雑記帖 - つれづれのことのは

No.151
雑巾

月初めにいつもする冷蔵庫の掃除を、朝からえいっと実行。ゴミの日には一番古くなった雑巾に最後のつとめを果たして貰います。手ぬぐいタオルとして充分使った物を、ちくちく手縫いして、台ふきに使い、汚れてきたら掃除用に使い、最後は一番汚れたところを拭いてオシマイ。いつもの事ながら、なんかすっきりいい気分になれて、ささやかなしあわせを感じるひととき。それにしても冷蔵庫は、どうしてこんなに汚れるのかしらと不思議。出し入れもにも随分気を付けている筈なのに…。

(2004-07-05)

No.152
ナイトショー

連夜のホームシアターです。まずは、ドキュメンタリー「ぼくの好きな先生」。フランスの山間の小さな学校での子供達の様子がいきいきと描かれています。豊かな自然の中で学び、考え、遊び、笑い成長してゆく子供達を、根気よく時には厳しく時には優しい眼差しでみつめるロベス先生。全員で13人という小さな学校で繰り広げられる日常が「人間が生きる」ということの素晴らしさを美しく描いた作品でした。4歳のジョジョがなんとも愛くるしい。監督は「ルーブル美術館の秘密」のニコラ・フィルベールさん。フランス映画はすばらしい。

続いて今夜は「ナージャの村」。チェノブイリの事故で汚染された小さな村、ベラルーシ共和国のドゥチチ村に残った6家族の春・夏・秋・冬。豆の種まき、りんごの摘み取り、やぎの乳しぼり、ジャガイモの植え込み、麦の刈り取り、自家製ウォッカ作り、森の茸狩り。8歳のナージャから82歳のチャイコバーバまで、みんなが豊で美しく厳しい自然の中で助け合って暮らす毎日を描き続けます。明るく逞しくほほえましく、あまりにもあたりまえの日常を、汗して働き、集っては歌い、大地に暮らす家族がこの上なく尊く、それだけに静かな怒りと悲しみに胸がいっぱいになったのです。監督は本橋成一・語り小沢昭一・音楽小室等。日本映画も目が離せません。

(2004-07-13)

No.153
ただいま~

ブーゲンビリアやハイビスカスの咲き乱れる島から無事もどりました。昨日の沖縄地方は、突然のスコールでしたが、島の人達にとっては待ち望んだ雨だったようで、もっと降って貰わないと作物や飲み水が心配だそうなのです。山のない島では、基本的に飲み水は天水に頼り、家々の屋根の上にはきまって大きな煙突みたいな貯水タンクが備わってるということを、この旅で初めて知りました。ホテルの水道も砂混じりなので、シルクロード以来の経験にびっくり。水の豊かな富山にいると想像もつかないことで、旅に出てみて初めて、ふるさとがいかに恵まれているかに気づかされました。

事前に、天気予報と仕事のスケジュールとをにらめっこしつつ、念入りに下調べしたおかげもあって、快晴に恵まれ、運良くキャセルの出た宿にも泊まることができました。いつもの如く、どこどこまでもレッツゴーで、あたふたとまいまいこしてまいりました。3日間、南の海で泳ぎ、色鮮やかな珊瑚礁に泳ぐ魚たちと遊び、きぃこきぃこと自転車こいで島巡り。今朝は、もう足ひれ付けてない筈なのにやけに足首が重い!

(2004-07-27)

No.154
雀救出大作戦

昨日の朝からT-ONE(薪ストーブ)の煙突の中で、時々ガサガサ、ゴソゴソ。静かになったかなと思うとまたガサガサ、パタパタ。セミでも入り込んだのかな?出れるかな?と話してました。今朝、食事も済んで、洗濯しながら新聞に目を通していると、やっぱりかさかさ、ぱたぱた。抜け出せなくなっているに違いないしこのままではかわいそうと、トさんが初めての煙突取り外しに挑戦。

ぱかっとはずれた煙突からバサバサと飛び出してきたのは、なんと煤で真っ黒になった雀さん!とにかく部屋の外にだしてやらなくてはならないのですが、当然ぽこにゃんは「ナナナナ…」と興味一杯、やる気満々。まずは、ぽこにゃんを部屋から出して、ドアを閉め、網戸の入った天窓やはめ込みの窓から飛び出そうとする雀さんに「あれれっ、あっち、こっち」と大騒ぎしてようやく無事庭に出してやることができて、ほっ。しかし、今度は煙突の組み立てに四苦八苦。あぁでもないこうでもないで、ようやく元に納まり一息。

雀さんは、どうしたかしらと庭を見ると、まる一日飲まず食わずだったので、しきりにあちこちをついばんでいます。「きっと喉かわいとるよ」と、トさんは鉢に水をいれてやり。「おなかすいとるよ」と私は粟を鉢にいれてやる。ぽこにゃんは、閉じこめられた縁側から静かにじぃっと、エモノに狙い定めて虎視眈々。しっぽは右に左に揺れています。息をひそめながら、足音忍ばせて行ったり来たり。雀さんが飛び立つまで、ぽこにゃんは外出禁止だよ。

(2004-07-28)

No.155
夏の恒例行事

この暑さで汗がぽたぽたしたたり落ちるので、蒲焼きやさんのおっちゃんみたいに、タオルでねじり鉢巻きして、さあやるぞっと土用干しにとりかかりました。減塩梅干しを心懸けて、今年は、塩10%を二瓶と15%を一瓶にしてみたのですが、やはりカビがきてそれぞれ焼酎で洗い直し、梅汁は沸騰させて瓶を消毒し直し、すっかり手間がかかっってしまいました。しかし手間掛けた分思い入れも例年に増し、笊にひろげるのもわくわく。ラッキーなことに今日から三日間は晴天予報が続いています。お天道様にも感謝、感謝。

もう一つの夏の行事。家中のカーテンを朝から洗っています。洗濯機廻しながらフックを外して洗い、レールを掃除。脱水のマークが点灯したら早めに蓋を開けてカーテンを取り出し、両手で思い切り水気を飛ばしてばんばんはたいてやり、すぐさまフックを取り付けてしまいます。こうすると、殆どアイロンかけがいらないのと、この暑さですぐに乾いてくれます。電気代の節約にもなってアイロンの手間も省けるので一石二鳥となまくら主婦は得意になっているのです。

(2004-07-31)

No.156
友と語らう

昨夜はトさんの大学時代の友人と、おそらく30年ぶりの語らいに同席しました。自他共に認める筋肉派の間抜け夫婦にとっては、大学時代から学究肌でヴァイオリンの名手で物静かな学者さんとの会食は、ちょっとばかりの緊張をともなうものでした。

法律論から郷土の作家堀田善衛さん、お酒はフランスワインから沖縄泡盛、ザルツブルグの音楽祭からウィーン・ブタペスト・プラハのモーツァルトの旅、ピアノのピリスとヴァイオリンのデュメイ、五嶋みどりさんから野村万作・萬斎薪狂言、「ゆい農園」さんの無農薬野菜の話しや夏野菜のベランダ菜園まで話しは尽きることが無く、あっという間の4時間でした。

滞在先のホテルまで、いつもではない慎重な安全運転でお送りした帰り道、しきりに思い出されて口ずさんだ唄は「友を選ばば書を読みて~、 六分の侠気四分の熱♪」しみじみと心暖かくなる楽しい語らいの時間でした。

(2004-08-03)

No.157
レタス

暑い時には、手早く出来る料理を美味しく食べたい。レタスのしゃきしゃき炒めは、夏におすすめの一品です。作ろうかなと思ったら、干し椎茸を冷蔵庫で戻しておきます。レタスの芯を刳り抜いたら、ざぶざぶ洗って後は適当な大きさにちぎるだけ。フライパンに、油を熱し、鷹の爪をほうりこみ、戻した干し椎茸をさっと炒めた処へレタスをざわっと一気にいれちゃったら、椎茸の戻し汁にお醤油たらしてできあがり。葛粉でちょっとあんかけ風にもします。なんのせ、レタスを炒めすぎないことがおいしくする秘訣。その時によって鶏ガラスープの元をちょっと足してみたり烏賊や帆立貝を一緒にいためたり。火を通すと、ぺしゃんとなってしまうので、たいがい一個丸ごと炒めて、ぺろりと食べてしまいます。

(2004-08-03)

No.158
こころえた?

黒部のコラーレで薪狂言「素袍落・弓矢太郎」を楽しみました。夜になっても辺り一面もや~っと生あったかい空気に包まれたままの暑さが続いていましたが、水の風景に囲まれ、野外で扇子や団扇の静かな自然の風を送りながらの観劇でした。だんだんお酒が回ってゆく様子、臆病者の弓太郎のいじっぱり具合の滑稽さに思わず笑いながらもどこか憎めない人間のおかしさになんとも言えぬ味わいが滲み出ていました。どちらかというとせっかち家族の日常とは異なり何事もゆっくりのテンポがまたいいと思えるのでした。ところが、終わるやいなや、ぺこぺこのお腹をかかえ、晩餐めがけて一目さんに高速をひた走る、いつものペースに舞い戻っていたのですが!

(2004-08-06)

No.159
こちらトぺこトラベルトラブル支局

お盆の家族旅行の行き先をどこにしよう。昨夜は、突発的発作的計画立案会議が開催され、例の如く、あぁでもないこうでもないと、夜を徹しけんけんがくがく、意見が飛び交い議論は白熱し、支局内は大混乱。

「モンゴルがいいな」と、ト支局員。
「渡辺一枝さんはチベットつうだし、椎名さんと一緒にでかけた本も読んだし、わたしゃチベットがいいけど、この際モンゴルでもいい」とぺこ支局員。
「モンゴルの人なら国技館へいけばおいでやすよ」と凸京都支局員。
「花火がみた~い。日本一の大曲がいい」ちぃ京都支局員が電話の向こうで、(めずらしく)大きな声で叫んでおられる。
「いやいやヨーロッパの若者がつどうプラハはどうじゃ。」
「辛いモンたべて脂肪率さげよつぁ~で韓国かタイがいいな」
「バリ島はちと怖いからプーケット島はどうだ」
兼ねて憧れの「天国に一番近い島ニューカレドニア」はいかが?今なら6名様からの団体扱いのお安いチケットが手に入りますが。
「最近上海もおもろいらしぃ。」

そこへ京都支局からメールが着信「ちゅうかパスポートありましぇん」。

まぁ、とりあえず、あぁだこうだと検討しているのも楽しみのうちということで…。

(2004-08-07)

No.160
久々の雨に

久し振りの雨です。あまりの暑さに息をひそめていた樹や草々も、思い切り枝葉をひろげてます。昨日は早朝から庭をはいずって草むしりと苔の手入れに汗を流したのでひときわ緑が美しく思えます。掃除しながら数えた蝉の穴は48、蝉の抜け殻は56。

休みになったらやりたいことを八つまで書き出し、昨日は5時起きでせっせと働きだしました。まず、納戸の方の小さな冷凍冷蔵庫の中身を出して掃除。こびりついた氷を取り除きオレンジオイルの洗剤でまず汚れをとり、熱い湯で吹き上げた後にアルコールで消毒。

家庭用冷凍庫を廃棄して以来、今度はこちらもなくしたいと思いだしたのですが、暑い夏には確かに便利な必需品でもあるのです。そして、すっかりきれいになると捨てるのがなんか惜しくなってきました。ぽこさんが学生時代から使っていた物でぺたぺたとシールが貼ってあったりするので尚更。

しかし、冷蔵庫の裏は確実に熱気をおびているのです!結婚以来35年の暮らしの間に貯まってしまった負の遺産はなくしたいというのが最近の切実な思いです。異常な暑さや、「カエルもカタツムリもヤモリもすっかり少なくなった」という記事を目にして、環境によいことならどんな小さな事でもと暮らしを見直しています。

「便利です。新製品です」には「ちょっと、まった!」と考えてみる性格だった筈が、いつの間にか家中モノであふれている!部屋の隅には本棚に収めきれない本が積まれ、廊下や縁先にまで溢れた本棚や本の山の中には「清貧の思想」「スピード整理術」等も紛れ込んでいて…。一台だった冷蔵庫も車もクーラーも、いつのまにやら2、3と数を増やしてきて、「ホントに必要?」と最近つくづく考えるのです。

(2004-08-14)