雑記帖 - yo:ku:nel

No.171
天法純米酒

住吉屋さんで飲んだ酒。これが当たり。 それもそのはず。かって、磯自慢の杜氏をしていた瀬川博忠さんが杜氏をしているという。 長野県千曲市の蔵。長野のお酒は、一般的に甘すぎて、不満があったが、これは小さな蔵特有の特徴があり、穏やかで呑みやすい。折からの茸づくしの料理が進む。本人の名前を冠した純米大吟醸「瀬川」は入手できなかった。

この宿では、もう一個麦焼酎15年熟成「オーヘンリー」を呑む。石垣島の「こっかーら」さんでのんだ泡盛10年物に似た印象。とろりとしていて、しっかり麦。

(2007-10-31)

No.172
集団力学

集団が、一度燃えて動き出すと止めるのが難しい。 現時点では、日本野球界屈指の投手ダル君でも、勢いづいた集団の流れを止められなかった。短期決戦は、いかに、集団を早期に動きの中に持ってゆけるかだと思う。

かって、体操競技で、団体徒手と言う競技があって、これは要するに、鉄棒や平行棒などの機械を使わない体操競技。集団でバック転などを始めると壁にぶつかるまで止まらなくなると言う。かように、一度生まれた勢いは止められない。変な方向にさえゆかなければ。

本日のお祝い酒は、日本酒「天法」、赤ワイン「アタ・ランギ」。 ふぅー うっ〜〜め〜〜〜〜〜。

(2007-11-01)

No.173
ベトナムビール

ベトナム。年中熱い国だけにビールが必需品。今回飲んだ中でのトのお気に入りは、「333」(ばーばーばー)。きれがあって、こくがあって、しかも安い。350ML缶約50円也。その他「ハリダ」、「タイガー」も美味しかった。

もう一つの飲み物は、ワイン。フランスの統治下に有っただけあって、レストランのワインの品揃えが言い。しかもあんな熱い国で、保存が良いのには驚いた。

食べ物と言えば、「フォー」。お米のうどんだけど、まことに優しい〜優しい〜味で美味しい。牛肉とチキン味が有るけど、トはもっぱらチキンを。ベトナム料理は、胃に優しく、フレンチは洗練されていて、かつベトナム的に優しい味。しっかり太りましたが、ベトナムにメタボはいなかった。

(2007-11-13)

No.174
「創」(神亀酒造)

純米吟醸槽口酒、原料米は、阿波・山田錦、精米歩合50%、16度〜17度。表日本の純米酒の雄の神亀酒造の特別酒。埼玉県蓮田市に蔵がある。蓮田市と言えば、大学入試の時にお世話になったいとこが住まいを構えている。彼からは、マチャプチに行ったとか、スペインに行ったとか言う話は聞かされるが、神亀は、貰ったことがないナー。そういえばお酒を飲むと、すぐ真っ赤に成る家系だった。

神亀は、とにかく濃いお酒である。ラベルは、たぶんサムさん好みの墨で、「創」。これは、槽口なので、原酒のような味。麹の香りがプンプンするが、嫌味ではない。ノーマルな神亀純米は、常温でのむと神の亀臭がして、日常酒にするには、やや重いが、これは、濃いが重くなくて、いける。

(2007-11-28)

No.175
出羽桜「あいやま」

山田錦と雄町から1949年に生まれた酒造好適米、「愛山」を使った純米大吟醸。心白の大きさが、山田錦と同等かそれ以上という大きさ。しかし、非常に解けやすく、醸造に気を遣うので、汎用されていない。さて、お味は非常に優しく、口当たりはまことに滑らかである。

本日の肴は、京の駄羅仏さんの柚餅子、固くてすっこんこんになっているが、味は秀逸、あいやまの優しい味にピッタリで、つい酒が進んだ。はーこれが愛山か。出羽桜は、山形県天童市の蔵。スッキリしたお酒というイメージがあり、好きな蔵だ。

(2007-12-05)

No.176
福井のお酒

一般的に淡麗辛口の富山、濃醇型の石川、福井はその中間の旨口型といわれる。料理の特徴も、お酒に準じているかも知れない。もっとも、実際の処は、その逆で、料理がそうだからお酒がそうなったと言うべきだろう。もちろん、これは大雑把な表現であり、こんな簡単な枠組みでは最近のお酒はくくれない。

本日なかやす酒販を訪れると、どうしても、見慣れないラベルに目がいってしまう。その一つが「福千歳」中取り純米吟醸山廃仕込み。富山ではない、石川でもない、福井のお酒だ。山廃らしさは殆ど感じない、早瀬浦のような切れや滋味はないが、旨味があり、吟醸酒であることも十分に感じる。

もう一個は「常山」。この蔵は、かの落合監督が信子夫人と訪れた蔵という。かなり綺麗なお酒。福井産美山錦使用の純米吟醸を飲んだ。これは、開栓後2,3日日がおいた方が良いという。ほんとかな。いずれも、今シーズンお初の鰤との相性は、良い。鰤は、富山湾の入り口まで来ているが、寒さが未だ十分でなくて、湾に入ってこず、まだまだ高値のようだ。

(2007-12-22)

No.177
飲み納め

着々と年の瀬を送った結果、ぽこさんのお陰で年賀状は早々に終わり(おっと最後の一枚は三郎さんが亡くなったうりこ家宛が残っている)、掃除は人頼みのお陰で、結局みんな人様のお陰で、久しぶりに余裕のある年の瀬。Oくんから、野沢にスキーいかんけと誘われるが、ちょっとそれは無理。

高岡のお気に入り洋食屋さんの「ビストロ・ルパン」が本日で高ノ宮の店をしまい、来年3月に新規オープンするという。そう言えば、昨年の今頃は、「居酒寿司」閉店フィーバーだった。と言うわけで、今晩8名で、ルパンへ忘年会に繰り出した。店は満員。

サーブのオネーさんに、お薦めのシャンパンは?と聞くと、「サロン」と答える。「じゃーそれで」「エーホントですか。」 いつもは、スペイン「カバ」しか飲まないので、驚かれるのも無理はないが、いまさら、引くに引けない。出来るだけ、引っ越しは身軽にしてあげなくちゃならないし。さて出てきた「サロン」は、何と1988年。約20年前じゃないですか。色は飴色ぽい。何とも言えない上品な熟成香、こんなシャンパン初めてだ。それもそのはず超こだわりのシャンパンらしい。

シャンパンがサロンなら、白も赤もレベルを下げられない。白は「シャブリグランクリュ2003」生産者は、忘れたが、天使がグラスを傾けている絵がラベルにも栓にも描いてある瓶。グランクリュともなると、シャブリ特有の砂利を噛むような味よりも極上白ワインの練れた味が勝る。久しぶりに美味しい白ワインを飲んだ。

赤は、「シャトームートンロートシルト2003」。有名画家のラベルの有る瓶。 デカンタをしては貰った物の、開栓後すぐは、未だ寝ぼけて渋い味。30分ぐらい立つと、セクシーな味に変身、しかしその頃には、グラスには殆どなく、ぺこさんにわけて貰う羽目に。

ルパンの料理は、相変わらず優しい味。新規開店が楽しみ、楽しみ。

どなた様も、良いお年を。

(2007-12-30)

No.178
青潮

と復活、お酒が美味しい。

今回同行の本は、ドストエフスキー「罪と罰」。高校時代に読んだはずだが、殆ど忘れている。昨年は、「カラマーゾフの兄弟」の新訳が判りやすいので、よく売れたそうな。ラスコリニコフの狂気と、我が身の悲惨さが、マッチし、あの深刻劇がびんびん身にしみて入ってきた。

たった、2日間余り、上から、下から全部出し、断食しただけで、ラホールで観た、「苦行する釈迦像」のように、あばら骨がくっきりし、腹の回りが、肋骨に添ってへこむ。お釈迦様は、6年間、修行したが、悟りをえなかったという。とは、勿論、悟りをえられるはずはなく、復活後直ちに美酒、美食を求める。

さて、芋焼酎「青潮」。すっきりしたラベルが、好みだ。 かっては、甑島の西酒造所の手造り酒という。それを、最近「明るい農村」が、買い取り、現在販売されているのは、西酒造製を、水割りして調整している物。来年からは、川内市げとう院町でかってのように、木槽仕込みで造るとか。味は、優しく、芋芋しないが、芋の甘みがほんのりで上品な味である。 あーよかった。京の駄羅佛さんと、結婚前から、知り合いじゃなくて。

(2008-01-09)

No.179
燃島

黒糖仕込み芋焼酎。鹿児島県南さつま市萬世酒造製。燃島とは、ラベルによると、安永8年(1779)、桜島の噴火により海底より湧出した燃島は、桜島の北東1500M、錦江湾に浮かぶ南北750M東西300Mの小さな島、本格焼酎「燃島」は、塩と風、海の幸の宝島と言われ、太陽の色に美しく燃える燃島に捧げる一滴です。

ワオーなんと完璧なコピー、中身は一升瓶ながら、瓶は寸胴、寸足らずで一升瓶の約半分の高さ。首に縄付きのいかにも呑兵衞向き。お味の方は、非常にマイルドで飲みやすい、萬世ではなくて、萬人向き。とはいえ、日本酒の吟醸ぽい香りがある。

(2008-01-28)

No.180
霧島町蒸留所

黒麹かめ壺焼酎、鹿児島県霧島市の霧島町蒸留所製。そう言えば、地名を冠した企業名は、なかなか感じよさげ。高岡では、「江尻町電停○○」とか、かっては、「桜馬場○院」とかあるなー、東京では、「銀座通り○○事務所」とか、こういった地名を簡単に無くさないでほしいもんだ。富山県では、市町村合併のせいで、かって、福野とか福光とか言うところが、ひとくくりになんと市とかなってさっぱりわからんようになってしまった。

そういう意味でも、霧島町蒸留所には、頑張って貰いたい。霧島町は、たぶんかっていった妙見温泉の近くやろ。この辺の韓国岳を駆け上ったことがありました。富山からなんでこんなとこの山を登りにくるねんとおしかりをうけた。さて、この焼酎、お湯割りが、まことに美味しい。生でも呑みやすい。創業明治44年という。

(2008-02-01)