私的デジカメ選び

2000年 秋の陣      

さて、2000年も後半に突入。21世紀に向けて新しいモデルの発表が始まっています。
デジカメの売り上げが普通のカメラの売り上げを追い抜いたという報道もながれ、ついこの間までは、新しいものに興味がある少数派向けの製品だったデジカメが、いよいよ大衆化の時期に入ったんだなー。と実感させられます。以前と比べれば新製品はどれも完成度も上がり、購入して後悔するパターンは減ってきていると思います。しかし、メーカー、機種による性格付けはマチマチです。あなたにあった一台となるといろいろと迷ってしまいますよね。でも、あれこれ迷うのも楽しみのうち、自分にあった一台が見つかるまで楽しんで悩んで下さい。
 

1/2.7インチ 200万画素軍団 登場
まずは今年のヒットモデルのキャノン
IXY-Dと同じ1/2.7インチ原色系CCDを搭載したものがCASIOとペンタックスから、同じサイズで補色系CCDを載せたモデルがオリンパスから発表、発売されました。ペンタックス以外は100万画素クラスからのモデルチェンジ版といえる内容。1/2.7インチというCCDの大きさが従来の130万画素CCDと同じサイズなのでCCDを載せ代えることで大きな変更無しでも比較的簡単に200万画素へ移行できるというメーカーにとってのメリットもあります。ただし、CCDの小型化はコストダウンできるというメリットと同時に面積が小さくなる事で1画素当たりの面積が減り、それに伴い画像データが劣化する傾向があり、明暗差が激しいシーンや暗いシーンでノイズ等が目立つ場合が心配されます。一連のモデルのサンプル画像がPC Watch 山田久美雄さんのレポートで紹介されています。同じCCDなのに画質の性格はマチマチ。これなら良いんじゃない。とか、私には合わないとか。いろいろ比べてみてください。購入をご検討している方は是非比較してみてください。特にプリントアウトすることを考えている人は、サンプル画像を実際にプリントアウトして比較するのが良いと思います。

 

カシオ QV2300UX2800UX

さて、特長はQV2300の方はオーソドックスな3倍ズーム。一方2800の方は8000SXの流れを汲む8倍ズーム。もちろん、8倍ズームの方が魅力的ですが...。2300の画質を見ましたが、ちょっとノイジー&解像感も低めな印象を受けました。これはレンズの影響かもしれませんが。QVシリーズ伝統の回転レンズ。機能豊富でコストパフォーマンスに優れ、デジカメの楽しさを味わうには適当な選択だと思います。

オリンパス C990Z

一方、オリンパスのC990Zは130万画素3倍ズームだったC900シリーズのモデルチェンジ版。デザインは従来と代わらずに画素数が200万画素クラスにUPしています。これもCASIOと同じく1/2.7インチCCDを採用する事で130万画素モデルから大きな変更無しに200万画素モデルに生まれ変わっています。C900シリーズはこのデザインで既に2年。何度もマイナーチェンジを繰り返していますので操作性等は十分に熟成されています。画質的にはオーソドックスで良くまとまった印象。熟成されてきたシリーズなので操作性などは完成しています。完成度が高いということで逆に面白みに欠けるのが欠点といえば欠点かな。

ペンタックス EI 200

それからペンタックスからも出ていました。デザインはまさにコンパクトカメラ。違和感なく使えるデザインは魅力的。ですが、このモデルも1/2.7インチCCDを使用。β機のサンプル画像は見た時には正直言ってヤバイよなー?という感じを受けました。同じCCDを使っていても画質はメーカーによって随分違うものだなーとわかる良い例ですね。(汗)この辺はしばらくデジカメ作りから離れていた影響なのでしょうか。今のところ、値段が安い場合を除いて強いてこのモデルを薦める理由は見当たりません。

 

高倍率ズームの波、広がる
昨年から5倍ズームの
SONY DSC-F505(V)(K) ,8倍ズームのCASIO QV-8000SXなどの高倍率ズーム機が話題になりました。これらのモデルは今年それぞれモデルチェンジして発展してきています。そしてこの流れは他社にも広がってきているようです。

オリンパスC-2100UZ

さて、上で紹介したのと同じ200万画素機なのですが、大き目の1/2CCDを載せた新製品がC-2100UZ。これは昨年秋のベストセラー機C-2020Zをベースになんと手ブレ防止の10倍ズームレンズ(キャノン製)を搭載。同社の一眼レフC-2500Lを連想するデザインですが厳密には一眼レフではありません。カメラ本体後部に付いている液晶画面の他に、通常、光学ファインダーの付く場所に液晶ビューファインダーを搭載しています。どうして二個所も必要なの?と疑問に思う方もいるかもしれませんが。カメラ本体後部の液晶は直射日光の下などでは画面が見え難いんですよね。手をかざしたりしないと。こんな時に、液晶ビューファインダー見やすいようです。それから一眼レフスタイルでの撮影はカメラが手と眼部(頭部)でホールドされるので安定感も出てきます。なんとも魅力的なのは手ぶれ防止付きの10倍ズーム。これは運動会で離れた子供さんを狙う場合や、小鳥や動物園なんかでは撮影シーンが広がりそうですね。想像するだけでワクワクしてきます。画質は既に定評のあるC-2020Zベースなので心配はしていません。初心者が買うデジカメとしては値段も高くて機能的にもオーバースペックな印象ですが。自分の用途を考えて10倍ズームっていいなーと考えた人は要チェック。特にデジカメで近寄ると逃げちゃうような野生の動物や学校の行事で迫力ある写真を撮るには最適な一台でしょう。

フジフィルム Finpix 4900Z

先に延べたC-2100UZキラー?と思える仕様のデジカメがフジのFinpix4900Z.こちらは手ぶれ防止機能無しの6倍ズームということでこの点で一歩差を広げられていますが、2100UZ同様の液晶ビューファインダーを搭載し一眼レフのような撮影が可能です。フジのこのシリーズは独自のハニカムCCDを搭載していることが特長ですが、我々一般ユーザーにとってCCDのタイプはあまり関係のないところです。大事なのは結果です。その点で、フジのデジカメは色再現性に優れていると思います。実はこの点がC-2100UZに対するアドバンテージ。C-2100UZが悪いわけではないのですが、2100UZの補色系CCD4900Z原色系CCDの性格の差が出てきてしまいます。4900Zはメリハリのある一般受けする画像だと言えます。贅沢を言わせてもらえば、C-2100UZ相当のズームに4900Zの色が揃うと言う事ないのですが。

オリンパス E−10
オリンパスの一眼レフは140万画素 C-1400L(85万画素 C-1000L)、その改良版1400XL、250万画素 C-250Lと続いてきました。その間、常に一般ユーザー向けのデジカメとしては最高グレードといて存在してきました。
しかし、レンズ交換式の一眼レフが30万円程度(本体のみ)で発表、発売されている中で、また、一般向けのデジカメが多様化する中で、一時に比べ存在感が薄くなって来た事は否定できない状態です。オリンパスのラインアップの中でさへ、C-2500LとC-3030Zの位置関係は微妙なものがあるくらいですから。
そんな中で、今回発表されたオリンパスの新一眼レフがE-10です。スペックで目立つのは2/3インチ400万画素CCD。このクラスのデジカメでは最高画素を誇り、機能的にも大きく進歩してきています。正直言って私の能力を超えてしまっていて、機能についての感想は書けません。(汗)マニュアルフォーカスリングやズームリングがあるのは、非常に便利そうですが。詳細はメーカーのHPを見てください。外観質感あきらかにこれまでのシリーズとは1クラスアップしての登場です。
あらためてこのデジカメの位置づけですが。従来の銀塩カメラで既にレンズ等を持っている人の興味は本体価格30万円程度のレンズ交換式のデジカメに行っているでしょう。そういう状況で20万円近くを出して、E-10を購入する客層は、現在は銀塩のシステムは持っておらず、デジカメから写真に興味を持った上級者やもしくはその予備軍ということになるのでしょうか。ですから、ニコンのD1は別格(値段、性能ともに)にしても、フジのS1proやキヤノンのD30は十分に意識して作り込んでくると思われますし値段的にも期待が膨らみます。。実力が楽しみですね。

オリンパスE−100RS
先日、C-2100UZという200万画素10倍ズームを出したばかりのオリンパスから新たに150万画素10倍ズームE-100RSというモデルが発表されました。デザインは2100UZと同様で色はシルバー系からブラックボディーへ。CCDは200万画素クラスから150万画素クラスに落ちてはいますが、同時に補色系から原色系になっています。そして、このデジカメの特長は高速連写。一秒間に15枚までの静止画が撮れます。さらにプレキャプチャー機能はシャッター半押し焦点固定した時点からメモリーバッファーにデーターを残すことで、シャッターを押す前の画像も記録可能になります。例えば鳥が飛ぶ瞬間を狙おうとした場合、従来ならば飛んだ瞬間にシャッターをきったつもりでも一瞬遅れて鳥さんは画面の外へなんてこともありましたが、この機能を使えばシャッター切った以前の画像も記録されているわけで、カメラマンのミスをカメラが救ってくれるわけです。
私が興味が有るのは、10倍ズームとこの機能。子供を写す場合、子供はカメラマンのお父さんの気持ちなど理解してくれません。(笑)好き勝手に動きまわります。そんな時にも長望遠&ぷれb000連写はこれまで撮り逃してきた失敗写真を随分救ってくれるのではと期待させてくれます。子供の記録を残す最強スナップカメラとしてE100RSを評価したいのですが。値段が高い&動く被写体を追いかけられるのかということで液晶ビューファインダーが私の購入意欲に水を差します。(笑)

ニコンCoolpix880 
ニコンはCoolpix800の後継機を発表しました。機能的には300万画素3倍ズームCoolpix990をベースにズームレンズは沈胴式の2.5倍に。また、回転レンズを固定式にすること、バッテリーも小型化し全体的にコンパクトに仕上げています。前モデルの800はちょっと中途半端な存在でしたが、今回のモデルは外観もこれまでの男っぽいブラック系の色からよりファッショナブルなシルバー系に変更され、ファッショナブルなコンパクトモデルに出来上がっています。これまでの上位機種の廉価版という雰囲気を完全に払拭してきています。
基本的な機能はCoolpix990のものを踏襲しており、990の多様なオプションも利用できるため、応用範囲の広いコンパクトデジカメと言えるのではないでしょうか。

コダックDC3800
コダックからもコンパクトモデルが発表されました。こちらはズーム無しの単焦点。今年はIxy-DやFinepix40iなど携帯性の高い、ちょっと格好良いモデルがヒットしています。それらに対抗すべきスペックでの登場です。画素数も200万画素クラスとライバルと互角。大きさもIxy-Dとほぼ同等、アルミの外装もなかなか良い感じです。機能的にはフルオート。シャッターを押すだけでOKという設計です。画質的には色ならコダックという評判が完全に定着しているだけに、コダックファンを含め、旅行先で景色を撮るような用途には持ち運び安さに加え、ちょっと広角よりの設定で適当な一台となるでしょう。このデジカメを見た時に懐かしい感じで嬉しくなりました。その理由は私のデジカメ初号機DC20を思い起こさせる造りだったからです。それは昔、デジカメ黎明期に写す以外の機能は無くさらに液晶画面も持たない軽量コンパクト。それがDC20。今回のDC3800はそんなDC20と同様な潔さを感じます。最低限の機能以外は排除して。ちょっとチープな質感も懐かしさを覚えます。今年はIXY-Dに続きFP40iやFP4500さらにソニーP1と小型コンパクト花盛りですが、本当に気軽に扱えるのはコチラカモ。できればDC20のように接続キットやメモリーやら沢山つけて女性をターゲットに商品開発して欲しかったな。

ペンタックス EI2000 
ペンタックス(HPとの共同開発)の新一眼レフ。標準価格が\115,000ということで実売は10万円以下で手に入れられる一眼レフのデジカメという位置づけ。オリンパスのC-2500Lが既に生産終了しその後継機、E-10が実売17万円になってしまったことを考えると、現状もっとも庶民に身近な一眼レフのデジカメということになる。スペック的には200万画素3倍ズームということで目立ったものは無いが、このデジカメに採用されているフレームトランスファー型CCDは一般的に使用されているインターライン型よりも高画質が期待できるということ。既に発売しているEI200の印象が悪かっただけに、このモデルでは是非名誉挽回をはかってもらいたいです。高画素化が進む中で別な切り口で高画質を狙う戦略が上手くいっていることを願うばかりです。

キャノン PowerShot G1 
キャノンのデジカメにはコンパクトカメラ仕様のSシリーズさらに小さいIXY-Digita、それに対し本格的一眼D30というのが既にあり、このG1はそのラインアップの間を埋める位置づけになっています。具体的にはオリンパスのC-3000シリーズやニコンのE-990シリーズに対抗する高級モデルです。ということはキャノンの看板モデルということもになります。機能的にも半年前に出されたライバル達を意識して劣る部分は少なく、明るいレンズやノイズ低減機能付きの長時間露光、外部ストロボ用ホットシュー、液晶もフリーアングルと非常に魅力的。唯一気になるのは持ち難さ。慣れないと手を滑らしそうになるかも。(ショップで触わって確認して下さい。)

ミノルタ Dimage2330Z
 普通のカメラに徹した造り。そういう意味において地味ですが、それゆえの安心感を感じます。仕様的にも原色系200万画素3倍ズームと目立ったものはありませんが、コンパクトカメラとして考えた場合には大事な事は撮りたい時にしっかり撮れることが大切。その意味でオート重視は大切です。もちろん必要に応じてマニュアル設定も出来ます。接続キットも同梱されているので、デジカメ初心者も安心して購入できるのでは。ミノルタもデジカメに対しそろそろ本気になってきたのかなと感じさせる一台でしょう。

フジFinePix4500 
MP3が付いた同40iからMP3機能を省いたのが4500.40iが大ヒットしているのはMP3が付いていることだけでは無ったということで、こちらもヒット中です。確かにサイズ、質感、画質、共に良く出来ていますよね。

 その他、マイナーチェンジやスペックアップ版が多いのも今期の特長。デザインの変更無しのモデルチェンジはコストの低減にもなりますし。ある意味でデジカメも発展途上の中ながら熟成期に入ったのかもしれませんね。

 サンヨー:DSC-SX-560 ←DSC550 150万画素単焦点 爆速UP(15枚/秒)

 フジ  :FinePix2500Z←1400Zからの高画素化(200万画素)接続キット同梱:初心者安心 

リコー  :RDC-7S:←RDC-7 情報ツールとしてオススメ。動画、音声、文字モード、マクロ1cm。

 オリンパス:C-3040Z ←C-3030Z 2000シリーズ用に設計されたレンズからスペックアップさらに明るいレンズに。その他、小変更。前モデルに対しても愛の手を。

 オリンパス:C-2040Z ←C-2020Z 3040同様のレンズ変更に加え、原色系CCDに衣替え。オリンパスは凄い数の商品構成ですね。個人的には各クラスで充実した発展が一般的なユーザーにとって幸せかなと考えているので喜ばしいことですが、販売店は新旧入り交じったら商品の把握だけでも大変だろうなと余計な心配をしてしまいます。

2000年秋の陣をまとめようと思っていろいろ考えたのですが、混沌とした20世紀の最後にふさわしく今期は結論無しで締めることにしました。 デジカメの性能は既に一定レベル以上。あとはユーザーが用途に応じてどれを選ぶかということになり、このページで機種を絞るのは意味が無いように思えたからです。 単純に性能を追っていけば、一眼レフなものが値段相当に良くなりますし。一芸に秀でたデジカメも増えてきている中、選択は個人の嗜好による部分が多いということで。(私、個人的にはE-100RSが1番。でも値段が高いので暫くは見送り。次点でC-2100UZ。Finepix4900Z。うーん、やっぱり高倍率ズームが欲しいです。子供の撮影には便利ですよ。運動会とか被写体に近づけない時が多くなるので。)

ここをご覧になって、どうしも迷いが解けず、話し相手が欲しくなったら喫茶室にお寄り下さい。喫茶室のマスターが暇ならば、ビール片手に一緒に悩んでくれるでしょう。(笑)(忙しくて返事が遅れても怒らないでくださいね。)

 

 

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