォーカス、シャッタースピードなどの設定のマニュアル化が強化されています。
マニュアル機能は同社フラッグシップのC-2500Lを完全に超える内容になっており、作品を撮りたい人にはお薦めの一台でしょう。
ライバルのニコンのE950はソフト的なバージョンアップで機能アップをしていますが(前ユーザーには無料バージョンアップ)
オリンパスはCCDやプリント基板などハード全面にわたる改良のため、前モデルのユーザーに対するバージョンアップは無いようです。
この辺のユーザーに対する対応は今後ユーザーがメーカーとの信頼関係を考える時に重要なファクターになってくると思うのですが。
(*オリンパスはこれまでもアップグレードサービスをやっており、今回の対応を云々するわけではありませんよ。あくまでメーカー全般に対し言いたい内容です。念のため)
オリンパス C920Z
こちらは昨年秋のベストセラーとなったC900Zのモデルチェンジ。130万画素のモデルチェンジ版。
筐体も普通のコンパクトカメラ。ケースを開けるとレンズがせり出すのも同社のミューシリーズと同じです。
見た目の変更は少ないもののモデルチェンジの内容はC2020Zと同様、どの角度からも見やすい液晶。操作速度の向上。
ホワイトバランス等の見直しを含む画質の向上と、十分の内容になっています。
兎角、高画素モデルに目が行きますが、このように各クラスのモデルを熟成させることも大切だと思います。
HPの素材やはがきサイズへの印刷ならば100万画素あれば十分ですし。
デジカメ欲しいけれど予算があまり無いという人も多いはず、そんな方にとってこのクラスのモデルチェンジは嬉しいですね。

 

この時期にC2000Zが2020Zへモデルチェンジ。筐体は変わらないものの、2000Zでの不満点をほぼ改良しているということで実力的にはトップレベル。ただ、財布と相談して買物する身としては、お金出せば2020Z買えるけどちょっと高いよねーと悩ましい状態でしょうね。そんな時には基本に帰って、自分の用途をもう一度、見つめなおしてね。
マニュアル機能を使いこなす必要の無い人にとって、多機能はかえって邪魔になることもありますし、逆にいろいろ撮りたい人には使いたい機能の有無が選択基準になりますし。
(99/10/31)

年末は公私ともにバタバタしていたもので、秋の陣をまとめるまもなく大晦日。
ということで、今年の事は今年のうちに。
前回の更新後。東芝がAllegrettoM4の改良版M40。と富士フィルムが130万画素のFinepix1200を発売。
(ごめんなさい。怠け者のため一覧表にはスペックは載せていません。)

で、今シーズンは何を選ぶか。
ずばり、CASIO QV2000UXですデザインと大きさはちょっと抵抗もあるのですが、コストパフォーマンスで決定です。USB接続キットは別売りですが他社と比べて値段も安く抑えています。
使いやすさも含め性能的にはオリンパスのC−2020Zが今シーズンのトップモデルなのでしょうが、実売価格が高いのがネック。QV2000UXよりも3〜4万円位高いもん。この差はでかい。
それから、初心者の方で、試しにデジカメでも買おうかという人は富士フィルムの130万画素のFinepix1200を薦めます。「写るんです」のような使い方にはぴったりです。ちょっと、予算のある人は同じく富士のFP1500、1700Zが良いですね。いずれもコンパクトかつ高性能です。
(値段につられて、玩具メーカーから出ているデジカメなぞに手を出さないように。詳しくはちゃんじいさんのHP参照)

以上、唐突にまとめてしまいました。(汗)(だって、今年も終わっちゃうし...)
正直言って、今シーズンのモデルはどれを選んでも後悔の少ないモデルばかりだと思います。
その中で、CASIOの8倍ズームやSONYの5倍ズームのような個性的なモデルが出てきたことは大歓迎。
技術者の遊び心を感じさせる製品をこれからもメーカーにはお願いしたいですね。

最後に来春には300万画素時代に突入することは間違いないわけで、われわれ普通のお客さんはこれからも悩みながらデジカメ選びを続けていかなければいけません。さらに、高画素=良いデジカメという方程式がついに崩れたと感じますし、これからのデジカメ選びは画素数だけで量れない難しく、でも楽しい時代に入ったといえるのではないでしょうか。(99/12/31)

1999年秋一覧表
1999年春の陣
1998年秋の陣 

1)情報収集
2)目的を決める
3)お店選び
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私の場合 つづき
C-840L使用感