雑記帖 - yo:ku:nel

No.121
倭小槌

京都北区の真っ当な懐石料理店「まとの」の主力酒。「まとの」は、昼は2000円から、夜は、5000円からのコース料理。引っ越し慰労会は、主催者の凸助夫婦のお財布にあわせて、5000円コースだったが、充分美味しかった。手の込んだ料理が次々にでてきて、最後は土鍋たきの鯛飯。お代わりしても食べきれず最後はおにぎりのお土産にして貰った。

さて、倭小槌。兵庫県稲美町のお酒。この酒は、早瀬浦や扶桑鶴の系統である。兵庫の「奥播磨」とも似ている。小さな蔵で真面目に作ったお酒特有の味の濃さがある。いつも飲んでいる〆張鶴や八海山が水っぽく感じる。もっとも後者は、どれだけでも飲めるようにしたのだという説もある。倭小槌で飲んだのは、辛口純米と純米吟醸。

「まとの」でもう一つ用意したお酒は「成政」。富山県福光の小さな蔵のお酒。このお酒は後日報告を。しかし、成政をきっかけに富山県出身だというと、なんとここのスタッフで成政酒造に訪ねたことがあるという話が出てきてにわかに仲居さん(おかみさんか?)と話が弾んだ。

京都にも蕎麦屋のニューウェーブが。今回は、「金井」と「にこら」へ、蕎麦は洗練されており、料理も美味しい。お酒も揃っているが今回は車のため試せなかった。女性陣の評価が高いのは、にこらである。我が家と調味料が一緒で、料理は豊富。とは、蕎麦と暮らしのたたずまいが、金井かな。金井は料理がもうちょっと増えれば。蕎麦と天麩羅は合うので、天麩羅は欲しい。蕎麦自体、ご飯やパンと一緒でそれだけでどうだと言われても、ちょっとなー。東京の蕎麦屋は、京都の生湯葉を売りにしているが、京都の蕎麦屋は、案外出さないのはなんでかな。

(2006-09-16)

No.122
米焼酎 優佳

熊本の大石酒造の米焼酎である。 ここは、なんてったって、「大石」。ブランディ樽で仕込んだ焼酎として有名。かって、テニスパートーナーであり、山友達の鉄人48号が、「とさん、こんなうっまい焼酎あっがやちゃ、娘がおくってくれたがで」と破顔一笑で贈呈してくれた。「優佳」は、大石ほどクセが無くて飲みやすく、マイルドでこくがある。

米焼酎のきれは、やはり、越乃寒梅乙類焼酎か。先日居酒寿司で、マスターがぽこさんにだしてくれたのを、一滴嘗めると、きれが抜群。幻とかで、ネット価格をみていくそったがいね。

(2006-09-20)

No.123
芋焼酎

焼酎の世界にも、日経ランキングなる物があって、順にゆくと、佐藤黒、朝日、萬膳、村尾、富乃宝山、長雲、田倉、いも麹芋、月の中、武者返し、兼八。しかし、この世界は今や驚くほどプレミアム世界。かの「森伊蔵」や「越乃寒梅」は、三万円台。従って、どのお酒が正常価格で買えるかが問題。

また、基本は、有機無農薬の黄金千貫使用、減圧蒸留ではなくて、常圧蒸留、ステンレスタンクではなくて甕仕込み。ちなみに甕仕込みが、何で良いかというと、大量生産が出来ない、小さい気孔が無数にあるので、酒が呼吸できて柔らかくなるとか、なんとなく納得出来る。

「武者返し」は、米焼酎だけど、寿福絹子さん作、常圧、甕仕込み。一度飲んで見たい。芋では、これまでのダントツは本坊酒造の「桜島ミレニアム」。同じ蔵の「無可有」は、倍価格だが、インパクトはいまいち。入手し易い中では、居酒寿司で出る「九燿」。その他「宝山」「伍」「明るい農村」「石蔵」「島美人」「いも麹芋」など。

(2006-09-22)

No.124
芋焼酎パート2

芋焼酎新たに取り寄せてみました。今晩、明けたのは、とりあえず全芋焼酎「蘭」、黄金酒造製、全芋即ち、芋と芋麹。製法は、一次麹に黄金千貫を使用し、二次掛けようの原料芋も一度遠赤乾燥処理をして芋の旨みを凝縮し、発酵力の強い醪を生み出したとのこと(ラベルの説明)、何のことかぴんとこないのですが、米と違って、芋から麹を作るのは、難しいようで、黄金酒造では、生の芋を細かく砕き麹菌(黒麹)を植え付けることで、一次仕込みようの麹化に成功したとのこと。二次仕込みの原料芋も蒸し芋を細かくし、熱風乾燥させた「乾燥芋チップ」を使用し発酵力の強い醪を生み出したとのこと(小冊子の説明)。

美味しいお酒を作りたいという人達の努力には頭が下がります。それを、事細かに紹介している俺もいったい何なんやろ。さて、名前の「蘭」は、蘭の香りがすることに由来する。確かに、一種独特のユニークな香りがする。言われてみれば確かに蘭だ。背後には芋が浮かんでくる。この香りが好きか嫌いかで、評価が分かれるところ。

次は、「こいじゃが」鹿児島酒造製。こっちは、米麹の中でも珍しい黄麹仕込み。杜氏は黒瀬安光。鹿児島県川辺軍笠沙町に焼酎杜氏の村黒瀬集落がある。姶良町の白金酒造の黒瀬東洋海などあまた。芋の香りが十分な非常に素朴な芋焼酎。前回紹介した中では、「伍」も黄麹。

本日は、うりこさん、じゅんちゃんが「久燿」も届けてくれたので、あける。こちらは、五年熟成(+新酒)だけあって、マイルド。ふたりで、飲み比べてウダウダ。3つともノーマル価格でした。うりこさん、じゅんちゃん情報によると、黒姫のお蕎麦やさん「ふじおか」が、要予約となり、お値段は三千円となり、料理が蕎麦粥が出たり、少し増えたそうだ。京都やお江戸のお蕎麦も美味しいけれど、ここの緑色のお蕎麦は、別格だからなー。

(2006-09-25)

No.125
山廃純米「雪の芋舎」

ゆきのぼうしゃは、何種類か飲んだが、この山廃は、非常に滋味があり、美味しい。山廃はどちらかというと、乳酸ぽくって、いまいちだけど、これは良い。秋田県由利本庄市の齋弥酒造店は、なかなか。

さて、芋焼酎。そー言えば、もりさんは、芋焼酎で産湯を使い、子供の時からぐびぐび???。トが芋焼酎を語るなんて、前座も良いところでした。「天使の誘惑」は、「宝山」の西酒造の熟成酒ですね。ここのは、どれもしっかり作られていて、以前に能登穴水の焼き肉「華店」で飲んだ「宝山芋全量」がホントに芋芋でした。「天使の誘惑」は、ブランディぽい美味しい酒だった記憶があります。

「こいじゃが」は、富山弁でいうと、どー言えばいいのか。「こっやがいね」、「これやちゃ」か。「こいじゃが」のラベルには、鹿児島弁が約40個ぐらい並んでいるが、じぇんじぇん判りません。「さなぼい」「びっちゃ」「あんなか」「ほんのこて」など。

鹿児島弁は、島津の殿様が幕府の隠密対策のため、わかりにくくしたという説もあり、同じく東北弁もそうで、こちらは、寒いので、口を開かなかったからと言う説もある。それにしても、幕末の京都で、薩摩隼人と富山弁が会うと一体どんな会話してたんだろうか。そこへ京都弁、会津などが加わると果たして、会話なんて出来たのか。などと、「こいじゃが」のラベルを見るとしみじみ思う。でも、よくよく、こいじゃがを繰り返すと、コイは、これで、じゃがは、「だ」というふうにも思えてくる。

(2006-09-26)

No.126
天寿 純米吟醸

秋田県由利郡矢島町、1874年創業の天寿酒造製。 近年は、天寿酒米研究会による合鴨農法などによる美山錦使用で、近年金賞を連続受賞した。要するに、自然酒なのです。味は、素直で、切れ味が良い。美山錦だけに山田錦のような、妖艶さは無いけれど、自然酒特有の安心感がある。同じ秋田の「雪の芽舎」も自然酒。

非常に姿の美しい鳥海山の北側の麓の田んぼが目に浮かぶ。最近、藤沢周平さんの全集をぱらぱらめくっていると、庄内藩の先に、鳥海山が見えるようです。周平さんのバックボーンなんですねー。あの辺の風景と、富山から見える立山連峰と、新潟県に入って見える妙高山の風景と、安曇野からみる常念岳などとは、ちょとずつ温度差があります。でもどの風景も5月山に雪が残り、田んぼに水が入っているときの風景が好きです。

美山錦使用酒は、長野県に多いけど「大信州」純米大吟醸が、格安で美味しい。芋焼酎も今や、芋焼酎ブームで、原料の芋が不足して、鹿児島産の芋は引っ張りだこで、輸入芋使用焼酎も多いようだ。鹿児島では、モリさんのいう薩摩白波が代表酒だけど、近年地元で、人気なのは、「島娘」。地元芋を使い、品の良いお味で安いというのは、うりこ・じゅんちゃん情報でした。お酒も素性の知れた原料使用がいい。

(2006-09-28)

No.127
自炊しかしてその実態は

今晩は、ペコぽこが、映画鑑賞で富山へ出張に付き、自炊いやもとい自食。まずは、まめつぶさん羨望の的あかずいきの酢のもんを、大嶺実清さんの小鉢に芸術的に盛りつける。一口口に含むと良い感じ、酢のもんは疲れが取れるのだ。おー大好物の茄子の漬け物がつかっている。これは、志野の小鉢に5個だけ盛る。うちのは薄味なので、小皿に鳥居の醤油をちょっと垂らす。絶妙。

冷蔵庫の奥を探ると、昨日のポトフも残っているので、火に掛けよう。贅沢屋でとが買ってきた餃子があるので、これも5個茹でる。餃子は焼けば美味しいが油を使うので、きょうは茹でる。これは、やはり沖縄の稲嶺さんのガラスの皿に盛りつける。後は白和えに、蓮根も残っている。デザートは、幸水梨に、イチジクに、ゆべしもある。

おっと、お酒は、歓びの泉と「こいじゃが」お湯割りだった。こいじゃがは、悪くない。トは、結構沸騰に近いお湯で割るのですが、どれぐらいがいいのでしょうか。お湯が先と言われるが、そこまで違いは感じられない。

(2006-10-01)

No.128
乾杯酒

今宵は我が家は慶事につき、乾杯酒。アタ・ランギ2002 歓びの泉 久燿など雨あられ。

(2006-10-02)

No.129
安産、難産

先週末の大詰め。チャングム、竜虎、たまお君。一番遅いはずのたまお君がなんと一番に名乗りを上げたがいね。チャングムは、既に結論が出ていて、いわば2番煎じに一喜一憂しとっがやちゃ。難産は、は、は。ほんまに虎もしつこいちゃ。後世に語り継がれる粘りやがいね。人間いかに精神的な部分がおおきいかやね。勿論、基本的な核がないと精神だけやと伸びがんがやけど。

お酒も同じ。薩摩っぽやっぱ生ですね。でも、食事と一緒の食中酒は、お湯割りなり。焼酎や泡盛は、ロックや水割の方が好みです。食後に焼酎だけの場合は、生で良いのですが、生で飲む場合は、焼酎も泡盛も熟成タイプがまろやかで飲みやすい。人間不思議なもので、寒くなると泡盛より、つい焼酎へ。今宵ももち祝い酒。陀羅仏様。何杯陀仏。

(2006-10-03)

No.130
優勝

やっと、決まりました、これほどの難産とは、しみじみと我が家が安産で良かった。今晩は、優勝を想定して、鯛のお刺身、鯛の頭2個が用意されていた。エースの川上が投げて、4番のウッズがホームランを打つ。さーあとは、仕上げは岩瀬と思いきや、ホームランがパカ、パカ、パカ。あっちゃー、いつの間にか同点。重苦しい延長戦。東京ドームで過去に敵チームの胴上げがない、こりゃやばいかも、しかし、やりましたね、12回のめった打ち。

12球団一と言っていい、厳しい練習と落合監督の度量が実を結びました。でも、最大のインパクトは、監督夫人信子さんかも。落合監督の言葉にもありました球史に残る虎の追い上げ。大ちゃん、たまこさんのシッダゲキレイが効いたのか、ほんまに最後の最後まで逆転されるのではないかと、はらはらのし通しでした。来年も、熾烈な戦いが予想されます。優勝酒は、土佐のお酒「亀泉」純米吟醸。兵庫山田錦使用。醉鯨と良く似ている。今日は、醉龍が、富山に一匹。

(2006-10-10)