(「お酒」とたたかった めぐのお父さん)
横田 映代
メッセージ:「読者からのおくりもの」(本誌に寄せる想い) |
ひ と こ と |
私は、著者のお父さん、上山氏から印刷の臭いがする1冊の童話の本をいただきました。すぐに手にとって「涙がくれたおくりもの」を読んだときに、涙が出てきて止まりませんでした。たまたま、診察中だったもので、顔のやり場に困ってしまいました。でも、涙は正直で、仕方がないですよね。私が涙したのは、2つの複雑な気持ちを反映した結果だったのです。1つは、めぐのAC体験に共感したからです。もう1つは、毎晩、まくらをぬらした多くの涙を愛の涙に変えることができ、豊かで新しい人生を歩み始めためぐちゃんの存在を本当にうれしく思ったからです。私にとっても、母に対する自分を内観で調べていたときに「お母さん、ごめんなさい!」と思った感覚とよく似ていたことも関係していたのかもしれません。
「涙がくれたおくりもの」との出会いと感動
それにしても、ACという言葉がマイナス・イメージで一般にとらえられているのですが、著者は「涙がくれたおくりもの」で私たちにそうではないことを示してくれています。著者自身も、多分、実際の体験上でプラスに考えや行動を変えることができたときに喜びを感じ、それをこの童話を読んだACの人たちに伝えたかったのでしょうし、ACイコールがマイナスではなくてプラスイメージもあるんだよということを目の前に示したかったのかもしれません。ACをバネにたくましく生きているという見本があるということは、本当にうれしいことです。
「涙がくれたおくりもの」が伝えたかったこと
最近のACブームは目を見張るもので、本屋のコーナーができるのではいう流行ぶりです。そんな中で、ACのマイナス面ばかりに焦点をあてるのにネタがつきたのか、プラス面にも目を向けるようになってきている。ACは、根気があって、忍耐強く、人間関係にとても繊細さを持ち合わせているとも言われています。ビル・クリントンは自分がACであると言っていますが、その彼がアメリカのある月刊誌のインタビューのなかで、ACのサバイバル・スキルは、私にとっての財産であり、母の遺したかけがえのない遺産だと述べています。私は、著者やクリントン大統領のように、ACをプラスに転化することが必要なのでしょうし、それは可能だと最近益々強く思っています。
ACだってまんざら悪くない
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